(クリちゃん) 院長センセ、今日は。
(院長) やあ、クリちゃん。今日はどうしたの?
(クリちゃん) 実は、近所の小母さんがね、脚にミミズのはったようなものがあって、別に気にしてはいなかったらしいの。デモ、最近になって、時々ヒリヒリするって言うの。
(院長) 静脈瘤だね。
(クリちゃん) ジョーミャクリュー?
(院長) ジョウミャクリュウだよ。
(クリちゃん) それって病気の名前?
(院長) 静脈は分かるだろう?
(クリちゃん) うん。
(院長) 「瘤」はコブって意味さ。静脈がコブの様にふくらんだ状態という意味だよ。
(クリちゃん) 案外単純なネイミングね。
(院長) でも、この病気で悩んでいる人は結構多いんだよ。
(クリちゃん) ふうん。でもどうして起こるの。
(院長) それはね、人間が立って生活するからさ。
(クリちゃん) ????
(院長) 脚の血液はどうやって心臓に戻るか分かる?
(クリちゃん) 心臓がスポイトのように吸い上げるのかな?
(院長) そうじゃないんだ。歩いたり走ったりすると、脚の筋肉が縮み静脈をしめつける。その力で血液を押し上げているんだ。
(クリちゃん) ふうーん?でも筋肉がゆるむとまた戻るんじゃない?
(院長) するどい!実はそうならないように、ちゃんと仕掛けがあるんだよ。
(クリちゃん) 仕掛けって?
(院長) 静脈の中には逆流防止の弁があって、血液は心臓へ心臓へと戻って来るようになっている。
(クリちゃん) すごい。
(院長) ところが、人間は二本の足で立って歩くので弁に圧がかかり無理がきてしまう。
(クリちゃん) それから?
(院長) それに、妊娠とか立ち仕事などの要因が加わり、重荷を支えきれなくなって、弁がひっくりかえってしまう。
(クリちゃん) ふーん!?
(院長) 後はばたばたと弁が駄目になり、血液は逆戻りして脚の静脈を押し広げる。
(クリちゃん) なるほど。
(院長) 押し広げられた静脈が、ミミズのように見えるんだよ。
(クリちゃん) そうなんだ!
(院長) これが、時々、炎症を起こして痛んだり赤くなったりするんだ。
(クリちゃん) 小母ちゃんが、そうなんだ。
(院長) 病気が進むと、この部分が黒くなったり、湿疹のようになったり、果ては、潰瘍(かいよう)になったり、出血したりするようにもなる。
(クリちゃん) ゲー。
(院長) 脚全体が疲れや、重くなったり、むくんだり、からす曲がりが、おきやすくなったりするようになる。
(クリちゃん) 結構大変なんだ。
(院長) でも、治療してすっきり治すこともできるんだよ。
(クリちゃん) いよいよ、センセの出番ね!
(院長) 注射による硬化療法、手術による静脈抜去など静脈の状態にあわせて治療するんだけど。ま、専門(血管外科)の医療機関で診察を受けるように勧めておいて。
(クリちゃん) じゃ、早速伝えてくるわ。
高木クリニック
高木 雄二