IT BECAME LEGEND  SIRIES 2 

今蘇る!
コグレ製1/24スケール
 “トヨタ スポーツ800”
PART 3
PART 2
PART 1

 この企画は、前回同様、S氏によるデジタル・フォトとレストア日記をもとにくるま村取材班がまとめあげたものであります。
 
第2回目を迎えました「1/24スケール コグレ製 トヨタ スポーツ800」レストア記もいよいよ完成間近になってまいりましたが、本題に入る前に皆様にご紹介したいものを先日購入いたしました。
たまたま、私がいつも行く神保町の古本屋さんで「コグレ 24 グランプリ セット」なる説明書(パンフレット?!)を見つけたわけであります。
この説明書は、1965年当時にコグレ社から発売されておりました「1/24スケール用 ホーム・サーキット」の解説書であり、私にとって謎でありました「コグレ製 ホーム・サーキット」の全貌がより鮮明に明記されておりましたので、この場を借りましてこの解説書の内容をご紹介したいと思います。
 1965年、日本中を大フィーバーさせておりました「モデルカー・レーシング」は、各プラモデルメーカーを巻き込み毎月のように各社は新製品を発売するという異常な状態となっていました。そして、欧米に習えと言わんばかりに各社モデルカー・レーシング用ホーム・サーキットを発売し、デパートでのクリスマス商戦での売り上げは、トップ独走の様相でありました。
そんな中、コグレ社は、1965年初めに本格的ホーム・サーキット「ジュニア・サーキット」を発売するのですが、その内容は、商業用サーキットのジュニア版というべきもので、一般家庭向けではありませんでした。
3レーンの変則8の字コースで、価格も当時50,000円と高く、町の模型屋さんがお店の中で展開するようなものだったのではと想像できます。
 そして、本当の意味でのホーム・サーキットがコグレより発売されたのは、1965年の暮れでありました。「コグレ 24 グランプリセット」として、2レーン 全長3mの8の字型の内容として、価格8,800円で発売されました。
 上の画像は、きれいにカラー印刷されたコグレのグランプリ・セット説明書の表紙と裏表紙です。
「ジャガーEタイプ」と「コルベット・スティングレイ」は、当時の定番的車種でありました。
また、裏表紙の1965年の「ル・マン24時間レース」のスナップも、やはり当時の憧れのスポーツカーレースですから、当然の写真選択だったと思われます。
この「コグレ 24 グランプリ セット」には、完成車の1/24「メルセデス ベンツ 300SL」と「シボレーコルベット スティングレイ」が付属されておりました(表紙の車種と違うのはなぜでしょうか?!)。
 上の画像は、コグレが当時いかに「モデルカー・レーシング」を普及させようとしていたかが分かるものであります。対象を小学生から、中学生ぐらいに絞っていたことが文面を見てわかります。
 「昨今 すばらしい人気で子供から大人まで一度はじめたらやめられないモデルレーシングカーは オートレースの本場イギリスで生まれました。
今から10年ぐらい前に アメリカに渡り 誰にでも楽しめるホーム・サーキットとして発売されるや たちまち全国に広まり爆発的人気でどんどんゆきわたっていきました。
ホーム・サーキットには大別して 右図(上左の画像)の三種があり 日本でも1/80(HOスケールという電関模型と縮尺を同じにしてある)や その他のセットが発売されましたが HOスケールでは小さすぎて 正確な型を作ることが難しく スピード感もあまり感じられませんでした。
 今度発売された このホーム・サーキットは 今人気絶頂の1/24で作ってあります その実感味あふれる型と走らせて見たときのスタートダッシュ スピード 急ブレーキと本物以上のスリルとはくりょくがあります・・・」
 そして、右ページでは、「GTタイプ」と「フォーミュラ・タイプ」の説明が「モデルカー・レーシング連盟規約」に基づいて説明されています。
 
