ヒトに病気を起こす細菌のことを病原菌と言います。

そのなかで菌の周りが蝋様の皮膜で被われて、抗酸菌染色で染まる菌を抗酸菌と言います。その中で一番有名なものが結核菌です。
そして、結核菌以外の抗酸菌を非結核性(非定型)抗酸菌と言います。

これらは自然界に100種類近くいますが、その内ヒトに感染する抗酸菌で70%を占めるのがMycobacterium avium complex (MAC)で、この菌が肺に感染し病気を起こしたものを肺MAC症と言います。この菌は結核菌に比べて感染力は弱くヒトからヒトへは感染せず、もともと肺に慢性の病気があったり、抵抗力が弱くなるような病気をもっているような人は注意が必要です。
診断は症状よりも胸のレントゲン写真や喀痰などから菌を見つける事で行います。治療が難しい場合もあり、呼吸器専門医への受診をおすすめします。

やまもと内科
山本 眞志