「キングフィールズゴルフクラブ」(18H、千葉県市原市新巻377)を経営する藤越開発(株)(東京都中央区日本橋室町3-3-1、江島皓二社長、資本金3000万円)は1月29日、母体の(株)藤越(福島県いわき市、江島社長、資本金80000万円)と同グループ他2社とともに東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立てた。
これに対し同地裁は同日、債務弁済禁止の保全処分命令を下し、監督委員に池田靖弁護士を選任した。申立代理人は奧野善彦弁護士(TEL03-3274-3085)他8名で、負債総額は約500億円となっている。
なお、これで民事再生を申請したゴルフ場会社は26社、20コース(内1社、3コースは取り下げ)となった。
藤越開発は昭和47年設立で、60年11月に同ゴルフ場をオープン。法人主体の接待コースを目指し、オープン直前の同年10月に縁故2300万円で会員募集を開始。61年春までに1次2500万円を含め約300名の会員を集めた。
その後3500万円〜1億円、平成元年には1億5000万円の超高額募集(2名入会、会員権は分割)を行い、ピーク時には約410名の会員が在籍していたという。
しかし、バブル崩壊による会員権相場の低落から預託金の償還請求が相次ぎ、平成9年4月まで返還に応じ、現在の会員数は約380名に減少している。
一方、母体の藤越は福島県下ではスーパー経営の最大手だが、売上げの低迷やバブル時の経営多角化に失敗し、大幅な債務超過に陥っていた。
そこにあって、メインバンクの東邦銀行(福島市)が融資を打ち切ったため、再建を断念して今回の法的処理になり、藤越開発はそれに連鎖する形となった。
藤越開発によると、同社の約半分に当たる約120億円が会員の預託金としており、その他はフジコシグループに対する貸付金などとしている。最近はキャッシュフローで収益も出始めているということから、預託金問題は別にして経営的には安定していた模様だ。
会員に対する再生条件に関して、同社は「会員の方々の意見も聞かなければならないので決まっていない」と説明。その意見聴取や民事再生手続きの申立てに至った経緯、手続き等を説明するため、2月7日午後4時から東京都千代田区の日本教育会館・一ツ橋ホールで「債権者説明会」を開く。
いずれにしろ、会員のプレー権を確保することが前提となることから、スポンサーの支援も視野に入れ、母体の藤越と切り離して再建計画を進める方向にあるようだ。
なお、1月29日以降の出入り業者等の取引は支障なく行い、ゴルフ場の営業も継続するとしている。
↓↓↓
平成13年2月14日、東京地裁は再生手続き開始決定を下す。
|