ゴルフ場業界には、平成13年11月に小海高原ゴルフコース(9H、長野県南佐久郡小海町、旧・第一コーポレーション系列)を買収して初参入し、翌14年3月には民事再生手続を経て平戸ゴルフクラブ(18H、長崎県佐世保市)を傘下に収めた外資系投資会社のムーア・グループは、平成17年3月31日を持って日本事務所(東京都港区赤坂)を閉鎖し、日本の不動産投資事業から完全撤退したことが判明した。
平成11年に設立されたムーア・グループ(日本)は、ヘッジファンド業界大手のムーア・キャピタル(米国)とパートナーシップを組み、中核組織はムーア・ストラテジック・バリュー・パートーナーズ・ジャパンLLCで、日本の不良債権に1000億円を超える投資を行い、オフィスビル・ホテル・パチンコ店・ゴルフ場等をを傘下に収めてきた。
前述以外にも平成15年8月に民事再生手続から破産となったノースショアカントリークラブ(茨城県行方市、18H、旧・北浦GC)を買収。また、抵当権を買い取り大札幌カントリークラブ(北海道石狩郡当別町、18H、平成10年に破産)を、3年間閉鎖後の15年に再開場させるなど、ピーク時には計4コースを経営していた。
しかし、ムーアが金融機関等から買収した不良債権のほとんどは、老齢化したホテルやビルの債権で、事業再生に活用できるものが少なく、投資効率が極端に悪かったようで、これら投資の失敗から撤退を余儀なくされたと推測される。
国内のゴルフ場を傘下に収めた外資系企業で、全面撤退を決めたのは同社が初めてだが、ゴルフ場事業は収益率が悪いだけに、今後も撤退する外資系企業が出る可能性が大きいかと思われる。
尚、ノースショアCCは平成16年年11月に韓国資本のBANDOグループに売却済みで、大札幌CCや平戸GCも売却先は不明だが、既に売却先と売買手続に入っているようだ。
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平戸GCは、平成18年10月に東証二部上場の(株)スルガコーポレーション(横浜市神奈川区台町15-1、資本金139億7680万円)に売却。
ゴルフ場名も「平戸ゴルフクラブ」→「佐世保・平戸カントリークラブ」に変更
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