胆嚢は、肝臓でつくられる胆汁、という消化液を貯める袋状の臓器で、胆嚢にできる病気には、胆嚢結石症(胆石)、胆嚢ポリープ、胆嚢癌などがあります。

胆石は、胆汁の成分が変化して固形(石状)になったもので、石の大きさや数、種類もいろいろあり、症状は、右上腹部の痛み、発熱、黄疸などがあります。胆石発作は、食後で食べ過ぎ、飲みすぎの後に起こることがあり、胃が悪いと思っていたら、胆石と診断された方も多いのではないでしょうか?
発作を繰り返す胆石では、胆嚢をとる手術(最近は開腹しない腹腔鏡手術がほとんど)を行います。無症状の胆石もかなりありますが、胆石は胆嚢癌を合併することがあり、超音波(エコー)検査、CT検査などを定期的に行い、経過みていきます。

胆嚢ポリープは、胆嚢にできる限局性の隆起性病変で、痛みなどの症状はありません。腫瘍性と非腫瘍性があり、腫瘍性のポリープは、一般的には良性ですが、ポリープが大きくなると癌へと変化することがあります。非腫瘍性のポリープにはコレステロールポリープなどがありますが、癌化することはありません。胆嚢ポリープも超音波検査などで経過を見ていくことが重要となります。

胆嚢癌は、いろんな形があり、胆石を合併することが多いといわれています。初期には無症状ですが、進行するに従って周囲のリンパ節、肝臓などに拡がり、腹痛、黄疸などの症状が出現します。治療は、胆嚢をとる手術を行いますが、進行の程度により周りのリンパ節、肝臓や膵臓の一部などをあわせて切除する手術をおこないます。

胆嚢にできる病気について簡単に説明をしてきましたが、胆嚢癌は、診断がついたらすぐに手術が必要ですが、胆石や胆嚢ポリープでは経過を診ていくことが大事な症例があります。詳しくは消化器(胃腸科)の先生にご相談されて下さい。

藤本クリニック
藤本 正博