Needlework Marble 大西淳子

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2010年7月のキット

布合わせを楽しむ
2WAYバッグ

 
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作者より

 いろいろなことを忘れてしまうこの頃ですが、昔親しんだ布の色や模様をふとした瞬間に鮮明に思い出すことがあります。

 一番最初に母が作ってくれたのは、エアパッキンのような丸い凹凸のあるペパーミントグリーンの布バッグ。中央に縦にフリルがついていて、そのまん中に赤と黒のチロリアンテープが走っていました。その次は紺地にリンゴの柄のレッスンバッグ。丸いアクリルハンドルの着いたバッグもありました。

 中学生になって自分専用のミシンが届いた時(親がミシンの積立をしていた時代です)、嬉しくて、母が子供服の縫製工場に勤める友人からもらった布の中からリボンのように細いリバティー風のプリント地を選んで、何を作るという目的もないままひたすらに繋いでいました。その頃は、そういった、ちょっとナチュラルなカントリー風な色やプリントがとても好きだったように思います。時代は70年代後半、片田舎の中学生にもフォークロアの風は届いていたようです。

 そんな思い出を根っこにプリント好き魂は今も健在。特に骨董市をのぞくようになってからは『和更紗』に惹かれ、見つけるとつい買ってしまいます。世田谷のボロ市には着物や帯の山の中にしわくちゃになった和更紗が潜んでいるお店があり、久しぶりに訪れた今年の1月も同じお店で何点か見つけました。

 私なりの鑑賞マニュアルは
(1) 縫い目をほどき、縫い目に溜まった埃をガムテープで取る。
  (すでにカバーなどに仕立てられているものが多いのです)
(2) 静かに手洗いし、しわを延ばして干す。
(3) アイロンをかける。
(4) 専用箱に仕舞い、時々出して眺める。
(5) いいアイデアが浮かんだら何か作ってみる。

 今回このステップを順調に進み(5)までたどり着いたのが、雄鶏柄のプリントです。

 和更紗には、薔薇、ブドウ、帆船など西洋風のモチーフが多く、柄ゆきなどもそれを意識しているかのように見えるのですが、どこか和のテイストが抜けきらない、冴え過ぎないところに温かみを覚え、愛着を感じてしまいます。

 布はもう何十回も水をくぐり、ガーゼのように柔らかくなっているので、もう一枚補強布を充ててステッチをしています。

 万が一穴があいてしまっても、それは味わいとして楽しんでもらえるでしょう。

 バッグは切り替え部分に持ち手が、脇にDカンがついていますので、バッグの長さを短くしたり、ショルダーベルトを付けることも可能です。

 今回は布にこだわるというテーマですので、裏地も楽しくしてみました。

 あーっ、そうか、と作りながら気付いたことがありました。私は水玉も好きなようです。

キットについて

キット価格 13,000円(税抜)
サイズ 42×34×マチ14センチ
キット内容 和更紗、無地コットン、中厚地プリント2種、中厚地無地、ストライプ織り地、接着キルト芯、40センチファスナー、10センチファスナー、Dカン、丸カン、牛革、竹ビーズ

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