慢性頭痛とは脳や脳血管などに問題がなく、また二日酔いなどの明らかな事情がなく起こる頭痛です。
 
慢性頭痛には大きく分けて、片頭痛、筋緊張性頭痛、群発頭痛の3つがあります。頭痛全体の8割ほどを占めます。
それぞれについて解説いたします。

片頭痛

ズキンズキンと脈打つような痛みが頭の片側または両側に起こります。閃輝暗点といわれる、目の前にチカチカ光るようなものが見えたり、ぼやけたりする前ぶれがあることがあります。
頭の血管が何らかの原因で収縮する時が前ぶれの時で、その後に血管が拡張する時に頭痛が発生します。
片頭痛を誘発するのは、過労、睡眠不足、精神的ストレス、生理、ワインなどの特定の食べ物、気候気圧の変化などです。
治療は通常の頭痛薬で治まらなければ、血管の拡張を抑える作用のある、エルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤が使われます。これらは専門医にご相談下さい。

筋緊張性頭痛

頭を締め付けるような痛み、重い鈍痛が特徴です。肩や首の筋肉が緊張するために起こります。普段から肩こりのある方に起こりやすい頭痛です。
無理な姿勢やパソコンなどの一定の作業で筋肉が持続的に収縮すると起こりやすくなります。また噛み合わせや頸椎などに問題があって、体の左右、前後のバランスが崩れることも原因になります。
治療はまず心身ともにリラックスさせることです。ゆったりと呼吸し、ストレッチ体操などを行います。また原因となる頸椎や歯の専門的なチェックも必要です。
薬は通常の痛み止めに加えて、筋肉緊張緩和剤、精神安定剤、漢方薬などを用います

群発頭痛

非常に強い頭痛で、片側の目の奥が激しくえぐられる様に痛みます。一年のうちの一定の期間だけ発作的に起こり、その期間を過ぎれば全く痛みません。20代から40代の男性に多く見られます。原因はわかりませんが、アルコール、たばこなどの刺激物が誘発することもありますので、発作期間中は禁酒禁煙が必要です。
薬はトリプタン系の注射薬や点鼻薬を用います。純酸素の吸入が有効なこともあります

群発頭痛は特徴的で診断に迷うことはありませんが、片頭痛と筋緊張性頭痛は混合して起こったり、時期や体調によって片頭痛型であったり、緊張型であったりします。原因も様々ですので、自己判断をせず、専門医にご相談下さい。