ゴルフ会員権販売代行・仲介やリゾート施設運営代行を手がける(株)エスティティコーポレーション(資本金3億5000万円、東京都港区南青山2-31-8、清水榮吉社長)は、平成15年2月17日に東京地裁へ民事再生手続き開始を申請し、同日保全命令を受けた。
申請代理人は奥田洋一弁護士(東京都千代田区丸の内1-1-2、電話03-5223-7777)ほか。なお、監督委員には河野玄逸弁護士(東京都港区赤坂2-17-22、電話03-3582-0621)が選任されている。
同社は、1966年(昭和41年)4月に不動産業、ホテル経営を目的に中澤勤氏によって設立された。同氏はかつて政治家秘書を務めるなど政財界に広い人脈を持つ人物で、関係会社のゴルフ場経営大手、エスティティ開発(株)(東京都)が運営するゴルフ場の開発および会員権販売のほか、福島県猪苗代町においてスキー場、ホテルなどリゾート施設の運営代行を手がけていた。
またその一方で、バブル時には都内港区の新橋地区で大規模な不動産開発投資を行い、91年3月期の年収入高は約106億9900万円を計上していた。
しかし、バブル崩壊後は不動産開発に伴う多額の借入金負担が経営を圧迫。会員権販売も市況の落ち込みから低迷し、2000年同期の年収入高は約15億3600万円にまで落ち込み、毎期多額の欠損計上を余儀なくされ大幅な債務超過に陥っていた。
この間、本社ビルを含め所有不動産を売却するなど借入金の圧縮に努める一方、2000年4月には会員権販売業務をエスティティ開発に移管したことで2002年同期の年収入高は約13億6900万円にとどまり、多額の特別損失計上から約1339億5500万円の最終赤字となっていた。
こうしたなか、関係会社のエスティティ開発(株)が2002年10月18日に東京地裁へ民事再生法を申請(負債4922億円)。当社も不動産投資に関わる多額の借入金ついて、エスティティ開発から債務保証を得て資金調達していたことで信用は大きく失墜、動向が注目されていた。
負債は約3131億円(保証債務を含む)。
なお、松栄不動産(株)(負債1500億円、埼玉県、1月破産)を抜いて今年最大の倒産となった。
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