2013年 ノラクロ(猫)騒動記


~野良猫社会の長老(族長)のすごさを知った~


登場猫

"デカ"
黒猫的部分の無い大部分白い巨大な年寄り猫で,地域の野良猫社会の長老・族長と思われる。

"シッポ短"の"オトウサン"と"シッポ長"の"オカアサン"
大きさの余り違わない全身真っ黒な若い猫。前者は相当に頭が悪くてなつかず,後者は人なつこく頭もかなり良い

"チビ"とその"オニイサン"と"オネエサン"
上記両者の子供たちで全身真っ黒な子猫。"オニイサン"は父親似,メスの"チビ"と"オネエサン"は母親似。

"保護猫"





可愛がっていた半野良猫が6年前に死んでしまって以降,庭にノラ猫が現れることもほとんど無くなっていたが,・・・・・


今年の夏の暑いさなか,時々,ちょっとブチの入ったバカデカイ年寄り白猫(以後"デカ"と呼ぶ)が,我が家の周りを鳴き声をあげ続けながら徘徊するのを見かけるようになった。そのうち,"デカ"に先導されるように,まだ子猫のようながらお腹の大きい真っ黒なメス猫が登場,あまり人をこわがらずに寄ってきて,エサをやってみると直ぐに食べた。"デカ"自身は食べずに立ち去ったのを見ても,まさに先導するために来たようだ。

続いて,やはり真っ黒でやや大きいもののシッポの短い猫が登場,見かけ上姉妹のように見えたため,とりあえず"シッポ短"と呼び,それに対して前の猫を"シッポ長"と呼ぶ。"シッポ短"は,"デカ"を怖がっている一方,"デカ"に付いて歩きながら道路を横断したりするなど,教育されているように見え,やがてオス猫とわかるが,あまり頭も良くないようで,人に敵意を見せるようなところもあってエサもやらずにいた。

"シッポ短"が登場して以降,メス猫"シッポ長"はしばらく登場しなくなったが,どうしても食べなければならないためか,"デカ"の先導を受けて登場,以後,頻繁に現れ,なついてきて頭の良さも示すようになるが,やがて"デカ"の先導も無く登場するようになると,"シッポ短"が現れ,エサを横取りしてしまうようになる。追っ払うようにして何とか"シッポ長"が食べられるようにしていると,しばらくして"デカ"が登場,窓ガラス越しにこちらに向かって(もちろん猫語で)「なぜ"シッポ短"にエサをやらないのだ」と厳しく言ったため,従わざるを得ず,"シッポ短"にもエサをやることにした。しかし,"シッポ長"の分まで全て食べてしまおうとするのでほとほと困っていると,"デカ"が登場,二匹の後ろから一声発するや,"シッポ短"はパッと逃げ出し,"シッポ長"が落ち着いて食べられるようになり,"デカ"自身は食べずに静かに立ち去った。以後,何度か繰り返すうち,"シッポ短""シッポ長"の食事が終わるのを待つまでに躾けられてしまい,最近の人間たちに見習ってもらいたいその凄さに脱帽。いよいよ"デカ"はただ者ではないと感じ始めるうち,"シッポ短"のお腹はますます大きくなり,エサも頻繁かつ良く食べるようになって行く。

この間,我が家では水漏れが判明したため,庭で水道工事をすることになったが,工事中"デカ"は平気で近くを歩き回り,工事が終わるやその場所を点検,問題ないと確信すると,メス猫"シッポ長"に「大丈夫だ」と教えてやったらしく,再び"シッポ長"が登場してエサを食べ,続いて"シッポ短"も現れる。

秋に入ったある日,"シッポ長"のお腹が一気に小さくなっており,間違いなく子猫が生まれたのだろうと思われ,その後は授乳のためか,より頻繁に登場し,短い時間で食べては急いで戻って行くようになる。"デカ"はほとんど現れなくなったことから,"シッポ長"の子供たちを守り面倒を見ていたと考えられる。さらに,冒頭に述べたように"デカ"が鳴き声をあげ続けながら徘徊していたのは,猫好きでエサを出してくれそうな家を探していたのではないかということに思い至る。

この間のある日,玄関を出ようとドアを開けたところに,今まで見たことの無い若い茶色ぽい猫がおり,当方を全く怖れる風も無く,その後庭に回ってエサを食べたが,以後は全く現れなくなったことから,この猫も"デカ"の差配のもとにあるのは間違いない。

冬が近づいたある日,ついに"シッポ長"が子猫三匹を連れて来た。おそらく冬を越すためにはこの家にエサの面倒を見て貰うしかないという"デカ"の指示であろう。そして子猫は三匹とも真っ黒だったことから,"シッポ短"が父親であったことは確実で,以後,"シッポ短""オトウサン""シッポ長""オカアサン"と呼ぶ。さらに"デカ"の色合いの遺伝が全く発現していないことからも,"デカ"は血縁を超えた存在で,まさに地域のノラ猫たちの族長・長老であって,鳴き続けながら歩き回っているのはパトロールそのものであると合点した次第である。

さて,子猫は同時に生まれたはずであるが,すでに身体の大きさにも差が出ており,後にオスと判明する最も元気で大きくなっているもの,次にこのオスと仲良く遊び周り後にメスと判明するもの,両者は"オカアサン"にも非常によく面倒を見られているのに対し,発育不良で最も小さい後にメスと判明する子猫(まさに"チビ")は,"オカアサン"も育てきれないと断念したのか放棄され,兄弟からも無視されて,ほとんど寝てばかりで,たまにエサを食べるくらいなので,衰弱して死んでしまわないかと以前から知っていた動物病院に連れて行って薬や栄養をつけて貰ったところ,以後どんどん食べるようになる。ついに"デカ"から"チビ"まで六匹揃ったこともあったが,"オカアサン"が自ら考えたのか,"デカ"から「この家なら大丈夫」と言われたのか,"チビ"を我が家に里子に出すかのごとくに振舞ったので,結局"チビ"を家の中に入れ
てやると,エサをくれる人間にあたかも母親のごとくになついて直ぐに飼い猫へと変身して行く。同時に生まれたと分かってはいるものの,"チビ"に対して,以後,元気なオスの子猫を"オニイサン",もう一匹のメスの子猫を"オネエサン"と呼ぶ。

その後,頭の良い"オカアサン""デカ"と我が家に感謝している様が見て取れる一方,頭の悪そうな"オトウサン"は早くも次の子をとばかり,産後まもなくそれどころではない"オカアサン"がいやがるのもかまわず,交尾を試みるようになるが,ここでもどこからか"デカ"が現れて一声発するや,スゴスゴと逃げ去り,近くに"デカ"がいなくて困った時には,"オカアサン"が告げ口に行くらしく,まもなく"デカ"が現れて決着,この一族への差配の凄さには感嘆するばかりである。

以上はまだ導入部のようなもので,騒動はここから始まる。日ごろノラ猫が社会問題となっていて,街中からどんどんノラ猫が減っていっていることに心を痛めていることもあって,"オカアサン"には避妊手術,"オトウサン"には去勢手術をと思い,前述の病院と相談したところ,もともと広域で高級な?飼い犬・飼い猫対象にしているらしくかなりの高額を提示されてしまい,藁をもすがるつもりで,かつて「ノラ猫にエサをやるな」ばかりを広報していて信用ならないと思っていた地元の市役所に電話してみたところ,市長が交替していたこともあってか,ボランティア団体「地域猫の会」なるものを紹介され,そこの事務局長らしい人と話ができるようになり,この会の趣旨に賛同してノラ猫対象に安く手術してくれる動物病院も紹介される。

いよいよ病院に連れて行く前日に捕獲しようとしたところ,"オカアサン"は実に素直にカゴに入れられたのに対し,"オトウサン"は家の中まで入れたものの,抑えきれないほど力も強く暴れ,家中を凄い速さで逃げ周ったため,ソファの下に潜り込んだ一瞬を逃さず,まわりを色々なもので塞ぎ,一か所だけカゴに繋がるようにした状態で一夜を過ごし,翌朝ちょっとした工夫をしてカゴに追い込むことに成功,ほっとして,別室に置いてあった"オカアサン"のカゴを見てみると,なんと堅いプラスチックの扉が破られて,猫は外に。それでも,"オトウサン"よりはずっと大人しく何とか捕まえてカゴに入れた後,部屋を確認するとオシッコをした跡があり,合点が行く。そもそも猫はトイレを我慢することができ,かつ身の周りはキレイにするという点ですごく進化した動物なのだが,"オカアサン"はどうしても我慢できなくなり,さりとてカゴの中で漏らすわけにもゆかず,渾身の力を振り絞り,頭突きで扉を破ったのだろう。やはり女は強いと感じ入る次第であった。

手術は無事に済んで病院に引取りに行き我が家まで戻って来る際,"オトウサン"はカゴの中で鳴き続け放し,我が家に着いてカゴの扉を開けてやると,逃げ去る以前にまずオシッコ,つまり騒いでいたのはトイレのためで,頭の悪そうな"オトウサン"でもキチンと我慢できるのだとまたまた感じ入った次第。そして,"オカアサン"とともに振り返り振り返りどこにあるのか本拠地の方に消えて行った。その後,両者とも再びエサを食べに来るようになり,始めの1,2回は"チビ"の声が聞こえると"オカアサン"も緊張の鳴き声を上げたものの,あとはすっかり忘れ去って自分のことに精一杯。今では"オカアサン"が寝たり食べたりしているところに,好奇心一杯の"チビ"が顔を出すような状況になると,自分の子なのに吹いて遠ざける始末。去勢された"オトウサン"とはまさに兄弟のような関係になり,幸せそうに見える。"オトウサン"が時々,我が家の中にいる"チビ"を見かけると,それが不思議らしく,窓ガラス越しにじっと対面し続けるているのがなんともおかしい。

"チビ"は頭の良さは一番らしく,元気になってからは木登りなどで"オニイサン""オネエサン"に手本を見せるほどであったが,家猫になるや,好奇心のかたまりのようにどんどん悪さをしてハシャギ回るようになる一方,夜はオリ(ケージ)の中に素直に入ってぐっすりと寝るようになる。

そうこうするうち,今度は「地域猫の会」から"オニイサン""オネエサン"を公園での(里親探しの)譲渡会に出すように言われ,それに向けて人間に慣れさせるため,家の中にオリ(ケージ)二つを置いて収容,それぞれの面倒を見るつまり"保護猫" とするうち,"オネエサン""オカアサン"の方を継いで頭が良いらしくどんどん対応するようになるのに対し,"オニイサン"の方は"オトウサン"の方を継いで頭が悪く抵抗し続け,全くの母親っ子で外から"オカアサン"の鳴き声が聞こえるともう自分を見失って鳴き続ける一方,"オネエサン"のマネばかりするうち,格好ばかりは人間に慣れて来,最後は二匹を一緒にしてやって心休めて当日を迎える。細かいことは省くが,幸運を呼ぶという黒猫の人気は高く,めでたく二匹一緒に中国人の新婚さんに引き取られることになり,子猫の保護者として無事に飼われていることも確認し,やれやれということになる。

ところが,またまた「地域猫の会」から,生まれてすぐに虐められたりしたためか,人間を見れば吹くというような二匹の兄弟の子猫を,将来のため少しでも慣れさせて欲しい,つまり"保護猫" として欲しいと言われ,二匹を一緒にしていては人間になつくに至らないと,再びオリ(ケージ)二つに収容,するとこの二匹はともにオスながら,"オニイサン""オネエサン"の関係にそっくりで,一方はだんだん慣れて来て遊びもするようになってきたのに対し,もう一方はいつまでも吹き続けながらも,前者のマネばかりするうち格好だけは慣れて来たように見え始め,やがてゆっくりと二匹の面倒を見れる別の引き取り手が現れて,ようやく一連の騒動も終りに至った次第である。

"デカ"はノラ猫社会でまた別の用事ができたためか,登場する頻度が著しく少なくなっていたが,冬の寒さが増すに連れ,我が家の庭への出入り口前の食住完備の居心地の良さを感じ始めたのか,だんだんそこで寝ていることが多くなってきた。

とりあえず11月の段階ではここまでだが,以後もどんなことが起きるやら・・・・。



後日談2014

"デカ"が声を挙げながら巡回していたのは,顔を出して声もかけてくれれば,本当に猫好きの家,追っ払おうとすれば,本当に猫嫌いの家ということが分かるからだったと思われる。とくに,お腹に子供ができた"オカアサン"の,出産後のお乳の出のための栄養補給,さらには子猫たちが大きくなってきた時の餌の確保など,条件にかなう家を探していたのだろう。

年が明けると,だんだん"デカ"の老化が目立つようになり,一家の安泰を見届けて安心したのか,春になって,ついに我が家の前でこと切れてしまった。本当に最後の大仕事だったのだと感じ入った次第である。そして,何とも驚いたことに,"デカ"を埋葬した直後,"デカ"そっくりの若い猫が登場したのである。早速"デカジュニア"と名付けたのであるが,"デカ"は自分の死ぬことを"デカジュニア"に伝えていたとしか思えない。"デカジュニア"はすぐに消えてしまい,どうしたのかと思っている頃に再び登場,その後もかなりの間隔をおいて登場し,"オトウサン""オカアサン"用に出してあった餌をお義理程度に口にして直ぐに立ち去る様は,まるで"デカ"の後継ぎとしてパトロールしているとしか思えない。"デカ"はきちんと自らの子供たちの教育をしていのだと,ますます感じ入ってしまう。そして,窓ガラス越しに"デカジュニア"と対面する"チビ"はこわがるどころか,親しみすら感じているようで,一族の記憶もどこかで刷りこまれているのだろう。

ある時,"オカアサン"の尻尾の様子がおかしいことに気づき,しばらく様子を見ていたところ,尻尾を動かすこともできずに負担になっているようなので,猫の病院に連れていったところ,車の下に挟まれたのか,ちょん切れそうになっており,壊死状態ということで,直ちに切断,その後,我が家のケージの中で1カ月ほど療養,その間,外では"オトウサン"が哀れな声で"オカアサン"を探している声が聞こえていたが,回復したので,"オカアサン"を再び外に出してやったら,"オトウサン"はまさに抱きつくような歓迎ぶり。"シッポ短"になってしまった"オカアサン"が,外形的にもそっくりさんになったのが何ともオカシイ。

その"オカアサン"が夏の最中に,突然姿を見せなくなってしまい,いずれ現れるのではないかと思っていても1カ月も過ぎて,ついに諦めることに。その後,近所の知人から教えられて分かったことであるが,7月16日に車に轢かれて死亡したらしい。その現実には言葉を失うばかりである。

"オトウサン"は,昨年我が家に現れる前から,隣の家でもエサを貰っていたことが分かり,どうも,"オカアサン"が我が家で餌を貰っているのを見て,こっちでも食べようということになったらしい。"オカアサン"が現れなくなった後,確かに探しているような感じではあったが,いつのまにか忘れてしまったのか,その後も隣で餌を貰っているのに,毎日のように啼きながらの同じパターンで餌をねだりに来て,その都度,ガラス越しに"チビ"と対面,ほって置くと,"チビ"が我々に対して"オトウサン"に餌をやるように,(実は,自分の食べ残した餌が主体なのであるが)命令して来るのである。

さて"チビ"であるが,始めはやりたい放題だったのが,どんどん我が家の生活に対応してきて,時間のパターンも自ら合わせるように成長,家族の一員になるということを,身をもって証明している。もちろん,時々はかまって欲しいと泣きわめくこともあるが。

並行して,「地域猫の会」からは,引取って保護していた"保護猫" が無事里親に譲渡できると,すぐに,次の子猫を預かることになり,我が家の一室はまさに猫部屋になってしまっているが,"チビ"も始めは何だろうと興味津々,こわごわ覗いたり,隙をみてはその部屋に入ろうとしたりし,次は"保護猫" ばかりかまっていて,自分は放って置かれるとスネたりして,大変なこともあったが,今や,それも環境のうちと割り切ってしまったようである。

"保護猫" も10匹になって,サバ,サビ,茶トラ,キジ,クロなど,登場する様々な猫を観察していると,どうも猫の性格は,これらの呼び方に表される毛並みと一体で遺伝するらしく,元気に跳ねまわる猫から,静かにじっと見ている猫まで,それぞれかなり異なる個性的なものでもあることが分かって来る。実際,黒猫はオットリしているといわれるが,全くその通りで,前にいたサバ猫とはまったく違うと,つくづく感じる次第である。

ある時,"オトウサン"の餌場からネズミが逃走するのを見かけたので,良く観察すると,複数のネズミが"オトウサン"の餌を狙っているようであったが,またある時,出くわした"オトウサン"がネズミを捕まえて殺してしまって以降,ネズミの姿はぱったりと見えなくなった。

その一方,各地で出没が報告され,ノラ猫との住み分けが問題になってきているハクビシンが,なんと我が家にも現れ,平気で"オトウサン"の餌の残りを食べているではないか。その後の登場はマレで,またハクビシンの方で猫とは出くわさないようにしているようだ。また,"デカジュニア"に出くわした"オトウサン"はケンカをしかけてみるものの,簡単に威嚇されてしまったらしく,以後,"デカジュニア"と出くわさないように行動するようになった。

本来,野鳥は猫の姿を見ると逃げてしまい,またその近くには現れないようになるのであるが,人間の近くで生活するように進化してきたヒヨドリだけは違うらしく,"オトウサン"が餌を食べる様子を樹上から眺め,彼がいなくなった途端にノコリをついばむべく舞い降りて来るも,空になってしまっていることが多いことから,ヒヨドリのために少し離れた場所に餌を置いてやるようにしたところ,"オトウサン"がいる時はさすがに舞い降りてこないものの,いなければゆっくりとついばみ,こちらが忘れていれば,例の大きな声で催促するほどになってしまった。ヒヨドリが現れると,本能をくすぐられるのか,"チビ"は夢中になって騒ぐものの,ガラス越しであることが分かっているヒヨドリは全く動じないでいるのも面白い。


さらなる後日談

こんな状態が3年も続いた2017年の春,"オトウサン"が世話になっていた隣人が突然亡くなってしまい,いよいよ我が家に定着するようになってしまった。それもつかの間,夏のある日,"オトウサン"がうずくまって悲しげな声を出し,"チビ"も心配そうに眺めているので,近づいて観察してみたところ,大けがをしていることが分かった。どうしようかと思っているうちに,苦労しながら歩き去って行き,その後二度と現れなくなってしまった。オス猫は自ら死ぬところを見せないといわれるから,おそらくそのまま死んだのだろう。あまり頭の良くない"オトウサン"ですら,我が家に最期の挨拶に来たのだと分かり,猫が,人間との関係を築くように進化してきたのだということ,人間社会の方はかなりダメになってしまっていることを改めて思い知らされた次第である。

そして,"オトウサン"が消えたのと入れ換わるように,またまた"デカ"そっくりの若い猫が登場,"デカ"の孫くらいに当たると勝手に決めて,"デカ三世"と名付けた。明らかに"オトウサン"よりは強そうな猫なので,彼が存命中は,我が家を彼の食事場として譲っていたが,亡くなった以上,自らの食事場として良いと思ってきたのだろう。やはり"デカ"一族として,(今や随分少なくなってしまったが)地域のノラ猫社会を差配していると思い,さらに感じ入っている今日この頃である。。

岩合光昭の「世界ネコ歩き」で見られるように,
イエ猫でもノラ猫でもなく,マチ猫の社会
の実現を夢見つつ・・・・


写真集おまけのオマケ「東京のマチ猫」へ


「もの」から見た「場所」:ゾーンレベル




・・・1山手ゾーン,
・・・2下町ゾーン,
・・・3城北ゾーン
・・・4城南ゾーン,
・・・5北多摩ゾーン,
・・・6多摩川ゾーン
・・・7湾岸ゾーン,
・・・8葛飾ゾーン,
・・・9足立ゾーン




もの全体(系別)

1地形系,2寺社系,3インフラ系
4地区系,5公園系,6緑網系
7施設系,8住居系,9レトロ系



1自然系(類別)

1大川土手河原類,2用水掘割堤防類,3船溜波止場類
4崖面樹林類,5屋敷林農家類,6農園類



2寺社系(類別)

1特定大寺院,2園林寺院,3ユニーク寺院
4寺院群地区,5中小寺院,6斎場墓苑類
7樹林神社,8ユニーク神社,9中小神社
10併設寺社,11新興宗教施設類,12外来宗教教会類



3インフラ系(類別)

1高速道路類,2幹線道路類,3並木道路類
4パークウェイ類,5橋まわり類,6特定交差部類
7鉄道施設類,8産業団地類,9サポート施設類



4地区系(類別)

1除外背景地区類,2特定界隈街区類,3複合開発地区類



5公園系(類別)

1谷丘林池公園類,2堤原草池公園類,3海浜公園緑道類
4大型緑苑公園類,5帯状緑苑公園類,6庭園屋敷跡類
7ユニーク公園類,8緩衝公園緑道類,9中小公園類
10緑苑プロムナード類,11親水プロムナード類,12河岸プロムナード類



6緑網系(類別)

1緑苑道路類,2緑苑歩道類,3緑苑路地類
4急坂階段路類,5商店街門前町類,6駅まわり類
7まちかどスポット類,8利便スポット類,9こども施設類



7施設系(類別)

1学園施設類,2文化コミュニティ施設類,3スポーツレジャー施設類
4医療福祉環境施設類,5国内外交流施設類,6ユニークビル店舗類
7量販店車対応施設類,8高層モダンビル類,9産業施設類



8住居系(類別)

1ユニーク住宅類,2邸宅会館類,3タウンハウス類
4マンション類,5緑の外縁類,6緑苑住宅地
7戸建団地アパート類,8低層レトロ団地類,9高層モダン団地類




9レトロ系(類別)

1レトロ施設類,2荒廃建物類,3ツタ覆い建物




「場所」から見た「もの」:系レベル


場所全体(ゾーン別)

1山手ゾーン,2下町ゾーン,3城北ゾーン
4城南ゾーン,5北多摩ゾーン,6多摩川ゾーン
7湾岸ゾーン,8葛飾ゾーン,9足立ゾーン

各ゾーンの1~9はそれぞれものの系番号



1山手ゾーン

1新橋エリア,2高輪エリア,3六本木エリア
4恵比寿エリア,5神宮エリア,6市谷エリア
7新宿エリア,8目白エリア,9小石川エリア
10御茶ノ水エリア,11谷根千エリア,12巣鴨エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



2下町ゾーン

1築地エリア,2浅草エリア,3錦糸町エリア
4門前仲町エリア,5砂町エリア,6旧中川エリア
7向島エリア,8千住エリア,9尾久エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



3城北ゾーン

1王子北エリア,2石神井川エリア,3赤羽西エリア
4浮間エリア,5高島平エリア,6赤塚エリア
7常盤台エリア,8向原エリア,9氷川台エリア
10光が丘エリア,11鷺宮エリア,12中野北エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



4城南ゾーン

1中野南エリア,2善福寺川エリア,3神田川エリア
4経堂エリア,5下北沢エリア,6桜新町エリア
7下馬エリア,8駒沢エリア,9自由が丘エリア
10小山エリア,11西大井エリア,12西馬込エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



5北多摩ゾーン

1大泉北エリア,2大泉南エリア,3石神井エリア
4西荻窪エリア,5烏山エリア,6成城エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



6多摩川ゾーン

1二子玉川エリア,2田園調布エリア,3矢口エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



7湾岸ゾーン

1六郷エリア,2大森エリア,3東大井エリア
4港南エリア,5臨海副都心エリア,6夢の島エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



8葛飾ゾーン

1葛西エリア,2新中川エリア,3篠崎エリア
4小岩エリア,5新小岩エリア,6お花茶屋エリア
7柴又エリア,8水元エリア,9綾瀬エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号



9足立ゾーン

1花畑エリア,2荒川北エリア,3舎人エリア

各エリアの1~9はそれぞれものの系番号




類のレベルから見たエリアの特徴


ゾーンエリア基本図





1山手ゾーン
1新橋エリア,2高輪エリア,3六本木エリア,4恵比寿エリア,5神宮エリア,6市谷エリア,7新宿エリア,8目白エリア,9小石川エリア,10御茶ノ水エリア,11谷根千エリア,12巣鴨エリア

2下町ゾーン
1築地エリア,2浅草エリア,3錦糸町エリア,4門前仲町エリア,5砂町エリア,6旧中川エリア,7向島エリア,8千住エリア,9尾久エリア

3城北ゾーン
1王子北エリア,2石神井川エリア,3赤羽西エリア,4浮間エリア,5高島平エリア,6赤塚エリア,7常盤台エリア,8向原エリア,9氷川台エリア,10光が丘エリア,11鷺宮エリア,12中野北エリア

4城南ゾーン
1中野南エリア,2善福寺川エリア,3神田川エリア,4経堂エリア,5下北沢エリア,6桜新町エリア,7下馬エリア,8駒沢エリア,9自由が丘エリア,10小山エリア,11西大井エリア,12西馬込エリア

5北多摩ゾーン
1大泉北エリア,2大泉南エリア,3石神井エリア,4西荻窪エリア,5烏山エリア,6成城エリア

6多摩川ゾーン
1二子玉川エリア,2田園調布エリア,3矢口エリア

7湾岸ゾーン
1六郷エリア,2大森エリア,3東大井エリア,4港南エリア,5臨海副都心エリア,6夢の島エリア

8葛飾ゾーン
1葛西エリア,2新中川エリア,3篠崎エリア,4小岩エリア,5新小岩エリア,6お花茶屋エリア,7柴又エリア,8水元エリア,9綾瀬エリア

9足立ゾーン
1花畑エリア,2荒川北エリア,3舎人エリア


1自然系

1-01大川土手河原類





1-02用水掘割堤防類




1-03船溜波止場類




1-04崖面樹林類




1-05屋敷林農家類




1-06農園類




2寺社系

2-01特定大寺院




2-02園林寺院




2-03ユニーク寺院




2-04寺院群地区




2-05中小寺院




2-06斎場墓苑類




2-07樹林神社




2-08ユニーク神社




2-09中小神社




2-10併設寺社




2-11新興宗教施設類




2-12外来宗教教会類




3インフラ系

3-01高速道路類




3-02幹線道路類




3-03並木道路類




3-04パークウェイ類




3-05橋まわり類




3-06特定交差部類




3-07鉄道施設類




3-08産業団地類




3-09サポート施設類




4地区系

4-01除外背景地区類




4-02特定界隈街区類




4-03複合開発地区類




5公園系

5-01谷丘林池公園類




5-02堤原草池公園類




5-03海浜公園緑道類




5-04大型緑苑公園類




5-05帯状緑苑公園類




5-06庭園屋敷跡類




5-07ユニーク公園類




5-08緩衝公園緑道類




5-09中小公園類




5-10緑苑プロムナード類




5-11親水プロムナード類




5-12河岸プロムナード類




6緑網系

6-01緑苑道路類




6-02緑苑歩道類




6-03緑苑路地類




6-04急坂階段路類




6-05商店街門前町類




6-06駅まわり類



6-07まちかどスポット類




6-08利便スポット類




6-09こども施設類




7施設系

7-01学園施設類




7-02文化コミュニティ施設類




7-03スポーツレジャー施設類




7-04医療福祉環境施設類




7-05国内外交流施設類




7-06ユニークビル店舗類




7-07量販店車対応施設類




7-08高層モダンビル類




7-09産業施設類




8住居系

8-01ユニーク住宅類




8-02邸宅会館類




8-03タウンハウス類




8-04マンション類




8-05緑の外縁類




8-06緑苑住宅地




8-07戸建団地アパート類




8-08低層レトロ団地類




8-09高層モダン団地類




9レトロ系

9-01レトロ施設類




9-02荒廃建物類




9-03ツタ覆い建物






エリアのレベルからみた類の特徴


系類基本表



1自然系
1大川土手河原類,2用水掘割堤防類,3船溜波止場類,4崖面樹林類,5屋敷林農家類,6農園類

2寺社系
1特定大寺院,2園林寺院,3ユニーク寺院,4寺院群地区,5中小寺院,6斎場墓苑類,7樹林神社,8ユニーク神社,9中小神社,10併設寺社,11新興宗教施設類,12外来宗教教会類

3インフラ系
1高速道路類,2幹線道路類,3並木道路類,4パークウェイ類,5橋まわり類,6特定交差部類,7鉄道施設類,8産業団地類,9サポート施設類

4地区系
1除外背景地区類,2特定界隈街区類,3複合開発地区類

5公園系
1谷丘林池公園類,2堤原草池公園類,3海浜公園緑道類,4大型緑苑公園類,5帯状緑苑公園類,6庭園屋敷跡類,7ユニーク公園類,8緩衝公園緑道類,9中小公園類,10緑苑プロムナード類,11親水プロムナード類,12河岸プロムナード類

6緑網系
1緑苑道路類,2緑苑歩道類,3緑苑路地類,4急坂階段路類,5商店街門前町類,6駅まわり類,7まちかどスポット類,8利便スポット類,9こども施設類

7施設系
1学園施設類,2文化コミュニティ施設類,3スポーツレジャー施設類,4医療福祉環境施設類,5国内外交流施設類,6ユニークビル店舗類,7量販店車対応施設類,8高層モダンビル類,9産業施設類

8住居系
1ユニーク住宅類,2邸宅会館類,3タウンハウス類,4マンション類,5緑の外縁類,6緑苑住宅地,7戸建団地アパート類,8低層レトロ団地類,9高層モダン団地類

9レトロ系
1レトロ施設類,2荒廃建物類,3ツタ覆い建物


1山手ゾーン

1-01新橋エリア




1-02高輪エリア



1-03六本木エリア




1-04恵比寿エリア




1-05神宮エリア




1-06市谷エリア




1-07新宿エリア




1-08目白エリア




1-09小石川エリア




1-10御茶ノ水エリア




1-11谷根千エリア




1-12巣鴨エリア




2下町ゾーン

2-01築地エリア




2-02浅草エリア




2-03錦糸町エリア




2-04門前仲町エリア




2-05砂町エリア




2-06旧中川エリア




2-07向島エリア




2-08千住エリア




2-09尾久エリア




3城北ゾーン

3-01王子北エリア




3-02石神井川エリア




3-03赤羽西エリア




3-04浮間エリア




3-05高島平エリア




3-06赤塚エリア




3-07常盤台エリア




3-08向原エリア




3-09氷川台エリア




3-10光が丘エリア




3-11鷺宮エリア




3-12中野北エリア




4城南ゾーン

4-01中野南エリア




4-02善福寺川エリア




4-03神田川エリア




4-04経堂エリア




4-05下北沢エリア




4-06桜新町エリア




4-07下馬エリア




4-08駒沢エリア




4-09自由が丘エリア




4-10小山エリア




4-11西大井エリア




4-12西馬込エリア




5北多摩ゾーン

5-01大泉北エリア




5-02大泉南エリア




5-03石神井エリア




5-04西荻窪エリア




5-05烏山エリア




5-06成城エリア




6多摩川ゾーン

6-01二子玉川エリア




6-02田園調布エリア




6-03矢口エリア




7湾岸ゾーン

7-01六郷エリア




7-02大森エリア




7-03東大井エリア




7-04港南エリア




7-05臨海副都心エリア




7-06夢の島エリア




8葛飾ゾーン

8-01葛西エリア




8-02新中川エリア




8-03篠崎エリア




8-04小岩エリア




8-05新小岩エリア




8-06お花茶屋エリア




8-07柴又エリア




8-08水元エリア




8-09綾瀬エリア




9足立ゾーン

9-01花畑エリア




9-02荒川北エリア




9-03舎人エリア







1:「景語」蒐集ついでに撮影したオマケ写真集


写真撮影しながらも,定着した「景語」にはならないもののの,その場に特別な彩を添えているもの=人間や車一般ほか空間を動き回るものや動植物や仮設など一時的なもののほか,背景になる天空や遠景などをついつい撮影しましたので,オマケとして,以下のように分類し,ピックアップしたものを示します。

おまけのオマケ「東京のマチ猫」へ

(1)天空系


1)雲:虹なども

   
 
 


2)飛体:飛んだり浮かんだりして天空を彩る(飛行機や鯉のぼり)

