2002年に入って、インフルエンザが猛威を振るい、九州を中心に全国的に拡大しています。そこで、インフルエンザについて、簡単に説明してみましょう。

インフルエンザの種類

A、B、C型とあり、特にA型とB型が人に感染する為に問題となります。インフルエンザウイルスは、毎年「姿」「形」を変えるので、厄介です。(HAとNAの組み合わせで、分類されます

症状

高熱(39~40℃代)、全身倦怠感、関節痛、食欲不振が主症状です。勿論、咳、鼻水、嘔吐、下痢など風邪の諸症状も認められる場合もあります。
特に問題となるのは、小児の脳症と高齢者の肺炎です。

診断

迅速診断(診断キットには2種類あり、A、Bの型を識別出来るものと出来ないものがあります)と検体から直接ウイルスを分離する方法があります。

予防

「手洗い」と「うがい」は、基本で効果的です。更にワクチンの予防接種は、最も効果的な予防法です。予防接種を受けていれば、インフルエンザにかかりにくいし、かかっても軽症で済む場合がほとんどです。しかし、それは、万全という訳ではなく、接種後も一部に感染する症例が存在します。

治療

現在は、抗インフルエンザ薬があります。感染後早期であれば、これらは、症状の軽減に効果的です。シンメトレル(錠剤で、A型のみ効果)、リレンザ(吸入タイプで、A、B両型に効果)、タミフル(カプセルで、A、B両型に効果)などがあります。

解熱剤は、小児においては脳症の問題がありますので、経口剤及び坐薬共に、アセトアミノフェンを用いた方が良いでしょう。(高熱でインフルエンザが疑われる場合は、過去に出された他の坐薬は使用しない様にして下さい)また、高熱時には、脱水予防の為、充分な水分補給が必要です。高齢者に肺炎が合併した場合は、抗生物質などの点滴治療が必要です。
高熱の出現や症状が短時間で激化する場合は、早めに医療機関を受診して下さい。

森内科クリニック
森 久光