MSL CAN-AM CHALLENG CUP ROUND 3
Mr.Kogi's McLaren M6A wins a round 3 at a racing paradise c.k.
This is Welsh Kogi show !! 

小儀和宏選手(マクラーレンM6A)3連勝で早くもシリーズ・チャンピオンを奪取!!

 

TOP : From leftside: Tom Kikuchi 2nd, Winner Welsh Kogi  and Boss Tadokoro 3rd.
(C) Photograph by K.Owari.

 ストップ・ザ・KOGIの筆頭として期待されていた田所博史氏は3位に沈み、第2戦からカムバックした元チャンピオン菊池 勉氏が2位に躍進!!そして、伝説の鳥海志郎氏が遂に参戦!!さてその結果は!!

ブルース・マクラーレン VS ジム・ホール?!

 8月23日CAN-AM第2戦終了後、奇跡のカムバックを遂げた菊池 勉氏が遂に動いた!!前戦をレンタカーで走り3位をゲットした菊池氏はその勢いを駆ってわずか1ヶ月の間に自らのマシンを製作(その中にはオートマチック車もあるという・・・)、早くも第3戦へのエントリーを表明した。その間に製作したスロットカーの数なんと9台!!菊池氏の第3戦に賭ける意気込みを感じずにはいられないエピソードだ。
そんな菊池氏を称して現代に甦ったジム・ホールと言ってもいいのではないだろうか!(エントリーした車は全てチャパラルで2C,2D,2Gの3台であった)
対するシリーズ・チャンプ候補“小儀和宏”氏は、愛車マクラーレンM6Aの心臓移植と秘密セッティングを施し、逆転チャンプを狙う田所博史氏と菊池 勉氏を迎え撃つ構えだ。本物のCAN-AMに例えるならば小儀氏はマクラーレンの生みの親でありセッティングの神様であった“ブルース・マクラーレン”そのもののように思えてくる。
一方田所氏は「もうCAN-AMは小儀ちゃんのもの。わしはF200の総合優勝を狙っちょるんよ」と意外と控えめな発言を繰り返すだけ。しかし、突然の菊池氏の参戦で総合2位の座もこの第3戦の成績次第では安泰とは言いがたく心中穏やかではないのは確かだ。

さて、今回のハイライトは他にもある。伝説のチャンピオン「鳥海志郎」氏の参戦だ。もちろん、急なエントリーということで前回菊池氏がドライブしたMSL所有のローラT160による参加である。氏がどのようなドライブを我々に見せてもらえるのか本当に楽しみな参戦である。
鳥海氏と菊池氏は、1965ー66年当時の日本モデルカーレーシング界最高のイベントであった「1965年第1回オール関東モデルカーレーシング選手権大会」において同じチームに所属しそれぞれ1/32オープンクラス、1/24GTクラスの個人タイトルを手中にしたスーパースターであった。
その後、別々の道を選んだ2人にとって両雄対決は遂に実現することはなかった。今回の直接対決は、プロレス界に例えるならば、あの“ジャイアント馬場 VS アントニオ猪木”、また、円谷プロで例えるならば“ウルトラマン VS ウルトラセブン”とでも言ったらいいのだろうか、つまり両雄夢の対決が、ここレーシング・パラダイスで実に33年振りに実現することになるのだ。そして、その記念すべきレースの生き証人となる我々はなんと幸せなことであろうか。しつこいようで申し訳ないが、実際のレーサーに例えるならば我々は、生沢 徹や北野 元と一緒にレースをすることと同じではないかと感じてしまう!!
さらに、我らの田所博史氏も「第1回オール関東」に出場メンバーでもあることから俄然レース展開が面白くなることは必至だ。

小儀選手、断トツのポールを奪取!!

