(C) Photographs by Kazuhiko Hayashi.
 
 迫力あるシーンである! デグナーカーブにおける攻防は、式場壮吉選手のポルシェ904GTSに、激しくリヤを滑らせながら迫るTETSUのプリンス・スカイライン54Bの執念が感じられるデッドヒートである。この後、ヘアピンで遅いトライアンフTR-4に引っ掛かった式場選手は、TETSUに抜かれてしまう。その直前の2人の攻防シーンだ。
 レース自体は、ご存知の通り1周で再びTETSUからトップを奪い返した式場選手のポルシェの独走優勝で幕を閉じるのだが、この序盤戦のTETSUの頑張りこそが、後のR380-R382へと続く、プリンス/ニッサン勝利の方程式の原点であったことは間違いない。

(C) Photographs by Kazuhiko Hayashi.
 
 上の画像は、当日お茶の間のTVで放送中の第2回日本グランプリを撮影したものである。なんとも白黒画面が懐かしい!それでも車種がちゃんと分かるのだから、8ミリ映写機の撮影技術もたいしたものだったのだと感心することしきりである。

 このレースは、5月3日に行われた排気量1300cc-1500ccまでのツーリングカーによるもので、プリンス・スカイライン1500、ベレット1500、そして、トヨペット・コロナ、そして、ロータス・コルチナなどがスタートラインに並んだ。
レースは、性能差で優位に立つスカイライン勢が圧倒的に強く、予選1〜6位まで占めたスカイラインがレースでも上位を独走、それにベレット浅岡選手らが続くという図式であった。その中には、後のダイハツチームのエースとなる吉田隆朗選手のコルチナや、伝説のドライバーとなる“浮谷東次郎”選手のコロナなどがいたことも忘れるわけにはいかない。

 上の画像に注目して頂きたい。このレースには、合計10台のコロナが出場している。その内、予選で一番速かったのが浮谷のコロナであった。当時のAUTO SPORT誌によれば、予選13位の#23 コロナ(浮谷東次郎)は、スタート直後9位につけて第1コーナーを回っている。むろんコロナ勢ではトップである。あくまでも推測であるが、上の画像の上段2枚と下左画像のコロナは、浮谷東次郎ではないかと私は思っている(そう信じたい・・・)。

 優勝は、予選で12位と振るわなかったTETSUのスカイラインが、圧巻のごぼう抜きを見せて優勝。今大会で唯一の優勝を得る。
下の画像は、同レースのスタート直後を撮影したものである。トップは、杉田選手のプリンス・スカイライン1500だ。それにしても、観客とレースカーとの距離が近いこと近いこと。
 


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