逸品館が考える、音楽とオーディオの付き合い方についてまとめてみました
音楽の力、オーディオの力、
1.
私達はなぜ音楽を聞くのか
人間には、豊かな感情があります。その豊かな感情を人に伝え、より多くの人々と想いを分かち合うために私達は音楽を発明し発達させてきました。同時に生きるための様々なストレスから、心を解放するためにも音楽は大きな役割を果たしています。音楽は私達の生活と共にあり、感情を豊かにし、心を癒してくれる大切な存在です。
2.
言語と音楽の違い
私達が使っている「言葉」は、正確な情報伝達に欠かすことができません。けれど言葉を持つ前は、人間も動物たちと同じように鳴き声によってコミュニケーションを行っていました。音楽は、言葉を使わないコミュニケーションの「名残」であると同時に、言葉では伝えられない「抽象的なイメージ(例えば心象)」などをより深く伝えるために、言葉とは異なるコミュニケーションとして発達しました。
生まれたばかりの赤ん坊は、言葉を話すことができません。ただ泣いています。けれど赤ん坊は誰に言われるでもなく、大人のまねをすることで「音の高低・長短・強弱」の使い方を覚え、やがては「母音や子音も違い」さえ使い分けるようになります。そして大人から「言葉の意味」を教えられ、言葉を話すようになります。
音楽は、その声の使い分けを学ぶ過程、母親の声をまねて追いかけるように発音する、生まれながらに持っている能力を利用して、「音の運動」や「音色(声色)の変化」から豊かなイメージを連想・共有するものです。人種、性別、年連が異なっても、音からイメージを連想する方法は同じです。だからこそ音楽は、世界中で理解され、愛されているのです。
3.
音楽とは
音楽の3要素は「リズム」・「メロディー」・「ハーモニー」だと習います。しかし、それは5線譜によって広まった西洋を中心とした音楽の考え方で、色々な民族音楽にまで視野を広げると、異なる要素によってなり立つ音楽があることに気づきます。例えば、日本の能楽で使う鼓の即興演奏について考えてみましょう。そこには西洋音楽で言う「メロディー」も「ハーモニー」もありません。リズムも西洋音楽のそれとは全く違いますが、その演奏により私達深い感動に包まれます。それは音楽が「音の運動」と「音色の変化」の2要素によって構成され、「リズム」・「メロディー」・「ハーモニー」もこの基本となる「音の運動」と「音色の変化」の2要素から成り立っているからだと考えています。
4.
オーディオとは
オーディオは、音の録音再生技術として生み出されました。最も古いものは、エジソンが発明した鑞管レコードです。それは音を振動として管や円盤に溝として記録し、それを針でトレースして音を出すだけの装置で、記録した音よりも大きな音は出せませんでした。
その後発達したオーディオは、電気を使って信号を増幅することで、生演奏よりも「大きな音」を出すことができるようになりました。そうしてオーディオは生演奏を記録再生するだけの存在から、生演奏とは異なる表現力を持つようになったのです。
5.
音楽の力、オーディオの力、
音楽は豊かなイメージを伝えるためのものです。
音楽はイメージを伝えるために作曲され、その思いを演奏によって再現し、聞き手へ感動を伝えます。オーディオは、その感動を再現するものでなくてはなりません。そのためにはユーザーだけの努力ではなく、オーディオと音楽に携わるすべての人の努力が必要です。
生き生きと再現された音楽により、私達の生活はストレスから解放され、世界は意味豊かなものになります。あなたがそのような世界で生きる手助けをできたらと、逸品館は思っています。