日常生活のなかで時々声がかすれることがあります。通常は2~3日もすれば元の声に戻ることが多いのですが、なかなか回復しない例が見られ、このような時は注意が必要です。
声のかすれる原因はいろいろとありますが大きく分けると①炎症によるもの②腫瘍によるもの③神経障害によるもの④その他の原因によるものに分類できます。

①炎症によるものは主に咽頭や喉頭(特に声帯)に発赤や腫脹をおこすことが原因です。風邪などの感染症による急性炎症や喫煙などによる慢性炎症で出現します。

②腫瘍によるものは良性としては声の使いすぎによる声帯の障害で声帯結節や声帯ポリ―プなどがあり、主に声をよく使う職業(教師、電話オペレ―タ―など)の人に多い傾向があります。悪性としては喉頭ガンなどがあり喫煙と強い関係があります。

③神経障害によるものは発声にとって主要な働きをしている反回神経が障害されることによって出現します。原因不明もありますが、特に注意を要するのは肺ガンや食道がんの初期症状として出現することです。

④その他には成長期に伴った声変わりや、ホルモン異常によるもの、精神的な原因によるものなどがあります。

以上のようにいろいろな原因があります。原因によって治療法が異なり、悪性の原因であれば早期の治療が必要となりますので、声のかすれが持続するようであれば専門医の受診をお勧めします。

宮崎耳鼻咽喉科
宮﨑 充