西彼杵郡の皆様こんにちは
胃の悪性腫瘍には、胃のいちばん表面にある粘膜層にできる上皮性悪性腫瘍、すなわち癌と粘膜層より下の組織、たとえば、筋層とかリンパ組織にできる非上皮性悪性腫瘍、すなわち肉腫があります。頻度は圧倒的に癌が多いです。
今回は癌について少しお話しをしてみたいとおもいます。

胃癌には、おおまかに2つの種類があります。分化型胃癌と未分化型胃癌です。
分化型胃癌は、膨張性の発育をし、お年寄りに多くできます。血行性に転移をおこし、肝臓への転移が多くみられます。
未分化型胃癌は、浸潤性の発育すなはち水がしみこんでいくような発育をし、若い人に多くできます。リンパ節への転移が多くみられます。

話しはかわりますが、癌の直径が4cmで予後が大きく左右されるそうです。
すなわち4cm以上の大きさで発見された場合手術しても長生きできない場合が多いそうです。
九州がんセンターの清成先生が以前調査した結果、胃の集団検診で直径3cm以下の胃癌が見逃されている可能性が30%ぐらいあるそうです。
中村恭一先生の研究によりますと、直径3cmの胃癌が直径4cmの胃癌になるまでの平均発育期間は約3年だそうです。

ですから、胃癌検診で異常なしといわれても決して安心してはいけません。
ちょっとした撮影の角度というか方向で癌の所見がまったくでないことがあるのです。直径3cmで見逃されていたら、猶予は3年しかありません。
できたら毎年の胃癌検診の受診をお勧めします。
医者は決して神ではありませんし、またこの世にパーフェクトな検査はないのです。

鍬先医院
鍬先 清一郎