会員制ゴルフ場の預託金・3年間で3兆円、3割減少

　経済産業省調査統計部は先ごろ、平成16年11月時点で調査した「特定サービス産業実態調査報告書」の確報を発表した。同報告書の「ゴルフ場編」は平成17年12月20頃に社団法人・経済産業省統計協会（ＴＥＬ03-3561-2974）から発行される。

　速報で発表されていなかった預託金関連では、集計した預託金制1543コース（前回の13年は1658コース）の預託金会員数は242万4063人で前回調査（266万8673人）より24万4610人、9・2％減少した。その預託金額は5兆7756億円で、前回（9兆898億円）より3兆3142億円、率にすると36・5％の減少となっている。

　会員制ゴルフ場1735コースの総会員数は281万8158人で、前回比12万9681人、率にして4・4％の減少となっており、預託金会員だけが大幅に減少したことが目立つ。民事再生など法的整理の申請で、預託金のないプレー会員権を採用したコースが増えたためと見られる。

　また、預託金会員の内、据置期間満了の人数は151万8682人で8・8％減少、その預託金は3兆1396億円で21・9％減少した。一方で、据置期間中の人数は90万5381人で9・8％減少、金額は2兆6360億円で48・0％減少した。この結果、預託金額における満了額率は前回の44・2％から54・4％と10ポイントアップした。

　今回の確報による調査結果は、調査ゴルフ場数が全国2026ヶ所で、前回の13年11月調査と比べ41ヶ所減少した。年間延べ利用者数は7388万人で前回調査比4・1％のダウンとなり、年間売上高では9758億円で、15・5％の大幅ダウンとなった。

　売上げ項目ではキャディフィが22・8％減で最も落ち込みが大きく、以下、利用料金（ＧＦ・諸経費）が18・2％減、名変料14・5％減、年会費2・0％減となっていたが、その他収入のみ5・2％と増加した。

　営業費用面では給与支給総額22・9％減、コース管理費20・5％減、借地代20・5％減とほぼ同様に減少した。今回調査と10年前の6年調査を比べると、この10年間のゴルフ場業界の変化が浮かび上がる。

　集計ゴルフ場数は72コース、3・7％増加したが、売上高は42・9％減少した。入場者数は18・0％の減少だったが、利用料金の低下（51・7％減）やセルフプレー化に伴うキャディフィの減収（44・4％減）、それに食堂・売店（35・4％減）、名変料（44・4％減）の低下が響いた。

　しかし、年会費は逆に0・3％アップするなど、年会費収入の比率が高くなった。一方で、営業費用面では就業者数の減少（35・8％減）とともに営業費用は39・3％減少、その主体は給与支給総額45・1％減、コース管理費40・2％減などであった。