1968年最後に発売された
 AYK製フォーミュラ用シャーシを検証!!


 「模型とラジオ」のとじ込みとなってから17回目を迎えた元祖モデル・スピードライフ誌1969年1月号NO.38における AYK広告ページに2つのニューシャーシが掲載されていた。
 1つは、待望久しい“1/24フォーミュラ用シャーシ”と、少し意外な気もする“1/32スケール用ゴールドロッドタイプ・インラインシャーシセット”の2種であった。
 フォーミュラ用シャーシは、R: 555-D No.4、1/32シャーシセットには、R: 555-E No.5という品番がつけられている。

 1/32シャーシの方は、1/24のR; 555-Bの縮小版とも言える外見だが、フローティグ・ボディマウント機構はついていない。
そして、このシャーシは、単体での販売ではなく、ボディとモーター以外の組立に必要なパーツが全て入っているセット商品であった。 また、価格が600円に抑えられており、ホームサーキットで楽しむことを前提とした新提案の商品として発売されたと思われる。 ボディに関しては、タミヤのミニレーサーシリーズ商品やこのシャーシ発売に伴って、クライマックスから1/32スケールの"Ford MKIV"と "Ferrari P4 CanAm"が発売されたので、これらを使って完成車を仕上がることが出来る。
ところで、フォーミュラ用シャーシについては、今までのゴールドロッドシャーシとは、基本設計が違う全く別のシャーシであった。
 
 
 
 TOP : AYK New Chassis in 1968-69.
1/24 "R; 555-D"and 1/32 "R: 555-E"
 
 
 
 


TOP : Formura Type Chasiss by AYK Co.Ltd.
 
 
 少しスキャニングの関係で文字が読みにくいところはご容赦願いたい。
上の元祖MSL誌NO.38のAYKニューシャーシR: 555-D 紹介ページに書かれている通り、このシャーシは、あの1968年全日本モデルカーレーシングチーム対抗レースを完全制覇した“レースウェイ・ムサシノ”のオリジナルインラインシャーシを参考にして製作されたものだ。
 アメリカのブラスロッドシャーシと類似点が多い“ゴールドロッドシャーシ”もそうであるように、メジャーレースで良い性能を発揮したシャーシは必ず大手メーカーよりそのノウハウのライセンス化を望まれるのが常である。 ラジコンなどはマニアの作ったメカをメーカーに売り込みライセンス契約を結すぶことで収入を得ているプロフェッショナルもいるくらいだから、モデルカーレーシングにおいてもあって不思議はない。ただ、今回の場合は、メーカー側からの依頼だった可能性もあるが・・・。
 
 下の製作記事は、その元となったレースウェイ・ムサシノの2タイプのシャーシ製作記である。 
AYK製のR: 555-Dシャーシは、これら2つの特徴的なところを吸収して作り上げていることがわかる。
 
 
 
 
 
 
 
 

 TOP : The 4th All Japan Modelcar Racing Team Champion Ship Race.in 1968.
The GT class winner by Raceway Musashino Team.

 
 
 AYK製 R: 555-D NO.4シャーシは、フォーミュラ用シャーシとして設計されているが、上のレースウェイ・ムサシノのシャーシをみると、どちらかというとGTクラスのシャーシの方に設計内容が近いように感じる。 このシャーシの特徴であるリアにスポンジを挟んでサス機構生み出している箇所と、フロントにフリーホイールを生み出すピアノ線シャフトを持ち得ている点などが同じである。また、そのフロントシャフトの補強材が取り付けられているところも同じである。 まさに実戦レースにより裏付けされたシャーシであるかと思う。
 ただ、ムサシノタイプシャーシでは、フォーミュラ用シャーシのフロントは、フリーホイールタイプでは強度に問題ありと考えたのか、普通のシャフト形式を採用している点が違う。
その点、AYK製ではフリーホイール方式を採用しており、外見的にフォーミュラカーのアーム類を想像させるところは面白いが、強度的には補強材だけで大丈夫なのかと少し心配になってしまうが。

 モーターマウントは、ムサシノフォーミュラ用シャーシでは、等々力製FT-26D用インラインタイプのマウントを削って使用していたが、AYK製では、なんと上のGTクラス誌上製作記通りのAYK製R:560-Bモーターマウントの軸受け部分を改造してオイルレスメタルやベアリングを軸受けとした改造型が装着されていた。しかもその改造型マウントを新商品R:560-Dとして発売までしてしまったのである。そのマウントの形は、驚くことにムサシノフォーミュラタイプ用に特別にムサシノで製造したマウントとそっくりな形をしているのだ。あっぱれ!AYK!
 
 さて、このR: 555-Dシャーシは、予定通りに性能を発揮できるのであろうか?!
発売されてから50年以上経っているのに今更どうのこうのと言って始まらないが、このシャーシをムサシノGTタイプに改造した方が面白いのではないかと思ってしまうのだが、どうだろうか。
 

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