独特な観光名所
広西では石灰岩の分布が全自治区面積の約50%を占めている。区内には奇峰が林立し、水が清く、鍾乳洞、怪石が多く、風光明媚である。桂林、陽朔の附近のカルスト地形からなる景観が最も有名で、石山が点在し、川水が澄みきり、山々に洞窟があり、どの洞窟も奇異で、全国の観光重点地区の一つとなっている。北海は広西の新興観光都市で、内外に有名な北海銀灘は砂が白く、浜が平らで水がきれい、その上波が小さいという特徴をもち、天然の海水浴場となっている。凭祥、東興などの都市は神秘的で独特な国境風情で有名である。全区に風景名勝区が400ヶ所あり、桂林、南寧、柳州、広西東南部と濱海の5つの観光区がある。国家レベルの風景名勝区には桂林の漓江、桂平の西山、寧明の花山がある。国家レベルの観光リゾート区には桂林の桃花江、防城の江山島、霊川の清獅潭、竜勝の温泉、玉林の仏子山、桂平の西山、合浦の星島湖、茘浦の豊魚岩などがある。 広西には多くの少数民族が住んでおり、民族的風情が濃く、内外の観光客を引き付けている。広西の少数民族の中で、チワン族の歌、ヤオ族の踊り、ミャオ族の祭り、トン族の楼と橋は、民族風情観光の「四絶」と言われている。
チワン族の歌
チワン族は歌と踊りがうまいことでよく知られ、広西チワン自治区は「歌の海」といわれている。チワン族は歌で自分たちの生活と労働を表現し、思想と感情を表すことに長じている。若い男女の恋にはラブソングがあり、結婚には嫁入りを惜しむ歌があり、葬儀には死を悼む歌があり、知恵を比べるには問答の歌があり、賓客を招宴するには酒を勧める歌と節気歌があり、神様を祭って雨を求めるには祈祷歌があり、子供用にはわらべ歌や童謡がある。春と秋になると、若い男女が晴れ着をまとり、特定の場所に集まって、歌を一問一答式に歌う。こうした歌会は「歌の市」といわれ、「歌祭り」ともいわれている。 ヤオ族の踊り
広西チワン族自治区金秀ヤオ族自治県には古い文化と風俗習慣を保っているヤオ族が住んでいる。彼らの歌と踊りは民族色に富み、そのリズム、歌詞、服装、踊りの姿、道具などはいずれも独自の特色をもっている。踊りは長鼓舞、捉亀舞、黄泥鼓舞、盤古兵舞、八仙舞、師公舞などが最も流行している。毎年の旧暦10月16日、7月7日、6月6日などのヤオ族の祭りになると、さまざまなヤオ族の踊りが見られる。 ミャオ族の祭り
広西チワン族自治区融水ミャオ族自治県では、毎年ミャオ年祭(ミャオ族の正月)、蘆笙祭、拉鼓祭、芒歌祭、新禾祭、斗馬祭など多くの祭りがある。祭りになると、ミャオ族の村で美しい蘆笙曲を聞き、みやびやかな蘆笙舞を見ることができる。ミャオ族の村を訪れると、「客好き」のミャオ族が「道を遮る歌」を歌って、酒を勧めてくれたり、太鼓をたたき、色とりどりの絹ひもをかけ、絵の描いてある卵の殻をかけてくれたりする。
トン族の楼
柳州附近にある三江トン族自治県の「トン楼」は中国でも有名な木造建築である。「楼」はトン族の代名詞となっている。その実、トン族の楼は広義では住民の鼓楼、風雨橋、亭、村の門、井戸亭などの木造建物が含まれる。こうしたほぞ構造建築芸術は長い歴史を持ち、自ら一つの体系をなしている。どの橋、どの楼、どの亭もトン族の村の目立った象徴となっており、その建築技術はたいへんすぐれている。近年、トン族の建築芸術展が北京さらに全中国でセンセーションを巻き起こした。人々は、トン族の「楼」芸術は凝固した詩、立体化した絵であると賞賛している。
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