気管支喘息とは

気管支喘息は、何らかの原因にて気管支の収縮が起こり、その結果として喘鳴や呼吸困難感などが引き起こされる病気です。薬物治療や自然経過にても健康な状態に戻ります。従って、診断には肺に明らかな病変がないことが重要となります。

気管支喘息の病態としては、気管支のただれ(炎症)と考えられています。気管支のただれ(炎症)があると、ちょっとした刺激でも気管支の収縮が引き起こされやすくなります。
また、気管支のただれ(炎症)が持続すると、気管支自体の変化(リモデリング)が引き起こされ、薬物治療をおこなっても健康な気管支に戻りにくくなることも分かってきました。

このため、早期治療の必要性が言われており、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴や呼吸困難感などの症状を感じた時にはかかりつけ医師に相談されることをお勧めします。

治療法

気管支喘息治療薬は大きく二つに大別できると考えます。発作止め薬と抗炎症薬の二つです。

発作止め薬は気管支拡張剤(キサンチン誘導体やベータ刺激薬等)が入ります。気管支を刺激することで気管支を拡張させ、症状を緩和できます。
しかし、副作用として動悸や手などの振るえ、さらには不整脈などを誘発したりもします。
また、気管支のただれ(炎症)に対する効果はあまり期待できません。気管支の変化(リモデリング)を考えると発作止め薬のみの治療は慎むべきかもしれません。

抗炎症薬として、吸入ステロイド薬、抗アレルギー剤等が挙げられます。気管支拡張作用は殆どないため、発作時の使用はファーストチョイスになりません。
しかし、気管支のただれ(炎症)を軽快し、正常化するためには、発作時、非発作時に関わらず使用させるべき薬剤と考えられています。

気管支喘息の治療は発作止め薬と抗炎症薬の組み合わせで治療するものと考えてください。当然、発作止め薬だけと言う場合もあれば、抗炎症薬のみの場合もあります。
病状の強さや症状の推移等を考え、組み合わせが変化することもあります。かかりつけ医師によく相談し、自分勝手に中断することなく治療を受けることが、気管支喘息の治療のコツと思われます。

しもぐち内科
下口 和矩