球技や武道・軽いジョギングでも、とにかく一生懸命に運動をすると汗をかきます。暑い夏はことさらです。そのようなときに水分の補給をいい加減にしておくと体にいろんな変調がおきます。

水分の大切な働きは、血液を程よい濃度にし、全身をサラサラと流れて酸素や栄養分をすみずみまで送り届け、同時に、できた老廃物を運び去ることと、体温の調節にあります。
運動時は激しく動き回るので当然体内に発生する熱量は多く、体内に貯まった余分な熱を、発汗することで奪われる気化熱によって放出しています。

ところが、事前に水分補給をおこたったり、あまりに多くの汗をかきすぎて脱水を起こすと体内の熱を放出できなくなり体温が著しく上昇して極めて危険な状態に陥ることがあります。意識が朦朧となり内臓の働きが低下し、極端な場合は多臓器不全を引き起こすこともありますが、これが熱中症です。一刻も早い水分補給とミネラルの補給が必要になります。

脱水が強くなると血液は濃縮されドロドロ状態になり流れが悪くなります。心臓の血管で流れが悪くなると狭心症や心筋梗塞になりやすく、脳では脳梗塞を起こしやすくなります。
それゆえ水分の補給が大切になります。では、どれくらいの水を飲むといいのでしょうか?運動の前後で体重を測ったことがありますか?

激しく運動をすると夏場は2、3kg、冬でも1kg前後の変動がありそうです。つまり1000ccから3000ccの汗をかいていることになります。この失った水分の補給をしなかったら身体の調子が悪くなることは容易にお分かりと思います。補うべき水の量は失う量ということになります。ただし、運動の直前に1000ccも飲んだら腹が重くなって動けないのも事実です。運動の20分前にコップ2杯、運動の後にも2杯、その後さらに少しずつ補うというのが体にも優しく無理のない方法かと思います。

自然科学の世界で最も権威のある雑誌は「Nature:ネイチャー」です。この本に載った論文はまず間違いないと評価されます。ノーベル賞をもらう研究論文の多くもこの雑誌に載ったものですが、最近「水素水」に関する論文が出ていました。肉体を酷使したり紫外線やストレスにさらされたら「活性酸素」が体内で作られ、この活性酸素が動脈硬化や糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、老化、ボケなどの原因になる毒素であることが知られていますが、これを無毒化する作用が水素水にあることを発見したという論文です。つまり、いい水ということです。

どうせ補給するのならいい水が良いに決まっています。水素水やミネラルウォーターがお勧めです。水素水のことはまだ殆んど知られていませんが今後注目されると思います。私も水素水を飲み始めています。いい水は細胞に取り込まれやすく新陳代謝が促され疲れも取れやすいと考えられます。運動のときだけでなく、起床時2杯、日中も適度に数杯、寝る前にも2杯飲んでいます。水分補給の大切さをもう一度考えてみてください。

モロキ内科
萬木 信人