レーザー治療は、眼科領域においてもっとも早く医学に導入され、その後も医用レーザーの開発では常に眼科医が時代を先駆けてきました。
眼科手術において、眼組織の凝固と切除(切開)はもっとも重要な手技です。過去30年以上にわたる多種多多彩なレーザーの導入によって、これらの手技の多くがレーザーで行えるようになり、眼科領域の治療法は大きく変貌しました。今やレーザーなくしては日常の眼科臨床を語れません。
 
レーザー治療は眼科の分野で有効かつ安全な治療手段とされています。安全であることがレーザー治療の特徴ですが、当然のことながら、レーザー治療の十分な知識・技術や治療環境による十分な効果と安全性を得られる治療が必須です。
また、レーザー治療の特徴や危険性などを納得できるよう説明がなされ、治療前の検査や治療後の経過観察が必要になります。
またすべての病気に対して治療ができるわけではありません。レーザー手術の合併症によって重篤な視力障害が生じる場合もありますので、眼科専門医とよく相談して決める必要があります。

■レーザー治療が可能な眼の病気
眼瞼などの皮膚関係
○ 皮膚切開

角膜関係
○ 近視や軽度の乱視・遠視を矯正(PRK:レーザー屈折矯正角膜切除術、LASIK:レーザー角膜内切削形成術など)
○ 角膜混濁や変性(PTK:治療的レーザー角膜除去術)など

緑内障関係
○ 隅角形成術
○ 虹彩切開術
○ 瞳孔形成術
○ 線維柱帯形成術
○ 毛様体光凝固術  など

白内障関係
○ 白内障手術後の水晶体嚢の混濁(後発白内障)など

網膜関係
○ 糖尿病による出血(糖尿病性網膜症など)
○ 血管の病気による網膜の出血(高血圧症や腎臓の病気も含む)
○ 網膜の黄班部の病気(糖尿病黄班症、網膜静脈閉塞症の黄班症、加齢黄斑変性症など)
○ 網膜に穴が開く病気(網膜裂孔、網膜円孔など)
○ 網膜剥離 など

うらの眼科クリニック
浦野 哲