aoilogo2002年8月 藍生 主宰句
筒鳥
黒田杏子


つぶやけば一句一行さみだるゝ
三山の青水無月の星とんで
大瑠璃と三光鳥と筒鳥と
青梅雨や莫山の墨磨りへらし
斎館に寝所たまはる紅粉の花
霧襖霧の柱と申すべく
アフガンの闇なだれくる青葉木
筒鳥や叩きてたたむ旅衣
月山の雪朗々と梅雨の月
木に熟れし桜桃句座にゆきわたり
筒鳥は母亡き父はほととぎす
谷あれば雪解けたれば水芭蕉
法螺貝の吹き拂ひたる田植寒
残雪やこの世のごとく湯殿山
綾に綾に奇く尊と雪解瀧