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◍ アマデウス ◍
グランプリ受賞記念 歴代ポスターSP
- AMADEUS (1984): GRAND PRIX COMMEMORATIVE POSTER SPECIAL -
| 映画「アマデウス」は1984年に監督:ミロシュ・フォアマン、原作&脚本:ピーター・シェーファー、制作:ソウル・ゼインツで制作され、出演:F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス
etc ... 第57回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ賞、録音賞の8部門を受賞。日本国内においても日本アカデミー賞の外国作品賞を、キネマ旬報ベスト・テンでも外国映画ベスト・ワンを獲得した。この手の史実ドラマ&文芸作品としては異例の大ヒットで、原作は本作で脚本(脚色)も担当したピーター・シェーファーによる戯曲で、1980年初演の同名ブロードウェイ・ミュージカル(世界初演は1979年ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアター)。 本作がユニークである点の先方は、タイトルからして「アマデウス」(モーツァルトの本名「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」(洗礼名はJoannes Chrysostomus Wolfgangus Theophilus Mozart)のミドルネーム)でありながら、実質上の主役は同時代に生きた宮廷音楽家のドン=アントニオ・サリエリ (Antonio Sartorio) の方であり、老いたサリエリが若い神父にモーツァルトへの激しい嫉妬、神への呪いを告解(述懐)する形で進んでいる事からも、彼の目を通したモーツァルトへの想いが軸であり、一人の天才への愛憎入り乱れた一人の音楽家の話・・・という訳なのですが。 よく他方の解説でモーツァルトは『大天才』で、それに敵対する関係のサリエリが『凡人』という記述を目にする事があるのだが、ナカナカどうして(映画本編をよくよく分析してみると)サリエリも宮廷音楽家のドンだけあって、他の誰よりもモーツァルトの(ある意味合いでの)大の理解者であったのだという事も云え、本作は其処の捻じれた人間関係が劇中 “最後の最後まで” 解消出来ずに終着を迎えるという、其の悲劇を克明に暴いた作品でもあり。 モーツァルトは(サリエリの計略により)追い詰められて野次や罵声、笑い声が飛び交う庶民的な劇場=『アウフ・デア・ヴィーデン劇場(ヴィーデン劇場)』で、パロディ劇やオペラ『魔笛』を公演する場面が出て来るのだが、その場にもサリエリは足繁く訪れ観劇しに来るという、此れは一見ストーカー行為の様にも見えなくもないのだが、その後に出て来るサリエリの台詞=『モーツァルト、君の作品はただの一つも見逃さないよ(見逃さないで観劇して来たよ)』『私にとって君は最高の作曲家だ』~と、臨終を前にしたモーツァルトへ(本音を)隠さず告げてしまう処などは、複雑な心理面の模様が見え、要するに本人を前にして “音楽の神” として信奉していた点を最後の最後に明かしてしまっている訳で、此れを単なるストーカーとしてしまうのは(あまりにも)短絡的な解釈な面もあり。 もう一つ、本作を18世紀ウィーンでの物語として、当時の音楽業界の顛末として(のみ)受け取るのも決して悪くはないのだが、・・・あえて此の物語を戯曲として現代に復活させたピーター・シェーファーの意図を思い巡らすと、其処には根源的な人間の愛憎、誰にでもある嫉妬心や憧れという現代にも通じる普遍的な感情を浮き彫りにした・・・というのが(やや)世間体に沿った解釈になるが。 只しかし(ココからは本作を語るに避けて通れない点にはなるのだが)・・・映画版においてのみ(舞台版とは異なり)明確にサリエリが精神病患者として、その手の病院に収容されているというオチに変更されているというのは、サリエリが他患者を前にして話す台詞=『凡庸なる者たちよ、汝らを許す(Mediocrities everywhere, I absolve you.)』~が舞台版にも違うシチュエーションで(観客に向かい)語られる形式となり、何を指して『凡庸なのか?』を曖昧にしているのに対し、(18世紀ウィーンでの史実を見せるという趣旨よりは)映画化に際し現代=今現在に通じる社会的な風刺性を強調して脚色している様に見えるのだ。 今や本作を未見の方も多いと思われ、これ以上の解説は本幹部分のネタバレになるので止めておきたいのだが、サリエリの狂気な独善的倫理観、過度な上昇&正義観念 etc etc ... を現代社会の病理とを象徴的に重ねると、本映画化の大きな価値が見えて来るかと。(「アマデウス」は2020年度《後期》 第13回・映画・アニメーション ウェブアワードのグランプリ作品です) |
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