(C)Photograph by my friend.
 
 まずは、青柳金属工業とはどういう会社なのかのお浚いである。

 青柳金属工業有限会社は、かつて東京都江戸川区に存在した日本の模型メーカーである。
商標は「ayk」、「AYK RACING」創業は1953年。その数年前からOゲージやOナローゲージといった鉄道模型の真鍮製車体やパンタグラフなどの精密な金属加工品を鉄道模型メーカーに納入。1960年代の第1次スロットカーブーム以前から海外にスロットカーのシャーシを輸出していた。
また、プラモデルや玩具の駆動ギヤ部分の製造では、国内の需要の大半を賄っていた。

以上「ウィキペディア Wikipedia」より引用活用させていただいた。

 
 前編では、新しい機構を持った" GOLD ROD CHASSIS" インラインタイプが、MLS誌1968年6月号NO.31において初めて広告に紹介され、続いてNO.35においてはサイドワインダータイプの R: 555 が同誌広告にて紹介されて、それらを解説したMSL誌ページを紹介したところで終わっている。その実力は当時のアメリカの公式レースで流行しているとの記載も同誌にあり、いち早くAYKがその機構を日本に持ち込んできたという内容だった。
 ところで、当時のアメリカ製シャーシおよびパーツ類の製造は日本で製作したものが結構多かったという。マブチモーターなどは最たるもので、日本ではFT-16が出始めた頃には、すでにアメリカではFT-16D, 36, 36D、そして、特殊な13Dなども販売されていた。
その理由として、金属加工技術などの分野においては戦時中より日本は抜きん出ていて、戦後の日本においてはその技術力でかなりの機械部品等を日本で作らせていたという話も聞いている。そして、何よりもコストが安く済むという利点は大きかったようだ。注文は沢山アメリカから来るけれど、その製品が何に使われるかわからないことが多かったとも聞く。AYKもそんな中の1つであったらしく、AYKの広告の中で、日本でのモデルカー・レーシングブームの何年か前よりスロットカー用のパーツを作っていたとの記載もあった。その時期は、1963年頃からのようで丁度アメリカでモデルカー・レーシングが流行し始めたころと一致する。
 
 ところで、アメリカのRUSSKIT社のシャーシのアイテムをカタログで見ていると、これはAYKのモノではないかと思ってしまうものも多々見つけることが出来る。
 GOLD ROD CHASSISについても驚くほどそっくりなシャーシもそのカタログにあった。設計はどちらか先なのかは詳しい資料がないのでわからないが、広告などの時期を比べると、Russkit社の方が発売時期は1年ほど早いと思われる。それ故、なんらかの関係があったんではないかと想像するが、真実はわからない。

 そして、今回、“トムおじさん”ことT.S氏の貴重な所有となっている AYK GOLD ROD CHASSISとクライマックス製1969年型のトヨタニュー7との組み合わせをお持ちなので、後編のオープニング画像とさせていただいた。
 
 
 
TOP: AYK's R:555 "GOLD ROD CHASSIS" snd CLIMAX'S "TOYOTA NEW 7"
(C) Photographs by Tom.
 
 

 
 
 
 
TOP: "GOLD ROD CHASSIS SIDEWINDER" by AYK.
(C) Photographs by Tom


 
 
 TOP: RUSSKIT’s BRASS ROD CHASSIS.
 
 
 ゴールドロッドシャーシのホイールベースはなぜ固定式なのか?!
 
   ところで大事なことを1つ見落としていたことがある。 実はAYKのゴールドロッドシャーシR:555-5 No.2やNo.3はホイールベースが95mmの固定式であったのだ。 それ以前のシャーシはサイズ調整が可能であったのに何故なのだろうか?!
そして、もう1つ疑問なのは、68年当時に発売されたクライマックス製クリヤーボディ群のほとんどがこのゴールドロッドシャーシR: 555-5No.2-3にピタリとホイールベースが合う。 
 今思うと不思議だ。通常、車種によりホールベースは異なるものであるからだ。
 この辺の所の真相は証拠もないのでわからないが、事前にAYKとクライマックスとの合意があり、ホイールベースが決められていたのではないかとも考えられる。 それを裏付けることとして、後に発売されるクライマックス製クリヤーボディ「マトラGT」「トヨタ7」「ニッサンR382」などは、ホイールベースが固定式シャーシとのセット商品として発売しているのだ。
 
 さらに、大胆な仮説だが、この95mmというホイールベースだが、当時の実車の世界でも同じようなことがあったことをご存じだろうか。
当時、レーシングカー(プロトタイプカーやスポーツカーを含み)の製造メーカーとしてトップに君臨していた“ポルシェ”は、"904" "906" "907" "908" そして、"917"のホイールベースを一貫して「2300mm」と決めて製造・設計を行っていた。これらは、長さの違う4気筒もあれば、12気筒もある。 917のコクピットがかなり前にあるのはその辺の事情もあるのかもしれない。
 
 モデルカーレーシングに置き換えてみると、2300mmの1/24を計算すると、"95.83mm"という数字となる。
まさか、AYKがポルシェなどの実車のホイールベースを参考にしたとは思えないが、AYKの開発テスト上で、はじき出された最良のホイールベースが"95mm"であり、そして、それを元にAYKが製品化したと考えるのが妥当かと思う。
 メーカーの開発テストと言えば、タミヤのB型やD型の開発時には当時現役の全日本モデルカーレーシングチャンピオンがテストを繰り返したと聞く。 それならばAYKでも新商品開発時には同じようなことをやったと思ってもおかしくない。ラジコンなどでは、現役チャンピオンが開発テストを行うことは常識化しているというが・・・。
 偶然だが、ポルシェのホイールベースやその他ニッサンR382やトヨタ7などのホイールベースも2400mm前後が何故か多い。その辺の車両寸法とホイールベースの関係があんがい1/24でも当てはまるのかもしれない。
 
 
 次のページへ続く
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