2.体脂肪から判定する
本当の肥満度は、体重に占める脂肪の割合、つまり体脂肪率で決まります。体重は標準でも体脂肪が多ければ「隠れ肥満」になってしまいます。体脂肪率は、体の何%が脂肪なのかという「中身」を知るものです。「見た目」でわかる皮下脂肪だけではなく、内臓に付いた脂肪や血中の脂肪をトータルして知ることができるので、「隠れ肥満」も見つけることができます。体重よりも体脂肪率の方がより正確な判断基準になるのです。
体脂肪はどうやって計るの?
皮脂厚計(キャリパー)法
キャリパーという機器で、皮膚をつまみ、その部分の脂肪の厚さを測定します。つまむ部分は、二の腕の後ろ側や、肩甲骨の下あたりの皮膚です。この部分は、全身の体脂肪との関係が深いと言われているので、そこから体脂肪率を計算します。
インピーダンス法=体脂肪計
体の中の電気抵抗を利用した方法。体の中の脂肪は、ほとんど電気を通しません。一方、脂肪を除いた筋肉や血液などは電気を通します。そこで、人体に影響のないわずかな電流を流して体脂肪率を測るのが体脂肪計です。
体脂肪率の判定の目安 |
|||
---|---|---|---|
性別 | 標準範囲 | 肥満傾向 | 肥満 |
男性(30歳未満) | 14%〜20% | 21%〜29% | 30%以上 |
男性(30歳以上) | 17%〜23% | 24%〜29% | |
女性(30歳未満) | 17%〜24% | 25%〜34% | 35%以上 |
女性(30歳以上) | 20%〜27% | 27%〜34% |
3.腹部CT検査を受ける
肥満度が低く、肥満と判定されなくても内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の人もいます。実際に内臓に脂肪がたまっているかどうかは、今のところ病院のCTスキャンで腹部断面像を撮影するしか方法はありません。
【体のどこが太るの?】
細胞にたまる脂肪には、内臓の周りに付く内臓脂肪と内臓と皮膚の間に付く皮下脂肪があります。この二つは同じ太った状態でも、危険度が違います。内臓脂肪は、内臓そのものへの負担が大きいだけでなく、血液の中に溶け出しやすいためにさまざまな生活習慣病の原因になりやすいのです。