支援する会会報<第12号>   2002年10月11日

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 大泉さんの健康被害補償裁判
第1回目の裁判 11月13日に決まる
裁判闘争を支援しよう!

 JCO臨界事故で健康被害を受け提訴した大泉さん夫妻の裁判がいよいよ始まります。第1回目の裁判は11月13日に決まりました。住民の健康被害を全く認めようとしないJCOに、中性子線による大量の被曝とその後の健康障害、国による「健康被害なし」宣言がいかにでたらめであるか等々を具体的事実によって認めさせるよう法廷内外で支援していきましょう。臨界事故被害者を支援する会では毎回裁判を傍聴し内容を知らせていくつもりです。内容を広め、原告を支えながら裁判勝利に向かってともに進んでいきましょう。

(報告)
被曝は本当にイヤだと思った
〜 JCO事故3周年市民のつどい〜

 9月29日、アピオ大阪で「とめよう原発 とめよう再処理 JCO事故を忘れない!市民のつどい」が行われた。東海現地から大泉実成さん(臨界事故被害者の会 事務局長)、青森県から山本若子さん(核燃阻止一万人訴訟原告団共同代表)に来ていただいての講演だった。
 大泉事務局長は、事故当時の両親の被曝、その後の健康障害、特によく働く母親が仕事にも行けないほど精神的ショッ
クを受けたことなどの話をされた。「自分はノンフィクションライターで『これこれこうだから・・・』というように論理的なことが好きだが、今回だけは感情的に『本当に被曝はイヤだと思った』」と心情を話された。JCOは交渉で健康被害を一切認めず、全く誠意を見せなかった。不法行為の時効が3年ということもあり提訴を決断された。提訴することについては、他にも何人か原告になることを考えた人もいたそうだが、「家族が偏見で見られることを恐れ原告になれない」、「裁判をしたからといって差別がなくなるわけではない」などの意見が出されたこと、それでも最終的には2人の原告を支援していきたいと被害者の会として裁判に取り組むことを決めたことなど、提訴に至までのたいへんな苦労と苦悩を話していただいた。
 第一回目の裁判日程が決まり11月13日午前10時30分から水戸地裁で行われる。原告の大泉昭一さんの冒頭陳述も行われるだろうということだった。また、地元でも『臨界事故被害者の裁判を支援する会』が作られたことが報告された。会場でJCO裁判の支援が呼びかけられ、その場で約8万9千円のカンパが集まった。
 青森の山本さんは、プロジェクターを使い夕日に浮かぶ再処理工場の写真を映し、自然はこんなに汚いものでも包み込んで美しい景色にしてしまうという言葉で講演を始めた。青森が差別され、再処理工場稼働前に全国の原発サイトから次々に使用済み核燃料が運び込まれてくる現実を語った。(実は集会後10月7日に関電から青森にまた新たに使用済み核燃料が運ばれた。)また、フランスの再処理工場周辺に行ったときのことを話され、異様な斑点ができたカニの写真などを紹介された。六ヶ所再処理工場がウラン試験で工場が放射能汚染される前にぜひとも運転しないよう100万人署名が呼びかけられた。

2002.9.29 アピオ大阪にて
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