具体的にどんな薬があるの?

児の半分は、父親に由来していますので、母体から見れば明らかに異物です。
その児を排除しないように、母体は免疫力を落とし、免疫寛容という状態になっています。
その為妊婦は、風邪をはじめとする感染症にかかりやすいのです。

風邪薬

アセトアミノフェン
  第一選択薬。安全性が高いことから小児にも頻用されていす。
  (非ピリン系解熱鎮痛剤)

PL顆粒
  アセトアミノフェンを含むが、カフェインや抗ヒスタミン剤なども含むので、第二選択薬とされています。

注意!

アスピリン
  動物実験で、催奇形作用。やむを得ない場合だけ使用すべき。

イブプロフェン
  動物実験で、胎児毒性。妊婦は服用しないことが望まれる。

妊娠期には、流早産を防ぐために黄体ホルモン(プロゲステロン)が子宮筋の収縮を抑えて いますが、その結果 腸の平滑筋の蠕動(ぜんどう)も抑えてしまいます。
妊娠期に便秘になりやすいのは、そのためです。

便秘の薬

ピスコルファートナトリウム
   安全性は、はっきりしていない。
 治療上やむを得ない場合だけ服用すべき。

センノシド
   子宮収縮を誘発して、流産の危険性があるので大量には服用しない 
 
乳汁移行があり、児に下痢が認められたとの報告があります。

ビサゴジル
 
センノシド同様、大腸を刺激して排便を促すタイプの便秘薬。
 流早産を誘発するので、注意が必要。

産婦人科で、流産の危険性があると言われているセンノシド製剤(プルゼニドなど) が処方される事も多いようです。
妊娠前から便秘薬を常用されている方も、慣れている薬だからと安心せずに必ず
医師の指示のもと,服用するようにしましょう。


ホルモンのバランスの変化から起こる妊娠性湿疹や、肝臓機能の低下が原因と考えられる妊娠性皮膚掻痒症などの皮膚トラブルは、ひどくなると治りにくいので早めのケアが必要です。

  かゆみの薬

塗り薬

 ステロイドでも外用薬なら、まず大丈夫。

でも、「今までに報告がないから今後も絶対安全」と言い切れるものではありません。
  妊娠中は、全身に移行しにくい外用剤単剤で、治療に必要な量を、なるべく短期間使用するのが原則です。

のみ薬

   抗ヒスタミン剤も、症状によっては処方される事があります。
  服用せずに済めば、それに越したことはありませんが、かゆみのストレスはかなりなもの。寝不足、体力低下  で、赤ちゃんに影響しないとも限りません。
  きちんと医師の診察を受けて処方してもらって下さい。