 さて今回の焦点は、第2戦の優勝でCAN-AMシリーズ・チャンピオンに王手をかけた小儀選手の勝敗であろう。
唯一逆転チャンプの可能性を残している1968年等々力12時間レース優勝者の田所選手はこの第3戦に優勝する事が逆転の最低条件ということで、レース前日の10月3日(金)に早くも東京入りし、すぐに等々力に直行している。さらに度重なるテストで時間を忘れ気がつけば夜中の12時。そのため終電に乗り遅れてタクシーで実家に帰ったという熱心さ。その入れ込みようがわかる田所氏であった。
 それから私ごとではあるが、今回MSL主催レースとして初めてエントリーが10名を超え、改めてレース運営ということの難しさを痛感したレースでもあったが、皆さんの暖かいご協力を頂きなんとかレースを迎える事が出来た事をこの場を借りてお礼を申し上げたいと思う。

 当日午後15時にコース入りした主催者はすでにコースインしていた注目の菊池選手と田所選手と合流し、その後に到着した北関東溝車振興会4人衆と小儀選手、そして前回欠場した白阪選手とですぐにレース準備へと入る。そして、5時から車検の予定を少々早めて重量と最低地上高の車検を開始する。続々と集合する参加メンバーと楽しい談話を交わしながら刻々と迫るレース時間を確認しながら順調に車検をこなして行く。仕事で遅れていたDr.K選手もやって来た。
そして、5時40分頃だったであろうか遂に鳥海志郎氏が到着。早速コースインして頂き久しぶりのコントローラーでの練習走行を行って頂く。
さあ、メンバーが揃った!6時ちょっと前、ドライバーズ・ミーティングを開く。
予選は、1人づつで3ラップを走り、その中での最高タイムで順位を決める手はずだ。
順番はくじ引きで行われ、小儀選手がまず最初にアタックする事となった。
そして、いきなり9秒台、そして3ラップとも9秒台で纏め上げるという離れ業を演じ、今回も優勝は貰ったと言わんばかりの余裕の走行であった。ちなみに最高ラップは“9.481”。凄いの一語であった!
結局その後誰1人そのタイムを破る事が出来ず桁違いのスピードを見せた小儀選手が、開幕戦以来のポール・ポジションを獲得した。

CAN-AM Round 3 Qualifying run time

上のタイムを見ると分かる通り、いかに小儀選手のタイムが抜きん出ているかがわかる。
各出場マシンは次の通りである。
小儀和宏:マクラーレンM6A/プラフィット
菊池 勉:チャパラル2C/プラフィット
田所博史:マクラーレンM6B/プラフィット
牧野弘文:マクラーレンM8A/MOTOR MODERN SW1
Dr.K :ポルシェ917/10/自作シャーシ
鳥海志郎:ローラT160/プラフィット
野村義隆:ローラT70/プラフィット
白阪広史:チャパラル2J/プラフィットモデファイドシャーシ
荒井 正:マクラーレン・エルバ/プラフィット
芹沢 宏:ロータス30/さかつう
尾張公正:ローラT70/さかつう
山崎 満:マクラーレン・エルバ/さかつう
Kazuhiro Kogi drove one of his best races in a McLaren M6A
 
 いよいよCAN-AM第3戦のスタートが迫る。
1,8コースを除く6レーンでの戦い。まずは、ポールの小儀選手が3コース選択。2コースに野村選手のローラT70、逆転チャンプを狙う田所氏は7コース。そして、注目の菊池、鳥海両氏が第1ヒートから4,5コースで並んでスタートする。マイペースのDr.K氏は6コースだ。

