通常でしたら、みなさんの購買意欲を掻き立てる(笑)ような文章をつらつらとここに書くのですが、今回は何も言うことがありません。フランス製リバーレース、ボタン、柔らかなシープスキン、ドットプリント・・・手芸好きなら誰もが好む素材、それがシックなモノトーンで構成されている。優等生過ぎて、癪にさわる感さえあります。

　敢えて誤算といえば、5月に引き続き、今回もサブバッグで持ちたいと思っていたバッグがそれ以上の仕上がりになってしまったことです。なんでしょう、この存在感。シンプルを心がけて作ったつもりが、とても主張の強いバッグになってしまいました。

　また、素材の殆んどが動きのある『洋』のものなのに、仕上がりは、なぜか静かな『和』なんです。レースを乗せたインテリアファブリックの曲線が山の稜線で、その上の○は夜空に浮かぶ満月、スリットの入った白の革は障子や行燈といった、和紙を通り貫ける柔らかな灯り、ボタンは河原の石で、フラットなグレイはさながら枯山水に敷き詰められた小石でしょうか。“禅”です。見た瞬間から目が外せない、そのまま時間が止まってしまう。そして、これだけシンボライズされた『和』を見ていると、なぜか自分が外国のセレクトショップにでもいるかような 不思議な錯覚を起こしてしまうのです。

　グレイの部分は遮光カーテンに使用される生地で、コーティングがされていて丈夫なので、敢えて裏を付けずに使用し、その分、軽量になっていますので、旅行の時などにもって行かれるととても便利です。ショルダーベルトを付けてポシェットのようにしても、何だか絵になるんですよね～。

　偶然の組み合わせから生まれた不思議な魅力のバッグ、気になった方は是非ご注文を！