8) エルフィン・ローラの謎

 1970年3月の「模型とラジオ」誌内「モデルカーレーシング教室」にて、クライマックスの新作が2台紹介された。
1台は、「1/24 マトラGT」である。そして、もう1台が「1/24 エルフィン・ローラ」である。(下の画像)
 
 
 
 
 TOP : This is "Elfin Lola".
Do you know this one?
 Have you ever seen the Elfin Lola ?
 
 
 このエルフィン・ローラであるが、実は正体不明なのだ!
モデルカーレーシング教室での紹介にしても、1968年のCan-Amシリーズに数戦登場したというマシン…としか解説はなく、どうにも説得力がない。
私自身も洋書「Can-Am」などのリザルトやエントリーリストを調べたり、また、年代も初年度の1966年より調べてみたものの“エルフィン・ローラ”に該当する車両は見つからなかった。
 クライマックスのエルフィン・ローラのボディスタイルを見ると、ピート・ブロックの世界一軽いレーシングカーと言われた”ミラージュ”のウインドウスクリーンをより長くしたようなスクリーンを持ち、69'フェラーリ312Pに似たようなボディに取り付けたような感じなのである。
 エルフィンと言えば、すぐに思い出すのが、1969年JAFグランプリにおいて、映画俳優の名前かと思ってしまう“ガリー・クーパー”が乗っていた“エルフィン600”だ。 
ハイ・ウイングを付けた赤いフォーミュラマシンは、あまり速いとは思えなかったが、印象に残るマシンであった。
 エルフィン・スポーツ・カーズは、1959年にガリー・クーパーによって設立されたオーストラリアで一番古いスポーツカーメーカーである。

https://en.wikipedia.org/wiki/Elfin_Sports_Cars
 
 
 
 
 しかし、エルフィンのラインナップに“エルフィン・ローラ”の名称、および先に述べたスタイリングを持つマシンはない。
それに、エルフィンもローラもコンストラクターの名称であり、おかしい気もする。ただ、チャパラル・マクラーレンM12という名称もあったことなので断言はできない。

 ここで、また仮説を述べなければならないことは残念であるが、1つの説として述べさせていただくと、もし、実際にクライマックスのボディのような形をしたマシンがあったとしたら、なぜデータにないのかであるが、まずこの“エルフィン・ローラ”という名称は正しくなく、ローラに関係しているのであれば、シャーシを使用したのではないだろうか。そして、ボディは、エルフィンでデザインしたものを架装したとも考えられる。レースへのエントリーは、ローラT70のシャーシであれば、Lola T70とリストに記載されているのではないだろうか。
 ボディデザインについてだが、上の写真が、実際に存在する“Elifin T400”を比較のため見ていただきたいが、ウインドウスクリーン形状がそっくりではないか!

ということで、このミステリーマシンの謎も分からず終いである。
 

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