60年代のスロットカー・ブームは、瞬く間にプラスティック・ボディーから、スピード重視のクリア・ボディーへと移行し、ボディーの軽量化に伴い、モーターチューニング、安定性向上の為のホイルの軽量小径化、タイヤのスポンジ、ワイド化と、どんどん進化していった。 そんな中にあって、一部のスケール派のマニアの為に、リアリティに富んだダイキャ スト・ホイルが少量販売されていた。 これらのダイキャスト・ホイルの中には、非常に軽量に作られ、実戦向きの物もあったし、又、反対に重くスケール重視だけの物も 存在した。  今回は、普通のアルミ引き物のホイルと一味違った、ダイキャスト・ホイルについ書いてみたいと思う。 先ず始めにお断りしておかなければならない事は、ホイル 素材に関わらずこれら鋳造のホイルを、私は十羽ひと絡げにダイキャスト・ホイル 呼んでいる浅学をお許し頂きたい。

 <COX >
 言わずと知れた当時の人気ブランドで、マグネシュウム素材のシャーシーとホイルは、リアリティー、走行性能共、秀逸であった。惜しむらくは、マグネシュウムと言う素材が非常に酸化し易い為に、現存する多くのシャーシー、ホイルに酸化マグネシュウムの白い粉が噴出している事だ。当時この酸化を防止する為にCOX社も酸化防止剤を塗布したシャーシーを発売していたが、初期のキット、パーツ類ではなく、後期のシャパラル2−D以降のアジャスタブル・シャーシーに限ってのことのようだ。 
ホイルは各々、車種に合ったデザインで良く考えられているが、リム部が平らで、リアリティーに欠ける所もある。一番問題なのは、ホイルのサイズである。 当時の実車は15インチのホイルを履いているのに、COXのそれはどう見ても13インチぐらいにしか見えない事だ。チャパラルのホイルはそこそこのサイズを保っているのに、初期のフォードGT,LOTUS 40等は、明らかにアンダー・サイズである。 又、ホイルのリム部(耳)にも、も う一工程入れて、リアリティーを出して欲しかったと思う。(現代の目で見るから、 言える事かも知れなが・・・。)
又、COXのマグネシュウム・パーツを長期保存するには、しっかりした塗装を付す以外に酸化を防止することは出来ないと私は思っている。実車のロータス等のマグホイルも酸化防止のため、ペイントでがっちり塗装されている。ようは湿った空気に触れさせなければよいのである。  
私の場合、殆どのマグ部品はカネヨンで洗浄後、よく乾燥させ、プライマーを塗って、好みの色塗装をして、最後にクリアを吹きつけている。 
 殆どの場合、塗装は電気ストーブで焼き付け塗装をしている。 幾つかの写真の中には、自分でリム部にいたずらして耳らしき物を付けてある物もある。これらの写真の多くは10年以上経過した車の物なのだが、塗装する事により、殆ど酸化は見られ ない。


 シャパラルの物だが、先ほどの3層塗装を伏した物。

 1/24のチータのスクリュウタイプのホイルにリムに耳を自己流で削りつけた物。2ブレードのスピンナーは似合わない。(笑)
 ディーノのオリジナルホイルその物。コーティングを伏していないので表面に幾分酸化が見られる。

 フェラーリF-1のリア・ホイル。塗装済み。

 1/24のフォードGTの物。塗装済み。

 IFCのチータのワイドタイプ・リア。マグネシウムではなく、アルミ・ダイキャストで出来ているようだ。リムにキズが見られるが未塗装。

ロータス40のリア。塗装済み。

1/32のチータの物、塗装済み。

1/32のフォードGTの物、塗装済み。

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(C) Photographs, reports by Dr.K.