   


3)その他:シルエットや遠景・夜景や梢

   
 
 


(2)植物系


1)花

   


2)その他

   


(3)動物系


1)猫

   
 
 


おまけのオマケ:東京のマチ猫⇒コラム「ノラクロ猫騒動記」
クリックすると少し大きな写真が見られます。



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2)鳥類

   


3)その他

       
       


(4)構内系


1)駅:

   


2)透明施設:温室など

   


3)その他:

   


(5)仮設系


1)空地:空閑地・跡地など

   


2)工事中:各種建設再開発・仮設小屋・仮囲・道路拡幅など

   
   
   
 



3)一時利用:住宅展示・レンタル倉庫・駐車場・マンションギャラリー・資材置場・工事用車両など

   


(6)活動系


1)祭りイベント:花見・フリーマーケット・運動会・歩行者天国も(人が密集するもの)

 
 


2)看板標識・落書絵画:アピールやミニ装置も

 
 



3)ホームレス:

 
 


4)面白クルマ:消防車や屋台も(電車や船など日常的乗物は取り上げない)

 
 


5)その他:

 



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2:もの編と場所編とのマトリクス分析



(1)"もの"側から見た"場所"と,"場所"側から見た"もの"の,それぞれの概況


「景語」はそれぞれの個数ではなく。撮影された写真枚数で,その多少がそれぞれの「景語」の存在の大きさを示すと考えます。


1)"もの"側から見た"場所"(ゾーンレベル)


もの(景語)について,系のスケールで見てみると,サブ類型抜きでは,多い順に,

8住居系= 19.83%(園林都市東京のベースとなるものなので当然)
5公園系= 16.28%(園林都市東京を保証する核になるもの)
7施設系= 15.51%(住居系の人たちが利用するものとして当然)
6緑網系= 15.32%(園林都市東京たらしめているもの) 以上あまり差なく多い
2寺社系= 10.87%(ほぼ平均的な数字になっていることが歴史的存在の証明か)
3インフラ系= 7.32%(近代化の象徴で園林都市を阻害するもの)
1自然系= 6.80%(大都市としてはかなりの比重といえよう)
9レトロ系= 4.31%(急速に減りつつあるとはいえまだ多くあることがサシミのツマになっている)
4地区計= 3.76%(古くからの界隈に新たな再開発等が加わって急増し始めている)

サブ類型を加えた場合(サブ倍数は全体として1.20とちょうど2割増し)は,

8住居系= 19.00%(サブ倍数1.15=減るのは個々には小さすぎるため)
6緑網系= 16.83%(サブ倍数1.31=大幅に増えるのは複層性が強いため)
7施設系= 15.75%(サブ倍数1.22=あまり変わらない)
5公園系= 15.73%(サブ倍数1.16=減るのは単体性が強いため)
2寺社系= 9.48%(サブ倍数1.04=大幅に減るのは単体性が非常に強いため)
3インフラ系= 8.33%(サブ倍数1.36=大幅に増えるのは背景性が強いため)
1自然系= 6.84%(サブ倍数1.21=変わらないのは基層性が強いため)
9レトロ系= 4.48%(サブ倍数1.24=あまり変わらないのは特定性が強いため)
4地区計= 3.55%(サブ倍数1.13=減るのは単体性が強いため)


サブ類型を加えたもので,それぞれの「景語」がどのゾーンに多いか少ないかを詳しく見てみますと,

1自然系

数からいえば,5北多摩,2城北,3城南ゾーンの順に多く,この3ゾーンで過半を占め,各ゾーンでの割合からも,5北多摩,6多摩川に際立って多いのに対し,都心周りの1山手,2下町は際立って少なく,偏っています。

類まで落としてみますと,1-01大川土手河原類は,荒川・中川・江戸川に面する8葛飾,多摩川沿いの6多摩川の2ゾーンで半分近くを占め,隅田川・荒川に面する2下町と3城北,荒川に面する9足立と続きますが,1-02用水掘割堤防類になりますと,お濠を有し神田川のある1山手がトップ,小運河群のある2下町に,石神井川,神田川などに対応する3城北,4城南,5北多摩と続きます。魅力的な1-03船溜波止場類は,当然ではありますが,7湾岸,2下町に際立って多く,8葛飾を合わせて9割以上を占めます。風景の上で最も大きな効果を示す1-04崖面樹林類につきましては,武蔵野台地の複雑な端部に形成された都心周りの1山手ゾーンが最も多く3分の1以上を占め,これが大都市東京の魅力の一つになっているのはもちろん,エリア数からみて匹敵する数を示す6多摩川に,武蔵野台地の端部が縁になっている4城南・3城北・5北多摩の3ゾーンが横並びで続くことから,歴史的な優良住宅地を形成してきた基盤であったことが伺えます。古き良き時代のイメージを残す1-05屋敷林農家類は,5北多摩が30%を占め,エリア数からみれば,開発の遅れる9足立がそれに次ぎ,2城北,3城南,8葛飾が5北多摩の半分程度で横並びになります。1-06農園類も同様であると思われますが,そうではなく,開発への抵抗が強い5北多摩が45%と際立ち,9足立や2城北が1-05屋敷林農家類そのままの割合なのに対し,住宅地等の開発圧力の強い3城南では半分くらいになってしまいます。なお,サブ倍数をみますと,1-04崖面樹林類が際立って高いことから,背景になったり,階段路があるなど,多面的な関係をつくる「景語」といえるでしょう。


2寺社系

数からいえば,1山手が3割近く,4城南が2割を超えて,両者で半分近くになりますが,各ゾーンでの割合からは,1山手にやや多く,5北多摩と7湾岸でやや少ない程度で,全体に万遍なく分布し,歴史を感じさせます。

類まで落としてみますと,2-01特定大寺院が唯一大宗派本山の池上本門寺のある4城南と,徳川菩提寺の集中する1山手の2ゾーンで8割近く,2-02園林寺院が歴史ある住宅地の3城北と4城南で6割以上,2-04寺院群地区も谷中,高輪や牛込など多くを有する1山手が4割を,広大な浅草周り有する2下町が2割を超え,小さな寺院群が多数分布する8葛飾が続いています。2-06斎場墓苑類は青山・谷中・雑司ヶ谷・染井と大霊園が都心周りに集中して存在する東京のユニークさを示して1山手で半分近く,2-07樹林神社は,歴史を示す3城北と5北多摩,明治神宮のある1山手を合わせて7割近く,2-08ユニーク神社に至っては靖国神社はじめ6割以上が1山手になります。4城南には2-10併設寺社の4割近くがある(エリア数からいえば隣接する6多摩川も特化)など,歩いてみなければ分からない特徴も浮かびあがってきました。その他,2-11新興宗教施設類,2-12外来宗教教会類とも,1山手と4城南が6~7割を占めるなど,2寺社系はまた,地域性(場所の違い)を良く示すものになっています。なお,サブ倍数をみますと,全ての類でかなり低く,都市化以前から存在し,周囲と隔絶する特別な「景語」であるといえるでしょう。


3インフラ系

数からいえば,2下町が2割を超えて最も多いですが,エリア数からみますと,開発進む7湾岸の方が高く,鉄道や道路が放射状になっていることからか,4城南や5北多摩が相対的に少なくなります。

類まで落としてみますと,2下町で3-05橋まわり類が際立って多いのは当然で,3-01高速道路類も多いですが,市街の密度を反映して,3-06特定交差部類,3-09サポート施設類の多いことが目につきます。3-08産業団地類が際立って多い7湾岸も3-05橋まわり類,3-09サポート施設類が多いです。3-02幹線道路類が1山手で多いのは当然として,3-03並木道路類が8葛飾に多いのが注目されます(後述する緑網系も合わせてゆとりある街並みといえるでしょう)。そのほか,3-04パークウェイ類が,1自然系の多さに対応するように,5北多摩,6多摩川でかなり多く,6多摩川では相対的に3-05橋まわり類も多いです。3-07鉄道施設類は,新交通システムが導入されている7湾岸と2下町が際立って多く,道路上と一体である故に「景語」として拾われやすいことが示されます。なお,サブ倍数をみますと,3-01高速道路類が異常に高いのをはじめ,3-09サポート施設類,3-05橋まわり類,3-07鉄道施設類,3-04パークウェイ類と極めて高いものが多く,都市の背景としていかに目につく「景語」であるかといえるでしょう。


4地区系

1山手だけで過半,2下町と7湾岸を合わせた3ゾーンでほとんど全てという,最も極端な偏りを示します。

類まで落としてみますと,1山手では,4-02特定界隈街区類と4-03複合開発地区類がほぼ半分ずつの新旧の積み重ねであるのに対し,2下町では,前者が3分の2と歴史が,7湾岸では,大半が後者の新しさという違いがあります。特殊な4-01除外背景地区類については,皇居や赤坂御所のある1山手ゾーンが半分近くを占め,広大な埠頭の産業基地を有する7湾岸が3割,二つの大きな自衛隊駐屯地のある3城北が2割と,この3ゾーンでほとんどを占め,多くのゾーンはゼロになります。サブ倍数に落としても,当然ですが,4-01除外背景地区類が極めて高い値を示し,他の二類はそれぞれまとまった独立する範囲の「景語」なので,かなり低いものになります。


5公園系

数からいえば,やはり1山手がトップになるものの,2下町,4城南,8葛飾,3城北と大差なく続き,エリア数を考えます,魅力的な1自然系の乏しい7湾岸,8葛飾,9足立にやや多く,古い住宅地で余地のない4城南にやや少ないほかは,全体として偏りは少なく,園林都市東京を保証するものになっています。

類まで落としてみますと,まず5-01谷丘林池公園類は,それぞれは小さくても数の多いトップの1城南に,石神井公園と善福寺公園ほかを有する5北多摩がエリア数の比率で肩を並べ,3城北,1山手を合わせると9割を超え,5-02堤原草池公園類は水元公園を有する8葛飾だけで過半,2下町を合わせただけで8割,5-03海浜公園緑道類に至っては,7湾岸のみで9割近いなど,地形に対応して極端な分布となります。5-04大型緑苑公園類も,新宿御苑,神宮外苑,代々木公園のある1山手が3割を占めて,都心周りに緑が多い印象を与えていますが,エリア数の比率では,舎人公園有する9足立が上回り,5北多摩,3城北,4城南と古くからの住宅地が多めになっています。5-05帯状緑苑公園類につきましては,かつての掘割など反映する8葛飾が3分の1以上占め,2下町も2割になりますが,エリア数からは旧海岸部を反映する7湾岸がこれを上回っていて,3ゾーンで7割を超えます。江戸からの歴史を反映する5-06庭園屋敷跡類になりますと,1山手だけで6割,2下町を合わせて4分の3になるなどなお強い偏りがあるとともに,都心周りの魅力がつくられているといえます。近代に入って行政的に整備されることの多い5-07ユニーク公園類,5-08緩衝公園緑道類でようやく偏りが減じ,圧倒的に数の多い5-09中小公園類は全体の偏りをなくすのに貢献はしていますが,魅力に乏しいことは否めません。ただ,5-09中小公園類にいわゆる公開空地を含めましたので,再開発や超高層マンション建設の進む1山手や2下町の比重が高まりつつあり,都心居住が一層増大する要因にもなっています。全くタイプが異なり,次の緑網系の親分ともいえるような線状の公園をみますと,5-10緑苑プロムナード類は,かつての小河川の名残を反映して4城南が4割近く,3城北を合わせて6割近くを占めるのに対し,5-11親水プロムナード類は,8葛飾だけで6割近く,2下町を合わせると8割近くになるなど,武蔵野台地と沖積平野の違いを鮮明に表しています。5-12河岸プロムナード類については,隅田川の存在を反映して2下町が3割近くを占め,石神井川,神田川などの上流部の5北多摩がやや多いほかは,地域的な差は小さいです。なお,サブ倍数をみますと,5-05帯状緑苑公園類と5-09中小公園類が高く,5-08緩衝公園緑道類が平均的なのは,街のなかの存在のあり方を想像すれば分かりますし,大公園が独立性の強い「景語」なので低くなるのも当然いえます。5-10緑苑,5-11親水,5-12河岸プロムナード類のような線形のものも低いのは予想外で,これらもまた独立性が強いこと,つまり公園の範疇に入るべきものということが明らかになったといえるでしょう。


6緑網系

数からいえば,やはり1山手がトップになるものの,4城南やエリア数からみた2下町はほとんど差なく,この3ゾーンは歴史を反映して密度が高いです。自然系の強く残る5北多摩や6多摩川,9足立ではかなり少なく,8葛飾と7湾岸がその中間になっています。

類まで落としてみますと,まず6-01緑苑道路類が8葛飾にかなり多いことが注目されます。3インフラ系で述べた3-03並木道路類や,5公園系で述べた5-11親水プロムナード類はとくに江戸川区に多いですが,葛飾区におけるコミュニティ道路整備の取り組みはかなり評価すべきものでしょう。6-02緑苑歩道類は,歴史的な道路整備を反映して1山手が3割,2下町,3城北,4城南を合わせると8割近くになります。6-03緑苑路地類については,水田の畔を整備したものが多い8葛飾が最も多く,古くからの住宅地のため整備ができないところの多い4城南が続いています。6-04急坂階段路類については,1山手だけで半分を占める際立った偏りを示していまして,1-04崖面樹林類のところでも述べましたように,最も古い都心周りが地形的に最も起伏に富んでいるという世界の大都市には見られない東京の特徴といえるでしょう。階段路の多い高級住宅地山王を有する4城南も3割を超え,多摩川の河岸段丘沿いの高級住宅地を有する6多摩川を合わせれば9割近くになってしまうほどで,裏を返せば,他の部分はかなり平坦であるといえます。6-05商店街門前町類は,古い住宅地を反映する4城南,商人の町を反映する2下町に,4城北,8葛飾が続くのも当然といえます(自然系の多く残る5北多摩,6多摩川,9足立,新開発の多い7湾岸が少ない)。6-06駅まわり類は鉄道の歴史そのままに,1山手,2下町がとくに多いほかは大体横並びで,5北多摩だけが少ない。6-07まちかどスポット類は街の歴史的積み重ねの密度を反映するとみられますが,実際,1山手,2下町,3城南の3ゾーンがほぼ同等に多く,合わせて3分の2を占め,3城北,8葛飾,5北多摩,9足立,7湾岸,6多摩川と少なくなって行きます。それに対して,6-08利便スポット類は,来訪者の多い2下町や,新開発・再開発の多い7湾岸でとくに多い特徴がでます。住民の多さを反映する6-09こども施設類は,エリア数を考慮すれば,4城南,9足立,8葛飾,3城北,5北多摩,2下町とその通りの順になっています。なお,サブ倍数をみますと,6-07まちかどスポット類,6-08利便スポット類,6-01緑苑道路類が,この順できわめて高いですが,そもそも複層性を前提とするような「景語」なので当然でしょう。


7施設系

数からいえば,都市的レベルそのままに,1山手が飛びぬけて多く,2下町,4城南合わせると6割を超え,あとは相当に少なくなってしまいます。

類まで落としてみますと,まず,さすが首都東京を反映してか,7-01学園施設類が全ての「景語」のなかでも飛びぬけて多いことに驚かされますが,なかでも,住民は少なくても全国から人が集まる1山手と,住宅地として歴史的成熟度の高い4城南に集中,あわせて5割を超えます。7-02文化コミュニティ施設類は数は3分の1以下になるものの,傾向は同じです。広い土地を要し利用する市民とのバランスも問われる7-03スポーツレジャー施設類は,エリア数を考慮しますと,5北多摩,8葛飾,3城北の順と,その通りの結果になっています。近年行政的ニーズがもっとも高くなっている7-04医療福祉環境施設類は,大病院等が多い1山手がやや多いほかは,ほとんど横並びで,立地への抵抗が強いためか6多摩川のみ非常に少ないです。7-05国内外交流施設類は当然のことですが,1山手に7割近くが集中し,4城南,2下町のほかは,ほとんど無いに等しいです。7-06ユニークビル店舗類につきましては,4地区系の4-02特定界隈街区類,4-03複合開発地区類に入っているものは除外されてしまいますが,それでも,1山手が4割近くを占め,2下町,4城南を合わせれば8割近くになるなど,歴史的集積を一層強調する結果になっています。それに対して,7-07量販店車対応施設類は,デパートやSCの多い2下町に続くのは,エリア数を考慮すると,郊外で土地にゆとりある8葛飾,9足立になっていて,1山手は最も少ないということになります。7-08高層モダンビル類につきましては,7-06ユニークビル店舗類以上に,4地区系のとくに4-03複合開発地区類に入っていて除外されてしまいますが,それでも,1山手が5割近く,2下町が4分の1を占め,エリア数を考慮すれば,7湾岸も2下町と同等であるなど,その傾向は明確です。最後に,地方移転が促進されてきた7-09産業施設類については,3インフラ系の3-08産業団地類のものは除かれますが,それでもなお7湾岸が最も多く。それにつながる2下町にもかなりあるほか,8葛飾など開発圧力の低いところには,相当残っていることが伺えます。なお,サブ倍数をみますと,7-08高層モダンビル類が際立って高いのは,ほとんどが公開空地を公園的に整備していること,7-02文化コミュニティ施設類が高いのも公園と一体的に造られている場合が多いことによると想像がつきますが,7-05国内外交流施設類がかなり高いのは予想外で,まさに交流という多面的関係を示しているといえるでしょう。


8住居系

数からいえば,古くからの住宅地の4城南が3割近くで最も多く,エリア数を考慮すると,かつて別荘地的な住宅地として開発された5北多摩が次ぎ,9足立,3城北,1山手がほぼ同順位,2下町,6多摩川,8葛飾はさらに一段と少なく,残る7湾岸は際立って少ないです。

類まで落としてみますと,それぞれの住宅事情を反映しているようで,8-01ユニーク住宅類すなわち戸建住宅のレベルでは,さすがに歴史的優良住宅地が密集する4城南だけで4割を超え,エリア数を考慮すると,それに次ぐ5北多摩,さらに1山手,3城北と武蔵野台地側で9割近くになってしまいます。8-02邸宅会館類もそれに近いですが,4城南が減り,5北多摩が増え,8葛飾が倍増するように,よりゆとりのある郊外のゾーンが多くなります。注目の8-03タウンハウス類でも,4城南,5北多摩は変わりませんが,1山手,3城北がかなり多くなり,他のゾーンでは少なく,9足立に至っては無いに等しくなります。最近の建設ラッシュを背景とする8-04マンション類については,トップは4城南であるものの,エリア数を考慮すると,2下町,5北多摩,1山手,3城北,6多摩川,7湾岸,9足立,8葛飾と階段状に連続した順位になっていて,ニーズと開発余地とが微妙にバランスした様子が伺えます。もっぱら戸建住宅に関わる8-05緑の外縁類を8-01ユニーク住宅類と比較してみますと,4城南,5北多摩は相変わらずですが,9足立,2下町と,思わぬゾーンが一気に増えているのが面白いです。8-06緑苑住宅地については,有名な田園調布のほかを有する6多摩川が数でも成城など有する5北多摩に並び,エリア数を考慮しますと,最も多い1山手をの倍にもあり。この3ゾーンで7割近くを占めます。歴史的な戸建て住宅地の劣化を示す8-07戸建団地アパート類は,当然のことながら,4城南,5北多摩が多いですが,3城北や8葛飾も相対的に多くなっているのは,マンションの開発圧力がまだ弱いことを示すものなのでしょう。かつて一時代を築き最近建替えが進みだした8-08低層レトロ団地類については,数では3城北がトップなものの,エリア数を考慮すると,9足立がその倍近い値となり際だっています。最後に,その建替えも含めて増大するもののマンションとの区別もつきにくくなった8-09高層モダン団地類をみますと,南・北砂団地,リバーシティなど有する2下町がトップになり,高島平,光が丘ニュータウンを有する3城北がそれに次ぎ,葛西クリーンタウンほかを有する8葛飾もエリア数を考慮すると同等で,この3ゾーンで7割を超えます。なお,サブ倍数をみますと,8-04マンション類がかなり高くなっていますが,前述の7-08高層モダンビル類と同様,ほとんどが公開空地を公園的に整備していることによります。8-05緑の外縁類がやや高いのは「景語」の位置づけから当然といえますが,8-09高層モダン団地類がやや高くなっているのは,団地内の公園は外部との関係もあって5-09中小公園類に含めたことによっていて,4-03複合開発地区類とは異質なものであることを示しています。


9レトロ系

数からいえば,歴史を反映して,1山手がトップ,エリア数を考慮すれば,2下町がわずかに上回り,4城南を合わせて,全体の4分の3を超えます。

類まで落としてみますと,9-01レトロ施設類はこの3ゾーンでいずれも多くなっていて,まさに歴史を反映しているといえますが,9-02荒廃建物類は,エリア数を反映すると,9足立がトップで,2下町,4城南が次ぎ,8葛飾も匹敵するなど,開発の遅れが理由になっているものが生じ,独特な存在の9-03ツタ覆い建物は,1山手がトップで4城南が次ぎ,3城北と2下町を合わせた4ゾーンで8割を占め,やはり歴史を反映しているようです。サブ倍数をみますと,9-01レトロ施設類のみ際立って高いですが,その多くが現在も何らかの役割をもった別の「景語」であることによります。



2)"場所"側から見た"もの"(系レベル)



「景語」の数を,場所について,まずゾーンのスケールで見てみますと,サブ類型抜きでは,多い順に,

1山手ゾーン= 21.54%(やはり密度が最も高い)
4城南ゾーン= 19.62%(山手ゾーンにつながる古くからの住宅地で密度が高い)
2下町ゾーン= 14.24%(エリア数の比率程度に高い密度を示す)
3城北ゾーン= 14.24%(エリア数の同じ城南ゾーンに比して密度はかなり低い)
8葛飾ゾーン= 9.89%(城北ゾーンとはエリア数の比率以上に密度が薄い)
5北多摩ゾーン= 8.13%(エリア数の比率から,城南・城北ゾーンの中間の密度)
7湾岸ゾーン= 6.05%(エリア数から見て葛飾ゾーンと同程度の密度)
9足立ゾーン= 4.15%(エリア数の比率から,北多摩ゾーンと同程度の密度)
6多摩川ゾーン= 2.15%(エリア数が同じ足立ゾーンの半分程度の密度)

サブ類型を加えた場合(サブ倍数は全体として1.20とちょうど2割増し)は,

1山手ゾーン= 22.02%(サブ倍数1.22=やや増えるのは古さと新しさの複層性が高いことを示す)
4城南ゾーン= 19.04%(サブ倍数1.16=やや減るのはそれだけ歴史的に安定して複層性が低いことを示す)
2下町ゾーン= 14.54%(サブ倍数1.22=やや増えるのはそれだけ山手ゾーンと同じ理由)
3城北ゾーン= 14.15%(サブ倍数1.19=ほとんど変わらない)
8葛飾ゾーン= 9.61%(サブ倍数1.16=やや減るのはそれだけ複層性が低いことを示す)
5北多摩ゾーン= 8.00%(サブ倍数1.16=やや減るのは城南ゾーンに同じ理由)
7湾岸ゾーン= 6.24%(サブ倍数1.24=やや増えるのは新・再開発等による複層性が高いことを示す)
9足立ゾーン= 4.24%(サブ倍数1.23=やや増えるのはインフラ系の影響か)
6多摩川ゾーン= 2.16%(サブ倍数1.20=ほとんど変わらない)



サブ類型を加えたもので,それぞれのゾーンにどんな「景語」が多いか少ないかを詳しく見てみますと,

1山手ゾーン

数からいえば,7施設系が4000を超えて最も多く,6緑網系が3500,8住居系,5公園系,2寺社系が2600前後で続き,4地区系が約1700,3インフラ系が約1400,9レトロ系が約1000で,1自然系が約700と最も少くなり,これ自体で,都心周りの状況を示してますが,都区部全体の平均に対する比率を見ますと,4地区系が際立って多く,7施設系と2寺社系もかなり多い一方,1自然系が際立って少なく,5公園系もかなり少ないというように,その特徴がさらに明確になります。

エリアまで落としてみますと,1-01新橋エリアでは,丸の内界隈やアークヒルズがあって,4地区系が数も比率も最も高く,日比谷公園と芝公園を核に5公園系が次ぎ,6緑網系と7施設系がほぼ同数で続くなど,山手側都心の顔そのものです。1-02高輪エリアは,大使館やホテルを主体に7施設系が最も多く,泉岳寺や多くの寺院群があって2寺社系が次ぐなど,全く異なる顔を見せます。1-03六本木エリアでは,東京ミッドタウンをはじめ4地区系,ユニークな店舗などの7施設系に,青山霊園があって2寺社系がほぼ同数で並ぶなど,前二者につながりますが,1-04恵比寿エリアになりますと,ユニークな店舗が多いなど7施設系がトップなものの,6緑網系,8住居系が大差なく続いて,住宅地の様相を見せ始めます。トップ3までは同じ1-05神宮エリアは,渋谷・原宿界隈にエビスガーデンはじめ4地区系,代々木公園はじめ5公園系,別格の明治神宮を有する2寺社系も大差なく続いて,まさに園林都市東京を代表するエリアといえます。1-06市谷エリアは,7施設系が900近くで最も多いですが,6緑網系が600近くで,2寺社系が400で続き,さらに大差なく8住居系が続く一方,都心に近いにもかかわらず4地区系が少なく,5公園系も都区部全体の平均に比して少ないなど,古くから開け開発余地の少ない市街地のエリアといえます。1-07新宿エリアは,7施設系が600近くで最も多いものの,6緑網系,5公園系,8住居系が500弱で続き,新宿界隈と副都心ほか4地区系が300を超えて,全体として数の多い1山手ゾーンのなかでも最も多いものの,比率としては5番手になるくらいの懐の深さを示します。1-08目白エリアは,トップが300を超える8住居系,続くのが300近い6緑網系の一方,4地区系はゼロに近く,住宅地に特化しています。1-09小石川エリアは,7施設系が300近くでトップ,2寺社系,6緑網系,5公園系,8住居系が200前後で並ぶやや不明確な性格を示します。1-10御茶ノ水エリアは,東大や博物館ほか大施設が多く7施設系が500を超えてトップですが,その施設の多くもある別格の上野公園や皇居東御苑など5公園系が450近くで続き,6緑網系もほとんど同じくらいあるほか,大手町や神田のさまざまな界隈で4地区系も300近くある一方,1山手ゾーン全体として多い9レトロ系も際立って高い比率を示すなど,1-05神宮エリアとは別の姿で,園林都市東京を代表するエリアといえるでしょう。1-11谷根千エリアは,谷中の寺院群と墓地ほかで2寺社系が400を超えてトップ,比率でも際立っていて,300前後の8住居系,6緑網系が続くほかは少なく,2寺社系に特化したエリアといえます。唯一山手線の外側だけの1-12巣鴨エリアは,7施設系,6緑網系,5公園系,8住居系,2寺社系が大差なく続いて,特徴が不明確な存在になっています。なお,サブ倍数をみますと,1-01新橋,1-03六本木,1-10御茶ノ水,1-02高輪エリアの順にかなり高い値を示しますが,まさに歴史的な重層性を示しているといえるでしょう。


2下町ゾーン

数からいえば,6緑網系,5公園系,7施設系が2300前後でトップ3を占め,3インフラ系,8住居系が1600前後で続き,2寺社系が約1100,4地区系,9レトロ系が800超,1自然系が約400と最も少く,これだけでも,1山手ゾーンに類似する面と異なる面を示しますが,都区部全体の平均に対する比率を見ますと,4地区系,3インフラ系がかなり多い一方,1自然系が際立って少なく,8住居系もかなり少ないというように,その特徴がさらに明確になります。

エリアまで落としてみますと,2-01築地エリアは,数では6緑網系が700を超えてトップであすが,銀座や日本橋界隈とシオサイトを背景に600近くになる4地区系が,比率からみると際立っていて,500近くあってゾーンを超えた全てのエリアのなかでも際立って多い3インフラ系や2下町ゾーン内で最も多い5公園系も,比率としては平均程度になってしまうほどです。2-02浅草エリアは,いうまでもなく,400を超える2寺社系が,数でも比率でも際立ち,7施設系,6緑網系に続く9レトロ系も比率で際立っているのも当然でしょう。2-03錦糸町エリアは,5公園系,7施設系,6緑網系が300弱で続き,総数の少ない2-04門前仲町エリアも同様の並びで,5公園系が比率としては2下町ゾーン内で高い程度で,いずれも特徴が不明確です。2-05砂町エリア,2-06旧中川エリアも,5公園系が最も多く2下町ゾーン内での比率も高いのは同じですが,続くのが250前後の8住居系で,前者は団地の,後者はマンションの多い特徴が表れています。2-07向島エリアも,7施設系,8住居系,5公園系,6緑網系がほとんど横並びですが,比率として9レトロ系が高いことが歴史を示すものといえるでしょう。2-08千住エリアは,5公園系が少なく,3インフラ系が多い程度で似た傾向にあり,2-09尾久エリアになりますと,田端・尾久操車場を反映して3インフラ系がトップになりますが,5公園系がさらに少なくなるほかは,他のエリアと似たり寄ったりで,2-01築地,2-02浅草エリアを別格として,その他のエリアは全体として類似し,2下町ゾーンとして捉えて矛盾は無いといえるでしょう。なお,サブ倍数をみますと,2-06旧中川,2-03錦糸町,2-05砂町,2-01築地エリアの順にやや高くなっています。


3城北ゾーン

数からいえば,8住居系が3000を超えて最も多く,6緑網系,5公園系,7施設系が2000前後,2寺社系,1自然系,3インフラ系が1000前後で続き,9レトロ系は600近くあるものの,4地区系は無いに等しいものになり,郊外住宅地としての状況を示しています。都区部全体の平均に対する比率を見ても,他のほとんどのゾーンと同様に4地区系がゼロに等しいのを別にすれば,8住居系がやや多い程度で,特徴に乏しいゾーンになっています。

エリアまで落としてみますと,3-01王子北エリアは,8住居系がトップ,5公園系,7施設系,6緑網系が続くまではゾーンの傾向に同じですが,次に3インフラ系が登場,都区部全体の平均に比しても高く,3-02石神井川エリアは,5公園系がトップ,次が7施設系でいずれも比率がかなり高く,8住居系が少なめで,4地区系の自衛隊駐屯地を有し,3-03赤羽西エリアは,5公園系,8住居系,7施設系,6緑網系にほぼ並ぶ数で2寺社系があって比率もかなり高いといったところです。3-04浮間エリアは,8住居系がトップ,6緑網系,5公園系,7施設系に続く次に3インフラ系が登場,都区部全体の平均に比しても高く,1自然系が相対的に多いなど,同じ荒川沿いの3-01王子北エリアに近い面があります。3-05高島平エリアは,広大な住宅・産業団地の開発を反映して,トップの5公園系と同程度の3インフラ系があり,比率も際立って高いのに対し,南に隣接する3-06赤塚エリアは,トップの5公園系,続く1自然系いずれも比率が際立く異なったものになります。魅力的な住宅地開発を核とする3-07常盤台エリアは,ゾーン全体でも多い8住居系が際立って高い一方,他の系はいずれもかなり少ないです。3-08向原エリアは,8住居系が際立って多いだけでなく,7施設系,6緑網系がかなりあり,5公園系は少ないものの,9レトロ系がゾーンのなかでは際立って多いなど,歴史ある住宅地であることを示しています。3-09氷川台エリアは,トップの8住居系に続いて多い2寺社系と,6緑網系,7施設系に続いて多い1自然系の比率が際立って多く,3-10光が丘エリアも,8住居系,6緑網系,5公園系に続いて登場する1自然系の比率が際立って多いです。中央線のすぐ北側で最も広い3-11鷺宮エリアは,「景語」全体の数も多いですが,その3分の1を8住居系が,4分の1近く6緑網系が占めるものの,5公園系,3インフラ系が少ないばかりか,2寺社系も少ないことから,早い段階で一気にスプロール的に住宅地化していった様子が伺えます。それに対して,中央線の一つのターミナル中野駅勢圏の3-12中野北エリアは,トップは8住居系であるものの,7施設系,2寺社系,6緑網系,5公園系が大差なく続き,歴史の密度を感じさせる一方,警察学校跡地再開発がなされて,ゾーン全体ではゼロに近い4地区系が,都区部全体の平均並みの値になりました。以上のことから,3城北ゾーンは,全体では特徴に乏しいものの,エリアごとにそれぞれ特徴を有し,メリハリあるゾーンといえるでしょう。なお,サブ倍数をみると,3-04浮間,3-10光が丘エリアでかなり高く,3-01王子北,3-05高島平エリアがやや高いですが,自然のなかでの団地開発などが関連すると見られます。