TOP :  CAN-AM Round 3 Heat 1 Starting Grid.
Boss Tadokoro ( left side ), Dr.K, Tom Kikuchi, Shirou Toriumi, Welsh Kogi and Mr.Nomura.
(C) Photograph by Hirofumi Makino.
スタート!!思い切ったスタートでまず飛び出したのはやはり田所、菊池、鳥海、そして野村の4選手だった。
しかし、小儀選手はバンク下からS字コーナーに向かうあたりですでに他を引き離してトップに立つ。鳥海選手は抜群のスタートを切ったがS字コーナーあたりで車がついて行けず痛恨のコースアウト。すぐに再スタートするもののやや遅れてしまう。一方菊池選手は田所選手と並ぶようにしてトップの小儀選手を追うが、なかなか追いつく事は出来ずかえって少しづつ離されてしまう有様。もうお手上げ状態のようだ。そして田所選手は焦ったのか致命的なコースアウトによりこのヒート小儀選手の11.9周に対して9.2周という最悪の結果で終わってしまう。2位は安定感があり、スピードもあった菊池氏が0.3周という僅差で滑り込んだ。注目の鳥海氏はまだ感覚が戻らないのかモーレツに速いがコースアウトを連発してしまい7.8周に終わる。
菊池、鳥海両氏の直接対決は、その後第2、6,7,8,12ヒートの合計6回行われ5勝1敗で菊池氏に軍配が上った。ちなみに鳥海氏が10周以上の走行距離を出したレーンは、2、3、6という難しいレーンであったのは意外である。それからノーミスだった第6ヒート(3レーン)はトップでゴールした事を付け加えておこう。とにかくフル・スロットルで攻めまくる鳥海流走行法は今だ健在であった。この鳥海選手の走行を見てライバル菊池選手は「速くて繊細な走り」と称していたのがなんとも印象的であった。
そんな中、淡々と走り続ける小儀選手は鳥海氏とコーナーで接触してコースアウトしてしまった第7ヒートで唯一菊池氏に1位を奪われた以外は全てトップでゴールという完璧なドライビングで(ちょっと酒臭かったが・・・)優勝を決めた。
逆転チャンプの可能性があった田所氏は第1ヒートのコースアウトが響き菊池氏に2位を奪われて痛恨の3位。その時点で小儀選手のシリーズ・チャンピオンが決定した。
CAN-AM Challenge Cup Round 3 Results ( 2 minutes/1 heat )
CAN-AM Challenge Cup Round 3 Final Results
 まずは上のファイナル・リザルトを見て頂こう。
第3戦優勝の小儀選手の総周回ラップ数は実に70ラップに到達している。この事実は6ヒート全て11.6周以上周回しないと出来ない数字だ。さらに1周56メートルのこのコースを1ヒート2分間ということで考えると小儀選手は全てのヒートを10秒前後で周回した事になる。
予選の各選手のタイムを見て頂きたい。ポールポジションの小儀選手は別として菊池選手と田所選手は9.9秒台でその他の選手は10秒を切れないでいる。このことから小儀選手が10秒前後のタイムで走行するのは比較的簡単なことだったのではと想像出来る。
よって他の選手が10秒前後で周回するためにはかなりのリスクが伴う可能性があり、この辺のことが今回のレースのある意味では全てだったのではないかと思われるがいかがだろうか。
MSL CAN-AM Challenge Cup Point Ranking
( CA-1 class : 1964-1968 CA-2 class : 1969-1974 )


Driver/Machine
Round 1
Chaparral C.K
( June 21 )
Round 2
Chaparral C.K
( Aug 23 )
Round 3
Racing Paradise
( Oct 04 )
Fainal Round
Racing Paradise
( Dec ?? )
Total Ranking
Kazuhiro Kogi
McLaren M6A
9
9
9
-
27
( CA-1/1st )
Hiroshi Tadokoro
McLaren M1A
McLaren M6B
3
6
4
-
13
( CA-1/2nd )
Tsutomu Kikuchi
Lola T160
Chaparral 2C
-
4
6
-
10
( CA-1/3rd )
Dr.K
Porsche 917/10
4
3
2
-
9
( CA-2/1st )
Hirofumi Makino
McLaren M8A
2
2
3
-
7
( CA-1/4th )
Hiroshi Shirasaka
Chaparral 2J
6
-
1
-
7
( CA-2/2nd )
Yasutaka Nomura
Lola T160
Lola T70
-
1
0
-
1
( CA-1/5th )
 上の表は第3戦までのポイントランキングである。
すでに小儀選手のシリーズ・チャンピオンは決定しているが、2位争いは最終戦まで持ち込まれた。
もちろん田所選手が最終戦で優勝もしくは2位(優勝は菊池選手以外が前提)に入るとシリーズ総合2位が決まるが、もしも現在3位の菊池選手が優勝して田所選手が2位となった場合は同点になってしまう。この場合は本物のレース同様優勝回数の多い選手が優先される事になるため菊池選手の2位が決まる。また、わずかながらDr.K選手、白阪選手、そして主催者も総合2位になる可能性はあるので各選手打倒田所親分を目標に頑張って頂きたいというのが本音だ。
さて、最終戦のもう1つの見所としては小儀選手の全勝優勝が達成出来るかということである。他の選手の状態が今のままであれば可能性大だ。また、菊池選手の新兵器(オートマチック車という噂?!)の登場は今シーズンなのか?!鳥海選手の逆襲はあるのか?!
開幕戦2位のベテラン白阪選手の動向、緒戦から中島 悟ばりに安定した走行を示しているDr.K選手・・・など興味は尽きない。
注目の最終戦は12月再び等々力レーシング・パラダイスで開催される。

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(C) Photographs by Kimimasa Owari, Hiroshi Tadokoro, Hirofumi Makino