今月のキットは着物地の幅を生かして、直線断ちで作っていきます。初めての方でも気軽に挑戦していただける、また、熟練者の方々には、この暑い時期にささっと完成出来る夏休み向けのキットです。

　木綿地にさらりと描かれた薔薇の花色や様子、そして大地を思わせる地色との組み合わせは、南国の雰囲気を漂わせ、夏の光によく映えます。そして同時に秋の装いにも十分応えられる「色の重量感」も持っています。

　まさに、着物に帯を合わせていくように、さまざまなリボンやブレードを並べ、それぞれの色のコントラストを楽しみながら作っていきます。

　リボンは布端の処理が要りませんので、並べたもの同士をビーズを付ける際の糸や刺繍を使って繋げていきます。

　さながらビーズや刺繍糸は帯締め、帯留めの役割でしょうか。小さいながらも加わることによって、全体にさらなる調和が生まれます。

　前面には布を折り返して作る3つに分かれたポケットがあり、底にはマチをとってありますので、日常の中で便利に使っていただけるデザインです。

　長い夏は始まったばかりですが、日々の疲れを振り切るパワーを、きれいな色たちが授けてくれることを願いつつお届けしたいと思います。