4城南ゾーン

数からいえば,まず,トップの8住居系が5000を超え,都区部全体の平均に対する比率を見てもトップで,続く6緑網系も3000を超え,7施設系が2700近くあり,2寺社系も約1800,9レトロ系も900近くあるなど,歴史的住宅地であることが示されます。それと裏腹に,5公園系は約2000で3城北ゾーンと同じくらいで,都区部全体の平均に対する比率から見てもかなり少なく,同様に,1自然系も,3インフラ系と同じ900程度で,いずれもかなり少なく,4地区系も非常に少ないなど,開発余地が無いほどの密度であることも示されます。

エリアまで落としてみますと,3城北ゾーンよりもずっと古い段階から時間をかけて形成されてきたことから,最も多い8住居系はじめ,6緑網系,7施設系,5公園系,9レトロ系,3インフラ系に至るまで,各エリアのそれぞれのなかでの比率も大差ありません。強いてあげれば,8住居系で4-08駒沢エリアが,6緑網系で4-11西大井エリアが,5公園系で4-02善福寺川エリアが,一回り多いです。これに対して,1自然系では,多くの屋敷林や農地が残る4-08駒沢エリアが飛びぬけて多く,2寺社系は,目黒不動のある4-10小山をトップに,祐天寺のある4-07下馬,妙法寺のある4-02善福寺川,池上本門寺のある4-12西馬込,九品仏のある4-09自由が丘などかなり多いエリアがあって魅力を醸し出しています。ゾーン全体では非常に少ない4地区系について,有名な界隈有する4-09自由が丘と再開発による世田谷ビジネススクエア有する4-06桜新町エリアがいずれも都区部全体の平均並みの値になっていて注目されます。以上のことから,4城南ゾーンは全体として一様に密度が高いなか,1自然系,2寺社系,4地区系のそれぞれ際立つ「景語」がサシミのツマのような役割をしているといえるでしょう。なお,サブ倍数をみましても,すべてのエリアが都区部全体の平均を下回っていて,全体が歴史的に定着していることが裏付けられます。


5北多摩ゾーン

数からいえば,トップはちょうど2000の8住居系で,都区部全体の平均に対する比率を見ても3城北,4城南ゾーンと同じ程度ですが,続く,1400近い1自然系はエリア数で倍の3城北ゾーンよりも多く,まさに自然と一体の住宅地であることが示されます。5公園系,6緑網系が1000前後,7施設系が900近く,続く2寺社系,3インフラ系は500を超えるも都区部全体の平均に対する比率から見ればかなり低く,9レトロ系は200を下回り,4地区系に至っては完全にゼロになるなど,田園住宅地の様子が想像できるでしょう。

エリアまで落としてみますと,5-01大泉北エリアは,都区部の西北端部で最も農村的環境が残っていることから,ゾーン全体でも多い1自然系がトップで,比率も際立って高いほか,外郭環状線と関越道のジャンクションがあって,3インフラ系の比率がやや高くなっている一方,学園都市整備されたもののあまりの交通の便の悪さに8住居系も目立つ比率なっていません。5-02大泉南エリアも農村的環境が強く残っていて,やはり1自然系がトップで比率も極めて高いですが,数の上では大差なく8住居系が続きます。5-03石神井エリアになると8住居系がトップになり,5北多摩ゾーン全体の傾向に近い傾向になります。5-04西荻窪エリアは8住居系がエリア全体の4割を占め,中央線との関係で古くから住宅地になってきたことが示され,農村的環境もなお残されていて1自然系もそれなりの比率になっています。当然のことながら,善福寺公園や東京女子大など著名なものがある5公園系,7施設系も含めて,他の系の比重はかなり小さくなります。5-05烏山エリアも,トップの8住居系がかなり多いですが,1自然系は7施設系,5公園系,6緑網系よりも少なく,ゾーン内で最も比率が低いです。砧公園,祖師谷公園有する5-06成城エリアは,5公園系が有名な高級住宅地反映する8住居系に匹敵する数で比率もかなり高くなっていますが,その分,6緑網系が少なくなっています。その他,全体として少ない2寺社系,7施設系,9レトロ系につきましては,突出したエリアはありません。素晴らしい寺院群のある5-05烏山エリアも,8住居系その他の「景語」が多いことからそうなってしまいますが,裏返せば,それだけ豊かな住宅地であるといえるでしょう。なお,サブ倍数をみますと,各エリアほぼ平均的な値になっています。


6多摩川ゾーン

数からいえば,トップは450近い8住居系であるものの,1自然系もほぼ同じで,エリア数で倍の5北多摩ゾーンをあらに大幅に上回る値で,まさに多摩川に面した河岸段丘上の高級住宅地が主体であるこのゾーンの特徴が如実に表れています。続くのは300強の5公園系,200前後で,都区部全体の平均に対する比率から見ればかなり低い6緑網系,7施設系,さらに2寺社系,3インフラ系で,9レトロ系は都区部全体の平均に対する比率から見ても極めて少なく,4地区系に至ってはほとんどゼロになるなど,かなり単純明快な別荘地的住宅地となっています。

エリアまで落としてみましても,郊外ショッピングターミナルを有する6-01二子玉川エリア,著名な高級住宅地を有する6-02田園調布エリア,日本を代表する企業キャノンの立地する6-03矢口エリアというように,直観的にはかなり異なるものの,「景語」の比率にはそれほど異なるところはなく,6多摩川ゾーンとしてのまとまりを示しています。サブ倍数をみましても,各エリアほぼ平均的な値になっています。


7湾岸ゾーン

数からいえば,新旧の海岸部が公園化されていることから,1500近くになる5公園系がトップで,同じエリア数の北多摩ゾーンの1.5倍,エリア数の比から最も多い2下町のそれに匹敵し,都区部全体の平均に対する比率を見てもトップになります。これに,1000近い7施設系,800近い3インフラ系,6緑網系が続くのも湾岸部ならではですが,それに続く500強の8住居系は都区部全体の平均に対する比率から見れば極めて低い数となる一方,臨海副都心もあって500近くになる4地区系は,都区部全体の平均に対する比率で,1山手ゾーンをさえ上回ります。当然ながら,1自然系,2寺社系は最も少ないですが,開港時の歴史を反映してか,9レトロ系は6多摩川ゾーンよりはかなり多くなります。

エリアまで落としてみますと,最も少ないもののうち,1自然系はそれぞれ運河等に面していて大差ありませんが,2寺社系は,新開発的な7-04港南,7-05臨海副都心,7-06夢の島エリアではゼロなのに対し,旧海岸内陸側の東海道沿いの7-01六郷,7-03東大井エリアでは都区部全体の平均よりもかなり多いという極端な偏りになっています。全体で多い3インフラ系は逆に,新開発的なエリアで際立って多くなり,4地区系に至っては,2寺社系の正反対の偏りで,7-05臨海副都心は1山手ゾーンの1-01新橋エリアを上回り,7-04港南も匹敵するほど特化しています。5公園系は大規模な複合公園として整備された7-06夢の島エリアが際立つのは当然ですが,新旧海岸部の緑地をさまざまな公園整備した7-02大森,7-03東大井エリアもかなり多いです。6緑網系は7-06夢の島エリアがかなり少ないほか,全体として少ない8住居系や9レトロ系も旧海岸内陸側ではそれなりにあるなど,7湾岸ゾーンは大きく二つの部分から構成され,運河を主体とする海岸部によって一体化されているということができるでしょう。サブ倍数をみましても,7-05臨海副都心,7-04港南,7-06夢の島エリアの順にかなり高く,いわゆるウォーターフロントの魅力を表すものと見られます。


8葛飾ゾーン

数からいえば,2000を超える5公園系がトップで,エリア数で同じ2下町よりはかなり少ないものの,都区部全体の平均に対する比率からは,7湾岸ゾーンに近い高さで,1700を超える6緑網系が続き,まずゆとりある緑のゾーンであるといえます。その次の8住居系は1300と同じエリア数で著しく都市化している2下町よりもかなり少ない上,7施設系が1200とほとんど同じで,都心に対する距離が同じような3城北,4城南では8住居系の方が圧倒的に多いのとは逆に,3インフラ系は900近くあって,エリア数からみると,3城北,4城南よりかなり多いほか,1自然系,2寺社系がそれぞれ700強あり,9レトロ系も300超えますが,3城北,4城南に比して相当に少ない上,4地区系に至ってはほとんどゼロであるなど,まだ都市化途上で明確なイメージを描きにくいゾーンともいえるでしょう。

エリアまで落としてみますと,干拓が遅れた8-01葛西エリアは,総合レクリエーション公園,行橋公園ほかで5公園系が実数でゾーンの2割を占めてトップ,8住居系,6緑網系,7施設系,3インフラ系が200前後で続いて相対的にも多い分,他の系はほとんどがゾーン内で最も少なく,とくに2寺社系の少なさが際立ちます。8-02新中川エリアは,多数の魅力的な親水公園があるものの大公園が無いため,5公園系はトップながらかなり少ないですが,かつてのあぜ道を活かした6緑網系がほぼ同数あってこれを補い,7施設系,9レトロ系が相対的に多いことから歴史を感じさせるものの,全体として平均的です。大公園があり親水公園も多い8-03篠崎エリアも5公園系がトップで比率も高いですが,江戸川から旧江戸川,新中川に囲まれていて,続く1自然系が際立って高い比率でになっており,あとは2寺社系がゾーン内で最も多いほかはかなり少なくなっています。5公園系が非常に少ない8-04小岩エリアは,それを高い比率でトップの6緑網系が補い,9レトロ系の比率が高いほかは,とくに目立つものはありません。5公園系が最も少ない8-05新小岩エリアも,最も多く比率も高い6緑網系が補っているほか,総武線基地がある3インフラ系や,総合運動施設が二つもある7施設系はじめ平均的な値になっています。8-06お花茶屋も6緑網系がトップで5公園系を補っているほかは平均的です。帝釈天で有名な8-07柴又エリアですが,2寺社系がとくに多いわけでなく,京成線や北総鉄道などが錯綜し,金町浄水場もあることから,3インフラ系が目立つ程度です。別格の大公園有する8-08水元エリアは,5公園系が3分の1以上を占め,8住居系のほかは少なくなっています。ユニークな公園の多い8-09綾瀬エリアは,数でも比率でも8-08水元エリアを超え,5公園系はゾーン全体でもトップと際立ちますが,他の系はすべて平均を下回っています。つけくわえれば,7施設系,8住居系は,開発から最も取り残されてきた8-03篠崎エリアがかなり少ないほかは大差ありません。9レトロ系も,8-03篠崎のほか,8-01葛西,,8-09綾瀬エリアとゾーンの縁辺部つまり歴史的に都市化が遅かったところが際立って少ないのも当然でしょう。以上から,8葛飾ゾーンは全体として,西の3城北ゾーンほどではありませんが,メリハリあるものにはなっているといえるでしょう。なお,サブ倍数をみますと,7湾岸ゾーンに隣接する8-01葛西エリアのみかなり高いほかは,平均値をかなり下回っていて,都市化の歴史の浅いことも伺えます。


9足立ゾーン

数からいえば,900を超える5公園系がトップで比率も高く,エリア数からみれば最も多く,次に多い8住居系や続く6緑網系は,3城北ゾーンと同じくらいで,比率も平均的です。次に多い1自然系が,実数はエリア数の同じ6多摩川ゾーンと同じくらいであるが,他の系いずれもが6多摩川ゾーンよりかなり多いことから,比率は半分くらいになるものの,なお高いレベルにああります。350前後で続く,2寺社系,7施設系,3インフラ系,150強の9レトロ系は,いずれも平均的な比率で,4地区系はゼロです。交通のレベルでは3城北ゾーンに相当劣るにもかかわらず,全体として,かなり近いレベルにあることが注目されます。

エリアまで落としてみますと,低層レトロ団地の集中する9-01花畑エリアでは,8住居系がトップになり,大差なく続く5公園系と合わせて,半分近くを占め,4地区系は別として,7施設系がかなり少なく,6緑網系がやや少ないほかは,都区部全体の平均に近い値になっています。9-02荒川北エリアも,団地が多く8住居系がトップですが,6緑網系の方が5公園系より多く,荒川沿いであることを反映して大差なく続く1自然系は,比率としては際立って高くなり,7施設系がやや少なく,荒廃建物のため9レトロ系がやや多いのは,いずれも開発圧力が低いことを示すものでしょう。広大な公園を有する9-03舎人エリアは,5公園系がトップで比率も際立ち,1自然系も多いですが,2寺社系,3インフラ系が平均的なほかは,かなり低い比率になっています。なお,サブ倍数をみますと,9-01花畑,9-02荒川北エリアの二つもがやや高くなっているのが注目されます(ずっと都市化が進んでいるはずの,4城南,5北多摩,6多摩川,8葛飾ゾーンでは,ほとんどが平均以下です)。



(2)類とエリアをクロスした最も細かい表からみた特徴


1)類のレベルからみたエリアの特徴



1自然系

1-01大川土手河原類:荒川沿い2下町ゾーンの05砂町(2.80),06旧中川(7.89),07向島(3.69),08千住(2.29),3城北ゾーンの01王子北(7.00),04浮間(4.20),05高島平(5.09),6多摩川ゾーンの6-01二子玉川エリア(8.14),6-02田園調布エリア(6.74),6-03矢口エリア(5.73),それに続く7湾岸ゾーンの01六郷エリア(3.56),荒川,中川,江戸川のいずれかに沿った8葛飾ゾーンの8-02新中川エリア(2.16),8-03篠崎エリア(3.31),8-04小岩エリア(3.44),8-06お花茶屋エリア(4.38),8-07柴又エリア(4.45),9足立ゾーンの荒川沿いの02荒川北(3.31)と,新芝川沿いの03舎人エリア(3.05)の三つの範囲に集中し,他はゼロと明解に分かれます。2下町ゾーンうちの他のエリアがゼロなのは,隅田川が次の1-02用水掘割堤防類であることによります。

1-02用水掘割堤防類:1山手ゾーンではお濠や神田川,目黒川等に関わる1-04恵比寿エリア(3.37),1-06市谷エリア(11.86),1-07新宿エリア(2.43),1-10御茶ノ水エリア(4.58),2下町ゾーンでは,隅田川や小名木川など運河的な川に関わる2-01築地(4.45),2-03錦糸町(3.50),3城北ゾーンでは,石神井川,江名子川,新河岸川に関わる3ー02石神井川(2.56),3-11鷺宮エリア(2.29),3-12中野北エリア(2.83),4城南ゾーンでは,神田川,善福寺川,呑川等に関わる4-02善福寺川(3.77),4-05下北沢エリア(2.16),5北多摩ゾーンでは,石神井川,善福寺川,神田川,仙川に関わる5-03石神井エリア(2.16),5-04西荻窪エリア(3.37),5-05烏山エリア(2.83),5-06成城エリア(2.70),6多摩川ゾーンでは,丸子川等に関わる6ー01二子玉川エリア(4.85),6ー02田園調布(2.29),7湾岸ゾーンでは,呑川,運河群に関わる7-02大森エリア(2.43),7-03東大井エリア(3.37)で多く,8葛飾,9足立ゾーン以外に広く分散した分布になっています。

1-03船溜波止場類:1-06市谷エリア(2.82),2-01築地エリア(19.52),2-02浅草エリア(3.22),2-03錦糸町エリア(3.02),7-01六郷エリア(7.44),7-02大森エリア(4.63),7-03東大井エリア(4.23),7-04港南エリア(9.05),7-05臨海副都心エリア(8.05),7-06夢の島エリア(3.82),8-01葛西エリア(5.03),8-02新中川エリア(4.43),8-03篠崎エリア(6.44),9-03舎人エリア(3.02)というように,隅田川の屋形船等。漁船や新しいヨットハーバー。漁船やボートの繋留を主に,二つの範囲に集中し,他はゼロになってしまいます。

1-04崖面樹林類:1-02高輪エリア(2.44),1-03六本木エリア(2.22),1-04恵比寿エリア(3.44),1-05神宮エリア(2.87),1-06市谷エリア(3.80),1-07新宿エリア(3.08),1-08目白エリア(3.44),1-09小石川エリア(4.38),1-11谷根千エリア(4.59),3-06赤塚エリア(4.95),3-07常盤台エリア(3.37),4-03神田川エリア(2.37),4-05下北沢エリア(5.24),4-11西大井エリア(3.66),4-12西馬込エリア(7.89),5-01大泉北エリア(2.51),5-06成城エリア(4.81),6-01二子玉川エリア(5.45)が多く,武蔵野台地の入り組んだ端部に形成された1山手ゾーンのほとんどのエリア,同じく北側の縁に関わる3城北ゾーンの主として北半の各エリア,同じく東南側の縁や神田川等の谷に関わる4城南ゾーンの半分のエリア,いずれかにつながる5北多摩ゾーンの北端の01大泉北と南端の06成城エリア,多摩川の河岸段丘に関わる6多摩川ゾーンの各エリアで,当然ながら都区部の西半に集まり,2下町ゾーン以東はゼロになっています。

1-05屋敷林農家類:3-06赤塚エリア(2.45),3-09氷川台エリア(2.97),3-10光が丘エリア(4.11),3-11鷺宮エリア(7.82),4ー02善福寺川(3.02),4-04経堂エリア(2.80),4-06桜新町エリア(2.22),4-08駒沢エリア(2.40),5-01大泉北エリア(5.13),5-02大泉南エリア(6.85),5-03石神井エリア(8.56),5-04西荻窪エリア(6.05),5-05烏山エリア(3.42),6-03矢口エリア(2.17),8-02新中川エリア(2.85),8-09綾瀬エリア(2.62),9-01花畑エリア(2.57),9-03舎人エリア(4.91)が多いほか,8-03篠崎エリア(2.00),9-02荒川北エリア(1.94)でやや高い値になっています。東海道線から山手通り,目白通り経て環八通り西側と荒川より北・東側の広範囲にわたって多く残っていますが,生産緑地法の期限が来たことで一気に減少することが危惧されます。

1-06農園類:3-06赤塚エリア(3.22),3-09氷川台エリア(5.93),3-10光が丘エリア(3.13),3-11鷺宮エリア(4.91),4ー02善福寺川(2.29),4-04経堂エリア(2.88),4-08駒沢エリア(3.22),5-01大泉北エリア(9.23),5-02大泉南エリア(10.67),5-03石神井エリア(7.62),5-04西荻窪エリア(6.64),5-05烏山エリア(5.50),5-06成城エリア(6.27),6-01二子玉川エリア(2.46),8-02新中川エリア(2.54),8-03篠崎エリア(3.39),9-01花畑エリア(2.29),9-02荒川北エリア(2.88),9-03舎人エリア(4.15)というように,3城北,5北多摩,9足立ゾーンでは,前記の1-05屋敷林農家類と一体のものとして多く残っていますが,4城南,6多摩川,8葛飾ゾーンではかなり少なく,農園が新たな開発につながっていることが分かります。


2寺社系

2-01特定大寺院:当然ながら,増上寺のある1-01新橋エリア(8.59),泉岳寺のある1-02高輪エリア(5.67),護国寺・伝通院のある1-09小石川エリア(11.51),寛永寺のある1-10御茶ノ水エリア(7.13),それに1-11谷根千エリア(2・11),築地本願寺のある2-01築地エリア(2.59),浅草寺・東本願寺のある2-02浅草エリア(10.05),妙法寺のある4-02善福寺川エリア(7.13),豪徳寺のある4-04経堂エリア(2.27),祐天寺のある4-07下馬エリア(2.92),九品寺のある4-09自由が丘エリア(6.32),目黒不動のある4-10小山エリア(6.97),池上本門寺のある4-12西馬込エリア(15.88),西新井大師のある9-03舎人エリア(6.00)が高くなっていますが,1山手,2下町ゾーンを別にすると,4城南ゾーンは,ゾーン全体に多く,その他のゾーンがゼロなので,相当に特化しているといえます。

2-02園林寺院:1-08目白エリア(3.27),3-03赤羽西エリア(4.58),3-06赤塚エリア(2.49),3-09氷川台エリア(10.47),3-11鷺宮エリア(5.76),4ー02善福寺川(3.93),4-04経堂エリア(5.50),4-05下北沢エリア(3.27),4-06桜新町エリア(3.01),4-07下馬エリア(4.06),4-11西大井エリア(3.66),4-12西馬込エリア(2.49),有名な観泉寺のある5-03石神井エリア(11.39),7-03東大井エリア(2.62),8-06お花茶屋エリア(2.36)が多く,3城北ゾーンでは,ゾーン全体が特化,2-01特定大寺院に特化している4城南ゾーンでも半分のエリアで値が高く,まさに歴史のある魅力的寺院の分布する抜きんでたゾーンになっています。名前は有名でないものの魅力的な寺院の多いことも指摘しておきたいですね。

2-03ユニーク寺院:1-02高輪エリア(3.03),1-03六本木エリア(4.55),1-04恵比寿エリア(4.55),1-09小石川エリア(6.07),2-02浅草エリア(4.10),3-03赤羽西エリア(5.77),3-10光が丘エリア(2.43),4-07下馬エリア(6.37),4-10小山エリア(3.34),5-02大泉南エリア(3.03),6-01二子玉川エリア(2.88),7-03東大井エリア(4.25),9-02荒川北エリア(3.95)が多く,2-01特定大寺院,2-02園林寺院と合わせ,魅力的寺院は武蔵野台地側に偏って存在しているといえるでしょう。

2-04寺院群地区:1-02高輪エリア(5.36),1-05神宮エリア(2.33),1-06市谷エリア(9.79),1-08目白エリア(2.18),谷中の1-11谷根千エリア(18.96),2-02浅草エリア(16.86),2-04門前仲町エリア(2.87),上高田の3-12中野北エリア(5.75),4ー02善福寺川(5.36),園林寺院が密集したような5-05烏山エリア(5.91),萩中の7-01六郷エリア(2,33),歴史ある品川宿周りの7-03東大井エリア(4.51),8-02新中川エリア(2.56),8-03篠崎エリア(2.87)で多く,前の三類よりもバランス良く,東西の郊外にも存在しています。

2-05中小寺院:1-06市谷エリア(2.53),1-07新宿エリア(2.15),1-09小石川エリア(4.37),1-12巣鴨エリア(2.45),2-03錦糸町エリア(3.30),2-07向島エリア(2.38),2-08千住エリア(2.53),2-09尾久エリア(2.22),4-01中野南エリア(2.99),4-04経堂エリア(2.22),6-03矢口エリア(2.38),8-02新中川エリア(2.91),8-05新小岩エリア(2.61),8-06お花茶屋エリア(4.37),8-07柴又エリア(2.91),9-01花畑エリア(2.91),9-03舎人エリア(3.83)が多いように,万遍無く存在しているわけでなく,全体として2下町ゾーン以東の沖積平野側に多いですが,震災,戦災によって前記4類の魅力的な寺院が失われ,復興させてきたことによるのでしょう。

2-06斎場墓苑類:青山霊園のある1-03六本木エリア(10.30),1-06市谷エリア(5.15),雑司ヶ谷霊園のある1-08目白エリア(6.67),1-09小石川エリア(3.64),谷中霊園のある1-11谷根千エリア(9.09),染井霊園のある1-12巣鴨エリア(11.52),回向院や慰霊堂のある2-03錦糸町エリア(9.70),3-03赤羽西エリア(2.73),3-12中野北エリア(3.94),4ー02善福寺川(2.12),4-03神田川エリア(2.12),4-05下北沢エリア(3.64),7-03東大井エリア(3.64),8-02新中川エリア(3.33)が多く,都心近くのエリアに集中しているほかは,桐ケ谷等の斎場や近年増大しているメモリアル・ホールのあるエリアで,3城北,4城南ゾーンでは多くのエリアが見られますが,他のゾーンではゼロに近く目立たないものになっています。

2-07樹林神社:日枝神社のある1-03六本木エリア(6.62),別格の明治神宮のある1-05神宮エリア(9.07),1-07新宿エリア(5.67),2-08千住エリア(2.27),王子神社のある3-02石神井川エリア(3.97),熊野神社のある3-05高島平エリア(3.78),氷川神社のある3-06赤塚エリア(6.05),3-09氷川台エリア(9.45),3-12中野北エリア(3.59),大宮八幡宮のある4ー02善福寺川(5.10),4-04経堂エリア(2.65),4-12西馬込エリア(2.45),土支田八幡宮のある5-01大泉北エリア(2.84),5-02大泉南エリア(3.21),5-03石神井エリア(3.40),井草八幡宮のある5-04西荻窪エリア(6.24),7-03東大井エリア(4.16)が多く,あとは小さなものがそれも散発的にみられるだけです。

2-08ユニーク神社:1-01新橋エリア(8.59),1-03六本木エリア(4.32),1-05神宮エリア(5.70),靖国神社のある1-06市谷エリア(18,27),花園神社のある1-07新宿エリア(7.66),神田明神・湯島神社のある1-10御茶ノ水エリア(10.02),根津神社のある1-11谷根千エリア(13.95),2-01築地エリア(4.32),2-02浅草エリア(2.95),2-03錦糸町エリア(4.13),2-06旧中川エリア(2.75),2-07向島エリア(3.14),3-03赤羽西エリア(3.14),8-03篠崎エリア(2.36)というように,都心近くに集中しているといえます。なお,富岡八幡宮は2-10併設寺社に入ります。

2-09中小神社:1-06市谷エリア(2.51),1-10御茶ノ水エリア(2.59),2-01築地エリア(2.68),2-02浅草エリア(4.93),2-03錦糸町エリア(2.16),2-07向島エリア(3.11),2-08千住エリア(2.42),3-08向原エリア(2.33),3-11鷺宮エリア(3.03),4ー02善福寺川エリア(2.33),4-07下馬エリア(2.68),4-09自由が丘エリア(2.33),4-12西馬込エリア(2.68),7-02大森エリア(3.03),8-02新中川エリア(2.85),8-06お花茶屋エリア(2.16),8-08水元エリア(2.51),9-02荒川北エリア(2.42),9-03舎人エリア(2.16)が多くなっていますが,大した値でなく,ほぼ万遍なく分布しているといえるでしょう。

2-10併設寺社:金王八幡宮,氷川神社のある1-04恵比寿エリア(4.44),1-11谷根千エリア(2.54),2-02浅草エリア(2.16),有名な富岡八幡宮と深川不動尊のある2-04門前仲町エリア(3.55),2-09尾久エリア(2.92),3-03赤羽西エリア(2.16),3-11鷺宮エリア(3.93),3-12中野北エリア(2.92),魅力的な竜光寺・熊野神社のある4-03神田川エリア(5.58),4-04経堂エリア(3.17),4-08駒沢エリア(6.09),4-10小山エリア(4.57),4-11西大井エリア(7.61),4-12西馬込エリア(8.50),立派な慶元寺・氷川神社のある5-06成城エリア(4.44),6ー02田園調布(2.41),7-01六郷エリア(2.41),8-09綾瀬エリア(3.55)などで高い値ですが,個々には有名でも大きくもないものの,際立つエリアが南側に多く,特徴的な分布になっています。

2-11新興宗教施設類:1-01新橋エリア(2.71),1-02高輪エリア(4.65),信濃町創価学会の本部のある1-06市谷エリア(14.34),1-07新宿エリア(6.20),1-12巣鴨エリア(2,71),2-07向島エリア(2.33),3-02石神井川エリア(2.33),3-12中野北エリア(5.43),方南町に立正佼成会の本部のある4-01中野南エリア(15.89),4-03神田川エリア(5.81),4-05下北沢エリア(2.71),一之江に国柱会のある8-02新中川エリア(2,33)が多くなっています。天理教,幸福の科学などの支部が各エリアに分散して立地していますが,1山手ゾーンと4城南ゾーンが全体としても多いのは,歴史の古さと関係するのでしょうか。

2-12外来宗教教会類:1-04恵比寿エリア(3.02),1-05神宮エリア(3.02),1-06市谷エリア(9.05),1-07新宿エリア(4.19),東京カテドラルのある1-08目白エリア(3.69),ニコライ堂や神田教会のある1-10御茶ノ水エリア(3.18),2-02浅草エリア(3.85),3-11鷺宮エリア(5.03),3-12中野北エリア(2.85),4-01中野南エリア(2.35),4-04経堂エリア(2.51),すばらしいモスクのある4-05下北沢エリア(7.20),4-07下馬エリア(2.35),4-10小山エリア(2.68),4-11西大井エリア(2.18),4-12西馬込エリア(3.35),5-03石神井エリア(4.36)に多くなっています。7湾岸,8葛飾,9足立ゾーンではほとんど見られないのも,近代東京の成立ちと関係するのでしょう。


3インフラ系

3-01高速道路類:1-05神宮エリア(2.40),1-06市谷エリア(2.93),1-10御茶ノ水エリア(2.27),首都高が錯綜する2-01築地エリア(11.07),2-03錦糸町エリア(5.20),2-04門前仲町エリア(2.40),2-06旧中川エリア(2.53),2-07向島エリア(2.67),3-02石神井川エリア(2.27),崖沿いに首都高走る3-05高島平エリア(2.80),甲州街道上に首都高走る4-03神田川エリア(3.60),玉川通り上に首都高走る4-07下馬エリア(2.93),関越道と外環道のジャンクションがすばらしい造形美の5-01大泉北エリア(3.73),5-02大泉南エリア(2.13),湾岸道路と首都高ダブルの8-01葛西エリア(4.93),8-06お花茶屋エリア(4,53),8-09綾瀬エリア(3.73),雄大な江北JCTのある9-02荒川北エリア(5.47)が高い値になっています。

3-02幹線道路類:1-01新橋エリア(3.13),1-05神宮エリア(3.61),1-06市谷エリア(6.73),1-07新宿エリア(4.09),1-09小石川エリア(3.00),1-10御茶ノ水エリア(6.61),2-01築地エリア(8.05),2-02浅草エリア(2.16),2-07向島エリア(2.52),3-08向原エリア(4.21),3-11鷺宮エリア(2.52),すばらしい並木の甲州街道がある5-05烏山エリア(2.40),7-03東大井エリア(3.49),8-01葛西エリア(3.13)が高い値を示しますが,当然のことながら,放射環状に建設された主要道路が集まる1山手ゾーンと,新旧の産業の集まる7湾岸ゾーンでは全般に多く,3城北ゾーンでは,要町通りや環八通りなど,新たに整備されたものが目立ちます。

3-03並木道路類:1-05神宮エリア(2.20),1-06市谷エリア(4.10),1-07新宿エリア(3.66),1-11谷根千エリア(2.93),1-12巣鴨エリア(2,34),2-01築地エリア(3.81),2-02浅草エリア(3.81),カーブする桜並木のある2-08千住エリア(2.20),スポーツセンターと一体の3-03赤羽西エリア(2.49),魅力的な中杉通りある3-11鷺宮エリア(4.69),同じく中野通りある4-01中野南エリア(4.54),4-12西馬込エリア(2.49),8-01葛西エリア(3.66),8-02新中川エリア(5.27),8-03篠崎エリア(2.20),8-04小岩エリア(2.93)が高い値を示しますが,8葛飾ゾーンで多いのは,地形や都市集積の少ないのを補うもので,山手ゾーン,2下町ゾーンが全般に多めなのは,都市の顔として当然でしょう。3城北ゾーンが全般に多いのはまだ道路整備の土地のゆとりがあることを示すもので,4城南ゾーンでは対称的に非常に少なくなっています。

