Tetsu から Nori へ魂のバトン
The Porsche 906/145 in Japan
Tetsu Ikuzawa ----------
        
                          TOP : 1/16 scale Porsche 906 built by Minoru Nogami.
               The #8 Porsche 906(chassis number 906/145)had the 4th Japan GP in 1967 with Tetsu Ikuzawa.

 今回奇しくも私の知人2人が“ポルシェ・カレラ6”を題材として製作されたので紹介したいと思う。
そして、スケールも製作目的も違う“カレラ6”なのだが、実車に置き換えるとある共通点があることに気づく。
 上の#8のカレラ6は、1967年5月3日に開かれた「第4回日本グランプリ」に出場し、「ニッサンR380II」を破って見事優勝したシャーシナンバー906/145である。 そして、ドライブしたのは、まだヨーロッパで実績のなかった「生沢 徹」だった。彼は、このレースに勝った事をジャンピング・ボードとし、世界へと飛躍していくことになる。
勝負に敗れた「ニッサンR380II」は、前年の「第3回日本グランプリ」で優勝したプリンスR380を設計製作したプリンス自動車を吸収合併し、進化を遂げたニッサン自動車の自信作だったのだが、すでにポルシェは「カレラ10 (910)」の登場により旧型となってしまった「カレラ6 (906)」に敗れたことはかなりのショックだったと思われる。 余談だが、翌年の68年日本グランプリにおいても"R381"で優勝は出来たものの、2リッタークラスに出場した"R380II" は、またも1年落ちの“ポルシェ・カレラ10 (910)”に敗れてしまう。

 「ポルシェ・カレラ6」は、1960年代後半から70年代前半まで日本で活躍した息の長い“名車”である。 
「カレラ6」は、1966年から67年にかけてミツワ自動車を通して3台が日本にやって来た。 その内の2台は、滝進太郎(906/120 第3回日本GP出場 )と酒井正(未確認情報ではシャシーナンバー906/149)がオーナーとしてそれぞれ購入してレースに臨んでいたが、残りの1台については、唯一ミツワ自動車からの貸し出しという形で67年日本グランプリにエントリーしていた。
そして、元プリンス自動車ワークス・ドライバーだった “生沢 徹” が乗り優勝したのだった。 そのレンタル料のほとんどが生沢のスポンサーの契約料により支払われたと思われるが定かではない。

 日本グランプリで勝利した栄光のシャーシナンバー906/145は、その後忽然と姿を消し消息を絶った。

上の作品は、当HPでも度々登場していただいている “野上 稔”氏 の最新作品の「ポルシェ・カレラ6」である。
素材であるモデルは、古いイマイ/バンダイ製 1/16スケールを大改造して製作されたもので、一度でもこのモデルキットを作られた方だとその違いに唖然とするはずである。

 

画像紹介
The room of 1/16 scale Porsche 906 photographs.
Built by Minoru Nogami.

 
Noritake Takahara ---------
        
TOP : 1/24 scale Porsche906 built by Teruo Nishioka.
The winning #6 Porsche 906(chassis number 906/145) of 71Suzuka 500Kms race driven by Noritake Takahara.


 1971年、それまで日本で活躍していた元タキ・レーシングチームの「カレラ6」とは違うもう1台の「カレラ6」が忽然と現れた。
当時、次世代レーシング・ドライバーとして注目されていた“高原 敬武”が持ち込んだものだった。 シャーシナンバー906/145。
あの栄光の「カレラ6」が4年の歳月を経て復活したのだ。

 第4回日本グランプリ後、ミツワ自動車に返却された同マシンは、あるコレクター(!?)の所有となった。 それを高原 敬武の友人であった故 風戸 裕 の助言などにより譲り受け、サーキットに帰って来たのだ。
 
 最初にエントリーしたのは、資料によると71年1月に富士で開催された「オートスポーツ・トロフィ」である。
また、時としてボディのカラーリングを変え、まるで70年ル・マンにおけるワークス・ポルシェのカラーリングを連想させる衝撃の「サイケカラー」で出場したレースもあった。 「鈴鹿500Km」「鈴鹿1000Km」「富士1000Km」「富士GC第1戦〜第2戦」などに出場し、8月の「富士500Km」からは、自身のステップアップのため、最新の「ローラT212FVC」を購入しレースにのめり込む事となる。高原のローラの登場は、田中 弘の「シェブロンB19FVC」と共にその後のGCレースの方向性を左右するカルチャーショックな出来事であった。

 上の作品は、こちらも度々当HPに登場していただいている“西岡 照夫”氏の力作である。
野上氏のモデルが難攻不落のモデルキットを自身が納得する形に作り上げていくことに目標を置くのに対して、西岡氏のモデルは、実車同様のスペース・フレームを自作し、それを1/24スケールのボディ内に収めるという課題に挑戦した作品であった。
 今回、以前と同様“高原 敬武”氏ご本人の要望により「高原 敬武コレクション」の新作として「71年鈴鹿500Km仕様 ポルシェカレラ6」を製作するということとなり、前作「マーチ742F2」同様力作となっている。
 
 また、この場を借りて当時実際に「1971年鈴鹿500Km」を観戦し撮影され、写真でご協力いただいた“伊吹 新”氏にもお礼を申し上げたい。 氏には、以前当方HP企画「フォードGT40が鈴鹿を走った日」での貴重な写真も提供して頂いた模型作りもされるエンスージアストである。
 

画像紹介
The room of 1/ 24 scale Porsche 906 photographs.
Built by Teruo Nishioka.

 
END

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(C) Photographs and built by Minoru Nogami.

(C) Photographs and built by Teruo Nishioka.


(C) Photographs by Shin Ibuki.