乳がん自己検診-2

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乳がん自己検診
■乳がんの発生と自己検診
  • 入浴中、からだを洗うときなどがよいでしょう。(肌がすべりやすい方が良いです)
  • 指でつかんではいけません。(指でつかむとぜんぶしこりに見えます)
  • 指の腹の部分で押しながら全体をさわってみます。(30秒づつ、1分ほどでおしまい)
  • 生理前などの、乳房の張っているときは避けましょう。(張りが強いときは、奥の方がわかりません)


自己検診法の具体的方法

 毎月一定日を検診日として決めましょう.すなわち閉経前の人は月経終了後1週間と決め,閉経後の人は毎月1日など忘れにくい日を決めるとよいでしょう.

 1)乳房の自己検診法
 座位の検診:入浴時に両側乳房に石鹸を十分に塗ります.座位(座わった状態)で,まず検査する乳房側の腕を下におろして脇腹につけた状態で,検査は反対側の手(右の乳房の検査なら左手、左の乳房の検査なら右手)で行います.触診は,指をそろえて,指先の腹側で静かに軽く圧迫し(撫でるぐらいの圧迫),ていねいに行います.触診の進め方は,乳頭を中心に渦巻き状に円を描くように進めるか(図12),肋骨に平行に外側から内側へ動かすか (図13,14),それぞれの乳房に応じて,好みのものを選べば良いでしょう.すなわち,一般には緊張した突出乳房では渦巻状,下垂や大きい乳房では外側から内側へ移動する方法が良いようです.大切なことは,乳房全域をくまなく行い,操作をゆっくり慎重に行うことです.要は見落し部位のないように行うことです.次いで,検査する側の腕を頭上に高くあげて胸を張った状態で同様に検査を繰り返します.片側の乳房の検査が終ると,同様の体位で反対側の乳房を調べます.

 仰臥位の検診:就寝時,通常の仰臥位(仰向けに横になった状態)で,座位の触診と同様に行います.すなわち,天井を仰ぐ姿勢で,検査をする乳房側の腕を脇腹につけた正常位と頭部方向に伸ばした挙上位の2体位で検診を行います.乳房にベビー・パウダーを塗り,検診指の動きをよくするようにすると手の動きがスムースになり効果的です.折りたたんだ小座布団などを検査する乳房側の肩下に挿入すると,ときに効果的です.

 2)乳房皮膚,乳頭の検査(図15)
 入浴後,鏡の前で両腕を上げたり,下げたり,さらに上半身を左右に回転させたり,両腕を上に上げた姿勢で上半身を少し前屈したりして乳房を動かして,乳房の形態を調べます.すなわち,皮膚の隆起や陥凹,えくぼ症状,皮膚・乳頭の陥凹,左右の乳頭の高さの差などについて慎重に観察します.

 3)乳頭異常分泌と乳頭皮膚の検査
 乳頭を直接観察し,びらんや湿疹の有無についてみます.乳頭をつまみ圧迫し,乳頭からの分泌があるかどうか検査します.乳頭部付近や,これより離れた部位についても慎重に試みましょう.妊娠・授乳期以外のとき,何か分泌液が出れば異常であり,とくに血の混じったものには注意を要します.
 以上の検査で少しでも異常を感じたら,すぐに専門医を受診することが大切です.
図12 坐位,挙上位
   (厚生省公衆衛生局結核成人病課:
    乳がん自己検診の方法と意義<早期
    発見・治療・社会復帰>より引用)

図13 仰臥位,挙上位における内半側の触診
   (日本対ガン協会乳がん技術部会編:
    乳がん集検<自己検診と集団検診の
    手引き>より引用)

図14 仰臥位,正常位における外半側の触診
  (日本対ガン協会乳がん技術部会編:
    乳がん集検<自己検診と集団検診の
    手引き>より引用)

図15 乳房皮膚,乳頭の検査
矢印部はえくぼ症状を示す.
   (厚生省公衆衛生局結核成人病課編:
    乳がん自己検診の方法と意義<早期
    発見・治療・社会復帰>より引用)
(乳癌研究会検診委員会編:乳癌集団検診の手引より)


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