3-04パークウェイ類:1-06市谷エリア(3.88),1-07新宿エリア(3.06),1-10御茶ノ水エリア(2.35),4ー02善福寺川エリア(2.47),4-03神田川エリア(2.64),4-04経堂エリア(3.53),4-05下北沢エリア(3.53),4-08駒沢エリア(3.06),5-01大泉北エリア(2.47),5-03石神井エリア(4.82),5-04西荻窪エリア(4.35),5-06成城エリア(3.76),6-03矢口エリア(2.12)が多いほか,1-08目白エリア(2.00),1-11谷根千エリア(1.88),3-06赤塚エリア(2.00),3-11鷺宮エリア(1.88),5-05烏山エリア(2.00),6-01二子玉川エリア(2.00),8-02新中川エリア(1.76),8-07柴又エリア(1.76),8-08水元エリア(1.88)でやや高い値を示しますが,あくまでもパークウェイ的ということで様々なものをまとめて取り上げているため,各ゾーンそれぞれに高めのエリアが存在しているといえます。

3-05橋まわり類:2-01築地エリア(13.01),2-02浅草エリア(2.57),2-03錦糸町エリア(5.82),2-04門前仲町エリア(2.91),2-05砂町エリア(8.05),2-06旧中川エリア(4.28),2-07向島エリア(2.74),2-08千住エリア(4.79),2-09尾久エリア(3.94),3-01王子北エリア(3.25),6-02田園調布エリア(2.23),6-03矢口エリア(2.40),7-04港南エリア(2.57),7-05臨海副都心エリア(3.08),7-06夢の島エリア(2.57),8-02新中川エリア(4.28),8-04小岩エリア(2.74),8-05新小岩エリア(2.23),8-06お花茶屋エリア(3.08),9-02荒川北エリア(3.60)が多いほか,3-04浮間エリア(1.71),3-05高島平エリア(1.71),6-01二子玉川エリア(2.05),7-01六郷エリア(2.05)でやや多くなっています。大きな川や運河に架るものが対象になるので,2下町ゾーンは05砂町エリアを筆頭にほとんどのエリアで,6多摩川ゾーンは3エリア全てで高く,07湾岸ゾーンと8葛飾ゾーンも過半のエリアで高めになり,その他のゾーンにはほとんど無いというように,際立った分布になっているのも当然でしょう。

3-06特定交差部類:1-03六本木エリア(2.28),1-05神宮エリア(3.17),1-06市谷エリア(3.30),1-07新宿エリア(3.04),1-10御茶ノ水エリア(3.55),2-01築地エリア(10.52),2-02浅草エリア(4.56),2-08千住エリア(2.28),2-09尾久エリア(4.94),3-11鷺宮エリア(3.30),4-11西大井エリア(2.41),4-12西馬込エリア(3.30),8-07柴又エリア(2.53)で多く,1-01新橋エリア(1.77),1-09小石川エリア(2.03),1-11谷根千エリア(1.90),2-03錦糸町エリア(1.90),2-07向島エリア(1.77),4-03神田川エリア(1.77),4-05下北沢エリア(2.03)などがやや高い値になっています。2下町ゾーンでは戦後になって首都高を中心に複雑な道路整備がなされたこともあって,09尾久を筆頭に高い値を示すエリアが多く,エリアが全般に高めな1山手ゾーンは歴史の積み重ねにより,3城北ゾーンは近年新設道路が次々できていることによるものといえるでしょう。開発されにくい4城南,5北多摩,6多摩川ゾーンや,開発の遅れた9足立ゾーンにはほとんどみられず,7湾岸ゾーンと8葛飾ゾーンにはわずかに高いエリアが存在しています。

3-07鉄道施設類:1-06市谷エリア(3.07),1-07新宿エリア(2.67),1-10御茶ノ水エリア(3.66),1-12巣鴨エリア(2,67),2-02浅草エリア(3.27),2-05砂町エリア(2.28),2-08千住エリア(2.38),2-09尾久エリア(8.91),4-03神田川エリア(2.48),4-04経堂エリア(3.17),4-05下北沢エリア(3.37),4-11西大井エリア(2.97),4-12西馬込エリア(3.96),7-04港南エリア(3.56),7-05臨海副都心エリア(2.97),8-07柴又エリア(2.67),9-03舎人エリア(2.57)で多くなっていますが,2下町ゾーンでは,JRの二つの大操車場のある09尾久エリアが際立つほか,高めのエリアが多く,7湾岸ゾーンもモノレールが道路と一体の04港南エリアが際立つほか全体に高く,8葛飾ゾーンは京成線が三つに分岐する高砂検車区のある07柴又,総武線の貨物基地のある05新小岩,東京メトロ千代田線車両基地のある09綾瀬エリアが高いほか,主として車両基地の分布で3城北ゾーンでは3つのエリアで,4城南ゾーンでは,過半のエリアで高めになっているというように,園林東京はまさに鉄道によって支えられていることが分かります。

3-08産業団地類:ソニーの団地の残る1-02高輪エリア(2.50),なお都心近くに工場等を展開する大日本印刷の団地のある1-06市谷エリア(9.94),2-01築地エリア(5.62),鉄道貨物基地のある2-08千住エリア(4.97),工業団地の展開する3-04浮間エリア(4.54),トラックターミナルのある3-05高島平エリア(12.31),湾岸産業団地の展開する7-02大森エリア(9.94),鉄道貨物基地のある7-03東大井エリア(10.37),新木場団地のある7-06夢の島エリア(15.55),トラックターミナルのある8-01葛西エリア(7.56),同じく9-03舎人エリア(4.54)が多くなっています。

3-09サポート施設類:1-07新宿エリア(3.57),2-01築地エリア(5.89),2-02浅草エリア(2.72),2-03錦糸町エリア(2.89),2-05砂町エリア(4.13),2-07向島エリア(2.10),2-08千住エリア(2.49),5-04西荻窪エリア(2.21),7-04港南エリア(2.60),7-05臨海副都心エリア(2.60),8-07柴又エリア(2.15),9-01花畑エリア(2,60),9-03舎人エリア(2.32)が多いほか,1-01新橋エリア(1.98),1-06市谷エリア(1.81),1-10御茶ノ水エリア(1.76),3-05高島平エリア(1.93),4-03神田川エリア(2.04),4-04経堂エリア(1.70),4-05下北沢エリア(1.81),7-06夢の島エリア(1.81),8-01葛西エリア(2.04),8-03篠崎エリア(2.04),8-06お花茶屋エリア(1.76)でやや高い値になっています。2下町ゾーンでは,ほとんど全てのエリアで高い値を示し,内容もあらゆる型が登場しています。そのつながりとして,3城北ゾーンで,荒川・隅田川沿いの01王子北,04浮間,05高島平だけが高くなっています。7湾岸ゾーンもほとんどのエリアで高い高い値を示し,内容も2下町ゾーンのように多様です。8葛飾ゾーンでは変送電や上下水に関わるものを主体にほとんどのエリア,9足立ゾーンでも変送電を主体に全てのエリアで高くなっています。そのほか,1山手,5北多摩,6多摩川ゾーンの一部のエリアで,特定のサポート施設があって高い値を示しますが,最も開発余地の少ない4城南ゾーンではほとんどのエリアで低い値になっています。この3-09サポート施設類の分布傾向が3インフラ系全体の分布傾向に一致していることも指摘しておきましょう。


4地区系

4-01除外背景地区類:皇居前の1-01新橋エリア(6.02),赤坂御所前の1-03六本木エリア(12.03),高松宮邸のある1-04恵比寿エリア(3.76),皇居前で防衛省もある1-06市谷エリア(18.05),皇居前の1-10御茶ノ水エリア(2.26),自衛隊駐屯地のある3-02石神井川エリア(11.28),同じく3-10光が丘エリア(11.28),広大な埠頭産業用地控える7-03東大井エリア(16.54),同じく7-05臨海副都心エリア(9.77),東京拘置所控える8-06お花茶屋エリア(3.76)と,わずかな部分に偏って存在するものです。

4-02特定界隈街区類:丸の内・霞が関を抱える1-01新橋エリア(9.68),赤坂界隈のある1-03六本木エリア(2.42),渋谷・原宿を有する1-05神宮エリア(12.10),大繁華街有する1-07新宿エリア(6.83),後楽園界隈のある1-09小石川エリア(2.35),大手町や神田のさまざまな業界の界隈を有する1-10御茶ノ水エリア(18.72),銀座・日本橋を抱える2-01築地エリア(27.54),一大歓楽街有する2-02浅草エリア(11.03),魅力的店舗群のある4-05下北沢エリア(2.42)のほかは,神楽坂のある1-06市谷エリア(1.85),魅力的店舗群のある4-09自由が丘エリア(1,99)くらいというように,大東京の歴史的な都心の存在を示す極端な偏りになっています。

4-03複合開発地区類:アークヒルズのある1-01新橋エリア(4.27),大崎ニューシティのある1-02高輪エリア(2.50),六本木ヒルズや東京ミッドタウンのある1-03六本木エリア(8.26),ガーデンプレイスのある1-04恵比寿エリア(4.04),アイガーデンのある1-06市谷エリア(3.36),副都心地区のある1-07新宿エリア(12.88),シオサイトなどのある2-01築地エリア(11,34),小規模ながらユニークなリバーピア吾妻橋有する2-03錦糸町エリア(2.68),警察学校跡地再開発地区のある3-12中野北エリア(2.68),天王洲アイル・品川グランドコモンズと再開発著しい7-04港南エリア(8.03),大規模に新開発された7-05臨海副都心エリア(15,38)のほかは,1-05神宮エリア(1.94),深川ギャザリア有する2-04門前仲町エリア(1.25),世田谷ビジネススクエアのある4-06桜新町エリア(1.77),小規模ながらユニークな八雲の再開発のある4-08駒沢エリア(1.77)くらいというように,4-02特定界隈街区類ほどではありませんが,極端な偏りになっています。


5公園系

5-01谷丘林池公園類:1-02高輪エリア(2.48),有栖川公園有する1-03六本木エリア(3.49),1-06市谷エリア(2.30),1-07新宿エリア(3.49),飛鳥山公園有する1-12巣鴨エリア(3.49),渓谷的な緑地の連なる3-02石神井川エリア(6.61),長大な崖面の公園有する3-06赤塚エリア(6.52),3-12中野北エリア(2.66),広大かつ魅力的な緑地を有する4-02善福寺川エリア(12,95),4-04経堂エリア(3.95),4-05下北沢エリア(2.11),洗足池公園などのある4-09自由が丘エリア(5.33),林試の森のある4-10小山エリア(4.22),魅力的な大公園のある5-03石神井エリア(7.07),善福寺公園のある5-04西荻窪エリア(3.12),仙川沿いに祖師谷公園有する5-06成城エリア(4,59),多摩川台公園などの6-02田園調布エリア(8.82)のほか,おとめ山公園のある1-08目白エリア(2.02),3-03赤羽西エリア(1.74)というように,武蔵野台地側全般にわたって分布していて,園林都市東京の魅力の原点のような存在になっています。

5-02堤原草池公園類:旧中川沿いに亀戸中央公園と大島小松川公園有する2-06旧中川エリア(18.55),隅田川沿いに汐入公園等有する2-08千住エリア(4.18),同じく尾久の原公園有する2-09尾久エリア(6.00),岩淵水門公園のある3-01王子北エリア(3.45),かつての沼地跡の赤羽自然公園有する3-03赤羽西エリア(5.82),浮間公園のある3-04浮間エリア(6.18),舟渡水辺公園のある3-05高島平エリア(2.18),兵庫島公園のある6-01二子玉川エリア(3.45),8-01葛西エリア(3.45),8-04小岩エリア(2,73),8-06お花茶屋エリア(2.91),江戸川沿いの公園有する8-07柴又エリア(4.36),別格の水元公園有する8-08水元エリア(35.64)というように,大きな川に沿っているこれらのエリアの他の各ゾーンのエリアすべてがゼロという限られた存在です。

5-03海浜公園緑道類:佃島まわりに緑道公園有する2-01築地エリア(7.78),越中島公園有する2-04門前仲町エリア(5.03),運河沿いに緑道や公園の整備されている7-02大森エリア(9.38),東京港野鳥公園,大井ふ頭中央海浜公園などを有する7-03東大井エリア(28.49),お台場公園等を有する7-05臨海副都心エリア(16.59),葛西臨海公園,夢の島公園,辰巳の森海浜公園有する7-06夢の島エリア(32.15)というように,当然のことながら7湾岸ゾーンに集中,それとつながる2下町ゾーンにわずかにある他は,全てゼロという最も分布の限られる「景語」であるとともに,非日常の世界を体験できる魅力になっています。

5-04大型緑苑公園類:代々木公園や神宮外苑のある1-05神宮エリア(13.35),新宿中央公園などのある1-07新宿エリア(6.63),別格の上野公園のある1-10御茶ノ水エリア(17.89),2-01築地エリア(2.18),猿江恩賜公園のある2-03錦糸町エリア(4.90),城北中央公園有する3-09氷川台エリア(4.36),光が丘公園有する3-10光が丘エリア(5.54),4城南ゾーンでは,馬事公苑のある4-06桜新町エリア(4.45),オリンピック公園のある4-08駒沢エリア(3.36),大泉中央公園有する5-01大泉北エリア(3.36),5-03石神井エリア(2.36),砧公園有する5-06成城エリア(6.09),篠崎公園有する8-03篠崎エリア(3.45),広大な公園有する9-03舎人エリア(9.90)のほか,木場公園のある04門前仲町エリア(1.36),中央公園のある3-02石神井川エリア(2.09),世田谷公園のある4-07下馬エリア(1.73)というように,前記三類が地形に基づく故に分布が限定されるのに対し,かなりバランス良く存在しています。

5-05帯状緑苑公園類:増上寺を取り巻くように整備された芝公園有する1-01新橋エリア(7.79),2-01築地エリア(5.87),隅田川沿いに防災団地と一体になって整備された東白髭公園のある2-07向島エリア(9.29),桐ケ丘中央公園有する3-03赤羽西エリア(3.14),ニュータウンと一体になって整備された公園有する3-10光が丘エリア(6.42),平和の森公園ほかのある7-02大森エリア(9.29),しながわ区民公園有する7-03東大井エリア(6.01),やはりニュータウンと一体になって整備され規模が大きく多面的な総合レクリエーション公園を有する8-01葛西エリア(24.45),西亀有せせらぎ公園ほかのある8-06お花茶屋エリア(3.01),ユニークな形状の東綾瀬公園有する8-09綾瀬エリア(5.74),毛長公園ほかを有する9-01花畑エリア(2.73),諏訪木公園ほかを有する9-03舎人エリア(7.92)というように,偶然的な単発的分布になっているのが特徴です。

5-06庭園屋敷跡類:皇居外苑・日比谷公園のある1-01新橋エリア(7.86),庭園美術館ほかのある1-02高輪エリア(2.91),北の丸公園ほかのある1-06市谷エリア(8.33),新宿御苑のある1-07新宿エリア(11.01),1-08目白エリア(2.20),後楽園・植物園のある1-09小石川エリア(5.19),皇居東御苑・旧岩崎邸庭園・湯島聖堂のある1-10御茶ノ水エリア(11.48),六義園のある1-11谷根千エリア(4.01),旧古河庭園のある1-12巣鴨エリア(4.87),浜離宮庭園のある2-01築地エリア(5.87),清澄庭園のある2-04門前仲町エリア(3.30),百花園のある2-07向島エリア(2.28),大田黒庭園のある4-02善福寺川エリア(2.36),駒場公園のある4-05下北沢エリア(2.83),戸越公園ほかのある4-11西大井エリア(2.83),蘆花恒春園のある5-05烏山エリア(3.46),岡本静嘉堂緑地のある6-01二子玉川エリア(2.91)というように,江戸時代からの歴史を反映して都心まわりに集中しているのは当然で,1山手ゾーンの全てのエリアに存在,2下町ゾーンの一部エリアの他にはほとんどありません。

5-07ユニーク公園類:乃木公園・青山公園のある1-03六本木エリア(5,16),1-06市谷エリア(2.18),1-07新宿エリア(4.14),1-08目白エリア(2.25),教育の森公園ほかのある1-09小石川エリア(8.10),1-10御茶ノ水エリア(2.69),2-01築地エリア(4.29),3-01王子北エリア(2.54),東板橋公園ほかのある3-02石神井川エリア(3.13),水車公園・昆虫公園のある06赤塚エリア(2.18),4-11西大井エリア(2.18),4-12西馬込エリア(3.05),魅力あふれる次大夫堀公園のある06成城エリア(2.69),本格的な岡本民家園のある6-01二子玉川エリア(2.76),規模は小さいながら魅力的な公園が多数存在する8-09綾瀬エリア(3.92),ベルモント公園ほかのある9-01花畑エリア(2.98),本格的な都市農業公園のある9-03舎人エリア(5.52)のほか,2-03錦糸町エリア(1.96),2-08千住エリア(2.03),3-12中野北エリア(2.03),4-03神田川エリア(2.03),8-06お花茶屋エリア(1.96),9-02荒川北エリア(2.03)など,各ゾーンそれぞれのほとんどのエリアに何らかのものが存在しています。園林都市東京の面目躍如たるもので。6緑網系との組み合わせが期待されるものです。

5-08緩衝公園緑道類:落合水再生センター対応の1-07新宿エリア(2.68),昭和通りほかに対応する2-01築地エリア(6.44),2-03錦糸町エリア(2.44),墨田清掃工場対応の2-06旧中川エリア(2.58),2-08千住エリア(2.36),2三河島水再生センター対応の2-09尾久エリア(3.43),浮間水再生センター対応の3-04浮間エリア(2.25),団地と幹線道路の間に長大な緑地公園を整備した3-05高島平エリア(4.72),中野水再生センター対応の3-12中野北エリア(2.47),杉並清掃工場対応の4-03神田川エリア(2.25),外環道対応の5-01大泉北エリア(2.90),東海道線沿いの大井水神森公園ほかのある7-02大森エリア(4.72),芝浦水処理センター対応の7-04港南エリア(3.22),湾岸道路対応の7-06夢の島エリア(2.68),葛西水再生センターほか対応の8-01葛西エリア(3.97),小菅水再生センター対応の8-06お花茶屋エリア(3.11),葛西清掃工場対応の8-08水元エリア(2.58),中川水再生センター対応の8-09綾瀬エリア(4.94),9-02荒川北エリア(2.15),9-03舎人エリア(3.43)のほか。1-12巣鴨エリア(1.82),2-05砂町エリア(1.72),3-01王子北エリア(1.72),3-06赤塚エリア(1.93),5-06成城エリア(2.04),9-01花畑エリア(1.93)など,この類の定義上,ランダムな値にはなりますが,ほとんどエリアに存在しています。

5-09中小公園類:2-01築地エリア(3.04),2-02浅草エリア(2.67),2-05砂町エリア(2.53),2-06旧中川エリア(2.67),2-07向島エリア(2.44),3-11鷺宮エリア(3.58),4-12西馬込エリア(2.76),8-03篠崎エリア(2.39),9-01花畑エリア(4.04),9-02荒川北エリア(2.98),9-03舎人エリア(3.70)のほか,1-06市谷エリア(1.96),1-07新宿エリア(1.76),2-03錦糸町エリア(1.93),4-01中野南エリア(2.05),4-04経堂エリア(1.96),7-01六郷エリア(1.73),7-02大森エリア(1.79),8-02新中川エリア(1.76),8-06お花茶屋エリア(1.96),8-09綾瀬エリア(1.85)というように,全体として数が多く分散しているものでありますが,9足立ゾーンで各エリアともかなり多いほか,3城北,5北多摩,8葛飾ゾーンのエリアなど,一般の住宅地として開けてきたゾーンや,震災や戦災で壊滅的被害を受けた2下町ゾーンで各エリアとも多いのが注目されます。

5-10緑苑プロムナード類:南砂住宅沿い緑道の2-05砂町エリア(3.92),大島緑道公園のある2-06旧中川エリア(2.81)軍用貨物線路跡を整備した素晴らしい赤羽緑道公園のある3-03赤羽西エリア(2.94),前谷津川緑道のある3-05高島平エリア(3.46),同じく3-06赤塚エリア(3.72),3-08向原エリア(2.16),4-02善福寺川エリア(2.48),玉川上水緑道のある4-03神田川エリア(2.94),烏山川とその支流北沢川緑道のある4-04経堂エリア(7.64),両者に加えて玉川上水緑道まである4-05下北沢エリア(9.41),蛇崩川緑道ほかのある4-06桜新町エリア(2.61),蛇崩川緑道のとくにすばらしい4-07下馬エリア(3.33),4-11西大井エリア(2.48),4-12西馬込エリア(2.74),烏山川とその支流の緑道のある5-05烏山エリア(3.59),谷川緑道ほかのある6-01二子玉川エリア(2.29)など,かつての河川の存在を反映して,3城北,4城南ゾーンでは,ほとんどのエリアで多くなっています。

5-11親水プロムナード類:大横川と横十間川親水公園のある2-03錦糸町エリア(6.68),古石場川親水公園ほかのある04門前仲町(3.83).仙台堀川公園と横十間川親水公園のある2-05砂町エリア(10.84),4-05下北沢エリア(3.61),魅力的な六郷用水親水緑道のある6-03矢口エリア(2.63),左近川親水緑道のある8-01葛西エリア(3.83),小松川境川,一之江境川,古川といずれもすばらしい親水公園のある8-02新中川エリア(15.77),数多くの魅力的な親水公園のある8-03篠崎エリア(14.02),親水公園の多い8-04小岩エリア(5.70),葛西用水親水公園につながる曳船川親水公園ほかのある8-06お花茶屋エリア(8.00),立派な葛西用水親水公園や魅力的な旧隅田川親水緑道のある8-09綾瀬エリア,風格ある見沼代親水公園のある9-03舎人エリア(5.59)というように,2下町と3葛飾ゾーンでは全体に多く,他はほとんどのエリアがゼロになっています。

5-12河岸プロムナード類:目黒川のある1-04恵比寿エリア(2.23),外堀・内堀ともにある1-06市谷エリア(6.28),神田川のある1-07新宿エリア(4.19),2下町ゾーンは,河口から上流までプロムナードの整備された隅田川や小名木川など運河的小河川も多いことから,2-01築地エリア(8.24),2-02浅草エリア(3.35),2-03錦糸町エリア(5.31),02-04門前仲町エリア(2.65),2-07向島エリア(2.51),2-08千住エリア(1.82),2-09尾久エリア(2.23)と,各エリア高くなっている。その名の通りの3-02石神井川エリア(3.91),新河岸川のある3-04浮間エリア(1.96),石神井川・妙正寺川のある3-11鷺宮エリア(3.91),その名の通りの02善福寺川エリア(2.37),同じく4-03神田川エリア(8.10),石神井川の5-03石神井エリア(2.09),神田川流れる5-04西荻窪エリア(3.07),神田川・玉川上水のある5-05烏山エリア(4.89),仙川流れる5-06成城エリア(3.07),運河周りで都市化している03東大井エリア(2.93),同じく04港南エリア(3.49),8-01葛西エリア(1.96),垳川遊歩道のある8-09綾瀬エリア(3,21)が多くなっています。3城北,4城南ゾーンが少ないのは,多くの河川が地下化などされたためで,5-10緑苑プロムナード類の裏返しということです。8葛飾ゾーンが少ないのも,多くが5-11親水プロムナード類になっている裏返しというように,この類は,古い段階での河川等の状態が保たれている地域であるといえるでしょう。


6緑網系

6-01緑苑道路類:1-05神宮エリア(2.25),赤坂御所裏の鮫ケ橋坂・安鎮坂のある1-06市谷エリア(3.57),新宿御苑大通りや魅力的な早大理工学部沿い通りのある1-07新宿エリア(3.25),2-01築地エリア(2.38),田柄川緑道のある3-10光が丘エリア(3.25),江古田川緑道のある3-11鷺宮エリア(3.63),4-04経堂エリア(2.25),呑川緑道とその支線が貫く4-08駒沢エリア(4.13),馬込桜並木通りのある4-12西馬込エリア(2.88),8-01葛西エリア(3.00),東用水せせらぎ通りほかの8-04小岩エリア(3.32),かわばたコミュニティ通り・堀切四季の道・さくら並木の道などもりだくさんの8-06お花茶屋エリア(7.45),上下之割用水跡通りの8-07柴又エリア(3.50)が多いほか,1-04恵比寿エリア(1.75),播磨坂(環三通り)のある1-09小石川エリア(1.63),都営浮間1第2アパートと一体に整備されたすばらしい通りのある3-04浮間エリア(1.44),4-05下北沢エリア(2.07),4-11西大井エリア(1.94),風格ある越後山通りのある5-01大泉北エリア(1.63),旧六郷用水通りのある6-03矢口エリア(1.19),西半堀せせらぎパークほかの8-05新小岩エリア(2.07),8-09綾瀬エリア(1.81),9-03舎人エリア(1.88)がやや高い値を示すなど,万遍なく分布していますが,3城北ゾーンには,全般に魅力的な千川通りがあるものの,各エリアに分散して低くなり,4城南ゾーンでは,南半のエリアで多くなっているなかで,8葛飾ゾーンでは,ゾーン全体に魅力的な道路が広がっていることが注目されます。

6-02緑苑歩道類:1-02高輪エリア(2.24),1-03六本木エリア(2.48),代々木公園沿いの歩道がある1-05神宮エリア(2.38),1-06市谷エリア(3.26),1-07新宿エリア(4.67),1-10御茶ノ水エリア(3.94),2-01築地エリア(6.72),山手通りが新しく整備された3-08向原エリア(2.14),4-03神田川エリア(2.29),4-04経堂エリア(3.21),5-05烏山エリア(2.53),7-05臨海副都心エリア(2.63)が多く,1-08目白エリア(1.95),1-09小石川エリア(1.90),2-02浅草エリア(1.90),2-03錦糸町エリア(1.80),3-11鷺宮エリア(1.90),4-05下北沢エリア(2.04),4-11西大井エリア(1.95),9-02荒川北エリア(2.04)がやや高いですが,東京の表玄関の1山手ゾーンと2下町ゾーンの都心周りでは,さすがに,ほとんどのエリアで高い値を示し,3城北,9足立ゾーンでは過半のエリアで高くなっていますが,4城南,5北多摩,6多摩川,7湾岸,8葛飾ゾーンでは全体に少なく,快適に歩ける歩道の少ないことが大きな課題といえるでしょう。

6-03緑苑路地類:1-06市谷エリア(2.61),1-07新宿エリア(2.53),2-01築地エリア(2.76),3-09氷川台エリア(2.15),(旧妙正寺川)緑道のある3-11鷺宮エリア(7.44),4-01中野南エリア(2.15),4-02善福寺川エリア(2.15),古い小川の跡の多い4-05下北沢エリア(5.45),4-12西馬込エリア(2.99),5-03石神井エリア(3.38),5-05烏山エリア(2.46),かつての水田の畦道の多い8-02新中川エリア(4.22),長い水路跡のある8-04小岩エリア(3.30),8-06お花茶屋エリア(4.60)が多く,1-11谷根千エリア(1.92),4-04経堂エリア(2.00),4-11西大井エリア(2.00),5-04西荻窪エリア(2.00),8-05新小岩エリア(1.92)でやや高くなっています。ピックアップされたのがかなり偶然的とはいえ,ほぼ予想通りの結果を示しているようです。

6-04急坂階段路類:1-08目白エリア(8,36)を筆頭に,1山手ゾーンでは,1-06市谷エリア(7.58),1-11谷根千エリア(6.24),1-04恵比寿エリア(5.46),1-10御茶ノ水エリア(5.24),1-07新宿エリア(3.68),1-02高輪エリア(3.12),1-01新橋エリア(2.90),1-03六本木エリア(2.90),1-09小石川エリア(2.68),1-05神宮エリア(2.01)と続き,まさに都心周りのエリアが高く,園林都市東京の最大の特徴ともいえる。武蔵野台地北辺の続く3-06赤塚エリア(2.68),武蔵野台地の南辺に近く池上本門寺のある4-12西馬込エリア(10.03)や有名な高級住宅地山王のある4-11西大井エリア(5.02),4-05下北沢エリア(7.25),6-02田園調布エリア(2.23),4-01中野南エリア(2.23),3-12中野北エリア(2.01),4-09自由が丘エリア(1.78),6-01二子玉川エリア(1.78)と並べてみますと,東京の魅力ポイントの場そのものを示しているようでもあります。沖積平野側の2下町,7湾岸,8葛飾,9足立ゾーンのほとんど全てのエリアがゼロなのは当然ですが,台地上でも中央の平坦部にある5北多摩ゾーンは,各エリアとも低い値になっています。

6-05商店街門前町類:まず,最も多いのは3-11鷺宮エリア(5.37)ですが,3城北ゾーンではほかに3-08向原エリア(3.58),3-02石神井川エリア(1.99)が多いくらいです。次いで,フラワーロードほか長大な商店街のある8-04小岩エリア(4.97)が高いですが,8葛飾ゾーンもほかに8-06お花茶屋エリア(2.88)があるくらいです。対して,4城南ゾーンでは,有名な戸越銀座ほか歴史的な商店街を有する4-11西大井エリア(4.57)を筆頭に,4-05下北沢エリア(4.47),4-12西馬込エリア(3.98),4-01中野南エリア(3.68),パルム商店街のある4-10小山エリア(2.58),魅力的なアーケード(パールセンター)のある4-02善福寺川エリア(2.19),4-04経堂エリア(1.99)と,歴史的な住宅地を反映して全般に高くなっています。谷中の門前町のある1-11谷根千エリア(3.58)を筆頭とする1山手ゾーンは,(おばあちゃんの原宿)地蔵通りのある1-12巣鴨エリア(2.68)と郊外に近い側は多いですが,あとは1-07新宿エリア(2.29),1-10御茶ノ水エリア(1.99)くらいなのに対し,2下町ゾーンでは,宿場町を背景に駅前商店街の広がる2-08千住エリア(3.38)を筆頭に,2-01築地エリア(2.78),2-02浅草エリア(2.58),2-03錦糸町エリア(1.89),2-05砂町エリア(1.89),2-07向島エリア(1.89),2-09尾久エリア(1.89)と続き,歴史的に商人の町らしく全般に高い値になっています。あとは。蒲田駅まわりの商店街を有する7-01六郷エリア(1.79),7-03東大井エリア(1.79)くらいで,農村的環境の残る5北多摩ゾーンは少なく,高級住宅地の連なる6多摩川ゾーンでもほとんどゼロになっています。開発の遅れる9足立ゾーンは各エリアとも少ないです。

6-06駅まわり類:1-01新橋エリア(2.12),1-02高輪エリア(2.12),1-05神宮エリア(3.14),1-07新宿エリア(3.60),1-08目白エリア(2.49),1-10御茶ノ水エリア(2.95),1-12巣鴨エリア(2.68),2-01築地エリア(5.26),2-02浅草エリア(2.40),2-03錦糸町エリア(3.14),3-11鷺宮エリア(4.34),4-04経堂エリア(2.40),横須賀線の新ルートが建設された4-11西大井エリア(2.59),7-04港南エリア(2.22),7-05臨海副都心エリア(2.95),8-01葛西エリア(2.49),8-06お花茶屋エリア(2.12),9-02荒川北エリア(2.12),9-03舎人エリア(2.68)が多いほか,1-06市谷エリア(1.85),2-06旧中川エリア(1.85),2-07向島エリア(1.85),2-08千住エリア(1.75),鉄道の地下化によって新たな整備をされた田園調布駅のある6-02田園調布エリア(1.02),7-06夢の島エリア(1.75)がやや高くなっています。東京の顔になる1山手,2下町ゾーンでは,全体に多いものの,どの駅であるかによってエリア間のバラツキは大きいです。古くから鉄道が敷かれるものの,駅周りを計画的に整備する間のなかった3城北,4城南,5北多摩ゾーンではほとんどのエリアで低い値です。6多摩川ゾーンでは,02田園調布のみかなり高い値で,7湾岸ゾーンでは,モノレールとゆりかもめという新交通システムの通る04港南,05臨海副都心エリアが際立って高く,8葛飾ゾーンでは,古くから拠点駅のある05新小岩や,近年になって東西線が開通した01葛西エリアなどで高く,9足立ゾーンも舎人ライナーが開通した02荒川北,03舎人エリアが高めになっています。