 さて、次ぎのページには、ホーム・サーキットの組みたて方法が書かれており、続いて完成車の走らせ方に移ります。ここでは、ガイド・シュー(コレクター)のコース溝への乗せ方、そしてコントローラー(グリップ式)の操縦の仕方が詳しく書かれています。
 ここでは、トラブルの対処方法が簡単ではありますが説明されています。
やはり、ガイドのシュー(平あみ線)のコースレール部との接触不良は、最初からレーシングカーの問題点だったことがわかりました。
次ぎに「上手な運転の仕方」として、次のような解説が書かれています。
「モデルカーレースの面白さは グループで レースをすることでしょう 同じ車を走らせても自分はどうも遅い。そこでスピードアップすると・・・カーブで脱線する(この脱線という言葉は当時まだ鉄道模型の影響を受けていたことが良く分かります 主宰者)。 なかなかむずかしいものです。なれてくるとだんだん速く走らせるようになりますが ちょっとしたこつをのみこんでいると 進歩も早いです。
 自分の車から目を離さないで 必ずマイペースで。
 他の車に気をとられて 無理に追い越そうとしたり おいこさせまいとすると
 知らずにスピードが加わっています 自分一人で走っているんだ くらいの気持ちで
 たんたんと走らせるのがよいです。
 “カーブの走らせ方”
 カーブに入る時 スピードをおとし車がスピンしないように
 少しつづ加速していく。おわるとカーブ直前で 急ブレーキをかけ わざとスピンさせながら急加速してい く むずかしい方法です。
 ほかにいろいろテクニックがあります。実際に走らせて研究してください。」
ということで、コグレのモデルカー・レーシングに賭ける意気込みを感じさせる解説書だったなと今さらながら感じてしまいました。しかし、コグレは、モデルカー・レーシング・ブームの急激な終焉と共にいつしか消えていきました。
 さて、セミ・ファイナルが長くなって申し訳ございませんでした。
本日のメイン・イベントであるS氏の「トヨタ スポーツ800」レストア記 第2回目を始めさせて頂きたいと思います。
“欠品部品を再生する!”
まず、欠品のゼッケンサークル2枚を作成しなくてはいけません。
そこで、オリジナルの1枚に合わせて、水スライドの物ではなく、シールタイプの物を探すことにしました。
文具店などで物色すると、「ニチバン」の「マイタックラベル」というものがサイズ20mmでピッタリ!でしたので即それで行こうと決定!

 手持ちのナンバーデカールからオリジナルと書体の合うものを探し、カットして大きさを整えます。
さて難問の白部分の“焼け”や“汚れ”は、どうしたものか・・・!?
考えたあげく、なんと「コーヒー」で対処しました。(マイタックはコーテイングしてないので良く染み込むんですね・・・笑っちゃいます!)

“欠品部品を再生する! その2”
(1) ボンネット上のウィンカー1個の制作

*キャストの技術も経験も無いので、手探りでやりました。材料も手持ちのものです。
 先ず、蝋を溶かし、フィルムのケースの上部の凹みに流しこみ、コピーを作りたい部品をその中に沈めます。30分ほどで蝋は固まりますので、部品を取り出し、そこに2液性のクリスタルレジンを流しこみます。
本液と凝固液の割合は2:1です。
 24時間後、「コピー」を取り出し、ヤスリ等で成形します。
(2)バンパー2個も同様に制作
欠品はフロントの2個でしたが、リアのそれと同じようなので、リアのものをフロントに使いリア用に「コピー」を使いました。 
(3)リアのホイール・キャップの制作
 リアのホイールキャップが2枚欠品だったのでニチモの現行品を小さく削って流用しました。
 ということで、第2回目の「1/24スケール コグレ製 トヨタ スポーツ800 レストア記」は、主に欠品パーツの再生を中心に構成させていただけました。
次回は、最終回となる「遂に完成! ヨタ・ハチ号」をお送りいたします。
どうぞお楽しみに!
制作・撮影:T.S

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