肺の一部が風船様(肺嚢胞:はいのうほう)に膨らんで、これが破れて、空気がもれ、肺がしぼんでしまう病気です。肺嚢胞ができる理由は良く分かっていません

症状・診断

突然おこる 胸痛、呼吸困難、咳、頻脈、動悸。
好発年齢、性別:背の高いやせた10代~20代の若い男性に多い。
胸部CT、胸部X線を取れば直ぐに診断できます。

治療

①安静療法:発症初期の 軽度例では、楽な姿勢で運動をせず、穏やかに呼吸していれば、自然に漏れた空気が吸収され、破れた孔が塞がります。

②穿刺脱気療法:胸部CT,胸部X線にて、肺の縮小が軽度であれば、注射針で漏れた空気を吸い取り、破れた孔が塞がるのを待ちます。

③持続吸引療法:中等度以上例では、チューブを胸に刺し、機械を使って、数日間、持続的に漏れた空気を吸い取り、 破れた孔が塞がるのを待ちます。

④胸腔鏡手術:①②③の治療で再発を繰り返すときは 風船(肺嚢胞)を切除します。胸の皮膚に小さな孔を3ヶ所開けて、胸腔鏡と言う内視鏡(カメラ)を用いて手術します。上の写真はこの手術時に撮った写真です

対策

発症を予防するのは困難です。症状があれば、直ぐに病院を受診し、胸部CT, 胸部X線検査を行う事が大切です。

注:続発性自然気胸:高齢者に多い気胸で、肺気腫、結核、肺癌等の基礎疾患に伴い、タバコを吸う人に多い。原発性自然気胸と区別します。

長与病院
高須 勝也