牛乳はカルシウム豊富で骨粗しょう症予防に良いというが本当にそうでしょうか
確かに牛乳を飲むと血中カルシウム濃度が急激に上がります。
しかし、それは血中カルシウム濃度が上がるというだけで、体内に吸収されて骨になるという訳ではありません。
牛乳のカルシウムは吸収されにくいのです。生理学的に見ても生体のホメオスターシス(恒常性)の働きによって血中のカルシウム濃度が急に高くなり過ぎるとカルシウムは腎臓から排出されてしまいます。
その上、排出するときに余剰カルシウムだけ排出されれば良いのですが、マグネシウムや亜鉛、鉄などの他のミネラル、さらにビタミン類も一緒に尿から排出されてしまい、結果的に骨を作りための必須ミネラルが消耗してしまうことになります。
アメリカ、デンマーク、フィンランド、スウェーデンといった酪農がさかんな乳製品を大量に摂取している国に骨粗しょう症や股関節骨折が多く、牛乳がカルシウムの吸収に役立っていないことを証明してます 。
最近になって(2001年)、ハーバード大学でも7万8000人を対象に12年間調査した結果、牛乳を飲めば飲むほど骨粗しょう症になると結論づけています。
牛乳を飲んでいれば骨粗鬆症にならない?
牛乳のカルシウムは吸収されやすい??
ではカルシウムは何で摂取するのがよいか?
摂取後すぐ血中カルシウムを上げる牛乳と対照的なのが小魚や海草で、これらにもカルシウムが多く含まれていますが、これらを食べても血中のカルシウム濃度は急には上がりません。小魚や海草のカルシウムはゆっくり吸収されるという特徴があります
小魚や海草の他にも、精製されていない穀物や野菜にもカルシウムは豊富に含まれており、それらもゆっくり吸収されます
つまり、カルシウムを摂りたい場合は牛乳ではなく小魚や海草、精製されていない穀物や野菜を摂るべきなのです。
日本人が古くから食生活に取り入れていた海草類や煮干などの小魚、日本に古くから伝わる高野豆腐などから摂るのが一番自然で日本人には合っていると私は思います。
実際、煮干100gには牛乳の22倍の2200mgもカルシウムが含まれているのと、牛乳にはほとんどないカルシウムを吸収するのに必要なビタミンDも豊富に含まれています。高野豆腐にも100g中に590mgと牛乳の約6倍のカルシウムとビタミンDが豊富に含まれています。他にも、サクラエビやひじき・昆布・ワカメ・とろろ昆布などにも牛乳よりはるかに多いカルシウムが含まれています。
海草に含まれるカルシウムの吸収を助けるためにたんぱく質とビタミンDが必要になります。
たんぱく質や大豆など,ビタミンDは干ししいたけなど天日干ししたものに含まれています。

日本人が昔から食べていた食事には、海草・小魚などを沢山使っていましたので骨粗しょう症も少なかったのではないでしょうか。
洋風の食事や加工食品を食べ出したころからおかしくなりました。日本人が昔から食べていた海藻類や小魚などの食物を日ごろの食事に取り入れておけば、日本人には合わない牛乳を飲まなくてもカルシウムの摂取量は問題ないと思います。