満を持して登場!!
AYK製 アングルワインダーシャーシ!!
 

 
 
 
 1970年1月号の「模型とラジオ」誌内、「モデルカーレーシング教室」のAYK広告上に初めて登場した「覆面シャーシ」から5か月後の同誌上に、満を持して発売された「RX: 555-G アングルワインダーシャーシ」であるが、実に待たせること5か月である!一体どのような開発・生産を行っていたんであろうか。
 
 キャッチフレーズはというと、「もう自作シャーシは不必要となりました。マニアもドッキリする高性能シャーシです」さらに、「インターナショナル規格品」とある。 
そして、端の方に小さく「いままで発売が遅れて大変申し訳ございませんでした」と書かれているところが笑ってしまうが・・・。

 これだけAYKが言うのであれば、発売同時期に開催された「1970 全日本モデルカー・レーシング・グランプリ個人戦」の結果を見てみようではないか。
 しかしながら、50年前のことを今更言ってもしょうがないので、まずは「モデルカーレーシング教室」にこのシャーシが紹介されているのでご覧いただこう!
 
 
 
 
 
 
 
 
 遂に真打登場!という感じで発売されたこの“RX: 555-G”アングルワインダーシャーシであるが、このスタイルがこの後何年にも続くAYKの基本スタイルとなっていく。 そして、私などもこのシャーシスタイルを1974年で一端モデルカーレーシングより離れてしまう時期まで自作シャーシの基本として作り続けることになるのだ。
 
 このシャーシは、FT-26D専用マウントが付いており、NEW FT-16Dを載せたい場合は、モーターマウントを半田で取り除き、FT-16D用のマウントに交換するよう解説されている。 では、AYKはなぜ2種類のモーター用シャーシを2種類作らなかったのだろうか。 この辺に当時のモデルカーレーシングの置かれている状態やエンドユーザーの少なさを物語っているように感じてしまう。 それだけ、メーカーにも余分に作る余裕がなかったのではと想像する。
 しかしながら、半田ゴテを使い切るのは、やはり高い技術力が必要だし、初めてモデルカーレーシングに触れるファンはまず出来ないであろう。
 
 ところが、「モデルカーレーシング教室」に紹介記事が掲載されてからわずか2か月後の1970年8月号に「ハイスピードのコツ RX: 555-G型シャーシを軽量化しよう」という工作記事が掲載されたのだ。
 しかし、改造内容があまりにも技術を要する内容なので、当時中学3年だった私などは、お手上げ状態であった。特に、厚い真鍮板を綺麗に切り抜くなど、金切りバサミしか持っていなかった私には到底無理な話である。(下のページが改造しよう企画のページである)
 その後、この改造シャーシは、ほとんどそのままではないかと思うほどそっくりなAYKの新商品になり、長く定番的なシャーシとして生産続けることになる。この改造記事もAYKとの共同企画だったかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 下の写真は、友人よりお借りした1978年AYKカタログの1写真である。
どうだろうか?!1970年より8年ほど経っているにも関わらず、
上の改造シャーシとほぼ同じスタイルを保っていることがわかる。

 
 
 
   さて、AYKのアングルワインダーシャーシであるが、同時期に発売されたクライマックスのクリヤーボディとのセット商品も紹介しよう。
 このシャーシだが、同じRX: 555-Gアングルワインダーシャーシかと思いきや、よく見ると違うのである。
単独に発売されたRX: 555-Gシャーシは、厚い真鍮板をを利用したものであったが、このセットに入っているシャーシは、外観は似ているが、プレス加工されたシャーシであった。前者は、職人の手を借りて作られたのではないかと思うような構造だが、後者は、プレス加工により比較的簡単に作られているというのが第一印象だ。
 
 前にも1/32スケールのシャーシセットで組み合わせられていたシャーシが単独発売の1/32シャーシと違うということがあったが、今回も同じのようだ。下記の画像が、クライマックス製マトラGTクリヤーボディと組み合わせられたアングルワインダーシャーシである。
 
 
 
 
 

 1965年から1966年頃、AYKはメーカー不明(たぶんゴーセンで
はないかと想像する)クリヤーボディとのセット商品も発売していた。
パイプフレームR: 56インラインシャーシとの組み合わせだった。
下のクリヤーボディは、ジャガーEタイプである。
細身なのでサイドワインダーシャーシの取り付けには向いていないようだ。
 
 
 
 
 
TOP : (C) Photographs by Tom.
 
 
  そして、同時期に発売された1/32スケールのアングルワインダーシャーシがセットとして発売されたので紹介したいと思う。
 このシャーシも単独販売はなく、初心者対応とAYK広告には書かれている。 しかし、紹介ページには、モーターシャフトがタイヤに当たるので鉄ノコで切断するという難しい工作箇所があるのがどうも頂けないが・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 下の1/32スケールのクリヤーボディとAYKアングルワインダーシャーシの紹介した雑誌は、1970〜72年頃まで、営業サーキットなど、限られた場所のみで発売されていた「MODEL CAR RACING LIFE」という冊子本である。 発行者は日本モデルカーレーシング連盟だから立派な情報誌である。 そこに、当時輸入販売され始めたイギリスの1/32クリヤーボディとの組み合わせをレポートしたものだ。意外とリアル感のあるクリヤーボディであり、フォードP68やチャパラル2Fなど種類も多く、楽しめる内容であった。
しかし、これらも結局花開くことはなかったと記憶している。
 
 
 
 
 
 
 
 アングルワインダーシャーシは、海外においてはすでに常識化したシャーシとして活躍中である。
その中で、比較的簡単な作りのアングルワインダーシャーシがあることを、ヴィンテージスロットカーに詳しい友人より教えて頂いた。
 リージェン製(Riggen)の簡易的なシャーシであるが、プレス加工された真鍮製シャーシは、扱いやすそうである。
製作はもしかして日本製(AYKか?!)とも思ったのだが、リヤ軸受け部分はプレス加工だし、AYKだと自社のマウントをつけているので違うメーカー製と思った方がよさそうだ。
 
 
 
 
 
 

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