6-07まちかどスポット類:数も型も多く細かいものですので,ゾーンごとにエリア分布の状況のみを示しますと,1山手ゾーンでは,1-06市谷エリア(5.16)を筆頭に,1-10御茶ノ水エリア(3.39),1-07新宿エリア(3.19),1-11谷根千エリア(1.84)と続き,2下町ゾーンでは,2-01築地エリア(4.94),2-02浅草エリア(3.19)がとくに多く,いずれも歴史の積み重ねを反映していると思われます。3城北ゾーンでは,3-11鷺宮エリア(3.23)だけが飛びぬけて多いですが(次ぐのは3-08向原エリア(1.73)),エリアの広さ以上に,住宅地としての歴史の密度を表していると考えられます。4城南ゾーンでは,4-05下北沢エリア(4.62)を筆頭に,4-11西大井エリア(2.69),4-12西馬込エリア(2.60),4-04経堂エリア(2.49),4-03神田川エリア(2.15),4-02善福寺川エリア(1.95),4-01中野南エリア(1.82)と,どのエリアも多めになっているのも,同様の理由とみることができます。5北多摩,6多摩川,7湾岸,8葛飾,9足立ゾーンのいずれにおいても,とくに多いエリアが無いのは,その裏返しということになるでしょう。

6-08利便スポット類:やはり数も型も多く細かいものですので,ゾーンごとにエリア分布の状況のみを示しますと,1山手ゾーンは,1-06市谷エリア(2.99),1-07新宿エリア(2.36),1-10御茶ノ水エリア(2.63)程度で,各エリアで数が少ないのに対し,2下町ゾーンでは,2-01築地エリア(8.02)が異常に高い値を示していますが,銀座や日本橋など超広域から多くの人が集まることへの対処を表していると見られます。同様の理由で,2-02浅草エリア(4.28)がその半分くらいの数で続くほか,2-05砂町エリア(2.32),2-03錦糸町エリア(1.96),2-06旧中川エリア(1.78)と,全体的に多くなっています。その他のゾーンでは,3-02石神井川エリア(1.74),3-08向原エリア(1.87),3-11鷺宮エリア(2.50),4-05下北沢エリア(2.72),4-11西大井エリア(1.83),4-12西馬込エリア(1.87),8-01葛西エリア(2.72),8-06お花茶屋エリア(2.01)があるくらいで,かなり少なくなりますが,3城北ゾーンの北半の各エリア,7湾岸や8葛飾ゾーンの過半のエリアで高く,その他のゾーンのエリアではかなり低くなっていることが指摘できます。

6-09こども施設類:上記二つのスポット類とは逆に,数も少なく,かなり分散立地していますが,2-03錦糸町エリア(1.73),2-07向島エリア(2.02),2-09尾久エリア(1.93),3-08向原エリア(1.73),3-11鷺宮エリア(6.10)は,最も多い60を数え,3-12中野北エリア(2.03),4-02善福寺川エリア(2.54),4-03神田川エリア(3.05),4-04経堂エリア(3.26),4-05下北沢エリア(4.78),4-11西大井エリア(1.93),4-12西馬込エリア(4.68)も多いように,古くからの住宅地であることと,エリアの広さを反映していると思われます。5-02大泉南エリア(2.03),5-03石神井エリア(2.54),7-01六郷エリア(1.73),8-04小岩エリア(2.95),8-05新小岩エリア(1.83),8-07柴又エリア(1.83),9-02荒川北エリア(1.83),9-03舎人エリア(2.54)もやや多いですが,その他のゾーンでは,全てのエリアが非常に少なくなっています。


7施設系

7-01学園施設類:小中学校という万遍なく存在しているものがベースになるため,全体として極めて数の多い類ですが,早大・法大・上智大のほか有名中高も多い1-06市谷エリア(6.41)がトップで,早大理工学部のほか専門学校の多い1-07新宿エリア(4.42),東大ほか駿河台の有名私大などのある1-10御茶ノ水エリア(3.80)など際だつほか,1-08目白エリア(2,46),1-09小石川エリア(2.27),1-11谷根千エリア(2,27),1-12巣鴨エリア(2.34)と続くように,1山手ゾーンに集中しています。その他,範囲が広い4-05下北沢エリア(4.54),4-04経堂エリア(3.32)はじめ,2-02浅草エリア(2.39),3-08向原エリア(2,58),3-11鷺宮エリア(2.20),3-12中野北エリア(2.25),4-01中野南エリア(2.85),4-12西馬込エリア(2,22),2-01築地エリア(1.94),3-02石神井川エリア(2.05),4-02善福寺川エリア(1.87),4-03神田川エリア(1.87),4-11西大井エリア(2.06)など,歴史的に早く開けたエリアに多くなっています。

7-02文化コミュニティ施設類:1-06市谷エリア(5.23)をトップに,1-07新宿エリア(5.11),1-10御茶ノ水エリア(4.98),1-05神宮エリア(3.36),1-11谷根千エリア(2,55)など,やはり1山手ゾーンが多く占め,4-05下北沢エリア(4.24),2-01築地エリア(3.74),4-04経堂エリア(3.24),3-11鷺宮エリア(3.18),2-03錦糸町エリア(2.55),2-07向島エリア(2.18),3-02石神井川エリア(2.12),4-02善福寺川エリア(2.31),1-02高輪エリア(1.81),1-08目白エリア(2,06),1-12巣鴨エリア(1.81)と続く様は,前記学園施設類とほとんど同じ傾向です。

7-03スポーツレジャー施設類:国立スポーツ科学センターを核とする西が丘スポーツ施設群のある3-03赤羽西エリア(5.12)がトップ,上井草スポーツセンターや多くのテニシクラブのある5-03石神井エリア(4.13),総合スポーツセンターと私立学校総合運動場のある8-05新小岩エリア(3.77),傑作国立代々木競技場や神宮外苑のオリンピック級施設群を有する1-05神宮エリア(3.68),多くの企業のグランドなどが集中する4-03神田川エリア(3.50)が際立つほか,二子玉川タイムスパークのある6-01二子玉川エリア(3.05),豊島園などのある3-09氷川台エリア(2.96),赤羽ゴルフクラブのある3-04浮間エリア(2.60),多くのスポーツ施設を有する8-01葛西エリア(2.60),平和島競艇場などのある7-02大森エリア(2.33),東京武道館のある8-09綾瀬エリア(2.15),大井競馬場のある7-03東大井エリア(2.06),夢の島公園体育館のある7-06夢の島エリア(2.06)のほか,1-07新宿エリア(1.89),2-01築地エリア(1.80),2-02浅草エリア(1.80),3-11鷺宮エリア(1.71),4-05下北沢エリア(1.89),5-01大泉北エリア(1.89),8-02新中川エリア(1.71),9-01花畑エリア(2.06),9-03舎人エリア(1.80)などが,高めの値になっています。

7-04医療福祉環境施設類:女子医大,慶大病院ほか多くの病院や医大に,国立国際医療センター病院,感染症・栄養研究所まである1-06市谷エリア(7.70)が際立つほか,巨大な松沢病院のある4-04経堂エリア(4.83),面積が広く多くの施設のある3-11鷺宮エリア(3.85),障害者施設に特化した3-02石神井川エリア(3.04),大久保病院と健康プラザハイジアのある1-07新宿エリア(2.82),聖路加病院のある2-01築地エリア(2.82),様々な病院のある2-02浅草エリア(2.50),総合医療療育センターのある3-08向原エリア(2,50),順天堂ほかのある1-10御茶ノ水エリア(2.39)が多いほか,1-11谷根千エリア(2,17),2-07向島エリア(2.17),4-01中野南エリア(2.17),4-04経堂エリア(4.83),4-05下北沢エリア(2.39),4-12西馬込エリア(2,50),7-02大森エリア(2.22),2-03錦糸町エリア(2.01),3-09氷川台エリア(2.01),3-12中野北エリア(1.95),5-02大泉南エリア(1.90),8-06お花茶屋エリア(2.06)などが,高めの値になっています。

7-05国内外交流施設類:フランス,イタリアなど大国の大使館,高輪プリンスホテル,三井綱町倶楽部,三菱の開東閣など一流の施設のある1-02高輪エリア(8.88)を超えて,ホテルニューオータニ,イギリス大使館などホテル,大使館のほか,企業や団体の会館が多いこともあって1-06市谷エリア(14.21)が断トツになっています。さらに,目黒雅叙園などユニークな施設のある1-04恵比寿エリア(6.98),アメリカ大使館,ホテルオークラ,帝国ホテル,東京国際フォーラムなどのある1-01新橋エリア(6.09),カナダ大使館や国際文化会館のある1-03六本木エリア(5.58),京王プラザはじめホテルの多い1-07新宿エリア(5.20),学士会館などのある1-10御茶ノ水エリア(4.82),青少年総合センターや各国大使館もある1-05神宮エリア(4.70)ほか,1-08目白エリア(2,92),1-09小石川エリア(2.28)など,1山手ゾーンだけで大半を占め,2下町ゾーンの2-01築地エリア(5.20),2-02浅草エリア(2.03),2-03錦糸町エリア(2.03)のほかは,4-05下北沢エリア(3.68),4-11西大井エリア(2.03)が出てくるくらいの偏った分布になっています。

7-06ユニークビル店舗類:1-06市谷エリア(8.01)を筆頭に,1-05神宮エリア(5.89),1-07新宿エリア(4.24),1-04恵比寿エリア(4.19),1-10御茶ノ水エリア(3.83),1-03六本木エリア(2.43),1-11谷根千エリア(1.86),1-01新橋エリア(1.76)と1山手ゾーンの各エリアと,市谷エリアとほとんど同じの2-01築地エリア(7.96),2-02浅草エリア(5.12)の2下町ゾーン2つのエリアと,都心周りに集中していますが,それぞれ大きな繁華街等の界隈を持っていて,そのなかの店舗は含まれないことを考えれますと,界隈を超えて広く分布していることが分かり,それだけ,都心周りの厚みを感じることができます。範囲が広くて神楽坂界隈の占める比率が小さい市谷エリアの値は当然という感じですが,築地エリアの銀座,日本橋の占める比率の大きさを考えるとその凄みすら感じてしまいます。郊外では,4-05下北沢エリア(6.46)が特化していますが,ここでも下北沢駅周りは界隈として拾っていますし(市谷エリアに類似して範囲が広く比重は小さいですが),その他のエリアでは,ほとんど取るに足らない値になってしまいますから,界隈があることで,その周囲にもユニークビル店舗類が立地することが明らかであるといえるでしょう。

7-07量販店車対応施設類:デパートの集中する2-01築地エリア(5.02)やユニークな安売り店などのある2-02浅草エリア(2.79)に,アリオ北砂やトヨタのDUOなどのある2-05砂町エリア(5.13),サンストリートのある2-06旧中川エリア(2.79),東京スカイツリータウンのある2-03錦糸町エリア(2.45)など,SCの立地の目立つエリア,さらに2-07向島エリア(2.12),2-08千住エリア(2.12)など,2下町ゾーンが全体に高く,さすがに商人の町であることがまず指摘できます。その他,デパートの多い1-07新宿エリア(3.79),ららぽーと豊洲のある7-05臨海副都心エリア(4.24),リバーサイドモールのある8-01葛西エリア(4.12),アリオ亀有のある8-06お花茶屋エリア(4.01)が際立つほか,主としてスーパーマーケットの立地によって,3-04浮間エリア(2.23),3-07常盤台エリア(2.34),3-09氷川台エリア(2.12),3-11鷺宮エリア(1.90),4-06桜新町エリア(1.90),4-11西大井エリア(2.01),4-12西馬込エリア(2,12),5-02大泉南エリア(2.34),5-04西荻窪エリア(2.79),9-02荒川北エリア(2.68)などが高めになっています。

7-08高層モダンビル類:1-10御茶ノ水エリア(8.73)を筆頭に,1-07新宿エリア(6.76),1-02高輪エリア(5.45),1-03六本木エリア(5.35),1-06市谷エリア(5.26),1-04恵比寿エリア(4.69),1-05神宮エリア(3.94),1-01新橋エリア(3.85),1-09小石川エリア(4.04)と,1山手ゾーンの各エリアが高いのは当然ですが,ここでも,大手町や新宿副都心のように高層ビルの密集する部分が4-02特定界隈街区類や4-03複合開発地区類として拾われていてカウントされないことを考えますと,ユニークビル店舗類と同様のことが指摘できます。近年開発圧力が最も高くなっている7湾岸ゾーンの7-03東大井エリア(2.91),7-04港南エリア(4.60),7-05臨海副都心エリア(4.41)などが高い値を示し,より都心近くで,7湾岸ゾーンに近い面を持つ月島や晴海を抱える2-01築地エリア(12.58)が飛びぬけて高い値を持つのも頷けます。その他,2-02浅草エリア(3.85),2-03錦糸町エリア(2.82),2-05砂町エリア(2.72)と,2下町ゾーンの都心とのつながりのあるエリアも高めの値になっています。4-05下北沢エリア(2.35)が登場するのは,たまたま三軒茶屋にキャロットタワーがあることによっています。

7-09産業施設類:著名な大田区の中小企業群を有する7-01六郷エリア(6.14),7-02大森エリア(3.70)はじめ,7-03東大井エリア(2.02)など7湾岸ゾーンや,2-03錦糸町エリア(3.54),2-05砂町エリア(3.45),2-07向島エリア(2.61),2-08千住エリア(2.02),2-09尾久エリア(3.20)など,隅田川,荒川沿いのもともと工業地帯であったところや,開発が遅れているが故になお多くの小工場の残る8-01葛西エリア(2.02),8-02新中川エリア(2.36)など8葛飾ゾーン,8-06お花茶屋エリア(3.20),巨大な王子製紙の基地であった3-01王子北エリア(2.95),新たに工業団地が配された3-04浮間エリア(3.03),3-05高島平エリア(2.27)などのほか,都心に位置しながら,大日本印刷が自らの工場団地を有する1-06市谷エリア(2.78),日本を代表するキャノンが構える6-03矢口エリア(2.19)などが注目されます。その他,3-12中野北エリア(2.44),4-03神田川エリア(2.86),4-11西大井エリア(2.02),4-12西馬込エリア(3.03),9-02荒川北エリア(2.44)などで,やや高い値になっています。


8住居系

8-01ユニーク住宅類:飛びぬけて多い4-05下北沢エリア(9.43)を筆頭に,4-04経堂エリア(5.23),4-12西馬込エリア(4.58),4-03神田川エリア(3.72),4-02善福寺川エリア(3.20),4-01中野南エリア(2.94),4-11西大井エリア(2.94),4-08駒沢エリア(2.60),4-09自由が丘エリア(2.55),4-06桜新町エリア(1.86),4-07下馬エリア(1.77),4-10小山エリア(1.73)の順で,4城南ゾーンのすべてのエリアで多くなっています。中央線を介してすぐ北側の3城北ゾーンの3-11鷺宮エリア(5.58),3-12中野北エリア(2.51),環八通りを介してすぐ西側の北多摩ゾーンの,5-03石神井エリア(2.29),5-04西荻窪エリア(4.93),5-05烏山エリア(2.08)も含めて,古くから優良住宅地を形成してきたことところに多いことが示されます。1山手ゾーンでも,1-06市谷エリア(2.47),1-07新宿エリア(2.25),1-08目白エリア(2,03),1-09小石川エリア(1.77),1-11谷根千エリア(2,21)と,都心からやや離れた優良住宅地として知られるところで,高い値が見られます。中野北エリアの北側で目白エリアの西側の3-08向原エリア(3.11)も高く,優良住宅地の範囲が全体として連続していることも判明します。

8-02邸宅会館類:4-05下北沢エリア(6.48)を筆頭に,4-02善福寺川エリア(4.13),4-03神田川エリア(3.58),4-04経堂エリア(4.18),4-08駒沢エリア(2.73),4-09自由が丘エリア(2.09),4-11西大井エリア(3.54),4-12西馬込エリア(5.28)と,4城南ゾーンの多くのエリアで高いこと,下北沢エリアとほとんど同じ値の5-04西荻窪エリア(6.43)はじめ,5-03石神井エリア(2.39),5-05烏山エリア(1.75)と北多摩ゾーンも多いこと,1山手ゾーンの1-06市谷エリア(2.05),1-08目白エリア(2,01)1-11谷根千エリア(2,73),3城北ゾーンの3-08向原エリア(3.24),3-11鷺宮エリア(5.71)と,エリアの数は減るものの,全て前記1ユニーク住宅類で登場したのと同じエリアで高い値になっていて,優良住宅地の姿をより良く保っているエリアであることを示しているといえるでしょう。

8-03タウンハウス類:4城南ゾーンの,やはり飛び抜けた値の4-05下北沢エリア(8.87)を筆頭に,4-01中野南エリア(3.06),4-02善福寺川エリア(2.96),4-03神田川エリア(4.50),4-04経堂エリア(4.99),4-07下馬エリア(1.77),4-08駒沢エリア(1.71),4-11西大井エリア(4.07),4-12西馬込エリア(3.55),5北多摩ゾーンの5-03石神井エリア(2.56),5-04西荻窪エリア(3.78),5-05烏山エリア(2.20),3城北ゾーンの,3-08向原エリア(4.30),3-09氷川台エリア(2.60),3-11鷺宮エリア(6.57),3-12中野北エリア(2.30),さらに1山手ゾーンの,1-05神宮エリア(2.92),1-06市谷エリア(3.15),1-07新宿エリア(3.06),1-08目白エリア(3.55),1-11谷根千エリア(1.81)というように,前の2類とほとんど重複し,共同住宅化に際しても,タウンハウス類を選択することで,住環境を保とうとしていることが伺えます。

8-04マンション類:まず,2下町ゾーンの,2-01築地エリア(2.07),2-05砂町エリア(3.75),2-06旧中川エリア(2.51),2-07向島エリア(1.70)が登場することで,前記3類とは全く異なる状況になります。1山手ゾーンの,1-02高輪エリア(1.79),1-04恵比寿エリア(2.16),1-06市谷エリア(2.79),1-07新宿エリア(3.02),3城北ゾーンの,3-01王子北エリア(1.76),3-04浮間エリア(1.93),3-07常盤台エリア(1.96),3-08向原エリア(1.79),3-11鷺宮エリア(3.37),4城南ゾーンの,4-03神田川エリア(1.96),4-12西馬込エリア(3.46),4-05下北沢エリア(2.58),4-11西大井エリア(2.74),北多摩ゾーンの,5-03石神井エリア(1.87),5-05烏山エリア(3.11),5-06成城エリア(1.90),さらには9足立ゾーンの9-02荒川北エリア(1.99)と,高い値を示すものを並べても,ほとんど大差ない数字が並び,マンション指向というという時代の圧力を背景に,ブランド地名,交通の便など,開発余地のあり方,とくに工場跡地などの再開発で一気多くのマンションが建設されるなど,多様な条件が反映したものになっているといえるでしょう。

8-05緑の外縁類:定義からして一般の戸建て住宅地が前提になりますが,際だつ値の5-04西荻窪エリア(7.87)と同じ北多摩ゾーンの5-03石神井エリア(3.23),1山手ゾーンの,1-06市谷エリア(1.91),1-07新宿エリア(3.07),1-08目白エリア(1.74),1-10御茶ノ水エリア(2.15),1-11谷根千エリア(2.40),3城北ゾーンの,3-08向原エリア(4.23),3-11鷺宮エリア(4.06),4城南ゾーンの,4-01中野南エリア(2.07),4-02善福寺川エリア(2.15),4-03神田川エリア(2.32),4-04経堂エリア(2.49),4-05下北沢エリア(5.88),4-08駒沢エリア(2.49),4-11西大井エリア(3.56),4-12西馬込エリア(4.97)など,歴史的優良住宅地での住まい方を反映するものである一方,2下町ゾーンの,2-07向島エリア(2.07),2-08千住エリア(1.82)や,9足立ゾーンの,9-02荒川北エリア(3.40),9-03舎人エリア(2.82)などで高い値を示すのは,地域の人たちのつながりを反映するもののように思えます。

8-06緑苑住宅地:1山手ゾーンの,白金や池田山のある1-02高輪エリア(3.86),麻布のある1-03六本木エリア(1.43),松濤のある1-05神宮エリア(8.01),エリア全体がブランドのような1-08目白エリア(8.30),西片や本駒込の1-11谷根千エリア(11.16)などを別にしますと,5-06成城エリア(12.45),6-02田園調布エリア(9.44)(4-09自由が丘エリア(3.29)の東玉川も含めて),岡本,瀬田,上野毛などの6-01二子玉川エリア(7.58),3-07常盤台エリア(7.30)など,まとまって整備された著名なエリアが際立ち,中井や西落合のある3-12中野北エリア(5.87),幻の学園都市の5-01大泉北エリア(4.72)など,広い範囲が区画整理されたもののほか,4-04経堂エリア(3.58)の羽根木の森,4-08駒沢エリア(5.87)の東が丘や用賀など,小さいながらも珠玉のような住宅地があるのも園林都市東京ならではといえるでしょう。

8-07戸建団地アパート類:3-11鷺宮エリア(6.86)を筆頭に,3-08向原エリア(3.05),3-07常盤台エリア(1.85),3-09氷川台エリア(3.48),3-12中野北エリア(1.85)など3城北ゾーンの過半のエリア,4-04経堂エリア(6.09)を筆頭に,4-01中野南エリア(1.85),4-02善福寺川エリア(2.83),4-03神田川エリア(3.26),4-05下北沢エリア(5.66),4-06桜新町エリア(2.94),4-07下馬エリア(1.74),4-08駒沢エリア(2.29),4-09自由が丘エリア(1.74),4-11西大井エリア(2.94),4-12西馬込エリア(5.55)と,4城南ゾーンのほとんどのエリア,5-04西荻窪エリア(4.57)を筆頭に,5-02大泉南エリア(3.05),5-03石神井エリア(3.26),5-05烏山エリア(2.61)の,5北多摩ゾーンの過半のエリアというように,ユニーク住宅類や邸宅会館類のところで述べたエリアに重なる一方,1山手ゾーンはもちろん,マンション類のところで多く登場する2下町ゾーンのエリアが全く登場しないことから,優良住宅地の,駅に近くいところや縁辺部が主体で,住環境を壊していくものとして注意を喚起したいと思います。8-07柴又エリア(1.96),9-03舎人エリア(1.96)などがやや高い値で出て来るのも,交通の便と家賃の安さのバランスからと思われます。

8-08低層レトロ団地類:古い段階での大規模な花畑団地や竹ノ塚団地ばかりでなく,多くの小団地も建設されて際だつ9-01花畑エリア(10.21)はじめ,9-02荒川北エリア(4.94),9-03舎人エリア(4.73)と,9足立ゾーン全体にわたって多いことがまず注目され,特別な政策の上に建設されたと考えられます(隣接する8-08水元エリア(2.04),8-09綾瀬エリア(1.93)も8葛飾ゾーンの中では多くなっています)。これを別にしますと,3城北ゾーンでは,一世を風靡した赤羽台団地,桐が丘団地のある3-03赤羽西エリア(3.82),魅力的な向原住宅のある3-08向原エリア(3.06),石神井川沿いの南田中アパートほか多くの団地のある3-11鷺宮エリア(6.02)など,4城南ゾーンでは,官舎の多い4-01中野南エリア(3.60),傑作とされた阿佐ヶ谷団地,荻窪団地のある4-02善福寺川エリア(2.69),有名な桜上水団地ほか多くの団地のある4-04経堂エリア(2.58),官舎や社宅の多い4-05下北沢エリア(2.04)など,5北多摩ゾーンでは,5-02大泉南エリア(2.15),5-03石神井エリア(4.67),広い範囲にわたって団地の展開する5-05烏山エリア(5.27),祖師谷団地のある5-06成城エリア(2.20)などに多く,1山手ゾーンには全く無いなど,前記の戸建団地アパート類にも類似する面もありますが,優良住宅地のなかで開発余地のある部分に,公的にまとまって建設されたもので,住環境を損なうものにはなっていません。近年,急速に建替えが進んで,次項の高層モダン団地類に転換しつつあり,ここに現れた数字は,それが遅れている部分のエリアを示すことにもなります。

8-09高層モダン団地類:いうまでもなく,高層団地の嚆矢の3-05高島平エリア(5.46),ニュータウンが開発された3-10光が丘エリア(9.24)が目立ちますが,一世を風靡した戸山ハイツや百人町アパートのある1-07新宿エリア(6.03),北砂,南砂団地のある2-05砂町エリア(4.85),一時代の象徴大島団地などのある2-06旧中川エリア(5.63),目立たないものの光が丘ニュータウンに匹敵する葛西クリーンタウンのある8-01葛西エリア(8.28),話題になった白髭防災団地のある2-07向島エリア(4.79)などが際だった値を示します。また,大川端リバーシティをこの類に入れたことによる2-01築地エリア(2.42),多くの団地が建設された2-03錦糸町エリア(2.76),建替えと合わせて大規模にした都営南千住8アパートのある2-08千住エリア(3.89),存在感ある王子5団地や豊島団地などの3-01王子北エリア(1.76),魅力的な道とセットの団地のある3-04浮間エリア(2.54),八潮パークタウンのある7-03東大井エリア(2.14)など,エリアごとに象徴となるような団地が存在しています。その他,8-06お花茶屋エリア(2.25),9-03舎人エリア(2.59),4-07下馬エリア(2.03),8-03篠崎エリア(1.86),4-04経堂エリア(2.03)や5-05烏山エリア(1.80)などが高めですが,低層レトロ団地類からの建替えで,急速に値が大きくなっているものといえます。


9レトロ系

9-01レトロ施設類:法務省赤レンガ館,第一生命館,日比谷公会堂などの1-01新橋エリア(3.25),1-02高輪エリア(1.97),国立近代美術館,九段会館,小笠原伯爵邸などの1-06市谷エリア(6.14),自由学園明日館などのある1-08目白エリア(2.20),旅館朝陽館や鳳明館のほか,多くの古い料理屋の残る1-10御茶ノ水エリア(9.45),全体がレトロな1-11谷根千エリア(3.07),日本銀行旧館や泰明小学校はじめ,歴史的な学校やビルも多く残る2-01築地エリア(10.14),やはり全体がレトロな2-02浅草エリア(6.14)など,都心近くでは,歴史を反映して,数字も際だつばかりでなく,内容も大半が文化遺産型ですが,その他の,2-07向島エリア(2.20),3-08向原エリア(1.74),3-11鷺宮エリア(3.07),12中野北エリア(1.74),4-01中野南エリア(2.14),4-02善福寺川エリア(2.90),4-05下北沢エリア(2.90),4-12西馬込エリア(2.61)3-などが高めなのは,8居住系で述べた歴史ある優良住宅地であることを反映して,銭湯や材木店など特定遺産型,旧時代住宅型,旧時代商工型のものが多く残っていることによります。

9-02荒廃建物類:1山手ゾーンの,1-06市谷エリア(2.46),1-07新宿エリア(2.22),1-10御茶ノ水エリア(2.38),1-11谷根千エリア(2.38),2下町ゾーンの,2-01築地エリア(2.06),2-02浅草エリア(3.81),2-07向島エリア(3.89),2-09尾久エリア(2.30),3城北ゾーンの,3-08向原エリア(2.94),3-11鷺宮エリア(3.57),4城南ゾーンの,4-01中野南エリア(2.62),4-03神田川エリア(2.62),4-05下北沢エリア(4.37),4-12西馬込エリア(3.41),5北多摩ゾーンの5-04西荻窪エリア(1.90),7湾岸ゾーンの,7-01六郷エリア(1.83),7-02大森エリア(2.38),8葛飾ゾーンの,8-02新中川エリア(2.62),8-04小岩エリア(1.98),8-06お花茶屋エリア(2.70),8-07柴又エリア(1.75),9足立ゾーンの9-02荒川北エリア(3.73)などで値が高く表れるものの,極めてランダムで,数値の幅もほとんど無いことから,打ち捨てられた部分,影の部分が多い,あるいは格差問題が強くでているエリアというしかありません。

9-03ツタ覆い建物:歴史型,成長型,廃屋型,デザイン型のどれであるかによって全く存在理由の異なるものでありますから,単に値が大きいというだけでは意味がなく,やや立ち入った説明が必要になります。いずれの型も同じように多い1-05神宮エリア(3.66),歴史型,デザイン型の多い1-06市谷エリア(3.06),百人町アパート給水塔のように絵になるものがある1-07新宿エリア(5.78),設計上でツタを組みこんだ傑作住宅が魅力の1-08目白エリア(4.00),淡路町画廊のように歴史を感じさせるものの一方,廃屋型も多い1-10御茶ノ水エリア(3.32),歴史を感じさせた泰明小学校のツタは無くなってしまいましたが,ビルと一体になった魅力あるものの多い2-01築地エリア(2.38),廃墟になってしまった正則学園や浅草観音温泉のツタの目立つ2-02浅草エリア(4.85),古くからの住宅地として成長型,廃屋型の多い3-08向原エリア(4.42),廃屋型の多いなか,魅力的にデザインされた住宅などのある3-12中野北エリア(2.13),ツタに覆われて怪物のようになってしまった廃屋のある4-04経堂エリア(2.55),歴史型,成長型,廃屋型,デザイン型いずれにも魅力的なものの多い4-05下北沢エリア(5.36),歴史型の傑作や絵になる成長型のある4-12西馬込エリア(3.57),廃屋型,デザイン型の極端な5-04西荻窪エリア(2.30),廃屋型の多い8-04小岩エリア(2.64)などになります。


2)エリアのレベルからみた類の特徴



1山手ゾーン

1-01新橋エリア:丸の内・霞が関・日比谷を有して4-02特定界隈街区類(12.69)が飛びぬけ,アークヒルズほかで4-03複合開発地区類(7.00)も多いです。日比谷公園の5-06庭園屋敷跡類(9.33),芝公園の5-05帯状緑苑公園類(5,32),法務省赤レンガ館はじめ多くの9-01レトロ施設類(5.22)の上位5つで4割以上を占め,まさに東京の顔といえるでしょう。また,増上寺の2-01特定大寺院(4.94),2-08ユニーク神社(1.77),2-11新興宗教施設類(0.65),東京タワーを主とする3-09サポート施設類(3.28),7-05国内外交流施設類(4.48),7-06ユニークビル店舗類(3,17),7-08高層モダンビル類(3.82),3-02幹線道路類(2.43),6-02緑苑歩道類(2.89),6-08利便スポット類(2.61)も魅力を高めています。この都心中の都心に,6-04急坂階段路類(2.43)と,それとセットのの1-04崖面樹林類(1.96)が登場するのも,園林都市東京の原点にふさわしいといえるでしょう。

1-02高輪エリア:御殿山ヒルズより,大規模な大崎ニューシティによって,4-03複合開発地区類(9.99)が際立ちますが,大使館や著名ホテル,三井・三菱の倶楽部などの集中を示す7-05国内外交流施設類(5.60)と,泉岳寺の2-01特定大寺院(2.80),広範囲に広がる2-04寺院群地区(5,52),比率は低いですが,慶応義塾や明治学院に代表される7-01学園施設類(4.32)が本エリアを特徴づけています。1-04崖面樹林類(2.72)と6-04急坂階段路類(2.24)に加え,自然教育園の5-01谷丘林池公園類(2.16)も登場するなど地形の変化は1-01新橋エリアより大きく,5-06庭園屋敷跡類(2.96),6-02緑苑歩道類(3.68)など,緑のネットワークにも恵まれ,7-02文化コミュニティ施設類(2.32),NEC本社ほかの7-08高層モダンビル類(2.26),幸福の科学本部の2-11新興宗教施設類(0.96)を超えて,8-04マンション類(4.96)が高い数値になるなど,住宅地としての顔が見えるようになります。

