チラチラするものが見えた場合は、眼科にて眼底検査を受ける事を、お勧めします。検査の結果、治療すべき異常が発見される場合があります。その代表例を2つお話します。

(1)チラチラするものを、虫が飛んだように感じる、光がピカッと光ったように感じる場合があります。これらの症状は正常でも感じる事もありますが、物を見る神経である網膜が眼球の壁からはがれる網膜剥離でも出る症状です。
早めに一度は眼科医の診察を受けておいたほうが無難です。網膜剥離の治療は早期の手術が原則です。放置すると失明につながります。

(2)糖尿病により、物を見る神経である網膜におこる糖尿病網膜症という病気があります。わが国の失明原因として頻度が高い病気です。
この糖尿病網膜症が原因となった眼の中への出血(硝子体出血)が、チラチラするものとして見える場合があります。糖尿病の方は、このチラチラする症状が現れてからの眼科受診では、既に手遅れの事が多いです。
しかし、チラチラする症状が現れてもまだ眼科受診せず放置するよりは、速やかに眼科治療を開始するほうが、まだ失明を防ぐ事が出来る可能性もあります。
 
ちなみに糖尿病の方は、まだ何ひとつ目の症状がなく、よく見えている時期から、眼科で定期的に診察を受け続ける事が一番大切です。

おがわ眼科クリニック
小川 月彦