Needlework Marble 大西淳子

Monthly Kit Archive

3月のキット

ヴィンテージプリントのショルダーバッグ

 
  • ヴィンテージプリントのショルダーバッグ
  • ヴィンテージプリントのショルダーバッグ
  • ヴィンテージプリントのショルダーバッグ
  • ヴィンテージプリントのショルダーバッグ
  • ヴィンテージプリントのショルダーバッグ

作者より

香りを嗅いだときと同じように、色を見た瞬間、それにまつわる記憶がよみがえることがあります。

1800年代後半のフランスのプリント地が手に入るという幸運に恵まれ、合わせる生地を探していた時、目に留まったのはやはりフランスの生地。ざっくりとしたリネンの赤地の水玉、そしてベージュに赤い糸で伝統的なモチーフが織り込まれた布。そして、これらを組み合わせていた時、20代の半ば、西荻窪に住んでいた頃、頻繁に訪れていたアンティークの雑貨や古着を扱う小さなお店での懐かしい時間がひとつひとつ思いだされました。

オーナーの女性のテーブルの脇に常に積み重ねられていたリネンやテーブルクロス。きっちりとアイロンがかけられた真っ白なものや愛らしい花柄のものに混ざってあった、赤い刺繍糸で縁取りやイニシャル刺繍がなされていたものが特に印象的で、そこにヨーロッパの豊かさ、生活を楽しむ気持ちの強さを感じた記憶があります。

先日、イタリア旅行から帰ってきた友人が「赤を着てるとなぜか褒められた」と言っていましたが、確かにイタリアの絵画やデザインには美しい赤が効果的に使われていて、特別な感情が込められているように感じます。そしてイタリアの赤というのは、どこか「血」を思わせる色、イタリア人が大切にする「血縁」や「伝統」というものが伝わってくるのに対し、フランスの赤は果実が熟れたときのような赤、成熟や深みを感じさせてくれる女性的な赤だと勝手に分析しています。

もちろん、日本文化においても赤は重要な色です。以前、大正期の美人画の図録を見返していたとき、そこに「大阪の赤」という言葉があって、小さな日本においても地域によって「赤」のイメージはそれぞれ違うのかもしれないと気づかされました。

ともあれ、見ているだけで何となく元気が出てくるのが「赤」です。どんなデザインにしようかと考えたときに真っ先に思い浮かんだのが、巾着型のショルダーバッグ。今シーズンはどのブランドからもこの形のバッグが提案されています。私にとってはちょっと懐かしい形。大学生の頃、ルイヴィトンの大ぶりな巾着型のショルダーを常に掛けていた友人が何人かいたし、私自身はヨーロッパ旅行のお土産としてランセルのポシェットをもらい、そこにぎゅうぎゅうにものを詰めて誇らしげに使っていた、まさにバブル期の学生時代でした。

形は愛らしいけど使いにくくては困ってしまいますので、内側はぐるりと1周メッシュのポケットを付けて、ここにスマートフォンや眼鏡、お財布などを収納できるようにしました。するとすっきりして、意外にも収納力の高い形であることがわかります。でも、ハトメとか無いし・・・という方はご安心ください。この部分は完成したものをご用意します。

ファッションには周期があるといいますが、この形のバッグを、いま持つと懐かしい気持ちと共にちょっと若々しい気分になれる?なんていろいろ考えている時が楽しいんですよね。なかなか霧の晴れない日々が続いてきますが、そんな時に助けになるのが、美しいものに触れること、手を動かして自らの世界に没頭することではないかと思います。

このページを見てくれてありがとうございます。一日もはやく平常に戻れることを祈っています。

キットについて

キット価格 ¥12000(税別)
サイズ 28×25×12センチ
キット内容 フランス1800年代後期プリント地、フランス製プリントリネン、国産織り地、ラミネート加工コットン、グログランリボン、モアレ、合皮、シャンタン、メッシュ、薄手接着芯、ハトメ打ち口布、革コード、ストッパー、ビーズ10種、スパングル、底板、ショルダーベルト、送りカン

※革コードを通す布はハトメ打ちしたものをお届けします。

※ショルダーベルトはベルト状になったものをお届けします。金具はご自身で縫い付けてください。

マンスリーキットの詳細はこちら

2020年8月
2020年
8月

2020年2月
2020年
2月

マンスリーキットの一覧はこちら


最新の
マンスリーキット
に戻る


ホームに戻る

マンスリー
キット
アーカイブ
一覧へ

ページの
先頭へ