1-03六本木エリア:六本木ヒルズと東京ミッドタウンという最先端の4-03複合開発地区類(13.12)が,かつての4-02特定界隈街区類(3.08)を超えて,このエリアの象徴になっているほか,赤坂御所の4-01除外背景地区類(1.45),豊川稲荷の2-03ユニーク寺院(2.71),青山墓地の2-06斎場墓苑類(3.08)とその周りの5-07ユニーク公園類(6.43),山王日枝神社の2-07樹林神社(3.17),乃木神社という2-08ユニーク神社(1.99),有栖川宮公園の5-01谷丘林池公園類(3.44)と対応する1-04崖面樹林類(2.81)に6-04急坂階段路類(2.35)に,6-02緑苑歩道類(4.62)や6-07まちかどスポット類(5.79)の多さが,このエリアの奥深さを示しています。7-05国内外交流施設類(3.98),7-06ユニークビル店舗類(4.25),7-08高層モダンビル類(5.16)が多いのは,前2エリアに対応したものといえるでしょう。

1-04恵比寿エリア:恵比寿ガーデンプレイスなどにより4-03複合開発地区類(6.52)がトップになりますが,ほとんど差無く続く7-06ユニークビル店舗類(6.22)を筆頭に,国学院大・実践女子学園ほかの7-01学園施設類(4.68),目黒雅叙園ほかの7-05国内外交流施設類(4.22),7-08高層モダンビル類(3.84),川の資料館ほかの7-02文化コミュニティ施設類(2.23)と続く施設系,さらに,8-04マンション類(5.76)を筆頭に,著名なヒルサイドテラスや傑作のチェルシーガーデンなどの8-03タウンハウス類(4.53),8-02邸宅会館類(3.22)と続く居住系というように,多様で魅力的な施設が多数立地しているのがこのエリアの特徴でしょう。1-04崖面樹林類(3.68)に対応する6-04急坂階段路類(3.75),6-02緑苑歩道類(2.53),6-07まちかどスポット類(4.53),6-08利便スポット類(2.84)などの緑網系に,目黒川・渋谷川の1-02用水掘割堤防類(1.92),2-03ユニーク寺院(2.30)など,2-10併設寺社(2,69),2-12外来宗教教会類(1.38)が絡んで,園林都市東京的なエリアであるともいえます。

1-05神宮エリア:類別に見たデータは,多くのの類で大きな値を示し,多様性に富んだエリアであることを前提にした上で,値は小さいものの別格の明治神宮の2-07樹林神社(2.78)を核にした,渋谷・原宿という世界的な4-02特定界隈街区類(9.84)と,それに続く,オリンピックを契機とする代々木公園や神宮外苑の5-04大型緑苑公園類(8.51)を際立った特徴とし,傑作代々木競技場や東京体育館など7-03スポーツレジャー施設類(2.37),能楽堂・Bunkamuraほかの7-02文化コミュニティ施設類(3.13),青少年総合センターほか7-05国内外交流施設類(2.14),7-06ユニークビル店舗類(6.60),7-08高層モダンビル類(2.43)などの施設系に,多数の魅力的な8-03タウンハウス類(5.15),松濤という8-06緑苑住宅地(3.24),8-01ユニーク住宅類(2.66),8-04マンション類(2.49)の居住系に加え,代々木公園に沿った魅力的な6-02緑苑歩道類(2.84),1-04崖面樹林類(2.31),2-08ユニーク神社(1.68),9-03ツタ覆い建物(2.49)が絡んで,前記恵比寿エリア以上に,園林都市東京的なエリアといえるでしょう。

1-06市谷エリア:類別に見たデータでは,ほとんどの類で大きな値を示し,最も多様性・複雑性に富んだ密度の高いエリアであることをまず指摘しておきます。その上で,東京全体で多いなかでも,早大・法大・上智大・学習院はじめとする多数の7-01学園施設類(8.39)を筆頭に,女子医大・慶大病院・国立国際医療研究センターほか多数の7-04医療福祉環境施設類(4.45),ホテル・ニューオータニほかの7-05国内外交流施設類(3.51),個々には小さいながらユニークなものが多い7-02文化コミュニティ施設類(2.63)などが続き,有名な神楽坂の4-02特定界隈街区類(0.81)はエリアに比して小さいため埋もれてしまいますが,それにつながるような7-06ユニークビル店舗類(4.85)が多く,とにかく施設系の密度の高ことが特徴になっています。神田川と外堀の1-02用水掘割堤防類(2.78)とそれ沿いの5-12河岸プロムナード類(1.41)を軸に,歴史を反映して,北の丸公園をはじめとする5-06庭園屋敷跡類(3.32),小笠原伯爵邸ほかの9-01レトロ施設類(3.32),広域に無数の寺院が広がる2-04寺院群地区(3.94),靖国神社を代表とする2-08ユニーク神社(2.91),信濃町の創価学会本部街という2-11新興宗教施設類(1.16),多数のキリスト教会2-12外来宗教教会類(1.69)の立地などが,エリアに奥行きを与えています。6-07まちかどスポット類(7.20)が際立って多いのもその延長でしょう。その他は,6-01緑苑道路類(1.78),6-04急坂階段路類(2.13),8-03タウンハウス類(3.01),8-04マンション類(3.04)と断片的になっています。

1-07新宿エリア:類別に見たデータでは,ほとんどの類で大きな値を示し,前記市谷エリアに勝るとも劣らない多様性・複雑性に富んだ密度の高いエリアであることをまず指摘しておきます。その上で,再開発による超高層化の先がけとなった新宿副都心の4-03複合開発地区類(7.87)がトップになりますが,スケールで匹敵する新宿御苑の5-06庭園屋敷跡類(4.88)が続き,その間を,古くからの大繁華街4-02特定界隈街区類(3.34)がつないでいるのが,このエリアの核です。早大理工学部・文化女子大・代々木ゼミなど特徴的な7-01学園施設類(6.44)はじめ,7-02文化コミュニティ施設類(2.86),7-06ユニークビル店舗類(2.86),7-08高層モダンビル類(2.51)などの施設系の多さ,5-04大型緑苑公園類(2.54)と一体に開発された戸山ハイツなどの8-09高層モダン団地類(3.73)を代表に,8-03タウンハウス類(3.24),8-04マンション類(3.66)の居住系,百人町のふれあい公園ほか多数の魅力的な5-07ユニーク公園類(1.99)と,早大理工学部沿いの通りや御苑大通りなど短いながら魅力的な6-01緑苑道路類(1.81),多様な6-02緑苑歩道類(3.34)に,6-07まちかどスポット類(4.95),9-03ツタ覆い建物(2.37),2-07樹林神社(1.04),花園神社・穴八幡宮などの2-08ユニーク神社(1.36)などが絡んで面白いエリアにもなっています。落合水再生センターのほか,NTTや東電施設関連の3-09サポート施設類(2.19)が多いのも特徴的です。

1-08目白エリア:施設系では,学習院大・日本女子大・立教大など7-01学園施設類(7.25)のみ際立った値ですが,それに対して,居住系では,8-03タウンハウス類(7.61)がトップ,有名な関口台や下落合の8-06緑苑住宅地(4.08),8-02邸宅会館類(3.38),8-01ユニーク住宅類(3.31),8-04マンション類(2.68)と続くように,典型的な優良住宅地のエリアになっています。坂の多い町として知られている通り,6-04急坂階段路類(5.28)が多く,当然ながら1-04崖面樹林類(3.38)も高い値で,風景の基本的な要素になっています。雑司が谷霊園の2-06斎場墓苑類(1.55),傑作東京カテドラルはじめキリスト教会2-12外来宗教教会類(1.55)が多く,独特な雰囲気を醸し出し,5-07ユニーク公園類(2.18),6-02緑苑歩道類(2.82),6-07まちかどスポット類(5.28)のほか,9-01レトロ施設類(2.68),9-03ツタ覆い建物(3.31)も多く,古くから園林都市的イメージを持ってきたといえるでしょう。

1-09小石川エリア:護国寺・伝通院という徳川菩提寺の2-01特定大寺院(5.28)を代表に,2-03ユニーク寺院(2.98),2-05中小寺院(4.24)の多い全体として寺院町であり,小石川植物園に後楽園という5-06庭園屋敷跡類(4.91)からも,徳川時代のものを良く残しているのが特徴です。かつて東京教育大つまり高等師範があった関係で,お茶ノ水女子大・中央大・跡見学園などの7-01学園施設類(7.02)が多く,東京教育大跡地の教育の森公園や大塚公園,礫川公園などの5-07ユニーク公園類(6.25)が多いのも,そのまま維新へと転換した様を伝えています。その一方で,エリアの入口に当たる場所に,いわゆる後楽園遊園地の展開した東京ドームシティというユニークな4-02特定界隈街区類(2.46)があるのも面白いですが,相変わらず1-04崖面樹林類(4.54)が目立つ他は,6-02緑苑歩道類(2.90),7-06ユニークビル店舗類(2.68),7-08高層モダンビル類(3.20),8-01ユニーク住宅類(3.05),8-03タウンハウス類(2.83),8-04マンション類(3.05)と,いまだ雑然としたエリアであるともいえるでしょう。

1-10御茶ノ水エリア:類別に見たデータでは,ほとんどの類で大きな値を示し,前記市谷・新宿エリアに勝るとも劣らない多様性・複雑性に富んだ密度の高いエリアであることをまず指摘しておきます。その上で,世界ビジネスの中心大手町界隈,日本のカルチエラタンといわれる駿河台界隈,上野広小路界隈,秋葉原電機街,神田古書店街,アメ横などの4-02特定界隈街区類(10.47)に,別格の上野公園5-04大型緑苑公園類(7.84),皇居東御苑,旧岩崎邸庭園,湯島聖堂などの5-06庭園屋敷跡類(5.81),東京大学や駿河台周りの有名私大群の7-01学園施設類(6.33),さらに,神田明神,湯島天神の2-08ユニーク神社(2.03),旅館や料亭の9-01レトロ施設類(6.49)と並べて見れば,多様なものがそれも質量ともにトップクラスにあり,ある意味で園林都市東京を代表するエリアともいえます。その他,3-02幹線道路類(2.19),6-02緑苑歩道類(3.22),6-07まちかどスポット類(6.01),7-02文化コミュニティ施設類(3.18),7-06ユニークビル店舗類(3.03),7-08高層モダンビル類(3.70),8-04マンション類(2.31)などが高い値を示すも,付け足し程度になってしまうほどです。

1-11谷根千エリア:いうまでもなく,圧倒的な谷中の2-04寺院群地区(14.97)と付帯する谷中霊園2-06斎場墓苑類(1.84),その門前で世界的観光地にもなってきた谷中銀座の6-05商店街門前町類(2.21)がエリア全体を特徴づけています。これに,根津神社はじめ2-08ユニーク神社(4.36),六義園はじめ5-06庭園屋敷跡類(3.13),開成中高はじめ7-01学園施設類(5.83),鴎外記念館はじめ7-02文化コミュニティ施設類(2.52),日本医大はじめ7-04医療福祉環境施設類(2.45),7-06ユニークビル店舗類(2.27)などの施設系が花を添え,西片の8-06緑苑住宅地(4.79)を筆頭に,8-02邸宅会館類(3.93),8-03タウンハウス類(3.37),8-01ユニーク住宅類(3.13),8-04マンション類(2.21),8-05緑の外縁類(1.78)も豊かな魅力的な住宅地を形成しています。1-04崖面樹林類(3.93)とそれに対応する6-04急坂階段路類(3.44)を背景に,6-07まちかどスポット類(5.03)の緑網系も十分で,9-01レトロ施設類(3.25)も楽しめる,園林都市東京の散策には最高のエリアといえるでしょう。

1-12巣鴨エリア:旧古河庭園の5-06庭園屋敷跡類(6.15),染井霊園の2-06斎場墓苑類(3.77),飛鳥山の5-01谷丘林池公園類(3.77),巣鴨地蔵通の6-05商店街門前町類(2.38)と,単発的な目玉のほかは,3-07鉄道施設類(2.68)とそれに対応する6-06駅まわり類(2.88)と豊かな6-07まちかどスポット類(7.34),3-03並木道路類(1.59)を背景に,2-05中小寺院(4.46),2-09中小神社(1.88),2-11新興宗教施設類(0.69),5-07ユニーク公園類(2.28)など,他の「景語」が少ないため,7-01学園施設類(9.72)が断トツになっていますが,そのなかの,昭和鉄道高・豊島学院高・東京交通短大がセットになった超ユニークな施設,飛鳥山の様々な博物館の7-02文化コミュニティ施設類(2.88),巣鴨スポーツセンターなどの7-03スポーツレジャー施設類(1.39)などを訪ね歩けば面白い発見も期待できます。やや郊外的なため,8-01ユニーク住宅類(3.57),8-04マンション類(4.96)も多くなっています。


2下町ゾーン

2-01築地エリア:類別に見たデータでは,インフラ系・地区系・公園系・緑網系・施設系・レトロ系のほとんど全てで高い値を示す一方,自然系・寺社系・居住系のほとんどが少ないという明確な二極化を示すエリアであることをまず指摘しておきます。その上で,世界的繁華街の銀座とビジネス街の日本橋のある4-02特定界隈街区類(10.99)が断トツなのはエリアの特徴そのもので,シオサイトのある4-03複合開発地区類(5.65)も多いほか,水門など防潮治水を中心に3-09サポート施設類(2.95),首都高ネットワークの原点になる場所として3-01高速道路類(2.36),昭和通りなどに対応する3-06特定交差部類(2.36),勝鬨橋はじめ3-05橋まわり類(2.16)と,インフラ系がとくに多くなっています(話題の築地卸売市場はなかに入れないため値が低くなっていますが,場外市場は上記特定界隈街区類に含まれます)。各種埠頭があるために1-03船溜波止場類(2.75)が,浜離宮があって5-06庭園屋敷跡類(2.70)が高くなっているほか,佃島周りの5-03海浜公園緑道類(1.93),インフラ系に対応する5-08緩衝公園緑道類(1.70),隅田川の5-12河岸プロムナード類(1.69)も多めです。6-02緑苑歩道類(3.02),東京駅八重洲口や有楽町駅の6-06駅まわり類(1.62),6-07まちかどスポット類(6.25),6-08利便スポット類(5.11)など,緑網系の整備も進んでいますし,歌舞伎座はじめ7-02文化コミュニティ施設類(1.70)が多く,泰明小学校や日本銀行旧館など貴重な9-01レトロ施設類(4.07)が多数存在することも発見の楽しみとなるでしょう。なお,当然ながら,7-06ユニークビル店舗類(4.37),7-08高層モダンビル類(3.80)も高い値を示しています。

2-02浅草エリア:浅草寺という2-01特定大寺院(2.98)とその門前町としての歓楽街を主とする4-02特定界隈街区類(7.44),極めて広範囲に形成された2-04寺院群地区(10.41)がエリアを特徴づけていることはいうまでもありません。その他は,2-09中小神社(2.74),3-06特定交差部類(1.73),3-09サポート施設類(2.30),5-09中小公園類(4.51),6-07まちかどスポット類(6.81),6-08利便スポット類(4.61),7-01学園施設類(4.80),7-04医療福祉環境施設類(2.21),7-06ユニークビル店舗類(4.75),8-04マンション類(2.69)と断片的に高いもののまとまりなく,新たな開発がほとんどなされてこなかったことをを裏付けるように,9-01レトロ施設類(5.09),9-02荒廃建物類(2.30),9-03ツタ覆い建物(2.74)が多く存在しています。

2-03錦糸町エリア:両国に,江戸時代からの回向院と,関東大震災と東京大空襲で亡くなった人たちを弔う横網町公園があることで,東京全体での数の少ない2-06斎場墓苑類(2,24)が際立って高い値を示すことが,このエリアの第一の特徴でしょう。かつての運河大横川や横十間川の親水公園化で5-11親水プロムナード類(4.27)が,隅田川沿いや小名木川の5-12河岸プロムナード類(2.66)がエリア全体に格子のようにかかっているのが次の特徴です。その格子に,3-09サポート施設類(3.57)と7-07量販店車対応施設類(1.54)がセットの東京スカイツリータウン,ユニークなリバーピア吾妻橋などの4-03複合開発地区類(3.29),猿江恩賜公園という5-04大型緑苑公園類(3.78),これとセットのティアラ江東や両国の江戸博物館など7-02文化コミュニティ施設類(2.87),さらには,新たにエリアのターミナルになりつつある錦糸町駅6-06駅まわり類(2.38)など,単発的ながらそれなりの施設が乗っている形で一応の統一が保たれているといえます。そのほかは,亀戸神社の2-08ユニーク神社(1.47)くらいで,1-02用水掘割堤防類(1.82),2-05中小寺院(3.01),3-01高速道路類(2.73),3-05橋まわり類(2.38),5-09中小公園類(4.76),6-02緑苑歩道類(2.59),6-08利便スポット類(3.08),7-04医療福祉環境施設類(2.59),7-06ユニークビル店舗類(2.17),7-09産業施設類(2.94),8-04マンション類(3.36),8-08低層レトロ団地類(2.31),8-09高層モダン団地類(3.43)など,数値は高いものの魅力的なものは少ないです。

2-04門前仲町エリア:話題の富岡八幡宮と深川不動尊という本格的な2-10併設寺社(3.94)に,深川・三好の2-04寺院群地区(5.20),清澄庭園という5-06庭園屋敷跡類(5.91)という江戸時代から続く「景語」の上に,越中島公園の5-03海浜公園緑道類(6.19),木場公園の5-04大型緑苑公園類(2.11),古石場川親水公園など5-11親水プロムナード類(4.92),5-12河岸プロムナード類(2.67)と新たな緑が加わったのが,このエリアの特徴です。その他は,越中島通りの3-03並木道路類(1.27),深川ギャザリアの4-03複合開発地区類(3.09),東京海洋大の7-01学園施設類(3.09),木場公園とセットの東京都現代美術館という7-02文化コミュニティ施設類(2.25)など,比率も低く単発的で,1-02用水掘割堤防類(1.97),3-01高速道路類(2.53),3-05橋まわり類(2.39),3-09サポート施設類(3.00),6-02緑苑歩道類(2.39),6-08利便スポット類(3.52),7-09産業施設類(2.11),8-04マンション類(7.17),8-09高層モダン団地類(4.08)などが多いという程度です。

2-05砂町エリア:仙台堀川と横十間川の5-11親水プロムナード類(7.72),南砂住宅や北砂団地など一時代の8-09高層モダン団地類(6.71),南砂住宅周囲のかつての都電の敷地を利用した南砂緑道公園など5-10緑苑プロムナード類(4.68),それに代って近年著しい工場跡地など利用したファミリータウン東陽町など魅力的なマンション群の8-04マンション類(8.81),本格的ショッピング・センターのアリオ北砂など7-07量販店車対応施設類(3.59)というように,新しく整備されつつあるエリアです。砂町水再生センターなど3-09サポート施設類(5.69),地下鉄深川工場の3-07鉄道施設類(1.79)などのほか,3-05橋まわり類(3.67),なお多くの7-09産業施設類(3.20)が残るなか,順天堂大付属高齢者医療センターを核に7-04医療福祉環境施設類(2.34)が複合的に整備され,今後のさらなる展開も予想されます。その他,1-01大川土手河原類(1.72),5-09中小公園類(6.94),6-08利便スポット類(4.06),7-08高層モダンビル類(2.26)などが高い値となっています。

2-06旧中川エリア:かつて一時代を築いた公団大島4.6など多数の団地があることで8-09高層モダン団地類(9.43)がトップですが,今では,その名の通り,旧中川や荒川の1-01大川土手河原類(5.85)を利用して整備された広大かつ魅力的な大島小松川公園,亀戸中央公園の5-02堤原草池公園類(9.62)と,これを背景に広い範囲に計画的に建設された8-04マンション類(8.21)が,このエリアの基本的な性格を決定づけています。川に架る美しい江東新橋ほかの3-05橋まわり類(2.36)や,都電跡の大島緑道公園5-10緑苑プロムナード類(4.06),それに接して建設された本格的ショッピングセンターのサンストリートの7-07量販店車対応施設類(2.36),平井駅や東大島駅の6-06駅まわり類(1.89),首都高下の竪川公園などの5-08緩衝公園緑道類(2.26)などが魅力を加えています。その他は,2-08ユニーク神社(1.32),2-09中小神社(1.98),5-09中小公園類(8.87),6-08利便スポット類(3.77),8-05緑の外縁類(1.79),8-08低層レトロ団地類(2.64)といったところです。

2-07向島エリア:都区部全体でも多い5-09中小公園類(6.53)がトップなのを別にしますと,白髭の防災を目的とした特殊な団地を主とする8-09高層モダン団地類(6.45)が最も多く,これとセットで整備された隅田川沿いの東白髭公園を主とする5-05帯状緑苑公園類(5.16)が突出,有名な向島百花園の5-06庭園屋敷跡類(2.20)のほかは,荒川の1-01大川土手河原類(2.70),2-05中小寺院(2.35),2-09中小神社(2.73),墨田清掃工場の3-09サポート施設類(2.81),リバーサイド隅田の4-03複合開発地区類(1.82),6-07まちかどスポット類(4.86),6-08利便スポット類(2.81),7-02文化コミュニティ施設類(2.66),7-04医療福祉環境施設類(3.03),7-06ユニークビル店舗類(2.12),7-09産業施設類(2.35),8-05緑の外縁類(1.90),8-04マンション類(4.48),9-01レトロ施設類(2.88),9-02荒廃建物類(3.72)と,エリアを特徴づけるものはあまりありません。

2-08千住エリア:大規模に再開発された都営南千住8アパートのほか多くの小規模な団地があって,8-09高層モダン団地類(6.79)がトップになっていますが,かつての宿場町,江戸の外との流通拠点であった歴史を反映して,現代でも鉄道の相互乗り入れによるターミナルとして3-07鉄道施設類(2.36)と,それと一体の大貨物基地の3-08産業団地類(2.26),さらに,6-06駅まわり類(1.87)と,それにつながる7-07量販店車対応施設類(1.87)や,密度高く広がる6-05商店街門前町類(3.35)などが,このエリアを特徴づけるものになっています。そのほかは,千住大橋など3-05橋まわり類(2.76),東京ガス関連や足立市場などの3-09サポート施設類(4.33)が目立つ以外は,1-01大川土手河原類(1.77),2-05中小寺院(3.25),2-07樹林神社(1.18),2-09中小神社(2.76),3-06特定交差部類(1.77),5-02堤原草池公園類(2.26),5-07ユニーク公園類(2.76),5-08緩衝公園緑道類(2.17),6-03緑苑路地類(1.97),6-07まちかどスポット類(4.92),6-08利便スポット類(3.44),7-01学園施設類(5.41),7-04医療福祉環境施設類(1.77),7-09産業施設類(2.36),8-04マンション類(4.72),8-05緑の外縁類(2.17),9-01レトロ施設類(2.76)など,際立つものはありません。

2-09尾久エリア:なんといっても,田端・尾久二つのJRの大規模な操車場に,都電荒川線の車庫まであることで3-07鉄道施設類(8.43)がトップになり,他にない特徴を示しますが,そのほかについては,尾久の原の5-02堤原草池公園類(3.09)と,隣接する首都大学荒川キャンパスの7-01学園施設類(4.59),読売新聞などの新しい工場群の7-09産業施設類(3.56),三河島水再生センターなどの3-09サポート施設類(2.25),その屋上を活用した荒川自然公園などの5-08緩衝公園緑道類(3.00),古くからのあらかわ遊園地の7-03スポーツレジャー施設類(1.50)などが注目されるものの,2-05中小寺院(2.72),2-10併設寺社(2.76),3-05橋まわり類(2.16),3-06特定交差部類(3.66),5-09中小公園類(5.53),5-12河岸プロムナード類(1.50),6-02緑苑歩道類(2.25),6-05商店街門前町類(1.78),6-08利便スポット類(4.12),6-09こども施設類(1.78),7-04医療福祉環境施設類(2.62),7-06ユニークビル店舗類(2.25),8-04マンション類(4.87),8-09高層モダン団地類(2.44),9-02荒廃建物類(2.72),9-03ツタ覆い建物(1.78)などが高い値のものも際立った「景語」は無く,特徴の定まらないエリアになっています。


3城北ゾーン

3-01王子北エリア:荒川から隅田川が分かれる地理的に重要な場にあることから1-01大川土手河原類(6.60)の比重が高く,歴史的な岩淵水門の3-09サポート施設類(3.48)周りを整備した5-02堤原草池公園類(2.28)や首都高五色桜大橋3-05橋まわり類(2.28)など,際だった「景語」のあることがまず指摘できます。次に,その名が示す通り,かつては,巨大な王子製紙の本拠地で,現在でも日本製紙の物流や研究所,DNPのセンターなど7-09産業施設類(4.20)が際立ち,関連して3-07鉄道施設類(1.80),5-08緩衝公園緑道類(1.92)や跡地利用の5-10緑苑プロムナード類(1.80),8-08低層レトロ団地類(2.16)なども多いことが注目されます。近年,その工場跡地を利用して,有名な公団豊島5団地をはじめ多くの8-09高層モダン団地類(9.36)が建設され,さらに8-04マンション類(7.32)へと展開したことで,共同住宅が集中しているのが,このエリアの最大の特徴になりました。その他,2-05中小寺院(1.80),赤羽公園など5-07ユニーク公園類(4.20),5-09中小公園類(4.68),6-02緑苑歩道類(2.88),様々な7-01学園施設類(5.76),北清掃工場の排熱を利用した元気プラザなど7-03スポーツレジャー施設類(1.92)が多くなっています。

3-02石神井川エリア:エリア名の通り,石神井川という1-02用水掘割堤防類(1.70)の最も魅力的な部分を反映した5-01谷丘林池公園類(6.45)がトップで,5-12河岸プロムナード類(2.51)も整備され,これを軸に,朝鮮学校や資生堂専門学校を含む中高レベルの様々な7-01学園施設類(7.70),帝京大病院や都立北療育センターなど様々な7-04医療福祉環境施設類(5.01),7-02文化コミュニティ施設類(3.04)が展開,その中央当たりに,文化遺産施設と一体の中央公園5-04大型緑苑公園類(2.06),さらには,周囲との調和を配慮した陸上自衛隊十条駐屯地4-01除外背景地区類(1.34)がつながるように立地するなど,極めて特異な雰囲気を持ったエリアになっています。その他の部分をみますと,名主の滝の5-06庭園屋敷跡類(1.70),小動物園のある東板橋公園など5-07ユニーク公園類(3.85),2-05中小寺院(2.33),王子神社など2-07樹林神社(1.88)が注目されるされますが,6-05商店街門前町類(1.79),6-07まちかどスポット類(6.09),6-08利便スポット類(3.49),8-03タウンハウス類(3.40),8-04マンション類(3.76),8-08低層レトロ団地類(2.60),9-02荒廃建物類(1.88),9-03ツタ覆い建物(2.06)が多い,やや雑然としたエリアでもあります。

3-03赤羽西エリア:8-08低層レトロ団地類(8.90)がトップになっているように,かつては,公団赤羽台・都営桐ケ丘という住宅団地の代表のようなエリアでしたが(団地を縁取る桐ケ丘中央公園5-05帯状緑苑公園類(2.88)),今では,かつてのサッカーファンのメッカ西が原競技場周辺が国立トレーニングセンターを中心とする西が丘のスポーツ施設群になって7-03スポーツレジャー施設類(7.14)(その中央を東西にクロスする3-03並木道路類(2.13))が匹敵する値を示すように,このエリアの際立つ目玉になりました。武蔵野台地東北端の1-04崖面樹林類(3.26)を背景として,鳳生寺や南蔵院など小さいながら珠玉の2-02園林寺院(4.39),多くの2-03ユニーク寺院(4.76),田園のなかの2-06斎場墓苑類(1.13),2-08ユニーク神社(2.01),面白い2-10併設寺社(2.13)という歴史的な積み重ねがある上,軍用貨物線路跡を利用した極めて魅力的な赤羽緑道公園5-10緑苑プロムナード類(5.64),かつての沼地を活用した赤羽自然観察公園5-02堤原草池公園類(4.01),斜面の魅力溢れる清水坂公園5-01谷丘林池公園類(2.38)などがある上,6-02緑苑歩道類(2.88),6-08利便スポット類(4.64),7-04医療福祉環境施設類(3.38),7-09産業施設類(2.01),8-04マンション類(4.01)なども,それぞれ適材適所のようで,園林都市東京の魅力を集約したようなエリアともいえます。

3-04浮間エリア:エリア名が示すように,荒川1-01大川土手河原類(4.53)に沿った新河岸川1-02用水掘割堤防類(1.37),5-12河岸プロムナード類(1.92)との間の島のような場所で,遠目には美しいゴルフ場7-03スポーツレジャー施設類(3.98)になっている荒川河川敷を背景に,ユニークな浮間公園5-02堤原草池公園類(4.67),魅力的な6-01緑苑道路類(3.16)と一体の都営浮間1第2アパート8-09高層モダン団地類(6.18)や8-08低層レトロ団地類(3.57),あるいは3-08産業団地類(2.88),7-09産業施設類(4.95),さらには,浮間水再生センター3-09サポート施設類(2.61)と周囲の緑道5-08緩衝公園緑道類(2.88)が立地しするなど,大きく4つの部分に別れていて,それを浮間舟渡駅6-06駅まわり類(1.79)が統合しているような状態です。また,新河岸川南側の武蔵野台地北辺の1-04崖面樹林類(2.88)に沿った細長い場所で,そこに,セブンタウン小豆沢の7-07量販店車対応施設類(2.75),北赤羽駅と一体に計画的に建てられたマンション群アクトピアをはじめ多くの8-04マンション類(9.20)が建っています。その他,全体として,5-10緑苑プロムナード類(3.57),6-02緑苑歩道類(2.61),6-03緑苑路地類(2.75),6-07まちかどスポット類(5.08),6-08利便スポット類(3.30)が多くなっています。

3-05高島平エリア:その名の由来の大団地を反映して8-09高層モダン団地類(11.04)が飛びぬけて多く,エリアの特徴そのものでもありますが,団地の北辺は高島通り・都営三田線に沿って長大な5-08緩衝公園緑道類(5.01)が整備され,その北側にトラックターミナルがあり,さらに新河岸川北側の荒川1-01大川土手河原類(4.55)沿い全体に渡って,3-08産業団地類(6.48),7-09産業施設類(3.07)となっていて,そのなかに,大規模な新河岸水再生センターや工場のための変電施設3-09サポート施設類(3.87)が立地しています。南辺は,武蔵野台地の北辺の1-04崖面樹林類(2.16)に沿って走る首都高5号池袋線3-01高速道路類(2.39)ですが,ここまででは,このエリアの西半でしかなく,東半には,前谷津川や蓮根川緑道など5-10緑苑プロムナード類(6.03)が網の目のように通り,前谷津川緑道北端には板橋清掃工場の排熱を利用したユニークな熱帯環境植物園7-02文化コミュニティ施設類(2.16),南端には,(比率は低いですが)大東文化大7-01学園施設類(3.53)があり,北の新河岸川沿いには舟渡水辺公園5-02堤原草池公園類(1.37)があり,南辺は,やはり武蔵野台地の北辺で,森の中の熊野神社2-07樹林神社(2.28)が自ら営むユニークな建物の城山幼稚園6-09こども施設類(1.82),見次公園5-01谷丘林池公園類(1.71)などがあり,その間は,新蓮根団地ほか高層モダン団地類や8-04マンション類(2.73)を主とする住宅地になっています。エリアのほぼ中央に,都営地下鉄の志村車両工場3-07鉄道施設類(1.65)があるほか,5-09中小公園類(4.55),6-02緑苑歩道類(2.50),6-08利便スポット類(3.19)などが多くなっています。

