平成11年に開場した秩父キングダム・ゴルフ倶楽部(埼玉県秩父市荒川小野原607、TEL:0494-54-2280)の経営権等が新会社に移り、会員有志と地元企業の支援のもとで、株主会員制で営業していることがこのほど分かった。(平成17年2月末頃移行)
同GCは、地元の土木・造園業者の(株)正和興業を母体とした荒川観光開発(株)が、破綻した足利銀行の支援を得て開発・経営してきた。会員募集は700万円(内預託金560万円)で、平成5年に開始したがバブル崩壊もあり募集は低調に推移し、不安定な経営状態だったという。
経営交代に協力した遠藤直哉弁護士によると、会員有志や地元企業等が先行きを案じて、足利銀行の破綻で荒川観光開発に対する同行の債権が(株)整理回収機構(RCC)に移行する前に、ゴルフ場施設等の営業権や施設所有権についての折衝を行い、法的整理の手続きを採ることなく新会社にそれら権利を移行することに成功したという。
権利移転に伴う費用等は公表を控えているが、推定1億円強とみられる。
新会社は(株)秩父の杜カントリークラブ(住所=コースと同じ、坂本亮二社長)で、不動産登記も終了して3月1日から経営をしている。会員は預託金を放棄する代わりに新会社の株式を1口当たり2株を無償で取得した。会員は約60名しか在籍していなかったこともあり、まとまりが良かったようだ。
この他に有志が出資して株主会員制となったが、主要株主でも過半数の株式は取得していないという。ゴルフ場名については変更する案もあったが、問題が発生する恐れはないとして、変更しなかったとしている。
なお、破綻前の足利銀行が旧経営の荒川観光開発(株)に対して約100億円を融資した件に関して、現・足利銀行は過剰融資だとして元会長ら6人に損害賠償(総額18億円)を求めている(係争中)。
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