Needlework Marble 大西淳子

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2009年6月のキット

ヴィンテージ
レースの
エレガンスバッグ

 
  • ヴィンテージレースのエレガンスバッグ
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作者より

 この形!? そうなんです、先日のearly summer collectionでも一番人気だったエレガンスバッグ、自分用にもひとつ欲しい!と思って今回さっそく作ってみました。それも夏らしいデザインで。そう考えるとやはりレースが思い浮かびます。 そして先日、折りよく長さのあるヴィンテージのリネンレースが数種手にはい入りました。

 これは早速取りかかるしかありません。さてどれを使おうかと手に取り吟味していた時、ひとつのレースに目が留まりました。今回バッグのセンターに使用したレース、かなり古いもので、しかも一度何かに使われたのを丁寧に取り外したもののようです。そういったレースは時々あるのですが、このレースのすごいところは途中数か所継がれているのです。それも縫い代無しできっちりとモチーフの形が合うように、気の遠くなるような繊細な針目で…その後きれいにプレスされ、ほんのりとリネンウォーターの爽やかな香りが漂っていました。

 そのレースを前に、私は暫し呆然としてしまいました。

 ひとつの物がこんなに大切にされた時代があったんだ、いや、日本にもあった、そう着物の時代は一枚の着物が何度も染め直され、縫い直されて使われていたんだった…ものがなかった時代にはそれが当たり前のこととしてなされていたのかもしれないけれど、その名残としての美しい手仕事に遭遇すると、改めて驚き、感動せずにはいられず、そして、今の自分の生活について考えないわけにはいきません。

 ただ、多くのものと出会い、それを手に入れることで私たちが得た喜び、そして感性や感覚の広がりなどを全て否定してしまうことは寂しいことです。なので、せめて自分が選んだもの、作ったものは最後まで大切に使おうと改めて思ったのでした。

 そんなこともあって今回の制作にはいつも以上の手間と時間をかけました。途中で気持ちが萎えそうなると、このレースを眺めて、まだまだ、と自分を奮い立たせるのです。

 当初はクラッシックなモチーフの織り込まれた淡い色の生地をベースにしようと考えていて実際そんな生地を求めて歩き回ったのですが、気がつくとこのスペイン製の縞のプリント地を購入していました。すっきりとしてモダンでありながら、微妙な色の暈かしがどこか懐かさを感じさせてくれます。

 今はアンティーク素材もひと昔前のように特別なもの、特殊な人のものではなく、ファッションに普遍的に取り入れられるようになりました。たまたま気に入った素材がアンティークだった、という肩の力の抜けた若いデザイナー達のコーディネートが私も好きで、そんな雰囲気を目指して作業を進めていきます。

 両開きで大きく口の開くバッグは、忙しいこの時代に本当に便利です。マチが広くしっかりと固定しているので、中に入れたものがごろごろと動き回らないよう、インナーポーチをつけました。この中に細かいもの入れて、バッグの中に納めれば、仕切りの役目も果たしてくれます。

 風景の中に自然に溶け込みつつも、ふとした瞬間に特別な煌めきを見せてくれる、そんなバッグを持って、さあ、まずはどこに出かけましょうか。

キットについて

キット価格 20,000円(税抜)
サイズ バッグ
23×32×マチ16センチ
インナーポーチ
15×20×10センチ
キット内容 バッグ
スペイン製インテリアファブリック、中厚手コットン、丸紐、リネン、50センチ両開きファスナー、20センチファスナー、接着キルト芯、厚手接着心、薄手接着心、底板、平ゴム、ヴィンテージリネンレース2種、ヴィンテージパーツ4種、ヴィンテージビーズ8種、ヴィンテージメタルコード、金糸、銀糸2種、丸カン、革
インナーポーチ
中厚手コットン、リネン、シャンタン、薄手接着芯、30センチファスナー、平ゴム、グログランリボン、丸カン、革

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