3-06赤塚エリア:武蔵野台地北辺の長大な1-04崖面樹林類(8.58)(当然,6-04急坂階段路類(2.99)も多いです)と一体の赤塚公園(植物園も含む)5-01谷丘林池公園類(8.83)がほとんど同じ値でトップ(東半の入り組んだ地形の部分も含まれます),上記3-05高島平エリアからの前谷津川緑道と後述の2-10光が丘エリアからの田柄川緑道がとくに魅力的なものになっていて,5-10緑苑プロムナード類(7.09)も,これらに匹敵する値を示しています。もともと,1-05屋敷林農家類(5.35)と1-06農園類(4.73)が広がるなかに,松月院・円福寺などの2-02園林寺院(2.36),崖面樹林と一体の東京大仏などの2-03ユニーク寺院(1.49),魅力的な多くの2-07樹林神社(3.98),2-05中小寺院(1.99)や2-09中小神社(1.74)も含めて,歴史を感じさせる寺社が随所にある上,新たに登場した水車公園や昆虫公園などの5-07ユニーク公園類(3.73)が魅力を高め,新大宮バイパスなども風景と調和させるような5-08緩衝公園緑道類(2.24)で,側道はあたかも3-04パークウェイ類(2.11)になっているなど,園林都市東京の原風景を味わうことのできる特別なエリアといえるでしょう。東武練馬駅の周りの利便性の良いところに対応して,8-04マンション類(4.10),8-08低層レトロ団地類(2.49)も多く,5-09中小公園類(5.97),6-08利便スポット類(2.74)なども,一応の値になっています。

3-07常盤台エリア:エリア名の由来となった有名な8-06緑苑住宅地(7.68)が高い値を示しますが,丘陵部を一体的にマンション開発して画期となったサンシティを反映した8-04マンション類(10.24)がそれ以上でトップになるように,まさに,住宅地に特化しているエリアで,8-01ユニーク住宅類(2.41),8-02邸宅会館類(3.16),8-03タウンハウス類(2.86),8-05緑の外縁類(1.81),8-07戸建団地アパート類(2.56),8-08低層レトロ団地類(3.16)と,居住系のほとんど全てが高い値になっています。1-04崖面樹林類(7.08)が多く,2-02園林寺院(1.96),2-07樹林神社(1.36)など含めて,前記3-06赤塚エリアの延長がベースになっているともいえます。北辺を走る首都高5号池袋線の志村PAなど反映して3-01高速道路類(2.11)が高いほか,5-09中小公園類(5.72),6-02緑苑歩道類(2.11),6-08利便スポット類(2.71),7-01学園施設類(4.82),7-04医療福祉環境施設類(1.81),7-07量販店車対応施設類(3.16),9-02荒廃建物類(2.71)などの比率も高くなっています。

3-08向原エリア:8-03タウンハウス類(8.84)をトップに,8-02邸宅会館類(5.13),8-01ユニーク住宅類(4.80),8-04マンション類(4.18),8-08低層レトロ団地類(3.85),8-05緑の外縁類(3.44),8-07戸建団地アパート類(1.89)と居住系のほとんどの類で高い値を示し,前記3-07常盤台エリアのように緑苑住宅地とマンション群に特化したものではありませんが,やはり住宅地であることが基本のエリアといえます。日大芸術学部の存在を反映して7-01学園施設類(7.29)が高く,総合医療療育センターや日大板橋病院など7-04医療福祉環境施設類(3.10)も多いです。山手通り,要町通りを反映して3-02幹線道路類(2.36),6-02緑苑歩道類(2.97)が高めになり,とくに,小竹向原駅付近の要町通りが地下化された上部は,単に5-10緑苑プロムナード類(2.23)とは言い切れない魅力を持っています。千川通りも並木や緑苑道路としても魅力をもっていますが,6-05商店街門前町類(2.43)に含まれる程度で,数値に現れるほどになっていないのが残念です。2-09中小神社(1.82),5-09中小公園類(3.85),6-07まちかどスポット類(5.20),6-08利便スポット類(2.83),9-02荒廃建物類(2.50),9-03ツタ覆い建物(3.51)など,きめ細かく歩くことによって発見できる奥深いエリアでもあります。

3-09氷川台エリア:1-05屋敷林農家類(4.39),1-06農園類(5.91),安養院はじめ多くの魅力的な2-02園林寺院(6.76),地名の由来たる氷川神社など2-07樹林神社(4.22),石神井川沿いの城北中央公園5-04大型緑苑公園類(4.05)とそのなかに建設された上板橋体育館7-03スポーツレジャー施設類(2.79),6-03緑苑路地類(2.36),6-07まちかどスポット類(5.24),7-04医療福祉環境施設類(3.13),8-01ユニーク住宅類(3.13),8-02邸宅会館類(2.28),8-03タウンハウス類(6.93),8-04マンション類(2,53),8-07戸建団地アパート類(2.70)などというように,個々には魅力的な「景語」がありますが,特化して高い値を示す類も無く,さらに上の系としてもまとまりに欠けていて,とらえどころのないエリアになってしまっています。

2-10光が丘エリア:いうまでもなく,エリア名の由来となったニュータウン8-09高層モダン団地類(19.85)が異常に高い比率を示し,これとセットで整備された光が丘公園5-04大型緑苑公園類(7.38),ニュータウンの建物と組み合わせて整備された5-05帯状緑苑公園類(5.69)を合わせると,3分の1を占めるほどですが,その他の部分は,宮本家を代表とする1-05屋敷林農家類(8.72),1-06農園類(4.48)が高い値で残り,そのほぼ中央を田柄川緑道6-01緑苑道路類(6.30)が通り,妙安寺という2-02園林寺院(1.94),愛染院という2-03ユニーク寺院(1.94)があるなど,対称的に歴史を残したエリアでもあります。東端部に陸上自衛隊練馬駐屯地4-01除外背景地区類(1.82)があることで,やや独立したエリアにもなっています。その他,6-02緑苑歩道類(3.39),8-08低層レトロ団地類(2.54)が高くなっています。

2-11鷺宮エリア:範囲の広いこともあって,緑網系,施設系,居住系,レトロ系のほとんどの類で高い値になっていることを前提とした上で,01ユニーク住宅類(5.17),8-02邸宅会館類(5.37),8-03タウンハウス類(8.01),8-04マンション類(4.69),8-05緑の外縁類(1.96),8-07戸建団地アパート類(2.52),8-08低層レトロ団地類(4.49)と居住系の比重が相対的に高く,まず住宅地のエリアであるといえます。そのなかに,1-05屋敷林農家類(5.49),1-06農園類(2.32)が残り,5-09中小公園類(5.05),6-01緑苑道路類(2.32),2-02園林寺院(1.76),6-03緑苑路地類(3.88),6-05商店街門前町類(2.16),6-06駅まわり類(1.88),6-07まちかどスポット類(5.77),6-09こども施設類(2.40),7-02文化コミュニティ施設類(2.04),7-04医療福祉環境施設類(2.84),8-9-01レトロ施設類(2.12),9-02荒廃建物類(1.80)など,多くの類で高めの値になっていることから,歴史の積み重ねの大きいエリアであるともいえるでしょう。

2-12中野北エリア:新井薬師の存在は数値上は埋もれてしまいますが,上高田や沼袋の2-04寺院群地区(5.61),獅子吼教会という2-11新興宗教施設類(1.06),多くのキリスト教会2-12外来宗教教会類(1.29)に,哲学堂5-07ユニーク公園類(2.12)まで加えると,極めて宗教的なエリアであることが浮かび上がります。妙正寺川とその支流江古田川のつくる1-04崖面樹林類(2.20)に落合公園5-01谷丘林池公園類(2.20),1-05屋敷林農家類(1.82),2-07樹林神社(1.44),2-10併設寺社(1.75)など自然系もかなり残る一方,中井や西落合の魅力的な8-06緑苑住宅地(3.11)をはじめ,8-01ユニーク住宅類(4.40),8-02邸宅会館類(2.81),8-03タウンハウス類(5.31),8-08低層レトロ団地類(2.28)など,優良住宅地でもあります。江戸時代の将軍綱吉による巨大な野良犬収容所に始まり,陸軍中野学校を経て,戦後,警察学校であった特殊な区域もいよいよ再開発され4-03複合開発地区類(3.57),帝京大や明大も進出して7-01学園施設類(7.13)の比率も高まりました。中野水再生センター横の平和の森公園5-08緩衝公園緑道類(1.75)のほか,5-09中小公園類(4.40),7-04医療福祉環境施設類(2.73),7-09産業施設類(2.20),9-01レトロ施設類(2.28),9-03ツタ覆い建物(1.90)などが高く,奥行きの深さを感じさせます。他方,6緑網系のすべての類の値が低いのが逆の特徴になっているのが不思議です。


4城南ゾーン

4-01中野南エリア:際だって高い比率を示すものが無いなか,なんといっても,立正佼成会本部周りの奇妙な街の存在2-11新興宗教施設類(2.91)が,このエリアを特徴づけています。その他,有名な宝仙寺は数値に現れるほどではありませんが,多数の魅力的な2-05中小寺院(2.77)があり,中野通りの3-03並木道路類(2.20),東京オペラシティの4-03複合開発地区類(2.70),1-04崖面樹林類(1.99)に対応する紅葉山公園や素晴らしい緑道とセットになった蚕糸の森公園なども数値に現れるほどになっていませんが,多数の魅力的な5-09中小公園類(5.11),桃園川緑道の5-10緑苑プロムナード類(1.91)があり,鍋屋横丁はじめとする6-05商店街門前町類(2.62),6-07まちかどスポット類(5.74)堀越学園・宝仙学園・女子美大・東大付属中など,小さいながらもユニークな多くの7-01学園施設類(8.44),救世軍ブース記念病院などの7-04医療福祉環境施設類(2.84),多数の7-06ユニークビル店舗類(2.84)など,全体として,きめ細かく盛りだくさん「景語」が分布しているのがこのエリアの特徴といえるでしょう。それらを背景として,8-01ユニーク住宅類(4.82),8-02邸宅会館類(2.77),8-03タウンハウス類(6.60),8-04マンション類(4.47),8-05緑の外縁類(1.77),8-08低層レトロ団地類(4.75)など,住宅地のエリアである一方,かつて有名な花街だった中野新橋はすっかり衰退して,9-01レトロ施設類(2.62),9-02荒廃建物類(2.34),6-03緑苑路地類(1.99)に,その姿を留めています。

4-02善福寺川エリア:その名が示す通り,善福寺川1-02用水掘割堤防類(1.76)沿いの,広大な善福寺川緑地とそれに続く和田堀公園の5-01谷丘林池公園類(8.88)がエリアの基本軸で,それに絡むように,郷土博物館にもなっているものなど魅力的な1-05屋敷林農家類(3.34),1-06農園類(1.70),妙法寺という2-01特定大寺院(2.77)ばかりでなく,高円寺2-02園林寺院(1.89)周りや梅里など魅力的な2-04寺院群地区(4.35),さらに大宮八幡宮という立派な2-07樹林神社(1.70)ばかりでなく,多くの魅力的な2-09中小神社(1.70)が展開,桃園川緑道5-10緑苑プロムナード類(2.39),太田黒公園5-06庭園屋敷跡類(1.89),6-07まちかどスポット類(5.48)のほか,6-03緑苑路地類(1.76)も多い,極めて田園的な環境のエリアです。それを背景に,多様な7-01学園施設類(4.91),7-02文化コミュニティ施設類(2.33)が立地し,8-01ユニーク住宅類(4.66),8-02邸宅会館類(6.11),8-03タウンハウス類(5.67),建替えられてしまいましたが,傑作とされていた阿佐ヶ谷団地などの8-08低層レトロ団地類(3.15)など,優良住宅地になっています。加えて,阿佐ヶ谷駅から南へ伸びるアーケードの傑作パールセンター(併行する魅力的な並木道中杉通りが数値には表れないのは残念ですが)や高円寺駅・荻窪駅南の6-05商店街門前町類(1,79),西郊ロッヂングや長屋門など多くの9-01レトロ施設類(3.18)があるのことなどが,歴史の深さを反映するものとして,特筆されます。

4-03神田川エリア:名の由来とした神田川沿いの1-04崖面樹林類(2.13)と5-12河岸プロムナード類(3.75)を軸に,西端の杉並清掃工場の3-09サポート施設類(2.33),東端の明大和泉キャンパス7-01学園施設類(5.05)の間に,みずほ銀行のグランドが開放された柏の宮公園など5-07ユニーク公園類(1.81),区立こども発達センターという6-09こども施設類(1.94),テニスクラブやグランドなど7-03スポーツレジャー施設類(2.52)が立地し,河岸段丘途中にはこれらに沿って3-04パークウェイ類(2.01)も走ります。これらを背景に,傑作ライブタウン浜田山ほか多数の魅力的な8-03タウンハウス類(8.86)をはじめ,8-01ユニーク住宅類(5.56),8-02邸宅会館類(5.43),8-04マンション類(4.40),8-07戸建団地アパート類(1.94),8-05緑の外縁類(1.81)と高く,マンションなどの公開空地主体の6-02緑苑歩道類(3.04)も多い,著名な優良住宅地のエリアであるのが最大の特徴でしょう。南辺は,玉川上水緑道5-10緑苑プロムナード類(2.91)を緩衝帯とするように,甲州街道上に首都高4号新宿線3-01高速道路類(1.75)が走って,2-11新興宗教施設類(0.97)も立地する一方,1-05屋敷林農家類(2.20)も多く残ります。ほとんどがマンションに建替えられたり公園になったりしつつありますが,大企業の寮やグランドなど厚生施設などが集中していたことを反映して7-09産業施設類(2.20)が多く,北方には,竜光寺と熊野神社という揃って立派な2-10併設寺社(2.85)があるほか,6-07まちかどスポット類(6.21),9-02荒廃建物類(2.13)なども多くなっています。

4-04経堂エリア:城北ゾーンの2-11鷺宮エリアと同様,範囲が広いことから,多くの類で数が多くなっていることをまず指摘しておきます。その上で,8-03タウンハウス類(7.36)がトップで,8-01ユニーク住宅類(5.86),8-02邸宅会館類(4.75),8-04マンション類(3.05),8-07戸建団地アパート類(2.71),8-08低層レトロ団地類(2.33)の順に,居住系の類の比率が高く,規模は小さいものの珠玉のような羽根木の森8-06緑苑住宅地(1,21)もあり,全体として優良住宅地のエリアであるといえます。1-05屋敷林農家類(2.37)もなおのこるなか,エリアを東西に,烏山川とその支流北沢川跡を整備した5-10緑苑プロムナード類(5.67)があたかも血管のように走り,有名な豪徳寺は数値に出るには至らりませんが,西福寺ほか魅力的な2-02園林寺院(2.03)があり,羽根木公園5-01谷丘林池公園類(2.08),国士舘大・日大文理学部や建築作品の傑作八幡山小はじめ多数の7-01学園施設類(6.73),前川国男の遺産世田谷区役所と区民会館などの7-02文化コミュニティ施設類(2.52),著名かつ広大な松沢病院などの7-04医療福祉環境施設類(4.31)が立地,6-02緑苑歩道類(3.20),6-07まちかどスポット類(5.38)も多く,まさに,「景語」の織物のようなエリアといえるでしょう。

4-05下北沢エリア:範囲が広いだけでなく,都心に近く,早くから開けたこともあって,前記4-04経堂エリア以上に,多くの類で数が多くなっていることをまず指摘しておきます。その上で,8-03タウンハウス類(9.26)を筆頭に,8-01ユニーク住宅類(7.48),8-02邸宅会館類(5.21),8-04マンション類(3.09),8-05緑の外縁類(2.43),8-07戸建団地アパート類(1.78)の順に,居住系の類の比率が高く,経堂エリアと同様,全体として優良住宅地のエリアであるといえます。そのなかを,玉川上水緑道と烏山川緑道の5-10緑苑プロムナード類(4.94),その支流の北沢川緑道(武蔵野台地側では珍しい5-11親水プロムナード類(1.13)にもなっています)が東西に血管のように走っているのも類似しますが,名の由来の,井の頭線と小田急線のクロスする下北沢駅が中心西寄りに存在していることが本質的な違いです。下北沢界隈4-02特定界隈街区類(1.17)は値は小さいですが,その近傍に,複雑な1-04崖面樹林類(2.50)とそれに対応する多くの6-04急坂階段路類(2,23)や6-03緑苑路地類(2.43)が存在し,有名な本多劇場やタウンホールの7-02文化コミュニティ施設類(2.33)も立地しています。その下北沢から東北方向の代々木上原駅周りは,高級住宅地であるとともに,素晴らしいモスク2-12外来宗教教会類(1.47)があり,洒落た7-06ユニークビル店舗類(4.29)も多いです。また,東方向は,東京大学駒場キャンパスや有名高校の集積7-01学園施設類(6.52)がある上,金沢藩主前田家跡の駒場公園5-06庭園屋敷跡類,日本民芸館もある極めて文化的な部分になっています。さらに,南方向は,三宿・太子堂さらには三軒茶屋といった歴史あるユニークな雰囲気を持った場所であるなど,個性あふれる各方向が下北沢を核に統合されているエリアであるといえそうです。その他,6-07まちかどスポット類(7.06),9-02荒廃建物類(1.89),9-03ツタ覆い建物(2.16)などが多いのも,歴史の深さを表しているといえるでしょう。

4-06桜新町エリア:南辺を玉川通りで遮断され,北側の鉄道からも遠く,唯一,名前の由来の桜新町駅の存在によって,まとまったイメージを持つ東西に細長いエリアで,原点は,郷土資料館になっている世田谷代官屋敷跡や弦巻の屋敷群1-05屋敷林農家類(4.68),実相院など2-02園林寺院(2.76),ユニークなものが多い2-05中小寺院(2.40)や2-09中小神社(2.28)などの歴史的なものといえます。ほぼ中央を東西に,蛇崩川緑道やその上流跡の魅力的な緑道5-10緑苑プロムナード類(4.80)が貫通,全般には,8-01ユニーク住宅類(5.16),8-02邸宅会館類(3.48),8-03タウンハウス類(4.68),8-04マンション類(6.24),8-07戸建団地アパート類(3.24)など住宅地ですが,西部には,馬事公苑という異色の5-04大型緑苑公園類(5.88)や,郊外では異例の再開発世田谷ビジネススクエア4-03複合開発地区類(3.72),さらに,環八沿いにも,郊外には少ない7-08高層モダンビル類(1.56)を有するユニークなエリアでもあります。カトリックの修道女施設主体に2-12外来宗教教会類(1.32),長谷川町子美術館ほか7-02文化コミュニティ施設類(2.40)も多く,7-04医療福祉環境施設類(1.80),7-07量販店車対応施設類(2.04),消滅したとはいえアメリカを代表する企業のひとつ住友3Mビルなど7-09産業施設類(2.04)など,いずれも,このエリアの魅力を補強するものでしょう。なお,6-07まちかどスポット類(5.64)も多いです。

4-07下馬エリア:諸国の大使公邸ための施設とセットで造られたアーバンハイツ中目黒などの8-04マンション類(5.72)が8-03タウンハウス類(5.72)と並んでトップ,目黒東山住宅など特定の人たちのための8-09高層モダン団地類(3.81),8-01ユニーク住宅類(4.34),8-02邸宅会館類(2.75),8-05緑の外縁類(1.91)と,独特の住宅地エリアになっています。世田谷観音などの2-03ユニーク寺院(4.45)が際立ち,祐天寺という2-01特定大寺院(1.91),西澄寺などの2-02園林寺院(3.28),ユニークな2-09中小神社(3.28),聖パウロ教会はじめ魅力的な教会2-12外来宗教教会類(1.48)が多いなど,寺社系が目立ち,素晴らしい蛇崩川緑道5-10緑苑プロムナード類(5.40)が通っています。その他は,世田谷公園などの5-04大型緑苑公園類(2.01),5-09中小公園類(5.51),6-01緑苑道路類(2.65),6-07まちかどスポット類(5.93),7-06ユニークビル店舗類(2.75)など多いものの目立つものが無いですが,山手通りと首都高3号渋谷線をつなぎ天空公園を有する極めてユニークな大橋JCT3-01高速道路類(2.33)が建設されたのが注目されます。

4-08駒沢エリア:エリア名を代表する駒沢大学ほかの7-01学園施設類(5.82)と駒沢オリンピック公園という5-04大型緑苑公園類(3.84)を核に,深沢に残る1-05屋敷林農家類(4.36)と1-06農園類(3.95)を背景とする,8-01ユニーク住宅類(6.23),8-02邸宅会館類(6.65),8-03タウンハウス類(5.40),8-04マンション類(5.82),8-05緑の外縁類(3.12),8-06緑苑住宅地(4.26),8-07戸建団地アパート類(2.18),8-08低層レトロ団地類(2.28)と,居住系のほとんどの類が高い値を示す田園住宅地的なエリアです。呑川跡の緑道6-01緑苑道路類(6.85)が血管のように通り,小さいながらも魅力ある八雲の4-03複合開発地区類(3.22),満願寺と玉川神社などいくつもの魅力的な2-10併設寺社(4.98)があるほか,3-04パークウェイ類(2.70),7-06ユニークビル店舗類(2.80)も多いですが,とくに際だつものはありません。

4-09自由が丘エリア:エリア名を代表する魅力的な店舗の集まる4-02特定界隈街区類(3.49)を中心に,西方には,独特の雰囲気を持つ九品仏(浄真寺)2-01特定大寺院(4.86)と,その周囲に広がる1-05屋敷林農家類(2.49),東方には,大岡山の東京工業大学など7-01学園施設類(5.86)とその周囲の1-04崖面樹林類(2.24)と6-04急坂階段路類(2.00),さらには,有名な洗足池公園など5-01谷丘林池公園類(7.23)があり,それらを,東西にに走る呑川や九品仏川跡の5-10緑苑プロムナード類(2.12)や6-01緑苑道路類(2.49)が結んでいます。その他,2-02園林寺院(1.75),2-09中小神社(3.37),6-07まちかどスポット類(5.99),7-02文化コミュニティ施設類(2.12),8-01ユニーク住宅類(7.36),8-02邸宅会館類(6.11),8-03タウンハウス類(5.49),8-06緑苑住宅地(2.87),9-02荒廃建物類(1.87),9-03ツタ覆い建物(2.37)などが多いのは,住宅地としての歴史を反映したものでしょう。

4-10小山エリア:目黒不動という2-01特定大寺院(5.67),円融寺という2-03ユニーク寺院(2.90),その参道が6-01緑苑道路類(2.24)の碑文谷八幡宮という2-07樹林神社(1.32),大鳥神社と大聖院はじめいくつかの2-10併設寺社(4.74),サレジオ教会など2-12外来宗教教会類(2.11),数値には出ませんが有名な桐ケ谷斎場があるなど,かなり宗教的なエリアといえます。また,魅力的なすずめのお宿緑地公園の1-05屋敷林農家類(3.16),林試の森という5-01谷丘林池公園類(6.06),武蔵小山のパルム商店街などの6-05商店街門前町類(3.43)と,単発的に際だつものがあるのも特徴ですが,その他は,6-07まちかどスポット類(5.80),6-08利便スポット類(2.77),7-01学園施設類(5.53),8-01ユニーク住宅類(5.27),8-02邸宅会館類(5.01),8-03タウンハウス類(4.48),8-04マンション類(3.95),8-05緑の外縁類(2.50),9-02荒廃建物類(1.98)などが多いというに止まります。

4-11西大井エリア:はじめに,範囲が広いこともあって,公園系の後半から居住系にかけてのほとんどの類が多いということを指摘しておきます。その上で,まず,エリアのほぼ中央に開設され,名の由来の横須賀線新ルートの西大井駅の-06駅まわり類(1,73)が,新ルートが新幹線と併走していること,JR東日本大井工場があり,東急池上線などが走っていることで,3-07鉄道施設類(1.85)が,相対的に高い値になっていることが指摘できます。如来寺2-02園林寺院(1.73),鹿島神社と来迎院ほか多数の魅力的な2-10併設寺社(3.71),戸越公園や蘇峰公園5-06庭園屋敷跡類(2.22),大森貝塚遺跡公園5-07ユニーク公園類(1.85)が随所にあり,有名な高級住宅地山王周りに集中する1-04崖面樹林類(3.19)と6-04急坂階段路類(2.78)に,8-01ユニーク住宅類(4.20),8-02邸宅会館類(5.13),8-03タウンハウス類(7.66),8-04マンション類(5.87),8-05緑の外縁類(2.66)などの居住系,ほぼ中央東西に長く伸びる有名な戸越銀座ほかの6-05商店街門前町類(2.84)など際だつものがあり,5-10緑苑プロムナード類(2.35),6-02緑苑歩道類(2.47),6-07まちかどスポット類(7.41),6-08利便スポット類(2.53),7-01学園施設類(5.31),7-06ユニークビル店舗類(2.16)などが多いものの,広すぎる故に,また歴史的に一体ではなかった故に,散漫になっていますが,西大井駅の登場で統合されて行くことが期待されます。

4-12西馬込エリア:西大井エリア以上に範囲が広く,さらに多くの類が多くなっていることを踏まえた上で,まず,エリアのほぼ中央にできた都営浅草線の終着駅西馬込駅には検車場が設けられ,前記西大井エリアからの延長として,横須賀線・新幹線・東急池上線などが走ることから,3-07鉄道施設類(1.79)が相対的に高くなっていることが指摘できます。西大井エリアが散漫であったのに対し,このエリアには,ほぼ中央に,東京における唯一の大宗派の本山で質量ともにすごい池上本門寺2-01特定大寺院(4.39)がドンと構え,統合のシンボルになっている点で全く異なりますが,所々に1-04崖面樹林類(4.93)を活用し,それに対応する6-04急坂階段路類(4.03)も合わせもつような魅力的な緑地がありますが,2-10併設寺社(3.00),5-07ユニーク公園類(1.88),5-09中小公園類(4.34),5-10緑苑プロムナード類(1.88),6-01緑苑道路類(2.06),6-03緑苑路地類(1.75),6-05商店街門前町類(1.79),6-07まちかどスポット類(5.19),6-09こども施設類(2.06),7-04医療福祉環境施設類(2.06),8-01ユニーク住宅類(4.75),8-02邸宅会館類(5.55),8-03タウンハウス類(4.84),8-04マンション類(5.37),8-05緑の外縁類(2.69),8-07戸建団地アパート類(2.28),9-02荒廃建物類(1.93),9-03ツタ覆い建物(1.88)など高い値を示すものの,際だつものがなく,その他の特徴を指摘することができません。


5北多摩ゾーン

5-01大泉北エリア:園林都市の最郊外部として,清水山憩いの森など,1-04崖面樹林類(5.01)がそのまま利用されたり,憩いの森としての活用されるものも含めて,1-05屋敷林農家類(12.89)と1-06農園類(15.62)だけで3割近くを占めるなど,交通の便が極めて悪いこともあって,自然系が最も強く残る,つまり開発が最も遅れているエリアであることが最大の特徴です。かつては,大泉学園町として開発された8-06緑苑住宅地(4.73)が整備され,近年では,関越道と外環道と両者の繋がる素晴らしい大泉JCT3-01高速道路類(4.01)や5-08緩衝公園緑道類(3.87)が際立つ,特異なエリアにもなっています。大泉中央公園という5-04大型緑苑公園類(5.30),風格ある越後山通りという6-01緑苑道路類(3.72),ゴルフ,野球,テニスから空手に至る7-03スポーツレジャー施設類(3.01),土支田創生苑などの7-04医療福祉環境施設類(4.44)など,際だつものが多く存在しており,2-07樹林神社(2.15),3-04パークウェイ類(3.01),6-02緑苑歩道類(2.58)など含めて,魅力あるエリアにもなっています。

5-02大泉南エリア:憩いの森として活用されるものも含めて,1-05屋敷林農家類(11.81)と1-06農園類(12.40)合わせて,4分の1近くを占め,前記5-01大泉北エリアと変わらない部分もありますが,大泉学園駅に近いこともあって,その対象たる学芸大付属大泉小中高などの7-01学園施設類(4.53),東映撮影所などの7-02文化コミュニティ施設類(1.87),児童養護施設石神井学園などの7-04医療福祉環境施設類(3.44),OZとして有名な7-07量販店車対応施設類(2.07)など,広域を対象とする際だった施設の立地が見られるのも大きな特徴です。かねて多くの8-08低層レトロ団地類(3.94)があり,最近ではプラウドシティ大泉学園という大規模な8-04マンション類(3.35)が開発されるほか,8-01ユニーク住宅類(3.25),8-02邸宅会館類(3.35),8-03タウンハウス類(3.25),8-05緑の外縁類(1.87),8-07戸建団地アパート類(2.76)と,居住系の比率が高く,住宅地のエリアであるともいえます。5-09中小公園類(5.22),6-03緑苑路地類(1.87),6-09こども施設類(1.97)が多いのもその裏付けとなるでしょう。妙延寺など2-03ユニーク寺院(1.97),氷川神社など2-07樹林神社(1.67)の存在も魅力です。

5-03石神井エリア:前記5-02大泉南エリアに続いて,憩いの森として利用されているものも多いですが,それ以上に素晴らしい風景をなお残している1-05屋敷林農家類(9.25)と1-06農園類(9.55)を背景に,有名な今川家の菩提寺観泉寺はじめ多くの2-02園林寺院(5.36)があり,スケールが大きく内容も豊かで東京西部を代表するような石神井公園5-01谷丘林池公園類(4.75)だけでもエリアの魅力を伝えるに十分と思われます。石神井公園沿いの別荘地のような住宅地はじめ,8-01ユニーク住宅類(3.27),8-02邸宅会館類(3.45),8-03タウンハウス類(4.81),8-04マンション類(4.01),8-05緑の外縁類(2.40),8-07戸建団地アパート類(1.85),8-08低層レトロ団地類(5.36)と居住系のほとんどが高い値を示し,それに混じって,石神井川沿いの3-04パークウェイ類(2.53),(旧妙正寺川)緑道6-03緑苑路地類(2.71),カトリック神学院ほか教会2-12外来宗教教会類(1.60),(比率は低いが)農芸高・工業高ほかの7-01学園施設類(3.45),上井草ズポーツセンターや多くのテニスクラブなどの7-03スポーツレジャー施設類(2.84)が存在するなど,園林都市東京を代表するようなエリアの一つであるともいえます。

5-04西荻窪エリア:維新後,全国に先がけてエリアの大半を区画整理し,そのシンボルとなった善福寺公園5-01谷丘林池公園類(2.27)と,中央線の西荻窪駅の開業,それに合わせて立地した東京女子大と立教女学院など(比率は低いですが)7-01学園施設類(3.61)を背景に,8-02邸宅会館類(10.09)がトップの,早くから開けた落ち着いた住宅地のエリアです。戦後も原水禁運動,有機野菜販売など時代の先端を拓いた場所でもあって,8-01ユニーク住宅類(7.02)はもちろん,とくに群型の傑作の多い8-03タウンハウス類(7.68),さらには,他の地域に比して飛びぬけて多い8-05緑の外縁類(6.35),8-07戸建団地アパート類(2.81)など,意識高い住民を思わせるエリアになっています。そのなかになお,素晴らしい1-05屋敷林農家類(7.08)や1-06農園類(5.09),魅力的な2-07樹林神社(2・20)が残り,3-04パークウェイ類(2.47),6-03緑苑路地類(1.74),9-03ツタ覆い建物(1.80)など,奥行きも深いです。なお,3-09サポート施設類(2.61)が多いのは,東京圏を環のように囲む50万ボルトの送電鉄塔の目立つことと,隣の4-03神田川エリアの杉並清掃工場の煙突が広範囲から見えることによるものです。

5-05烏山エリア:北烏山の園林寺院が密集したような素晴らしい2-04寺院群地区(5.33)と,蘆花恒春園5-06庭園屋敷跡類(3.09)によって知られ,前記5-04西荻窪エリアに続いて,1-05屋敷林農家類(4.21)と1-06農園類(4.56)も多く残っています。北辺を神田川が,その南側を玉川上水が流れて,魅力的な5-12河岸プロムナード類(2.46)があり(中央道の建設でかなりの範囲は6-02緑苑歩道類(3.65),5-08緩衝公園緑道類(0.94)になっていますが),中央部東西には素晴らしいケヤキ並木の甲州街道が通り,南北方向には,烏山川とその支流跡の5-10緑苑プロムナード類(3.86)や6-03緑苑路地類(2.25)の通っています。古くから多くの8-08低層レトロ団地類(6.88)が存在し,近年では,その建替えによる8-09高層モダン団地類(2.25),さらには,超高層のエルザ世田谷や久我山ガーデンヒルズなど8-04マンション類(7.58),8-03タウンハウス類(4.70),8-01ユニーク住宅類(3.37),8-02邸宅会館類(2.88)と,まさに田園住宅地のエリアになっています。(比率は低いですが)有名な国学院久我山高や素晴らしい岩崎奨学学生寮などの7-01学園施設類(4.07),相馬黒光の残した浴風園など7-04医療福祉環境施設類(1.96)も注目ずべき存在で,その他,3-09サポート施設類(2.18)も多くなっています。

