日光市は、市が保有する日光カンツリー倶楽部(18H、社団法人制、栃木県日光市)の株式会員権を一般競争入札で売却したところ、最低入札価格による一人の入札しかなく、今後の売却方法に頭を悩まましている。
今回、売却したのは日光CCの2ロ分の正会員権に当たる日光ゴルフ(株)(土地保有会社)の株式4株。予定価格(最低入札価格)は税別で680万円、申込期限は10月5日から22日で、10月29日に入札を行ったが、入札者は一人だけで落札額は最低入札価格の680万円だった。
同市では株式の売却により、絵画収集を目的とした「芸術文化振興基金」(5000万円)の財源に充てる計画で、今年度は20株で計4000万円(1口当たり400万円)を予定していた。
このため売却を担当した市総務部管財課(TEL0288-21-5132)では「会員権相場が横ばいの時期で、買い手には魅力が薄かったかも。今後は相場を見て売却時期を判断するとともに、専門の業者(会員権組合)にも周知できるようPRに努めたい」と話している。
同市では、同倶楽部の設立時に旧・日光市が51株、旧・今市市と旧・藤原町が各5株の計61株を取得していた。このうち旧・日光市は係長以上の職員が名変料と年会費を負担し会員権を取得、退職時に返還していた。
ところが、一部職員が会員権を私物化しているなどと問題化したため、平成10年から名義書換えを停止していた。現在、保有してい旧・日光市の職員も年内に会員権を返上するという。 同市では残り株式も順次売却する方針だが、会員権相場は弱含みが続き見通しは厳しいようだ。
それに日光CCは今年4月に名変料を値上げし、退会会員の株式取得は税込みで210万円(旧105万円)、会員登録していない株式取得で262・5万円(157・5万円)となり、同市売却の株式を購入すると一般より名変料が高くなることもネックになりそうだ。
ちなみに、日光CCの入会資格は日本国籍で、5年以上在籍会員2名の紹介が必要。今回落札したのは宇都宮市の会社役員(42歳)で、「祖父が同倶楽部設立に携わった縁があった。名門なのでもっと競争になると思った。1000万円は覚悟していたのでラッキー」と話しているという。
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