Needlework Marble 大西淳子

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2009年3月のキット

ゴブラン織りの
ラグジュアリーバッグ

 
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作者より

 いつも古いフランスの素材を提供してくれるディーラーの方の材料をあれこれ吟味している時、はぎれの入ったひとつの袋に目が留まりました。シールに「1800年後期のゴブラン織り」と書かれていて、その時代性にも強く惹かれたのですが、ひとつ問題が…それはその端切れがあまりにも不揃いな大きさと形だったのです。ざっとみたところ生地自体は汚れもダメージも少なく、生地の切り口も新しい。推測するにずっと未使用で保管されていたものが、そう遠くない昔に何かを仕立てるために使われ、その際に出たはぎれがこれなんです、といったところでしょうか。

 「あなたなら、何かに使えるんじゃない?」というディーラーの言葉に背中を押されて買ってみることにしました。

 アトリエにもどり、テーブルの上でひとつひとつ手にとって眺めてみると、そこに織り込まれたモチーフの均衡のとれた美しさ、色の細やかさに驚かされました。糸を織ることでここまでの奥深い色合いや陰影を表現できるというゴブラン織りの素晴らしい技術に改めて敬意を表したくなります。そしてそんな魅力的な素材を目にすると、私の創作意欲もむくむくと頭をもたげてきます。

 まずは素材選び。この色彩豊かなモチーフの良さをそこなわないように、できるだけ近いトーンのヴィンテージビーズを集めたら、キット史上最高の21種類のビーズと2種類のスパングルを使うことになりました。生地合わせの中心には、2種類のイギリス製(手染め、手織り)のインテリアファブリックをセレクト。そしてはぎれも何とか組み合わせて残りを6個分に振り分けました。

 組み立てていくと、いつもならある程度のところで大体の雰囲気が見えてくるのですが、今回ばかりはゴブランの存在感が前面に強く出て、なかなか全体のバランスがイメージ出来ません。

 これでいいのかなぁ、と何度も不安になりながら、最後、返し口から表に返し、持ち手を通したとき、その仕上がりに満足する一方で、あーっ、こまったなぁという思いがちょっと頭を過ぎったんです。

 雰囲気が見えて来ないと言いながら、バッグが7~8割仕上がった辺りで、HPに乗せる文章を実はある程度考えていたんです。今回はこの形からもおわかりいただけるかと思いますが、ヘビーローテションで活躍中の同デザインの旧マンスリーキットバッグの代替えにする予定でした。

 『古いバッグに変わって、春から大活躍してくれるでしょう。』という内容を想定していたのですが、仕上がりを見た瞬間、思わず口から出たのは、「これ、使うのもったいない…」という、いつもの私らしくない言葉。

 どうしよう、勝負バッグ(?)にするしかないな。でもさ、眺めているだけで幸せになれるバッグっていうのもそれなりの存在価値があるよね、なんて言い訳を考える一方で、あー、急いでもうひとつバッグ作らないとな~と焦る気持ちを抑えられずにいます。

〈ご購入される皆様へ〉
柄の配置はサンプル作品とは変わりますが、主なモチーフ(織り込まれた柄)のビーズの刺し方は説明付きのカラーコピーで対応致しますのでご安心ください。

キットについて

キット価格 22,000円(税抜)
サイズ 22×40×マチ13センチ
持ち手の長さはご希望に応じて長くすることもできます。
キット内容 1800年代後期のゴブラン織り、イギリス製インテリアファブリック2種、中厚手コットン2種、 帆布、ファスナー、接着キルト芯、縫いつけマグネット、ヴィンテージビーズ21種、ヴィンテージスパングル2種

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