ご挨拶

モデルスピードライフリターンズをご覧の皆様、こんにちは、“せぶりんぐ”と申します。1/43のレジン・メタルキットを作っています。 編集長とは毎年秋のホビーフォーラムに「くるま村少年団」として一緒に出展させて頂いております。

私が編集長と知り合うきっかけになったのが、モデルスピードライフ再現第5号の「哀愁のルマンテストデイ」の記事でした。また記事を書かせて頂くことになり、感慨深いものがあります。
 

 
 
長寿な昔の輸入レーシングカー

 私がここ数年、力を入れているのは富士グランドチャンピョンを中心とした1970年代初頭のレースです。プライベートチームによって争われた、これらのレースは片仮名で書かれた日本ならではのスポンサーや、カウルなどの独自のモデファイが見られます。当時の写真を見たり、発見する度に思わず、「これを模型で再現したい」という強い思いに駆られます。当時も今もレースで勝つために、最先端のマシンが輸入され、レースに登場するのですが、今と違うのは、そのマシンが当時は何シーズンも使われ続けたという点です。例を挙げると、酒井正選手のマクラーレンM12や津々見友彦選手のローラT212などがその筆頭です。何年にもわたり、モデファイされ、第一線で活躍し続けました。これらの遷移を楽しむのが私にとっての醍醐味です。また、実車は1台を何度も改造したり、塗装を替えたりするわけですが、模型であれば、シーズン違いのものを横に並べたりすることも可能になります。当然、実車ではありえない光景で、こうした楽しみ方が出来るのも、模型ならではです。

 
 ★下の写真は、私が最近作った70年代のマシンたちです。 
 
 
TOP : 1/43scale LOLA T212s.
These are machines that have been modified from LOLAT212.

 

 
 
TOP : These are the McLaren M12s from Sakai Racing.
It was a modified 1969 model, and was originally a machine
that was active as McLaren Toyota of Team Toyota.

 
 
 
ポルシェ906-120----------

今回制作するのはピーター・ベラミ選手のロレックスカラーとチュードルカラーのポルシェカレラ6です。1966年に発表されたカレラ6は同年輸入され、滝進太郎選手により第3回日本GPに挑みました。このマシンこそ、シャーシナンバー906-120のカレラ6だったのです。906-120は滝レーシングの車両として活躍した後、1969年からは赤いチュードルカラーに塗られ、津々見選手や米山次郎選手の手で活躍します。1970年になると、今度は深い緑のロレックスカラーになり、当時日本のレースに出場していた外国人ドライバーである、ピーター・ベラミ選手の手で活躍でします。1971年にはカラーリングを変更して富士グランチャンにも挑戦するという、非常に息の長いマシンなのでした。

このピーター・ベラミ選手が70年と72年に乗ったカレラ6をプロバンスムラージュのレジンキットを改造して製作していきましょう。

 

 
(1) 製作

 1) まずはキットの状態です。優れたミニカーが発売された今でも、プロバンスならではのプロポーションの良さと、繊細なボディ ラインは決して色褪せるものではありません。
 
 
  
 
 TOP : The kit uses a resin body made by Provence Moulage.
The good points of this body are the good proportions and the delicate body line.

 
 
 2) 軽量化のためか、破損して修理が出来なかったのか、リアウインドウは中央部が外されています。あらかじめ、ボディカラー で塗られる左右を接着します。72年仕様はホイールハウスの後ろが切り取られており、それを再現します。
 
 
  
 
 
 3) 各部を加工した後、下地塗料(サフェーサー)を塗り、下地ができました(左)。
 (右)本塗りをします。ロレックスはグリーンメタ、チュードルは白に塗ります。
 
 
  
 
 
 4) マスキングして、塗り分けを行います。2台ともかなりマスキングは面倒です。しかしここはテクニックや最新の技術でどうに  かなるものではなく、地道にテープを貼るしか方法はありません。
 
 
  
 
 5) そのような行程を経て、塗装が完了しました(左)。
 (右)デカールは流用できるものはなるべく市販品を使います。流用できないものは自作します。
 
 
  
 
 
 6) ゼッケンやスポンサーマークなどは流用できました。チュードルウォッチやロレックスの文字をアルプスのプリンターで自作します。デカールを貼り終えたら、クリアコートしておきます。
 
 
  
 
 
 7) 最終組み立て前の全パーツです。これだけしかありません。しかし、完成するとパーツの少なさは分からなくなるのです。
ウインドウパーツは盛大に黄ばんでいます。昔のポルシェのガラス類はこんな色をして居るので、この方が雰囲気出るでしょうと、そのまま使用することにしました。ただし、切り取る際に非常に割れやすく、何か所もひびが入って往生しました。編集長も黄ばんだクリアボディとかを加工して作られていたようにあります。いったいどうやって割れるのを防いでいるのでしょうか?今度お会いした時に聞いてみましょう♪。
 
 
  
 
 
 順番が前後しますが、クリアコートの終わったボディは細部をエナメルで塗ります。また、内装関係も2台で異なります。ロレックス車のシートは赤ですが、チュードル車のシートは、中央が白になります。
車高とトレッドは満足がいくまで軸受けを削って調整します。毎回の制作で、一番手間をかけている点です。
  
 
  
 
 
 8) そして、ワイパーやらミラーなどの小物を取付け、完成です。毎度思いますが、制作中は「もうダメだ〜」と思っていても、いざ完成すると「世紀の傑作!!」となるのが非常に調子のいい、私という人物です。
 
 
  
 
次のページへ続く
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(C) Photographs and build by Seb.