キャンピングカーの多くには停車時に電気製品を使用するために初めから車輌用に搭載されているバッテリー以外にサブのバッテリーが搭載されています。初めから搭載されているバッテリーはエンジン始動用、エアコン、ライト等車輌自体の制御バッテリーをメインバッテリーと言われ、停車時に電気製品を使用するためのバッテリーをサブバッテリーと言われています。
サブバッテリーの充電方法として一般に走行充電があります。さて、走行時の充電方法としては
1.手動スイッチ方式
2.アイソレ−タ−方式 (ダイオードによる分岐)
3.リレー方式 (キースイッチを利用してリレーON,OFF)
4.自動リレー方式 (バッテリーの電圧を検知してリレーON,OFF)
5.電子制御方式 (バッテリーの電圧を検知して半導体制御,電流制御可能)
現在一般的にサブバッテリーへの充電方式はこの5種類です。
ではそれぞれについて簡単に説明しましょう。
1.手動スイッチ方式
読んで字のとうり、手動でスイッチをON,OFFしてメインバッテリーとサブバッテリーを並列接続してサブバッテリーに充電します。構造は簡単ですがスイッチをONし忘れば充電されません。またOFFし忘れば停車中のサブバッテリー使用時にメインバッテリーも同時に消費されますのでエンジンが始動が困難になる恐れがあります。
スイッチは簡単に取り付けられシンプルで済みますがその反面、スイッチの操作管理には気をつけなければなりません。エンジン停止時には必ずOFF状態を確認するなどの注意が必要になります。OFFの確認を忘れてONのままでエンジンを始動時した場合にはサブバッテリーからも大電流がスターターに流れるため配線、スイッチの焼損につながる恐れがあります。
2.アイソレ−タ−方式 (ダイオードによる分岐)
一般にアイソレ−タ−と言われている物はダイオードを使用してオルターネーターからの電流をメインバッテリーとサブバッテリーに分岐して充電をします。ダイオードは一方方向にしか電流を流さがない特徴があるのでサブバッテリーからメインバッテリーに逆流しません。しかしダイオードの特性として0.6Vから1.0V位の電圧降下が発生しますのでオルターネーターからの電圧が14.0Vの場合バッテリー側では13.4Vから13.0V位に電圧が下がりバッテリーを十分に充電することは出来ません。またダイオードに大電流が流れますので発熱も大きくなり大きな放熱フィンが必要となり取り付け場所、既存の配線を切断して分岐するために新たな配線する必要があります。
3.リレー方式 (キースイッチを利用してリレーON,OFF)
リレー方式は手動スイッチ方式の入れ忘れ、切り忘れを改善したものです。
一般的にリレーの動作をキースイッチのACC(アクセサリー、エンジン停止時にラジオなどを使用する位置)ラインから取りACCがONされるとリレーが動作してメインバッテリーとサブバッテリーを並列接続します。この方式の使用条件としてACCがONされた次にエンジン始動があり充電が開始される必要があります。サブバッテリーが空に近い状態でキースイッチをACCの位置にしてエンジン停止のままでラジオなどを使用するとメインバッテリーからサブバッテリーに電流が流れてしまい結果としてエンジン始動を困難になる可能性があります。(オルターネーターの信号で制御しているタイプもあります)
ACC(キースイッチ)で単にリレーをONさせる、オルターネーターの信号でリレーをONさせる方式ではメインバッテリーの過放電を防止するには十分ではありません。夜間渋滞でヘットライトを点灯のままの状態で停車、エアコンなどの機器を使用していた場合などではアイドリング状態でのオルターネーターの発電は少ないため充電できずにバッテリーから不足分が放電されます。さらにサブバッテリー側で別の機器(テレビ等)使用されれば電圧検知無しで単にメインとサブを接続する方式ではメイン、サブ共に消費されてしまうため、このような状態でエンジンを停止すれば再始動が困難になる可能性があります。
4.自動リレー方式 (バッテリーの電圧を検知してリレーON,OFF)
自動リレー方式はリレー方式をさらに改良したものでバッテリーの電圧を検知してリレーをON,OFF制御します。メインバッテリーの電圧が一定以上になるとメインバッテリーとサブバッテリーを並列接続しサブバッテリーに充電を開始します。メインバッテリーの電圧が一定以下になるとメインバッテリーとサブバッテリーの接続を解除、サブ、メインバッテリーをそれぞれ独立させてメインバッテリーからサブバッテリーへの不必要な放電を防止、メインバッテリー単独での充電によりメインバッテリーの過放電状態を早く解消することが出来るためエンジンを十分に始動出来る電力も貯え残す事が出来ます。弊社製品ではSLセパレーターRC-12-40A・SLセパレーターRC-24、SLコントローラ(RC-1210・RC-2420)各キャンピングカー・特殊車輌メーカーに採用頂いています。
さて、ここまでの1.から4.の説明の中で触れていない共通の注意点があります。それは流れる電流の問題です。サブバッテリー単体での充電では大きな問題とはなりませんが走行充電しながら400W程度のインバーターをフルに使用すると単純に計算して40A程度の電流が流れる事になります。配線の太さ、スイッチ、アイソレータ−(ダイオード)、リレーの耐圧を考える必要がありサブバッテリーには大電流が流れ込む事になり急速充電をしている事と同じすからバッテリーには良くありません。したがって流れる電流にも一定の制御をかけてバッテリー、配線などの負担、消耗を防ぐ必要があります。
5.電子制御方式 (バッテリーの電圧を検知して半導体により電流制御可能)
電子制御方式はメインバッテリーの電圧を検知してメインバッテリーの電圧が一定以上になると電子制御(半導体)によりメインバッテリーとサブバッテリーを接続します。電圧検知での動作は自動リレー方式と同じですがリレーのメカニカル動作(接点の開閉)ではないので機械的寿命はありません。半導体の通電状態を制御する事で流れる電流に一定の制御をかける事ができます。電流を制御することにより大電流がバッテリーに流れ込む事を防ぎ、バッテリーの負担も軽減されるので密閉形バッテリーの充電にも対応できます。弊社で販売しているサブバッテリーコントローラ12シリーズはこの電子制御方式になり現在多数のキャンピングカー・特殊車輌メーカーに採用頂いています。
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