ホルモンのバランスがくずれると、全身の健康に影響が出ます。月経不順、無月経などが続くようでしたら、早めに婦人科を受診して、相談してみましょう。

l        無排卵性(月経)
 排卵をともなわない月経をいいます。初経期は、卵巣機能が未熟なため、無排卵性月経であることが多いものです。
無排卵性月経は、基礎体温に高温期がなく、低温期だけ続くのが特徴です。

基礎体温表・例

ストレスやダイエットなどの影響で、視床下部が乱れ、排卵に必要なだけの黄体形成ホルモンを分泌させることができないため無排卵性月経になってしまいます。
もっともメジャーな治療方法は排卵誘発剤をもちいるものです。いろいろな種類がありますがなかでもクロミフェンという薬がよく使われています。

l        子宮筋腫
 子宮にできる良性の腫瘍で、コブのようなもの。30代以降の女性に多い病気です。できる部分によって、3つに分類されます。
 子宮の筋層の外側にできるものを「漿膜(しょうまく)下筋腫」といい、これは大きくなっても、あまり症状があらわれません。子宮の筋層の中で大きくなるものを「筋層内筋腫」といい、経血が増えたり、月経痛が強くなることがあります。そして、子宮の内側にできるものを「粘膜下筋腫」といいます。この場合は、小さな筋腫でも、過多月経や過長月経になることがあります。
なぜできるのか、はっきりした理由はわかっていません。
治療法は経過を見守る場合と、薬物療法、手術療法があります。

l        子宮内膜症
 子宮内膜は、卵巣からのホルモンのはたらきで増殖し、妊娠しないとはがれて血液とともに腟から排出されます。これが月経です。
 このように子宮内膜は本来、子宮の内側にしか存在しない組織ですが、何らかの原因で別の場所に迷い込み、その場でホルモンのはたらきに反応して、増殖や出血を繰り返してしまうことがあります。これを子宮内膜症といい、近年増加している病気です。
 子宮内膜症ができやすい場所は、卵巣や子宮の筋層、腹膜などです。とても強く、長い月経痛をともないますので、月経痛が月ごとにだんだん強くなるような場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
 また、まれに外陰部や手術の傷跡、肺、へそ、鼻の中にできることもあります。

治療法は薬物によるものと手術によるものの、大きく2つにわかれます。