昨年8月29日に東京地裁ヘ民事再生法の適用を申請した、伊東CC(18H、静岡県伊東市萩694-1)を経営する(株)伊東カントリークラブ(井元昭彦社長、本社=コース、資本金9700万円、申請代理人=熊谷信太郎弁護士)は先ごろ会員など債権者に再生計画案を配布した。決議は1月23日に東京地裁で開く債権者集会で行われる。
計画案によると、バブル崩壊による会員権価格下落で預託金償還問題が現実化し、一方で預託金はコース等の造成・建設資金で使われている上、来場者減による売上げ減で同社のゴルフ場部門は平成9年以降10年間すべて赤字で、預託金償還費用を捻出するには到底及ばなかったという。
再生方針は本紙既報通り、親会社の日立造船(株)の支援により再建を目指す方針で、親会社から弁済資金及び、当面の運転資金の援助を受けるとともに経営の刷新・合理化を図り、来場者の増員及び売上高増対策策による営業収益を中心に再建を図る。
平成19年9月には親会社が同社の1億円の増資を引き受けたが、これはいずれ全額無償減資する方針。弁済に充てる親会社からの出資金は8億円を予定している。
弁済条件についでは、一般債権者及び退会会員(再生計画認可確定の日から1カ月以内に退会を意思表示)に対しては、一般権額及び預託金の24%を弁済、継続する会員には14%を弁済するとともに平日会員は正会員に権利変更、正会員には1ロに付き額面のない会員権を1ロ付与する。
親会社及び親会社の100%子会社が有する預託金債権は、その全額についで免除を受ける一方で額面のない会員権を1口につき1口付与し、来場者増を図るとしている。
ちなみに継続会員の弁済率は14%だが、認可確定の日から1カ月後に預託金の14%のうち1万円を超える部分を一括弁済し、その1万円を新預託金として将来退会時に返還する。
会員権の付与は家族、友人等の来場機会の増加とともに、従来の会員権を売却して護渡損を立てるという経済的利益を享受しつつ、子会員権を用いてプレーも継続できるという、会員の便宜を図ったという。
1万円の新預託金は個人会員の税法上の便宜(説明によれば会員権譲渡で税務上還付を受けるためには無額面としてしまうと同一性が否定され、譲渡損を立てることができない)を考慮したもので、子会員権の初回の名変料は無料としている。
なお、確定債権者総数は1037名(内議決権者総数928名)で、確定再生債権総額は38億8807万円余となっている。
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