千葉県眼科医会
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コンタクトレンズを使うときに
コンタクトレンズとは
 コンタクトレンズは眼鏡と同様、近視や遠視、乱視と言った屈折異常を矯正する医療用具です。
 コンタクトレンズが眼鏡と大きく異なる点は角膜(くろめ)の上にのせて屈折異常を矯正する点です。角膜に装着させて使用するのですから、目から離れたところにレンズが位置する眼鏡よりも矯正手段としてはずっと望ましいものです。反面、目に接触させた状態で使用するわけですから、レンズは常に清潔でなくてはならず、レンズを受け入れる目の方にも傷があったり炎症があった場合使用できません。
 コンタクトレンズ装着時、レンズは決して角膜にピッタリとくっついているのではありません。角膜とレンズの間には涙があり、コンタクトレンズは涙の上に浮かんだ状態で角膜の上にのっているのです。
 角膜は透明な組織で血管を持っていません。このため、角膜の細胞は大気中から必要な酸素を涙を介して取り入れています。
 コンタクトレンズを装用すると角膜は大気から遮断されるため、供給する酸素の量が制限されます。最終的に角膜に行きわたる酸素の量は、レンズの材質や装着の状態に大きく左右されます。

コンタクトレンズを作るときに行われる検査
 眼科専門医では次のような検査を実施し、コンタクトレンズを装用しても大丈夫か、どんなコンタクトレンズが適しているかを決めます。
 視力低下の原因が屈折異常によるものか、他の目の病気によるものかをまず調べます。
屈折度の検査 近視、遠視、乱視の程度を調べます。
乱視が強い場合には乱視付きソフトコンタクトレンズでないと視力が出ない場合があります。
角膜曲率半径検査 角膜の丸みの程度を検査し、どのようなレンズが合うかを調べます。
角膜に異常がないか、結膜に炎症がないかアレルギーがないかなど調べます。
涙の分泌量を調べます。涙のすくない人(ドライアイ)は、コンタトレンズが入りにくかったり、角膜を傷めることが多いのです。程度によっては眼鏡の方が望ましい場合があります。

コンタクトレンズの種類と利点・欠点
 コンタクトレンズは大きく分けて、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズに分けられます。ハードレンズにはレンズの材質が酸素を通さないタイプと通すタイプとがあります。最近では酸素を通さないタイプは角膜へのトラブルが大きいためだんだん使用されなくなっています。
 ハードレンズ、ソフトレンズともに朝入れたら寝る前までにははずさなければならないタイプ(終日装用タイプ)と1週間までの間なら寝るときも装用可能なタイプ(連続装用タイプ)とがあります。
 ハードコンタクトレンズは角膜より小さな直径8〜9mmのうすいレンズです。まばたきなどによって角膜の上を動きます。最近は材質そのものが酸素を通すタイプが主流となっています。酸素透過性が良いと言うことは汚れもつきやすいと言うことです。従来のハードよりもレンズの寿命は短くなります。
ハードレンズ
 ソフトレンズより視力矯正効果が良く取り扱いも楽ですが、ハードレンズは人によっては慣れるまでに時間がかかります。
 小さなゴミが入っただけでもゴロゴロと強い症状が出る点は欠点でもあり、考えようによっては初期の異常がすぐわかり、利点です。

ソフトコンタクトレンズ
 直径が13〜14mmの柔らかいレンズです。水を含んでいるので水を介し、酸素が角膜に供給されますが、蛋白質などの涙の成分やよごれがレンズにつきやすく、取り扱いが悪いとカビが繁殖したりもします。そのために毎日の洗浄と消毒が大切で、取り扱いが少し面倒です。角膜よりもレンズサイズが大きいため、ずれにくくスポーツをするときには便利です。レンズは柔らかで装用感は良いのですが、異常に気づいた時にはすでに障害がひどくなっていることがあります。

ディスポーザブルコンタクトレンズ
 ソフトタイプレンズのみが商品化されています。ソフトレンズは汚れがつきやすくそのために眼球にトラブルを生じやすいため、常に新しくきれいなレンズを使用しようと、その欠点を補うために開発されたレンズです。
1日毎の使い捨てタイプ 毎日新しいものに取り替えられるため、常にきれいなレンズが入れられ、衛生的です。しかし、費用が高くつく点が欠点です。
2週間消毒をしつつ使用し、その後捨てるタイプ 比較的経済的なレンズであり、比較的きれいなレンズが常に使用できます。レンズの消毒は従来より簡便になってますが、毎日必要ですから少し取り扱いは面倒です。
1週間連続装用し、その後捨ててしまうタイプ 1週間入れた後、レンズは捨ててしまいます。消毒の必要なく取り扱いは楽です。1週間、レンズは夜寝ているときにも装用しているために、夜間緊急に起こされるような職業の人には便利です。
しかし、涙の分泌が少ない就寝時にもコンタクトレンズを入れているわけですから角膜への酸素の供給が不十分になることがあります。角膜潰瘍などの発生の危険性が少し高いようです。またアレルギーのある人はレンズが汚れやすくレンズの寿命が短くなることもあります。

安心してコンタクトレンズと長くつきあうために

 コンタクトレンズは視力矯正用具としては非常に便利なものです。眼鏡よりも質の良い視力を得ることが出来ます。しかし、コンタクトレンズは目の繊細な組織である角膜にのせて使用するものであるために、一歩使用法を間違えると大事な角膜に取り返しのつかない障害(角膜炎、角膜潰瘍、角膜混濁、角膜への血管進入など)を残してしまうこともあります。

コンタクトレンズの脱着のときには手を良く洗い清潔な手で取り扱い、洗浄・消毒をきちっと行い、装用時間や使用期間を守りましょう。
目の充血や異物感、痛み、まぶしさ、レンズがずれやすい、かゆみなど異常を感じたら、コンタクトレンズの装用を止めて眼科医を受診しましょう。
コンタクトレンズ矯正をしている人にも自分にあった眼鏡を一つ持つことをお勧めします。目に異常を感じたらコンタクトレンズをはずして眼鏡にすることが必要です。地震などの災害の際にはコンタクトレンズを装用できない事態も生じます。

最後に、コンタクトレンズを作るときには眼科医で検査を受けてから作成し、その後の定期検査を守り、異常を感じたら早めに診察を受けることがとにかく大事です。

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