5-06成城エリア:北多摩ゾーンの南端で,武蔵野台地の西南端の1-04崖面樹林類(5.75)が多く,北端の5-01大泉北エリアと相対するように,やはり多くの1-05屋敷林農家類(2.32),とくに1-06農園類(6.35)が残って,3-04パークウェイ類(2.75)も多いなか,(比率は低いが)エリア名の由来である成城学園7-01学園施設類(3.35)とその周りに広範囲に渡って開発され,今や鬱蒼と茂る桜並木の8-06緑苑住宅地(7.47)が,エリアを象徴していることはいうまでもなく,他の居住系が,周りに展開する8-04マンション類(5.67),祖師谷の8-08低層レトロ団地類(3.52)くらいしか高い値になっていないほど,特化しています。その他,仙川沿いの魅力的な祖師谷公園(例の世田谷一家殺人事件の現場でもありますが)5-01谷丘林池公園類(4.29),かつての米軍用地が開放された砧公園5-04大型緑苑公園類(5.75)とそこに建設された傑作世田谷美術館などの7-02文化コミュニティ施設類(2.58),かつての農村の魅力を遺憾なく伝える次大夫堀公園5-07ユニーク公園類(3.18),砧公園に隣接する世田谷清掃工場・市場やNHK放送技術研究所などの3-09サポート施設類(2.32),いずれもが大きく森の中のような慶元寺と氷川神社の2-10併設寺社(3.00)など際立つものが多いです。仙川や野川に対応して,1-02用水掘割堤防類(1.72),5-12河岸プロムナード類(1.89)も多くなっています。


6多摩川ゾーン

6-01二子玉川エリア:多摩川とその支流野川1-01大川土手河原類(6.50)(合流部の魅力的な兵庫島公園5-02堤原草池公園類(1.93))とその河岸段丘の1-04崖面樹林類(7.72)が多いのは当然で,前記5-06成城エリアにつながる1-05屋敷林農家類(2.64)と1-06農園類(2.95)にも対応して,3-04パークウェイ類(1.73)も多いですが,エリア名の由来たる二子玉川駅前の有名な玉川高島屋7-07量販店車対応施設類,そこから1-04崖面樹林類に沿って流れる用水丸子川1-02用水掘割堤防類(3.66)沿いや崖上の8-06緑苑住宅地(5.39)はじめ,8-01ユニーク住宅類(2.95),8-02邸宅会館類(3.66),8-03タウンハウス類(4.27),8-04マンション類(3.56)の多い,全体としていわゆる高級住宅地のエリアです。1-04崖面樹林類そのものを活用した岡本静嘉堂緑地5-06庭園屋敷跡類(3.76)や本格的な岡本民家園・崖上の瀬田農業公園5-07ユニーク公園類(3.86),仮設利用に近いが面白いタイムスパーク7-03スポーツレジャー施設類(3.46)(実際その後再開発が始まっています)など際だつものも多く,2-03ユニーク寺院(1.93),谷川緑道など5-10緑苑プロムナード類(3.56)などが,奥行きを深めています。

6-02田園調布エリア:前記6-01二子玉川エリアと同様,1-01大川土手河原類(10.10)(3-05橋まわり類(2.48)も)と1-04崖面樹林類(5.14)(6-04急坂階段路類(3.81))が多いのは当然ですが,とくに河岸段丘そのものに関わる著名な等々力渓谷はじめ多摩川台公園や宝来公園があって5-01谷丘林池公園類(18.29)が異常に高い値を示しています。エリア名の由来たる著名な高級住宅地田園調布駅6-06駅まわり類(2.10),二子玉川エリアにつながる丸子川1-02用水掘割堤防類(3.24)沿いの8-06緑苑住宅地(12.57)と合わせると,これら7つの類だけで6割近くになるほど,特化したエリアです。その他は,2-03ユニーク寺院(1.90),2-07樹林神社(1.52),2-10併設寺社(3.62),2-12外来宗教教会類(1.52),玉川浄水場など3-09サポート施設類(2.48),武蔵工大など7-01学園施設類(5.33)などが,やや目立つ程度で,5-09中小公園類(0.93)をはじめ,東京全体で数の多いものの比率が極端に低く,多様性の乏しさを示してます。

6-03矢口エリア:前記6-02田園調布エリア同様,1-01大川土手河原類(9.09)(矢口の渡しの名残の1-03船溜波止場類(1.41),3-05橋まわり類(2.83))と1-04崖面樹林類(2.22)が多いのは当然ですが,鵜の木の桃源郷のような1-05屋敷林農家類(7.68)と3-04パークウェイ類(3.23),対比するかのような日本のトップ企業キャノンをはじめとする7-09産業施設類(5.25)とそれ沿いの3-03並木道路類(1.62)が,このエリアの特徴といえますが,近年,工場跡地の再開発が急速に進み,8-04マンション類(9.90)がトップの値を示すに至りました。丸子川の下流でもある六郷用水の5-11親水プロムナード類(4.85)と6-01緑苑道路類(3.84)の魅力が特記できるほかは,2-05中小寺院(6.26),2-09中小神社(2.42),2-10併設寺社(2.02),8-03タウンハウス類(3.03)などが多めという程度です。


7湾岸ゾーン

7-01六郷エリア:多摩川の下流すなわちエリア名の由来六郷川1-01大川土手河原類(3.50)の大師橋3-05橋まわり類(1.50)から東の河口部近くには,歴史を反映する多数の漁船溜1-03船溜波止場類(4.52)があって,独特の風景になっていますが,なんといっても,大田区の中小企業群に対応する大田区産業プラザとテクノポートカマタによって7-09産業施設類(9.11)が際立つのが,このエリアの最大の特徴です。萩中の2-04寺院群地区(3.75),2-10併設寺社(2.37)などありますが,有名な穴守稲荷は数値に現れていません。蒲田電車区があり京急線が走ることで3-07鉄道施設類(1.75)が多く,JR蒲田駅前のアロマスクエア4-03複合開発地区類(2.25)(区民ホール7-02文化コミュニティ施設類(1.75)も),萩中公園5-04大型緑苑公園類(1.37),六郷水門公園やタイヤ公園などの5-07ユニーク公園類(1.87),京急蒲田駅との間を中心に広がる6-05商店街門前町類(2.25),蒲田総合病院などの7-04医療福祉環境施設類(2.87)が目立ち,8-04マンション類(5.24),8-08低層レトロ団地類(2.12),8-09高層モダン団地類(3.50)の居住系を背景に,5-09中小公園類(7.62),6-09こども施設類(2,12)も多いですが,羽田空港の裏街として,9-02荒廃建物類(2.87)もまた多くなっています。

7-02大森エリア:かつての海岸部が公園化された平和の森公園から貴船堀緑地の5-05帯状緑苑公園類(6.23)を境に,東京湾側は,平和島の流通センター,昭和島,京浜島の工業団地の3-08産業団地類(4.21)と,その海岸部を縁取る長い緑道やふるさとの浜辺公園などの5-03海浜公園緑道類(7.51),平和島競艇場周りの7-03スポーツレジャー施設類(2.38)と,湾岸にあることを示す「景語」が単純明快に際だった高い値を示しています。陸側は,北西端に値は小さいですが魅力的な大森駅東口広場6-06駅まわり類(1.19)とその周囲の大森ベルポートなど7-08高層モダンビル類(1.74),南辺近くには,東西に旧呑川緑道5-10緑苑プロムナード類(2.66)が走り,河口部周りには,かなりの1-03船溜波止場類(2.11)が残っています。東邦大医学部と病院を主とする7-04医療福祉環境施設類(3.75),メリーチョコレートほか多様な7-09産業施設類(4.03),森ケ崎水再生センター3-09サポート施設類(2.11)とその屋上の公園や東海道線沿いの大井水神森公園など5-08緩衝公園緑道類(4.03)などが目立つほか,1-02用水掘割堤防類(1.65),2-09中小神社(3.21),5-09中小公園類(5.77),6-03緑苑路地類(1.92),6-08利便スポット類(3.30),8-04マンション類(3.39),8-09高層モダン団地類(2.56),9-02荒廃建物類(2.75)などが高めの値になっていますが,全体的な特徴は掴みにくいです。

7-03東大井エリア:やはり,かつての海岸部のが公園化されたしながわ区民公園5-05帯状緑苑公園類(3.15),その東側に隣接する大井競馬場7-03スポーツレジャー施設類(1.65)のさらに東京湾側には,広大な大井埠頭が造成され,その東側は4-01除外背景地区類(1.58)になってしまいますが,西側,南側には,魅力的な東京港野鳥公園,広大な大井ふ頭中央海浜公園,北部に建設された品川八潮パークタウン8-09高層モダン団地類(2.72)に沿う大井ふ頭緑道公園,南側に造成された城南島の工業団地3-08産業団地類(3.44)を囲むように整備された緑道公園などで,5-03海浜公園緑道類(17.85)が異常に高い値を示すのが,最大の特徴になっています。陸側も,かつての品川宿の歴史を残す魅力的な2-04寺院群地区(4.16),パナソニックビル(のちバンダイナムコに)始め魅力的な7-08高層モダンビル類(2.22),8-03タウンハウス類(2.58)や8-04マンション類(3.94)も極めて近代的なものが多く,新旧の対比が魅力的なエリアでもあります。その他,1-02用水掘割堤防類(1.79),1-03船溜波止場類(1.51),3-02幹線道路類(2.08),7-09産業施設類(1.72)などが高い値を示しています。

7-04港南エリア:もともとは竹芝・日ノ出桟橋など,1-03船溜波止場類(6.51)が特徴でしたが,ニューピア竹芝,モノレールに対応する天王洲アイルなどの再開発が着々と進むうち,ゆりかもめの登場で3-07鉄道施設類(5.21)の値が高くなり,レインボーブリッジの建設3-05橋まわり類(2.17)を契機に,品川駅東側6-06駅まわり類(3.47)の大規模な再開発品川インターシティが一気に進んで4-03複合開発地区類(20.41)が異常に高い値になり,最大の特徴になりました。高浜運河など1-02用水掘割堤防類(1.88)とその河岸の港南公園など5-12河岸プロムナード類(3.62),芝浦水再生せんたーほか様々な3-09サポート施設類(6.66)とそれに対応する5-08緩衝公園緑道類(4.34),複雑な交通網を反映する3-06特定交差部類(1.88),6-08利便スポット類(2.60)など,未来都市に特化したようなエリアといえ,まさに,次項の7-05臨海副都心エリアと古い側の湾岸部を結節するエリアになったといえるでしょう。その他,当然のことながら7-08高層モダンビル類(7.09)や7-09産業施設類(2.03)が多いほか,6-02緑苑歩道類(3.04),8-04マンション類(2.17)などが高い値になっています。

7-05臨海副都心エリア:臨海副都心として一体的に開発されたことから,4-03複合開発地区類(23.91)が異常に高いのはいうまでもなく,そのままエリアの特徴です。お台場公園はじめ周囲を取り巻く公園緑地5-03海浜公園緑道類(12.84)や,様々な1-03船溜波止場類(3.54),ゆりかもめの3-07鉄道施設類(2.66),りんかい線の東京テレポート駅・国際展示場駅の6-06駅まわり類(2.83),対応する目玉施設ビッグサイトの7-05国内外交流施設類(2.48),レインボーブリッジほか3-05橋まわり類(1.59),南側は一般には入れない埠頭で4-01除外背景地区類(1.15)になっているなど,説明の必要も無いでしょう。築地市場の移転で話題の豊洲は,東電の施設など3-09サポート施設類(4.07)ばかりで殺風景でしたが,この臨海副都心に連動するように,急速に開発が進み,7-08高層モダンビル類(4.16),8-04マンション類(3.63)に加えて,ららぽーと豊洲の建設で7-07量販店車対応施設類(3.37)も高い値になっています。ユニークな展示施設の多い7-02文化コミュニティ施設類(2.39),有明テニスの森という5-07ユニーク公園類(1.95)のほか,6-02緑苑歩道類(4.78),6-08利便スポット類(3.01)なども高い値です。

7-06夢の島エリア:かつて,都民の目を海に向けさせるべく,ゴミの島のイメージを一新する夢の島公園が整備され,近年は東京湾の浄化が進んだ証として,より魅力的な葛西臨海公園が整備されたこと,さらに辰巳にもすでに大きな公園緑地があったこと,南端の方にはゴルフ場など含む若洲海浜公園のあることなどで,5-03海浜公園緑道類(41.02)が圧倒的に高い値で,そのままエリアの特徴を示しています。これら公園と一緒に整備された熱帯植物園などの7-02文化コミュニティ施設類(2.77),国際大会の開かれる辰巳水泳場などの7-03スポーツレジャー施設類(3.36),マリーナなど1-03船溜波止場類(2.77)も高い値になっています。夢の島整備に合わせて,木場も移転すべく広大な新木場団地3-08産業団地類(10.51)になっているほか,新木場駅,葛西臨海公園駅6-06駅まわり類(2.77),ヘリポートなど3-09サポート施設類(4.67),話題になった東京ゲートブリッジ3-05橋まわり類(2.19)など,全てが非日常的な特別なエリアになっています。湾岸道路と首都高湾岸線が一緒になったとてつもない道路に沿った5-08緩衝公園緑道類(3.65),3-02幹線道路類(1.90),3-06特定交差部類(1.75),6-01緑苑道路類(2.04),6-08利便スポット類(2.63)などのほか,古い辰巳団地8-08低層レトロ団地類(3.50)が打ち捨てられたように残っていることも指摘しておきます。


8葛飾ゾーン

8-01葛西エリア:あたかも西の光が丘ニュータウンに対応するような葛西クリーンタウン8-09高層モダン団地類(10.49),それと一体に整備された極めて複合的で大規模な総合レクリエーション公園5-05帯状緑苑公園類(12.78)がまず目につきます。エリアを東西に横切る3-02幹線道路類(1.86)に直交する南北方向の3-03並木道路類(1.78)(一部は6-01緑苑道路類(3.43)ですらあります),そこにツルのように絡むかたちで,葛西親水四季の道,左近川親水緑道など5-11親水プロムナード類(2.50)や5-10緑苑プロムナード類(1.78)が敷かれ,東西線の葛西駅,西葛西駅とも駅前広場がきちんと整備6-06駅まわり類(1.93)されているなど,エリア全体がまとまるように構築されていることも注目されます。新左近川マリーナ1-03船溜波止場類(1.79)や,最近,大工場跡に整備されたリバーサイドモール7-07量販店車対応施設類(2.64),トラックターミナル3-08産業団地類(2.50),水門や送電鉄塔など3-09サポート施設類(2.57),湾岸道路と首都高湾岸線が一緒になったとてつもない道路3-01高速道路類(2.64)に沿った5-08緩衝公園緑道類(2.64)などが目につくほか,5-02堤原草池公園類(1.36),6-08利便スポット類(4.35),7-03スポーツレジャー施設類(2.07),7-04医療福祉環境施設類(2.00),7-09産業施設類(1.71),8-04マンション類(3.93)などが高い値になっています。

8-02新中川エリア:南北に細長いエリアのなか,最も長大で軸になる小松川境川親水公園(ほぼ中程が江戸川区役所はじめ諸施設があり,区の中心になっています),中くらいの一之江境川親水公園,長さはさほどでないものの魅力溢れる古川親水公園と三本の5-11親水プロムナード類(11.46)が,南北方向にほぼ併行して整備されていることがこのエリアの特徴になっています。エリア名の由来の新中川と中川1-01大川土手河原類(6.50)(同時に3-05橋まわり類(1.99)も),1-05屋敷林農家類(3.98)や1-06農園類(2.39)も多く残り,2-04寺院群地区(2.63),2-05中小寺院(3.03),2-09中小神社(2.63)など歴史も反映,親水プロムナード類の間の南北方向の道路の多くも,前記葛西エリアのように3-03並木道路類(2.87)で,さらには水田のあぜ道がそのまま6-03緑苑路地類(4.38)として整備されているなど,全体として,都市には至らないものの,よく整備された田園環境のエリアといえるでしょう。その他,際だつものはありませんが,5-09中小公園類(4.94),6-08利便スポット類(2.47),7-01学園施設類(5.41),7-04医療福祉環境施設類(2.63),7-09産業施設類(2.23),8-02邸宅会館類(3.03),8-04マンション類(2.15),9-02荒廃建物類(2.63)などが多くなっています。なお,一之江には宮沢賢治なども影響を受けた田中智学の国柱会の本部があって,2-11新興宗教施設類(0.48)も一応の値になっています。

8-03篠崎エリア:江戸川,旧江戸川1-01大川土手河原類(2.93)に囲まれ,造船も含めて1-03船溜波止場類(3.60)が多く,巨大な王子製紙の工場も残っていて,それだけで7-09産業施設類(1.91)が高い値を示すほか,ユニークな今井交通公園5-07ユニーク公園類(1,46),やや魅力的な南篠崎町5アパート8-09高層モダン団地類(3.72)と一緒に整備された6-01緑苑道路類(1.91),江戸川清掃工場3-09サポート施設類(4.05)など,ほとんどが旧江戸川沿いに限られています。内陸の方は,都営新宿線が開通するまで,全く遠隔地のようなエリアであったため,1-05屋敷林農家類(3.94),1-06農園類(4.50),やや魅力的な2-04寺院群地区(4.17),2-05中小寺院(2.14),2-08ユニーク神社(1.35),2-09中小神社(2.25)など,江戸時代から続く田園風景そのままのところがあります。そのなかで,王子製紙の工場沿いをはじめ,多くの魅力的な親水緑道が整備されて5-11親水プロムナード類(14.41)高い値になっていることが注目されます。篠崎公園5-04大型緑苑公園類(4.28)も密度の薄い施設ですが,数の極めて多い5-09中小公園類(9.46)も,その大半は空閑地に近い原っぱであり,3-03並木道路類(1.69)も名ばかりで,今後の開発を期待するエリアということになるでしょう。

8-04小岩エリア:江戸川,新中川1-01大川土手河原類(2.82)(3-05橋まわり類(1.67),江戸川の河川敷をそのまま利用した小岩菖蒲園5-02堤原草池公園類(1.57)を含んで)を背景に,総武線小岩駅があることで,古くから住宅地化したため,フラワーロードはじめ,極めて長い駅前商店街6-05商店街門前町類(5.22)が目につきます。田園環境はせいぜい1-05屋敷林農家類(2.19)が残っている程度ですが,かつての用水路をベースに,下小岩親水緑道など5-11親水プロムナード類(5.43),東用水せせらぎ通りなど6-01緑苑道路類(5.53),名は無いものの極めて長い6-03緑苑路地類(4.49),これらに3-03並木道路類(2.09),6-07まちかどスポット類(5.22),6-08利便スポット類(2.51),6-09こども施設類(3.03)を含めて,いわゆる緑のネットワークが形成されているのが特徴といえます。その他は,2-05中小寺院(2.30),3-09サポート施設類(2.40),7-01学園施設類(5.01),7-04医療福祉環境施設類(1.88),7-07量販店車対応施設類(1.67),8-01ユニーク住宅類(2.40),8-02邸宅会館類(2.92),8-04マンション類(3.24),8-08低層レトロ団地類(2.92)などが多いものの際だつものは無く,古さを反映して,9-02荒廃建物類(2.61),9-03ツタ覆い建物(3.24)が多くなっています。

8-05新小岩エリア:エリア名の通り,貨物基地3-07鉄道施設類(2.59)でもある新小岩駅6-06駅まわり類(2.19)そのものが核になり,その周辺に展開する8-09高層モダン団地類(5.98),新小岩公園5-04大型緑苑公園類(1.79),そこから伸びる西半堀せせらぎパークなど6-01緑苑道路類(6.57)が,エリアが小さいこともあって高い値になっていますが,その狭い範囲に,総合スポーツセンターと私立学校総合運動場という二つの本格的な施設,さらに民間の新小岩サニーゴルフ・サニーボウルまであって7-03スポーツレジャー施設類(8.37)が際だった値になっているのが,このエリアの特徴といえます。その他は,1-05屋敷林農家類(2.99),1-06農園類(3.19),魅力的な宝蔵院2-02園林寺院(2.79),2-05中小寺院(6.77),中川に架るかつしかハープ橋3-05橋まわり類(2.59)と上平井水門など3-09サポート施設類(2.59),1-03船溜波止場類(1.59),堤防裏の6-03緑苑路地類(4.98),6-07まちかどスポット類(5.18),傑作あすなろ幼稚園など6-09こども施設類(3.59),森永乳業など7-09産業施設類(1.79)8-08低層レトロ団地類(2.19),9-02荒廃建物類(2.39)が目立つ程度です。

8-06お花茶屋エリア:荒川とそれに併行する綾瀬川1-01大川土手河原類(2.34),さらに併行する首都高中央環状線3-01高速道路類(2.34)に,小菅水再生センター3-09サポート施設類(2.13)とその屋上を利用した公園5-08緩衝公園緑道類(1.99),その外側には東京拘置所4-01除外背景地区類(0.34)があるように,西辺が極めて強い分断線になっていること,つまり単なる川向こう以上の場所ながらが,広くまとまったエリアであることが,まず指摘できます。その分断線のすぐ内側には,魅力的な旧隅田川親水緑道があり,東側には南北に長大な曳船川親水公園5-11親水プロムナード類(5.02)が貫通,それを軸とするように,古くから,8-02邸宅会館類(2.34),8-04マンション類(3.51),8-09高層モダン団地類(2.75)が主体の,優良住宅地のエリアです。それを保証するように,葛飾区役所周りの立石さくら通りはじめ,かわばたコミュニティ通り,堀切四季の道,さくら並木の道など縦横に走る魅力的な6-01緑苑道路類(8.18)で,この値がトップであることが何よりもエリアを特徴づけています。有名な堀切菖蒲園は値には出てきませんが,西亀有せせらぎ公園など5-05帯状緑苑公園類(1.51),多くの5-07ユニーク公園類(1.86)があり,新たに東立石緑地公園5-02堤原草池公園類(1.10)も整備され,ほぼ中央に位置し,エリア名にも採用したお花茶屋駅周りの6-05商店街門前町類(1.99),多様な7-04医療福祉環境施設類(2.61)や,アリオ亀有などの7-07量販店車対応施設類(2.47)があるなど,住環境はかなり良いといえるでしょう。その他,2-05中小寺院(3.92),5-09中小公園類(4.74),6-03緑苑路地類(4.12),6-07まちかどスポット類(5.22),6-08利便スポット類(3.09),7-09産業施設類(2.61),9-02荒廃建物類(2.34)が多く,歴史の密度の深さが示されるます。

8-07柴又エリア:「男はつらいよ」の寅さんの故郷で著名なこのエリアは,江戸川1-01大川土手河原類(4.06)の矢切の渡し(1-03船溜波止場類としては小さすぎて値に出てきませんが)と,著名な柴又帝釈天2-01特定大寺院(1.27)との間に整備された柴又公園5-02堤原草池公園類(2.78),その周りの立派な庭園を有する山本亭5-06庭園屋敷跡類(1.51),魅力的な2-05中小寺院(4.40),2-09中小神社(1.72)など,明確なイメージを核としたエリアです。京成本線から金町線,成田空港線(北総線)が分岐するターミナルの高砂駅や新金貨物線など鉄道ファンにとっても魅力の3-07鉄道施設類(3.13),それに関連する3-06特定交差部類(2.32),3-05橋まわり類(1.24),江戸川に突き出た古い取水塔が魅力の広大な金町浄水場3-09サポート施設類(4.40),金町線が常磐線につながる北端の再開発で一新した金町駅南側6-06駅まわり類(1.85)などを背景に,なお魅力的な1-05屋敷林農家類(3.36)や6-03緑苑路地類(2.55)が残り,西の中川近くを南北に走る新金貨物線と添うようにある魅力的な上下之割用水跡通りなど6-01緑苑道路類(6.49)も際だつなか,8-03タウンハウス類(3.13),8-04マンション類(3.59),8-07戸建団地アパート類(2.09),8-08低層レトロ団地類(2.32)の居住系が立地,全体としてユニークな田園都市のエリアであるといえるでしょう。その他,6-08利便スポット類(2.55),6-09こども施設類(2.09),7-04医療福祉環境施設類(3.13),9-02荒廃建物類(2.55)が多めになっています。

8-08水元エリア:スケールが大きくフランスの田園地帯の風景をも思わせる水元公園5-02堤原草池公園類(26.17)の圧倒的存在(これに沿った3-04パークウェイ類(2.14)や3-03並木道路類(1.60)も含めて)がこのエリアの全てとさえいえますが,一時代を象徴する金町駅北側の金町団地8-09高層モダン団地類(3.87)や,8-08低層レトロ団地類(5.07)があり,広大な最近は三菱化学の工場用地7-09産業施設類(1.74)の再開発で,魅力的な8-04マンション類(5.34)その他の施設が展開し始めるなど,新たなイメージも生まれています。葛飾清掃工場3-09サポート施設類(2.67)とその横の中央公園5-08緩衝公園緑道類(3.20)より北側は,交通の便も悪いこともあって,1-05屋敷林農家類(2.68),1-06農園類(2.67),2-09中小神社(3.87)が多く残るなか,多くの7-04医療福祉環境施設類(2.94)が立地しています。その他,1-01大川土手河原類(1.74)が多いのは当然として,南蔵院(しばられ地蔵尊)など2-03ユニーク寺院(1.74),5-09中小公園類(5.07),6-02緑苑歩道類(3.60),7-02文化コミュニティ施設類(1.74)などが多くなっています。

3-09綾瀬エリア:西南部の常磐線綾瀬駅に東京メトロ千代田線が乗り入れ,車庫・工場の北綾瀬駅への分岐線3-07鉄道施設類(2.23)ができたことで,このエリアの位置づけが一新したことがまず指摘できます。その分岐線をまたぐように,入口に傑作東京武道館7-03スポーツレジャー施設類(2.82)のある,ユニークな形状で魅力的な東綾瀬公園5-05帯状緑苑公園類(4.93)や,小さいながら珠玉旧隅田川親水緑道があり,東南部の亀有駅北側には,大規模な中川水再生センター3-09サポート施設類(2.70)と,その屋上と横を活用した二つの5-08緩衝公園緑道類(5.40)が,そのすぐ西側を南北に魅力的な葛西用水親水公園5-11親水プロムナード類(10.45)が,まるで背骨のように走っています。中川水再生センターすぐ北側の大谷田1団地8-09高層モダン団地類(2.82),その北側の都営六ツ木町アパートほか8-08低層レトロ団地類(4.23)も,良く計画されています。花畑運河以北の取り残されたような部分には,魅力的な1-05屋敷林農家類(5.40)や1-06農園類(3.09)が残り,北辺の自然のままのような垳川遊歩道5-12河岸プロムナード類(2.70)に沿って,歴史遺産の水車のある六木水の森公園とモダンな風車を配した神明水の森公園があり,エリア中央付近の大谷田公園などと合わせて5-07ユニーク公園類(6.34)も多くなっています。エリア西辺には綾瀬川に沿って首都高6号三郷線が走り,面白い形をした加太ICがあって3-01高速道路類(3.29)も高いですが,首都高下に魅力的な緩衝緑地も整備されているなど,エリア全体に多様な魅力がメリハリよく配置され,園林都市東京を代表するエリアの一つといえるでしょう。随所に6-01緑苑道路類(3.40)があり,2-10併設寺社(3.29),5-09中小公園類(7.68)が多いのも,魅力を高めています。


9足立ゾーン

9-01花畑エリア:大団地で有名な花畑団地や竹ノ塚第1団地のほか,多数の小さな団地が建設されて8-08低層レトロ団地類(17.58)に特化,それに対応して,5-09中小公園類(13.14)も際だって多いエリアです。花畑団地北辺の毛長川に沿った長い5-05帯状緑苑公園類(1.85),南部の小さな団地と一体に整備された6-01緑苑道路類(2,56)や,竹ノ塚駅への通りなど6-02緑苑歩道類(2.50)あるものの,全体としては,交通の便が悪く,1-05屋敷林農家類(4.16),1-06農園類(2.50),2-05中小寺院(3.52)の田園的な環境のなか,花畑変電所など3-09サポート施設類(4.26)とその横の一ツ家第一公園など5-08緩衝公園緑道類(1.67),ベルモント公園など5-07ユニーク公園類(3.79),唯一の高層ビルでもある足立区役所など7-02文化コミュニティ施設類(2.50),総合スポーツセンターなど7-03スポーツレジャー施設類(2.13)などが,断片的に孤立するように分布するマトマリに欠けたエリアでもありますが,つくばエクスプレスの青井駅,六町駅が開業したことで,急速に変化して行くことが予想されます。9-03ツタ覆い建物(2.12)のなかに,ユニークな実修寺の伽藍があることも指摘しておきましょう。

9-02荒川北エリア:その名の通り,荒川1-01大川土手河原類(8.18)に沿っていることが最大の特徴で,その土手を利用した首都高中央環状線に沿い,西の大泉北エリアのJCTとはまた別の魅力をもった東京では限られる伸びやかな江北JSTなどの3-01高速道路類(3.23)(その一部は五色桜大橋3-05橋まわり類(1.65))を背景に,8-08低層レトロ団地類(7.24)とそれに対応する5-09中小公園類(8.26)が多く,前記9-01花畑エリアに近い面を持っているといえます。交通の便が悪く,1-05屋敷林農家類(2.68),1-06農園類(2.68)もかなり残っていることも同様ですが,一歩先に開通した舎人ライナーの駅舎6-06駅まわり類(1.81)が新たな風景となり,西新井駅近傍の日清紡の工場跡地がマンション群8-04マンション類(5.43)とアリオ西新井7-07量販店車対応施設類(1.89)として再開発されるなど,新たな顔も持ち始めています。様々な2-03ユニーク寺院(2.05),2-09中小神社(2.20),送電鉄塔,ポンプ場3-09サポート施設類(2.12)や首都高との調和を図る江北公園ような5-08緩衝公園緑道類(1.57),様々な5-07ユニーク公園類(2.20),江北JCT周りに集積する7-09産業施設類(2.28),6-02緑苑歩道類(3.30),6-07まちかどスポット類(5.43),8-05緑の外縁類(3.23),9-02荒廃建物類(3.70),5-10緑苑プロムナード類(1.81),7-04医療福祉環境施設類(1.97)などが多いですが,際だったものはありません。

9-03舎人エリア:古くは,東南端部に西新井大師2-01特定大寺院(2.34)があることくらいしか知られませんでしたが,ほぼ中央に巨大な舎人公園5-04大型緑苑公園類(6.88),それとセットでトラックターミナル3-08産業団地類(1.33)が整備されたこと,その中央を縦断するように,南北に舎人ライナーが開通3-07鉄道施設類(1.64)して,魅力的な見沼代用水など5-11親水プロムナード類(3.22)などへ観光客も訪れるようになったばかりか,駅舎6-06駅まわり類(1.83)も目立つこと,前2エリアに類似して多い8-08低層レトロ団地類(5.56)も,建替えが急速し進んで8-09高層モダン団地類(2.90)へ転換しするなど,風景にも大きな変化が生じています。1-05屋敷林農家類(5.43),1-06農園類(3.09)が多く残るのは当然として,本格的な都市農業公園はじめとする多くの5-07ユニーク公園類(4.80)や,送電鉄塔網など3-09サポート施設類(2.59)と,その下の細長い帯状の公園5-08緩衝公園緑道類(2.02)ばかりでなく,諏訪木公園など多くの5-05帯状緑苑公園類(3.66)があるのも特徴的です。その他,2-05中小寺院(3.16),5-09中小公園類(8.21),8-05緑の外縁類(2.15),6-01緑苑道路類(1.89),7-04医療福祉環境施設類(1.96)などが多めになっています。