ひと月ほど前のこと、知人とあれこれ話していた時、会話の流れから石の話になりました。その人の口から出てくる、初めて聞くような難しい石の名前に勝手なイメージを膨らませつつ、そうか、バッグに天然石を縫い付けるのもいいなぁなんてぼんやりと考えていました。意識しながら歩いてみると、天然石を身につけている人を結構見かけます。夏なので透明感のある石のネックレスやブレスレットを素肌に付けている女性が多く、また意外と目にしたのが数珠のような、同じ大きさの石の連なるブレスレットをワイシャツの袖口から覗かせているサラリーマンの方々。その年齢はさまざまです。
最近は『パワーストーン』という言葉もよく耳にしますから、それを身につけることで、目に見えないエネルギーを取り入れたいと願う人は多いのかもしれません。立場上、誰にも弱音を吐けない人が、人知れず石に手をあてて、心の平穏を取り戻そうとしている姿を想像すると、物言わぬ小さな石たちがとても偉大なものに思えてきます。
アクセサリーパーツを扱うショップには、今やビーズと同じくらいさまざまな種類、形状の天然石が並んでいます。
石にはそれぞれ異なったパワーが秘められているらしいのですが、私の場合、まずはデザインが優先となりますので、その効能(?)にはこだわらず、自分の気にいった色や形状を選び、後からそれがどんなプロフィールを持つ石なのかを調べてみることにしました。何だか占いみたいで、ちょっとドキドキしますが。今回作品用に選んだ石は7種類
◆レモンクォーツ…快活な明るさをもたらす・心身の癒し
◆アマゾナイト…希望の石・別名「ホープストーン」
◆ニュージェイド…金運、仕事運を向上。旅のお守り
◆グリーンガーネット…生命力を活性化させ、霊的なマイナスエネルギーを退ける
◆イエロージェイド…豊かな人間関係を作り、社交性を高める
◆マスコバイト…神経系の働きを助ける力、疲労状態の緩和
◆パイライト…ネガティブなエネルギーから持ち主を守ってくれる
そんなの迷信、と言ってしまえばそれまでです。ただ、気持ちを落ち着け、前向きな気分にさせてくれるものが身近にあるというのは心強いもの。石の美しさに合わせて、この際、そのパワーも取り入れてみようという試みです。
石の話に終始してしまいましたが、その他の素材も負けない魅力を発揮してくれています。
しっとり感のあるギャザーの生地はヨーロッパの古いカーテン。印象派の絵のような色合いに一目惚れして購入しました。このデザインのインスピレーションの源です。持ち手部分はジンバブエのオーガニックコットン。手摘みの綿花のみを使用して織られた生地は手触りがとても優しく、触れるたびにほっとします。ドレッシーな前面と対照的に後ろ面はブロンズカラーのメタリック。使い込むほどに味わいと深みが出てくる表面加工がなされています。(家庭用のミシンでも縫えます)内側のクラシカルなプリントが見え隠れするのも密かな楽しみ。
バッグの大きさは、定番として時々登場する『ラウンドバッグ』に近いのですが、アームホールがより広くなっていて、楽に肩に掛けられます。そしてマチを2センチ拡げましたので、収容量も増えました。ここまで揃えば贅沢な現代女性のご要望にもお答えできるはず!と自負しております。
今年は「秋らしい秋」が4年ぶりに戻ってくるとの話です。思えばここ数年、急激な気候の移り変わりで一度も身につける機会のなかったアイテムが結構あります。これまでの分も取り返す意気込みで、この秋はお洒落を十二分にに楽しみたいですね。