今月はちょっとお正月を意識して、古典的な和の色とディテールでまとめてみました。
この着物地も横浜アリーナで見つけたんです。1000円の着物の山の脇で控えめに輝いていたそれを手に取りながら「これは1000円じゃないよねぇ~」と思って値札を見るとやはりそれなりのお値段。はぁ、どうしょう。欲しいなあ。色がいいのよね、海老茶と瑠璃色、渋い。それにこの柄だって松なんだろうけどちょっとクラゲみたいでユーモラス。何と言っても解かれ洗い張りも済んでいて生地の状態がすごくいいのが大きな魅力。
「これって、この値段ですよね」と念のため聞いてみる。「そうね、これはね・・・」と断わられてしまう。それでも諦め切れずに手に持ったままそこを離れられずにいると、笑いながら「本当に持って行きたいんなら1000円まけてあげるよ」と言ってくれたのです!ありがとうございます。。。いやぁ、このやり取りこそ骨董市の醍醐味なのよね。
さて、バッグの話に戻りましょう。
今回のポイントは横顔、つまりバッグのマチ部分です。まさか、と思われるかもしれませんが、そうなんです、今回はこのビーズを付けていただきます。どうぞここで諦めないでくださいね。一分竹のビーズを同じ方向に付けるだけ(!)なので、時間さえかければどなたでも作り上げることができます。その分バッグ本体は、「簡単でいいですね」とご好評をいただいている口金を使った短時間でできるものにしています。キット到着後クリスマスまでだって2週間ありますし、お正月が目標なら20日あるわけですからこつこつビーズを付けていけばきっと完成します。完成したら是非手に持って鏡に映して見てください。バッグのマチがひとから見て意外にも目立つ部分であることが実感できることと思います。ちなみにここでは螺鈿細工のような奥深い光を表現してみたのですが、いかがでしょう。
そして〆は口の部分の芥子色。いろいろ迷ってこの色に決めました。小さな部分ですがここを変えるだけでイメージがかなり変わるんです。作られる方の好みやセンスで他の色に変えてみるのもいいと思います。そうそう、言い忘れてました。この柄、基本的には松が一方向に並んでいるのですが、よーく見ると逆さまになっているのが時々あるんです。そしてご丁寧にもそれが銀糸で縁取られている。。。何か意味があるのかしら、それとも職人さんのユーモア・・・?ちょっと謎です。
毎回少量しかキットのご用意ができなくて申し訳なく思っていたのですが、今回は着物地の状態がとてもよかったお陰でいつもよりは多くの方にお届けできそうです。冬休みでちょっと時間のありそうな方はこれを機にハンドメイドを始められてはいかがでしょう。年が明けたら、新しい趣味が増えていたなんて素晴しいですよね。